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番外!!
090 広瀬遥の恋愛事情(神様はいつもきまぐれ) ①
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私が駅に向かっていると、祥から電話がかかってきた。
「今日、お友達と会うんだよね?」
「うん。もうすぐ駅に着くところ」
「帰る時、連絡して」
「大丈夫だよー。そんなに遅くならないと思うし、電車もバスもあるし、最悪タクシー使えば……」
「迎えに行くから」
静かに、でもきっぱりとした口調で、そう言われる。
祥は私一人で夜道を歩かせたがらない。メールやSNSだったら、大丈夫だからいいよーですませることがバレている。だから電話なのだ。
「ありがとう。じゃあお願いする。お店出る前に連絡するね」
祥は普段私の意思を尊重してくれる。でも安全に関しては絶対譲らない。大切にされているんだなと実感する。
「遥ー!」
「ひさしぶりー!」
「おめでとう!!」
「わあ! みんなありがとう!!」
店に入ると、一斉に声をかけられた。見ると、私以外の全員が揃っている。
祥の友達が少ないので、私達は結婚式の二次会を行わないことにした。でも、私の大学時代の友達はみんな優しくて、今日前祝いをしてくれることになったのだ。
「望に続いて遥も結婚かあ。私もあやかりたいー!」
「私は仕事に生きる!」
「望、仕事と家庭、両立大変じゃない?」
「確かに大変なこともあるけど。疲れた時は財力にまかせて楽してる!」
しばらく近況報告めいた話になる。大学の頃はいつも一緒に過ごしていた。でも今はもう、その四年をはるかに超えた時間が過ぎてしまっている。今日本当は来たいけどどうしても都合がつかないという子も何人かいた。
会って話せばブランクなんて感じない。けれど、時折交差することはあっても、私達はもう、それぞれ違う道を歩み始めているのだ。
「遥、今日のワンピース、すごく似合ってるね!」
「あ、これ? 私、どうしても服選び下手だから、一緒に見てもらったんだ!」
「好みで似合う可愛いもの選んでくれるの、いいなあー!」
「えへへ! いいでしょ!」
「なんかさあ、遥」
ここで望が言葉を止めるので、どきっとする。な、なんだろう?
「すごく綺麗になったし、とっても幸せそう」
「私もそう思った!」
「だよね! 私も!」
みんなが口を揃えてそう言ってくれて、なんだか照れる。
「ほんと、よかったよう……」
そう言って望が泣き出してしまうので、びっくりする。
「え、え、ちょっと、どうしたの」
「だって、遥には、ずっと幸せになってほしくて……」
「私はいつでも楽しく生きてるよ!」
「そうだけど……。でも、嬉しいんだよ……」
そう言ってくれる望に、他の友達も同意してくれる。
「その気持ちは私もわかる!」
「今回の相手は合ってるんだね!」
今回の相手は、合ってる。やっぱりみんなから見ても、今までの彼氏は合ってなかったのか、と思わず苦笑する。
「今日、お友達と会うんだよね?」
「うん。もうすぐ駅に着くところ」
「帰る時、連絡して」
「大丈夫だよー。そんなに遅くならないと思うし、電車もバスもあるし、最悪タクシー使えば……」
「迎えに行くから」
静かに、でもきっぱりとした口調で、そう言われる。
祥は私一人で夜道を歩かせたがらない。メールやSNSだったら、大丈夫だからいいよーですませることがバレている。だから電話なのだ。
「ありがとう。じゃあお願いする。お店出る前に連絡するね」
祥は普段私の意思を尊重してくれる。でも安全に関しては絶対譲らない。大切にされているんだなと実感する。
「遥ー!」
「ひさしぶりー!」
「おめでとう!!」
「わあ! みんなありがとう!!」
店に入ると、一斉に声をかけられた。見ると、私以外の全員が揃っている。
祥の友達が少ないので、私達は結婚式の二次会を行わないことにした。でも、私の大学時代の友達はみんな優しくて、今日前祝いをしてくれることになったのだ。
「望に続いて遥も結婚かあ。私もあやかりたいー!」
「私は仕事に生きる!」
「望、仕事と家庭、両立大変じゃない?」
「確かに大変なこともあるけど。疲れた時は財力にまかせて楽してる!」
しばらく近況報告めいた話になる。大学の頃はいつも一緒に過ごしていた。でも今はもう、その四年をはるかに超えた時間が過ぎてしまっている。今日本当は来たいけどどうしても都合がつかないという子も何人かいた。
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「遥、今日のワンピース、すごく似合ってるね!」
「あ、これ? 私、どうしても服選び下手だから、一緒に見てもらったんだ!」
「好みで似合う可愛いもの選んでくれるの、いいなあー!」
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「なんかさあ、遥」
ここで望が言葉を止めるので、どきっとする。な、なんだろう?
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「だって、遥には、ずっと幸せになってほしくて……」
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「そうだけど……。でも、嬉しいんだよ……」
そう言ってくれる望に、他の友達も同意してくれる。
「その気持ちは私もわかる!」
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