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本編・取り違えと運命の人
070 来る年 ③
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私は皿洗いと片づけをさくさく終わらせて、お風呂に入った。その間にリカルドが眠っちゃってもいいやと思って長めに。寝室に行くと、案の定、リカルドは静かに寝息を立てていた。やっぱり。私ももう寝よ、とそっとリカルドの隣に入ると、がさっと物音がした。
「……ジュリエッタ?」
「あ、ごめん、起こしちゃった?」
「いい匂いしたから、目が覚めた」
そう言うと、リカルドは私の居場所を探るように手を動かし、抱きしめてきた。
「ちょっと寝たら、頭スッキリしたけど……」
「やっぱり、仕納めたいの?」
「し、仕納め……って、言ったの俺か。ジュリエッタの言う通り、やっぱり酔ってたかも」
「なんだか直截的だし、きっと疲れて、お酒回ってるんだろうなあと思ったの」
「うーん、否定できない、けど」
リカルドは私を抱きしめる腕に力を込め、耳元でささやく。
「どっちかっていうと、酔って本音が出たんだと思う」
リカルドの指が私の夜着のボタンを探し始めたので、思わず顔を見る。
「あ……。さっき了承の返事もらったと思ってるんだけど、有効?」
「……うん、有効」
「よかった」
ほっとしたのか、リカルドはいつもの笑顔になった。
「こっちこそ、よかった」
「……なにが?」
「いつもの笑顔が戻って。心配だったの。疲れてるみたいだったから」
「ちょっと寝不足だったみたいで」
「ほんと、無理しないで」
「大丈夫」
夜着のボタンを外し終わって、下着も取り去って、リカルドが私の肌にふれる。表情が、私をとても愛おしんでいるように見えて、どきどきする。
「だって……無理させて、リカルドを失いたくないんだもの」
リカルドは一瞬息を止め、でも、そのまま私の中に入ってきた。
もう濡れているから入るけど……。なにをそんなに焦っているの? というのが、どうしても気になってしまう。
「ジュリエッタに会う前もさ」
そのままじっとしていたリカルドが、不意に話し始める。
「別に、特に不満があった訳じゃなくて。仕事も、充実してたし、友達と遊んだり飲みに行ったり、楽しんでた」
私をきゅっと抱きしめ、リカルドが続ける。
「けど、ふとした時に、なにかが足りないって思いに、打ちのめされた」
びっくりした。いつも笑顔のリカルドに不似合いな感情。
「それ、私も思ってた」
そして、偶然の一致に。
「……気が合うね」
しばらく私を抱きしめたまま、リカルドはじっとしていた。
「……ジュリエッタ?」
「あ、ごめん、起こしちゃった?」
「いい匂いしたから、目が覚めた」
そう言うと、リカルドは私の居場所を探るように手を動かし、抱きしめてきた。
「ちょっと寝たら、頭スッキリしたけど……」
「やっぱり、仕納めたいの?」
「し、仕納め……って、言ったの俺か。ジュリエッタの言う通り、やっぱり酔ってたかも」
「なんだか直截的だし、きっと疲れて、お酒回ってるんだろうなあと思ったの」
「うーん、否定できない、けど」
リカルドは私を抱きしめる腕に力を込め、耳元でささやく。
「どっちかっていうと、酔って本音が出たんだと思う」
リカルドの指が私の夜着のボタンを探し始めたので、思わず顔を見る。
「あ……。さっき了承の返事もらったと思ってるんだけど、有効?」
「……うん、有効」
「よかった」
ほっとしたのか、リカルドはいつもの笑顔になった。
「こっちこそ、よかった」
「……なにが?」
「いつもの笑顔が戻って。心配だったの。疲れてるみたいだったから」
「ちょっと寝不足だったみたいで」
「ほんと、無理しないで」
「大丈夫」
夜着のボタンを外し終わって、下着も取り去って、リカルドが私の肌にふれる。表情が、私をとても愛おしんでいるように見えて、どきどきする。
「だって……無理させて、リカルドを失いたくないんだもの」
リカルドは一瞬息を止め、でも、そのまま私の中に入ってきた。
もう濡れているから入るけど……。なにをそんなに焦っているの? というのが、どうしても気になってしまう。
「ジュリエッタに会う前もさ」
そのままじっとしていたリカルドが、不意に話し始める。
「別に、特に不満があった訳じゃなくて。仕事も、充実してたし、友達と遊んだり飲みに行ったり、楽しんでた」
私をきゅっと抱きしめ、リカルドが続ける。
「けど、ふとした時に、なにかが足りないって思いに、打ちのめされた」
びっくりした。いつも笑顔のリカルドに不似合いな感情。
「それ、私も思ってた」
そして、偶然の一致に。
「……気が合うね」
しばらく私を抱きしめたまま、リカルドはじっとしていた。
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