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本編・取り違えと運命の人
062 本当の私を誰も知らない ③
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「え! ほんと! ビアンカさん、オッケーしてくれたんだ!」
「うん。なんか、素の私でどれくらい勝負できるのか試せるいいチャンスとか言ってた」
「素?」
「素」
リカルドは少し心配そうな表情を浮かべて続けた。
「……今までうまくいかなかった原因とか、聞いてる?」
「ううん。考えてみたら、ビアンカ、彼氏とラブラブな話はしてくれるんだけど、突然『やっぱうまくいかなくて別れちゃったー』みたいに報告したら、それ以上はなにも話さないし、またすぐ次の彼氏できるしで、全然聞いたことないかも」
「とりあえず、デートしてもらおうか。うまくいったら万々歳だし、うまくいかなくても仕方ないし」
「そうね」
そして、ある月曜の夕飯のこと。リカルドが私に訊ねてきた。
「ジュリエッタ。今度、マッテオ、家に連れてきていい?」
「? いいけど? なにかあった?」
「マッテオ、ジュリエッタに聞きたいことがあるんだって」
「じゃあ、都合のいい日の夜にでも来ていただいたら? 夕飯三人分用意しておくから」
「助かる! ありがとう」
翌日リカルドが予定を訊ねたところ、すぐにでも! ということだったので、水曜の夕飯にマッテオさんをお招きすることになった。
「おじゃまします。これ、おみやげです」
マッテオさんが礼儀正しく家に入ってくる。
「いらっしゃいませ! わざわざ気をつかっていただいて……」
リカルドの誕生祝いに買ったケーキ屋さんのケーキだ! やった!
「ありがとうございます! ここのケーキ、すごくおいしくて、二人とも大好きなんです!」
「前、リカルドさんが、そんな話してたなあって、思い出して」
リカルドは中身小学生って言うけど、結構気づかいしてくれる人じゃない? マッテオさん。
「遠慮しないで、たくさん食べてくださいね」
「わあ、おいしそうですね!」
「でしょー? ジュリエッタの料理、すごくおいしいんだ!」
ひとしきり無言で食べる三人。ごめんなさい、私、割と、無心で食べ続ける方です。接待する側としてだめかしら。
ある程度食べた頃、マッテオさんが話を切り出してきた。
「今日、ご相談に来たのは、俺、振られたのかまだ追っかけていいのか、よくわからないからなんです」
「え、振られ……」
「とりあえずジュリエッタに状況話してみてよ。俺もよくわからないんだ」
「うん。なんか、素の私でどれくらい勝負できるのか試せるいいチャンスとか言ってた」
「素?」
「素」
リカルドは少し心配そうな表情を浮かべて続けた。
「……今までうまくいかなかった原因とか、聞いてる?」
「ううん。考えてみたら、ビアンカ、彼氏とラブラブな話はしてくれるんだけど、突然『やっぱうまくいかなくて別れちゃったー』みたいに報告したら、それ以上はなにも話さないし、またすぐ次の彼氏できるしで、全然聞いたことないかも」
「とりあえず、デートしてもらおうか。うまくいったら万々歳だし、うまくいかなくても仕方ないし」
「そうね」
そして、ある月曜の夕飯のこと。リカルドが私に訊ねてきた。
「ジュリエッタ。今度、マッテオ、家に連れてきていい?」
「? いいけど? なにかあった?」
「マッテオ、ジュリエッタに聞きたいことがあるんだって」
「じゃあ、都合のいい日の夜にでも来ていただいたら? 夕飯三人分用意しておくから」
「助かる! ありがとう」
翌日リカルドが予定を訊ねたところ、すぐにでも! ということだったので、水曜の夕飯にマッテオさんをお招きすることになった。
「おじゃまします。これ、おみやげです」
マッテオさんが礼儀正しく家に入ってくる。
「いらっしゃいませ! わざわざ気をつかっていただいて……」
リカルドの誕生祝いに買ったケーキ屋さんのケーキだ! やった!
「ありがとうございます! ここのケーキ、すごくおいしくて、二人とも大好きなんです!」
「前、リカルドさんが、そんな話してたなあって、思い出して」
リカルドは中身小学生って言うけど、結構気づかいしてくれる人じゃない? マッテオさん。
「遠慮しないで、たくさん食べてくださいね」
「わあ、おいしそうですね!」
「でしょー? ジュリエッタの料理、すごくおいしいんだ!」
ひとしきり無言で食べる三人。ごめんなさい、私、割と、無心で食べ続ける方です。接待する側としてだめかしら。
ある程度食べた頃、マッテオさんが話を切り出してきた。
「今日、ご相談に来たのは、俺、振られたのかまだ追っかけていいのか、よくわからないからなんです」
「え、振られ……」
「とりあえずジュリエッタに状況話してみてよ。俺もよくわからないんだ」
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