神様につかれまして

ニコ

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少女の日常

何様?俺様!土地神様

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「亀の池で花見がしたいから力を貸してくれ、と。」



神束の土地神「火斑カムラ

神束の地を守り続ける土地神。
火斑に認められることが領主の証となる。


風になびく真っ赤な髪は燃え盛る炎のよう。
切れ長の金の瞳の端には小さな泣きぼくろが2つ。
他人に厳しく高圧的な物言いで、領主としてまだまだ未熟な陽凪を絶対に認めないと宣言している。



「大体見る花がないだろ」

「そ、それを火斑に何とかしてもらおうかと……」

「呆れたな、そんなことに俺様が力を使うと思ったか。人の子が出来もしないことを約束するな」



火斑の言う事は正しい。
人間の私に出来ることは何も無いのだから。
游泉に謝って、桜が咲くのを大人しく待つしかないのだ。
だが、間違っていないだけの言葉を、火斑は言い放った。


「ま、神である俺様にかかれば造作ない事だが、亀は亀らしく首を長くしていればいいん「………泉だよ」

「あ?」

「游泉だよ!彼女の名前は亀じゃない。次そう呼んだら許さないから」


張り手の一つもしてやりたいのを抑え、私は火斑の部屋を出た。
火斑はこの地で一番古くて一番偉い神様。
彼の中ではみんなちっぽけで覚える価値もないと、そういうのだろう。
でも、私の中ではみんな家族のような存在で大切な存在だ。
いくらか神だろうが、傷つけるものは許さない。




「………チッ、あのバカ」



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