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本編
04 春の酔い ④
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時任のセックスが変わった気がする。愛撫が丁寧になり、奉仕的な動作が増えた。クンニとか。体位も女子が好きそうなのが増えた。対面座位とか。
決定的な快感はないけど、確かに身体は時任に慣れてきている。
時任の存在そのものも。部屋にいるのがあたりまえになってきた。
私達が社会人だったら、きっとこうはなっていない。
大学生だから、春休みだから、一か月半程度でも一緒に過ごすことが異常に多くて、なんだか妙になじんでしまった。
ワンルームの同じ空間で、私達は自由に過ごしている。以前付き合った二人とはそこらへんが上手くいかず、常に私が相手に合わせていて、正直ストレスだった。
ベッドで眠る時任をよそに、電気を消し、ヘッドホンをつけ、私は映画を見た。
今日の映画は大当たりだ。時任に声を掛けて、もう一度見るのもいいかもしれない。この感動を分かち合いたい。時任から誘いを断られたことないし。でも、とりあえず、もう夜明けだし、眠ろう。
そう思った時、眠っているはずの時任が声を上げた。
「美羽……!」
びっくりしてベッドの時任を覗き込み、声を掛ける。
「何? どうしたん?」
「あ……」
時任がほっとした表情を浮かべる。
「よかった……いた……」
夜明けに涙を流す男を見た、これが二度目だ。
半ば寝ぼけているし、時任がなぜ涙を流したのか、わからない。でも、時任が涙を流す時、一人だったら嫌だな。なんとなく、そう思った。
「は? 豚の角煮……?」
「そう! せっかく手間をかけて作ったのに、さあ食べようって時に、美羽がいなくなっててさあ!」
時任の夢の話だ。そんなくだらない理由で泣くな。
「別に、食べればいいじゃん」
「……一人じゃやだろ」
私なら、一人で食べるけど。そう考えたのがバレたのか、むっとした表情を浮かべられた。
「すっげえ食いたくなったから、今日、豚の角煮作る!」
「はいはい」
「時間かかるから晩飯な!」
「はいはい」
「でも、その前に」
求められたので、セックスに応じた。
今日の時任はやたらキスをしてくる。軽くふれるだけの可愛いものや、舌で蹂躙するような濃厚なもの。唇だけではなく、額に、頬に、首筋に、胸元に。
「どうしたの……?」
「確認したい。ちゃんと美羽がいるって」
「いるじゃん、ちゃんと」
ぎゅっと抱きしめられ、ゆっくり背中をなでられる。
「うん。いるな」
時任が今まで見たことのない優しい表情をしていて、どきどきした。
目が合うと、息が止まりそうになる。おかしい。
「美羽」
時任の声が、なんだかひどく甘く響く。
もう一度くちづけられ、そっと舌を差し挟まれた。お互いをゆっくり味わう。
時任の指が、私の秘所をそっと探る。ぐちゅりという音とともにすんなり入った。
「ねえ、時任……」
「ん……」
「指じゃ、足りない」
「うん。俺も」
時任はゴムを着けるとすぐ、私の中に入ってきた。
「あっ……」
思わず声が出た。
「美羽、今日、すごい……」
時任のつぶやきに、思わず顔をそむけた。自分でもわかる。中が蠢いている。こんな風になったことはない。どうしたんだろう。
「美羽」
両手で顔を戻される。時任がとても嬉しそうな顔をしていて、すごく恥ずかしくて、顔に血がのぼるのがわかる。時任は軽いキスを落とすと、ゆっくり動き始めた。
「んっ……んっ……」
時任の動きに合わせて、思わず声が出る。今までこんなことはなかった。
「美羽、気持ちいい?」
「んっ……わかんな……い……」
「俺は気持ちいいよ、すごく」
秘所がとんでもなく濡れていて、時任の動きがやけにスムーズに感じる。ぐちょぐちょと卑猥な音が響く。膣が勝手に収縮し、時任のものはいつもより大きくて、身体が開いてるのか閉じているのか感覚が不思議で、混乱する。
ぽたりと雫が落ちてきた。まさかまた泣いて……? 一瞬心配になるけど、汗だ。
激しい動きじゃないのに。汗をかいている時任を初めて見る。顔が紅潮していて、興奮が伝わってくる。
時任は一旦動きを止め、そっとクリトリスを擦る。中に時任を受け入れた状態で擦られたことがなかったので、刺激が大きい。電気が走るような感覚を抱く。
「あ……だめ……時任、だめ……」
「時任じゃなくて、翼って呼んでみ。ほら」
「つ、つば……さ……」
「そう。もっかい呼んで」
「翼……」
もう一度名前を呼ぶと、時任はくすぐったそうに笑む。
「うん」
時任は身体の角度を変え、私にのしかかるような態勢になる。再度動き始めると、さっき指で擦られたのと同じようにクリトリスが刺激された。
「あっ……あっ……」
「美羽もいいんだ」
耳をぺろりと舐められ、思わずびくりと身体が震えた。時任はそのまま私の耳を舐め続ける。耳元でぴちゃぴちゃという水音が響き、つながっている下半身がピクピク蠕動して、なんだか怖くて、思わず身をよじってしまう。
「行かないで」
懇願するような声。時任の腰の動きが速くなって、身体の奥がどうしようもなく熱くなり、うねって、私は我慢できなくなった。
「ああっ……!」
弾けるような初めての快感。しばらくお互い荒い息を吐き続けていた。
「美羽、可愛い」
愛おしむような声。優しいキスと抱擁。幸せな気持ちに満たされて、私は意識を手放した。
決定的な快感はないけど、確かに身体は時任に慣れてきている。
時任の存在そのものも。部屋にいるのがあたりまえになってきた。
私達が社会人だったら、きっとこうはなっていない。
大学生だから、春休みだから、一か月半程度でも一緒に過ごすことが異常に多くて、なんだか妙になじんでしまった。
ワンルームの同じ空間で、私達は自由に過ごしている。以前付き合った二人とはそこらへんが上手くいかず、常に私が相手に合わせていて、正直ストレスだった。
ベッドで眠る時任をよそに、電気を消し、ヘッドホンをつけ、私は映画を見た。
今日の映画は大当たりだ。時任に声を掛けて、もう一度見るのもいいかもしれない。この感動を分かち合いたい。時任から誘いを断られたことないし。でも、とりあえず、もう夜明けだし、眠ろう。
そう思った時、眠っているはずの時任が声を上げた。
「美羽……!」
びっくりしてベッドの時任を覗き込み、声を掛ける。
「何? どうしたん?」
「あ……」
時任がほっとした表情を浮かべる。
「よかった……いた……」
夜明けに涙を流す男を見た、これが二度目だ。
半ば寝ぼけているし、時任がなぜ涙を流したのか、わからない。でも、時任が涙を流す時、一人だったら嫌だな。なんとなく、そう思った。
「は? 豚の角煮……?」
「そう! せっかく手間をかけて作ったのに、さあ食べようって時に、美羽がいなくなっててさあ!」
時任の夢の話だ。そんなくだらない理由で泣くな。
「別に、食べればいいじゃん」
「……一人じゃやだろ」
私なら、一人で食べるけど。そう考えたのがバレたのか、むっとした表情を浮かべられた。
「すっげえ食いたくなったから、今日、豚の角煮作る!」
「はいはい」
「時間かかるから晩飯な!」
「はいはい」
「でも、その前に」
求められたので、セックスに応じた。
今日の時任はやたらキスをしてくる。軽くふれるだけの可愛いものや、舌で蹂躙するような濃厚なもの。唇だけではなく、額に、頬に、首筋に、胸元に。
「どうしたの……?」
「確認したい。ちゃんと美羽がいるって」
「いるじゃん、ちゃんと」
ぎゅっと抱きしめられ、ゆっくり背中をなでられる。
「うん。いるな」
時任が今まで見たことのない優しい表情をしていて、どきどきした。
目が合うと、息が止まりそうになる。おかしい。
「美羽」
時任の声が、なんだかひどく甘く響く。
もう一度くちづけられ、そっと舌を差し挟まれた。お互いをゆっくり味わう。
時任の指が、私の秘所をそっと探る。ぐちゅりという音とともにすんなり入った。
「ねえ、時任……」
「ん……」
「指じゃ、足りない」
「うん。俺も」
時任はゴムを着けるとすぐ、私の中に入ってきた。
「あっ……」
思わず声が出た。
「美羽、今日、すごい……」
時任のつぶやきに、思わず顔をそむけた。自分でもわかる。中が蠢いている。こんな風になったことはない。どうしたんだろう。
「美羽」
両手で顔を戻される。時任がとても嬉しそうな顔をしていて、すごく恥ずかしくて、顔に血がのぼるのがわかる。時任は軽いキスを落とすと、ゆっくり動き始めた。
「んっ……んっ……」
時任の動きに合わせて、思わず声が出る。今までこんなことはなかった。
「美羽、気持ちいい?」
「んっ……わかんな……い……」
「俺は気持ちいいよ、すごく」
秘所がとんでもなく濡れていて、時任の動きがやけにスムーズに感じる。ぐちょぐちょと卑猥な音が響く。膣が勝手に収縮し、時任のものはいつもより大きくて、身体が開いてるのか閉じているのか感覚が不思議で、混乱する。
ぽたりと雫が落ちてきた。まさかまた泣いて……? 一瞬心配になるけど、汗だ。
激しい動きじゃないのに。汗をかいている時任を初めて見る。顔が紅潮していて、興奮が伝わってくる。
時任は一旦動きを止め、そっとクリトリスを擦る。中に時任を受け入れた状態で擦られたことがなかったので、刺激が大きい。電気が走るような感覚を抱く。
「あ……だめ……時任、だめ……」
「時任じゃなくて、翼って呼んでみ。ほら」
「つ、つば……さ……」
「そう。もっかい呼んで」
「翼……」
もう一度名前を呼ぶと、時任はくすぐったそうに笑む。
「うん」
時任は身体の角度を変え、私にのしかかるような態勢になる。再度動き始めると、さっき指で擦られたのと同じようにクリトリスが刺激された。
「あっ……あっ……」
「美羽もいいんだ」
耳をぺろりと舐められ、思わずびくりと身体が震えた。時任はそのまま私の耳を舐め続ける。耳元でぴちゃぴちゃという水音が響き、つながっている下半身がピクピク蠕動して、なんだか怖くて、思わず身をよじってしまう。
「行かないで」
懇願するような声。時任の腰の動きが速くなって、身体の奥がどうしようもなく熱くなり、うねって、私は我慢できなくなった。
「ああっ……!」
弾けるような初めての快感。しばらくお互い荒い息を吐き続けていた。
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