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本編
第一日
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「コンスタンツェ殿下、ようこそ我が国へおいでくださいました。アレクサンドル陛下に代わり、家令の私がご説明いたしますご無礼をお許しください」
ああ、またお会いすることができなかった、とコンスタンツェは少し気を落とした。故国と簡単に行き来できる距離ではないため、コンスタンツェはこれまで結婚相手のアレクサンドルのことを絵姿でしか見たことがない。軍神の二つ名を持つ、金の髪に翠の瞳の若き皇帝。
言葉が違うため、コンスタンツェはアレクサンドルとの結婚が決まってから必死に勉強した。日常会話は全く問題ないと教師に褒められたが、特殊な言葉の解釈には、まだ自信がない。
「婚儀の七日前においでいただいたのは、準備をしていただくためです」
「婚礼についてほとんどお任せしてしまい、大変申し訳なく思っております。今から全力で準備にあたりますので」
「婚礼の準備は既に整っております。コンスタンツェ殿下のお手を煩わせるようなことはございません」
「それでは何を、準備すればよろしいのでしょう」
コンスタンツェが問うと、家令のモノクルがきらりと光った。
「不躾ですが、閨事についての教えはお受けになりましたか?」
「……はい。結局は、アレクサンドル陛下にお任せするように、ということでしたが」
「この国の皇后になる方には、婚礼までに実地で閨教育をお受けいただくことになっております」
「実地で、ですか?」
「はい。初夜が滞りなく迎えられるよう、専門の奴隷にコンスタンツェ殿下の身体を委ねていただくのです」
「えっ……!」
コンスタンツェは思わず驚きの声を上げてしまい、あわてて口をつぐんだ。どんな時も冷静に振る舞わなければならない。王女としても、淑女としても。コンスタンツェはそう育てられてきた。
慣れていない言葉だから聞き間違えたかもしれない、そう考えて彼女は家令に聞き返した。
「奴隷に私の身体をさわらせる、ということですか?」
「その通りです。コンスタンツェ殿下が驚かれるのも無理はございませんが、この国の皇后となる方は誰もが通る道でございます。契りを結ぶのはあくまでもアレクサンドル陛下ですから、ご安心ください」
「……かしこまりました」
「殿下のお部屋の扉を三回叩くのが、合図でございます」
ああ、またお会いすることができなかった、とコンスタンツェは少し気を落とした。故国と簡単に行き来できる距離ではないため、コンスタンツェはこれまで結婚相手のアレクサンドルのことを絵姿でしか見たことがない。軍神の二つ名を持つ、金の髪に翠の瞳の若き皇帝。
言葉が違うため、コンスタンツェはアレクサンドルとの結婚が決まってから必死に勉強した。日常会話は全く問題ないと教師に褒められたが、特殊な言葉の解釈には、まだ自信がない。
「婚儀の七日前においでいただいたのは、準備をしていただくためです」
「婚礼についてほとんどお任せしてしまい、大変申し訳なく思っております。今から全力で準備にあたりますので」
「婚礼の準備は既に整っております。コンスタンツェ殿下のお手を煩わせるようなことはございません」
「それでは何を、準備すればよろしいのでしょう」
コンスタンツェが問うと、家令のモノクルがきらりと光った。
「不躾ですが、閨事についての教えはお受けになりましたか?」
「……はい。結局は、アレクサンドル陛下にお任せするように、ということでしたが」
「この国の皇后になる方には、婚礼までに実地で閨教育をお受けいただくことになっております」
「実地で、ですか?」
「はい。初夜が滞りなく迎えられるよう、専門の奴隷にコンスタンツェ殿下の身体を委ねていただくのです」
「えっ……!」
コンスタンツェは思わず驚きの声を上げてしまい、あわてて口をつぐんだ。どんな時も冷静に振る舞わなければならない。王女としても、淑女としても。コンスタンツェはそう育てられてきた。
慣れていない言葉だから聞き間違えたかもしれない、そう考えて彼女は家令に聞き返した。
「奴隷に私の身体をさわらせる、ということですか?」
「その通りです。コンスタンツェ殿下が驚かれるのも無理はございませんが、この国の皇后となる方は誰もが通る道でございます。契りを結ぶのはあくまでもアレクサンドル陛下ですから、ご安心ください」
「……かしこまりました」
「殿下のお部屋の扉を三回叩くのが、合図でございます」
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