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2.居てもいい場所
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「君のことはエヴと呼ぶことにするよ」
ケリーは笑って、よしよしと犬か猫でも撫でるように、僕の頭を撫でた。
「エヴァレットと連呼すると、舌を噛みそうだしね」
僕はこくりと頷くだけだ。
誰かが僕の名前を呼ぶ日が来るなんて。
いや、誰かに名を呼ばれて目を向けられることがこんなに嬉しいなんて、ケリーに会うまで知らなかった。
「さて、エヴに覚えてもらわなきゃいけないことは山盛りある。まずはこれ全部読みこなしてもらおうか」
表革が擦り切れ、だいぶくたびれて端がすっかり丸くなった古い書物がいくつも、僕の目の前に積み上げられた。
「ケリー、これは?」
ケリーの顔を見上げると、彼女はチッチッと舌を鳴らして指を振る。
「わたしのことは師匠と呼ぶこと。君は当分見習いで、一人前になるまではわたしが君を指導する立場になるんだ。きちんとけじめをつけないとな」
「では、師匠。これは?」
姿勢を正した僕の“師匠”という呼びかけに、ケリーは相好を崩した。
「いいね、いちど師匠って呼ばれてみたかったんだ」
楽しそうに笑って僕の頭をくしゃくしゃと掻き混ぜると、ケリーは視線を書物に戻す。少し懐かしむように表革を指でなぞり、ぱたりと開く。
中の頁には、細く几帳面な文字がびっしりと綴られていた。
「これは、昔、わたしがお師さんについていた頃に作った書き付けだよ。
わたしも仕事があるし、君にずっと張り付きっぱなしで、全部を手取り足取り一から十までというわけにもいかないんだ。しばらく、これを元に学んでくれないかな。時間のあるときはなるべくわたしも見るようにはするけどね」
僕は書物に目を落とし、文字をなぞるようにじっと見つめる。それじゃ、これはケリーの手書きということなんだろう。
無意識なのかなんなのか、ケリーの片手は僕の頭に乗せられたまま、時折ぽんぽんと軽く叩くように、撫でるように動かされる。
こうして誰かに触れられるのは心地いいなと、僕はわずかに目を伏せる。
「わかりました。なんとかやってみます」
ケリーは少しほっとしたように微笑んだ。
「あとは、こっちだ」
ケリーが背中に寄り掛るようにして、急に手を伸ばした。長衣から覗く首や腕は細いのに、背中に押し付けられた身体が驚くほど柔らかく感じてぎょっとしてしまう。
「これは薬草の図録だ。主だった薬草の細密画と特徴、それから効能も書いてあるんだよ。こいつの中身も頭に叩き込まなきゃならない」
「あ、はい……」
慌てて頷く僕に、ケリーはくすりと笑う。
「と、まあ、これだけ見ても学ばなきゃならないことはたくさんだ。だから、勉強を始めるのは早いに越したことはないと皆が言う。
だが、君は文字も計算も既にできるから、基本のところは問題ないだろう。あとは……もともとの頭の出来と頑張り次第だけど、話している限りでは、君の頭は悪くないはずだと、わたしは考えている」
笑いながら僕の首を抱いたケリーが、また頭をぐりぐりと掻き混ぜた。
「つまり、あとは君の頑張りだけが問題ってことだよ、少年」
「僕の……」
くすくす笑うケリーに頭をわやくちゃにされながら、僕は呟いた。
なら、頑張れば、本当にここにずっといてもいいということなのか。
僕は、期待してもいいんだろうか。
おずおずと見上げる僕に笑い返して、ケリーはまたぽんぽんと頭を叩く。
「頑張りなさい。君が早く一人前になれるよう、わたしも一緒に頑張るから」
「……はい、師匠」
僕は、ケリーに期待してもいいのだろうか。
「師匠、材料の準備、整いました」
「ん、じゃあ、調合始めようか」
何度も何度も確認したとおりの順番で、僕は慎重に薬を合わせていく。
この薬の配合は、ケリーに教えられたレシピの中でも簡単なものだった。だが、薬の効能というのは、わずかな違いで変わってしまうものなのだ。
当たり前だが、最初のふた月はひたすら座学だった。ケリーの書付や薬学書などをひたすら熟読するところから、勉強は始まった。
ある程度が頭に入ったところで、今度は実物と知識を結びつけていった。ここに置いている薬品と書物を比べたり、森や野に生えている薬草を実際に採取しながら、植生や見分けかたに取り扱い方法を学んだり……毎日毎日、起きている時間のほとんどを、ひたすら勉強に費やした。
それでもまだ、与えられた書物の中身が全部頭に入ったとは言い難い。
その他にも、家事や雑事のやりかたも教えられ、今では家事のほとんども僕の仕事になっている。
家事と勉強の両立は大変だが、嫌ではない。
「よし、手順は悪くない。まあまあだね」
師匠の言葉にほっと息を吐く。
肩越しに僕の手元を覗き込むように、ケリーが後ろに立った。すぐそばにあるケリーの首から薬品と草いきれのような匂いが漂ってきて、僕の心臓は落ち着かない。
「うん、この出来なら及第点だ」
ぽん、と両手で僕の身体を抱えるように叩いて、ケリーは「弟子が優秀だから、わたしは早く楽ができそうだ」と笑う。寄りかかるように肩に顎を乗せて、「君の将来が楽しみだな」と眼を細める。
「僕は、ケリーの助手としてやっていけますか?」
「それどころか、わたし以上の薬師兼錬金術師になれるんじゃないかな」
上機嫌に頭を撫でられて、少し安堵した。
ケリー以上になれるかどうかはどうでもいい。
僕がここにいても良いのであれば。
「エヴ、薬を届けてきてくれ。橅木通りのジョゼ婆さんのとこだ」
「わかりました」
「銅竜広場のロドリゴのところで、頼んだ薬品を受け取るのも頼むよ」
「はい」
外套を羽織り、薬の包みと薬品の代金を預かって、外へ出た。
日は高く、まだ昼を回ったばかりだ。
ケリーに頼まれたお使いのどちらを先にしようかと考えて、ロドリゴの店を先に回ることにした。
ジョゼ婆さんはいつも退屈しているせいか、話し始めると長いから、行くなら後にしたほうがいい。
「今日は、ケリーちゃんじゃないのねえ」
「師匠はちょっと忙しくて。かわりに僕が届けにきました」
もごもごとあまりはっきりしないジョゼ婆さんの言葉を、一生懸命聞き取りながら返事をする。この町でもだいぶ高齢で、しょっちゅう腰やら脚やらが痛むらしい。
特に、天気が崩れやすいこの季節は薬が手放せないのだという。
近所のあれやらこれやら、昔はどうだったこうだった……とりとめもない話を、うんうんと相槌を打ちながらひたすら聞き続ける。ケリーからも、日暮の鐘がなるまではなるべく話を聞いてやってくれと言われてるのだ。
「ケリーちゃんも、ようやく、旦那さんを迎える気になったのよねえ」
「……え?」
少し流し気味に聞いていた婆さんの急な言葉に、我に返る。きゅっと心臓が縮こまるような、お腹の底が冷えるような感覚に襲われる。
「師匠、が?」
く、と拳を握り締めて、頷く婆さんの顔を凝視してしまう。
「あらあら、だって、エヴくんが旦那さんなんでしょう?」
「え?」
にこにこと続けられた言葉に、思わず大きく吐息を漏らしてしまった。
「あの子もねえ、気立ては悪くないのに、ずっとひとりだったのよ」
「……僕は、ただの、助手志望の見習いです」
「それじゃ、旦那さんじゃないのかしら?」
ゆっくりと拳を開いて、今度はそっと小さく息を吐く。
「違いますよ」
「違うの? 残念だわあ」
婆さんの言葉に少しだけ目を伏せて、僕は「そうですね」と頷いた。
日が暮れる頃、戻ってくると家の中は静まり返っていた。
「また……」
特に出かける予定はなかったはずだから、とケリーの部屋を覗いてみると、案の定、椅子の上で寝こけている。日が落ちて少し肌寒くなったせいか、時折小さく震えるケリーに僕は溜息を吐いた。
「師匠、ベッドに運びますよ。ちゃんと横になって寝てください」
「あ、うん……」
そっと肩をゆすっても目を開ける素振りすらなく、ケリーはまたすぐに寝息を立て始める。これは早々起きないだろうと、僕は毛布を取りに行く。
ここのところ注文が立て込んでいたせいで、毎日遅くまで薬の調合をしていたのだ。疲れがたまっていたのだろう。
僕はケリーの身体を毛布に包み、ゆっくりと横抱きにした。頭を自分の身体にもたれさせて、起こさないよう静かに運び、そっとベッドに横たえる。
「師匠……ケリー」
耳元でそっと名前を呼び、ケリーが完全に寝入っていることを確認し、抱き締める。顔にかかった髪を掻き上げ、短く切り揃えた毛先にキスを落とす。
ケリーが僕を拾って助手に育てようと考えたことに、単に気が向いた以上の理由はないんだろう。だけど、僕はようやく得た“居てもいい場所”と、それを与えてくれたケリーを絶対に離したくない。
どうしたら、ずっとここに居られるだろうか。
……どうしたら、ケリーが僕のものになってくれるだろうか。
「ん……」
ケリーが小さく身じろぎをしたのに気付き、僕は慌てて離れた。気配を殺してじっと見つめて、またケリーの寝息が規則正しくなるのを確認する。
それから、そっと部屋を後にした。
ケリーは笑って、よしよしと犬か猫でも撫でるように、僕の頭を撫でた。
「エヴァレットと連呼すると、舌を噛みそうだしね」
僕はこくりと頷くだけだ。
誰かが僕の名前を呼ぶ日が来るなんて。
いや、誰かに名を呼ばれて目を向けられることがこんなに嬉しいなんて、ケリーに会うまで知らなかった。
「さて、エヴに覚えてもらわなきゃいけないことは山盛りある。まずはこれ全部読みこなしてもらおうか」
表革が擦り切れ、だいぶくたびれて端がすっかり丸くなった古い書物がいくつも、僕の目の前に積み上げられた。
「ケリー、これは?」
ケリーの顔を見上げると、彼女はチッチッと舌を鳴らして指を振る。
「わたしのことは師匠と呼ぶこと。君は当分見習いで、一人前になるまではわたしが君を指導する立場になるんだ。きちんとけじめをつけないとな」
「では、師匠。これは?」
姿勢を正した僕の“師匠”という呼びかけに、ケリーは相好を崩した。
「いいね、いちど師匠って呼ばれてみたかったんだ」
楽しそうに笑って僕の頭をくしゃくしゃと掻き混ぜると、ケリーは視線を書物に戻す。少し懐かしむように表革を指でなぞり、ぱたりと開く。
中の頁には、細く几帳面な文字がびっしりと綴られていた。
「これは、昔、わたしがお師さんについていた頃に作った書き付けだよ。
わたしも仕事があるし、君にずっと張り付きっぱなしで、全部を手取り足取り一から十までというわけにもいかないんだ。しばらく、これを元に学んでくれないかな。時間のあるときはなるべくわたしも見るようにはするけどね」
僕は書物に目を落とし、文字をなぞるようにじっと見つめる。それじゃ、これはケリーの手書きということなんだろう。
無意識なのかなんなのか、ケリーの片手は僕の頭に乗せられたまま、時折ぽんぽんと軽く叩くように、撫でるように動かされる。
こうして誰かに触れられるのは心地いいなと、僕はわずかに目を伏せる。
「わかりました。なんとかやってみます」
ケリーは少しほっとしたように微笑んだ。
「あとは、こっちだ」
ケリーが背中に寄り掛るようにして、急に手を伸ばした。長衣から覗く首や腕は細いのに、背中に押し付けられた身体が驚くほど柔らかく感じてぎょっとしてしまう。
「これは薬草の図録だ。主だった薬草の細密画と特徴、それから効能も書いてあるんだよ。こいつの中身も頭に叩き込まなきゃならない」
「あ、はい……」
慌てて頷く僕に、ケリーはくすりと笑う。
「と、まあ、これだけ見ても学ばなきゃならないことはたくさんだ。だから、勉強を始めるのは早いに越したことはないと皆が言う。
だが、君は文字も計算も既にできるから、基本のところは問題ないだろう。あとは……もともとの頭の出来と頑張り次第だけど、話している限りでは、君の頭は悪くないはずだと、わたしは考えている」
笑いながら僕の首を抱いたケリーが、また頭をぐりぐりと掻き混ぜた。
「つまり、あとは君の頑張りだけが問題ってことだよ、少年」
「僕の……」
くすくす笑うケリーに頭をわやくちゃにされながら、僕は呟いた。
なら、頑張れば、本当にここにずっといてもいいということなのか。
僕は、期待してもいいんだろうか。
おずおずと見上げる僕に笑い返して、ケリーはまたぽんぽんと頭を叩く。
「頑張りなさい。君が早く一人前になれるよう、わたしも一緒に頑張るから」
「……はい、師匠」
僕は、ケリーに期待してもいいのだろうか。
「師匠、材料の準備、整いました」
「ん、じゃあ、調合始めようか」
何度も何度も確認したとおりの順番で、僕は慎重に薬を合わせていく。
この薬の配合は、ケリーに教えられたレシピの中でも簡単なものだった。だが、薬の効能というのは、わずかな違いで変わってしまうものなのだ。
当たり前だが、最初のふた月はひたすら座学だった。ケリーの書付や薬学書などをひたすら熟読するところから、勉強は始まった。
ある程度が頭に入ったところで、今度は実物と知識を結びつけていった。ここに置いている薬品と書物を比べたり、森や野に生えている薬草を実際に採取しながら、植生や見分けかたに取り扱い方法を学んだり……毎日毎日、起きている時間のほとんどを、ひたすら勉強に費やした。
それでもまだ、与えられた書物の中身が全部頭に入ったとは言い難い。
その他にも、家事や雑事のやりかたも教えられ、今では家事のほとんども僕の仕事になっている。
家事と勉強の両立は大変だが、嫌ではない。
「よし、手順は悪くない。まあまあだね」
師匠の言葉にほっと息を吐く。
肩越しに僕の手元を覗き込むように、ケリーが後ろに立った。すぐそばにあるケリーの首から薬品と草いきれのような匂いが漂ってきて、僕の心臓は落ち着かない。
「うん、この出来なら及第点だ」
ぽん、と両手で僕の身体を抱えるように叩いて、ケリーは「弟子が優秀だから、わたしは早く楽ができそうだ」と笑う。寄りかかるように肩に顎を乗せて、「君の将来が楽しみだな」と眼を細める。
「僕は、ケリーの助手としてやっていけますか?」
「それどころか、わたし以上の薬師兼錬金術師になれるんじゃないかな」
上機嫌に頭を撫でられて、少し安堵した。
ケリー以上になれるかどうかはどうでもいい。
僕がここにいても良いのであれば。
「エヴ、薬を届けてきてくれ。橅木通りのジョゼ婆さんのとこだ」
「わかりました」
「銅竜広場のロドリゴのところで、頼んだ薬品を受け取るのも頼むよ」
「はい」
外套を羽織り、薬の包みと薬品の代金を預かって、外へ出た。
日は高く、まだ昼を回ったばかりだ。
ケリーに頼まれたお使いのどちらを先にしようかと考えて、ロドリゴの店を先に回ることにした。
ジョゼ婆さんはいつも退屈しているせいか、話し始めると長いから、行くなら後にしたほうがいい。
「今日は、ケリーちゃんじゃないのねえ」
「師匠はちょっと忙しくて。かわりに僕が届けにきました」
もごもごとあまりはっきりしないジョゼ婆さんの言葉を、一生懸命聞き取りながら返事をする。この町でもだいぶ高齢で、しょっちゅう腰やら脚やらが痛むらしい。
特に、天気が崩れやすいこの季節は薬が手放せないのだという。
近所のあれやらこれやら、昔はどうだったこうだった……とりとめもない話を、うんうんと相槌を打ちながらひたすら聞き続ける。ケリーからも、日暮の鐘がなるまではなるべく話を聞いてやってくれと言われてるのだ。
「ケリーちゃんも、ようやく、旦那さんを迎える気になったのよねえ」
「……え?」
少し流し気味に聞いていた婆さんの急な言葉に、我に返る。きゅっと心臓が縮こまるような、お腹の底が冷えるような感覚に襲われる。
「師匠、が?」
く、と拳を握り締めて、頷く婆さんの顔を凝視してしまう。
「あらあら、だって、エヴくんが旦那さんなんでしょう?」
「え?」
にこにこと続けられた言葉に、思わず大きく吐息を漏らしてしまった。
「あの子もねえ、気立ては悪くないのに、ずっとひとりだったのよ」
「……僕は、ただの、助手志望の見習いです」
「それじゃ、旦那さんじゃないのかしら?」
ゆっくりと拳を開いて、今度はそっと小さく息を吐く。
「違いますよ」
「違うの? 残念だわあ」
婆さんの言葉に少しだけ目を伏せて、僕は「そうですね」と頷いた。
日が暮れる頃、戻ってくると家の中は静まり返っていた。
「また……」
特に出かける予定はなかったはずだから、とケリーの部屋を覗いてみると、案の定、椅子の上で寝こけている。日が落ちて少し肌寒くなったせいか、時折小さく震えるケリーに僕は溜息を吐いた。
「師匠、ベッドに運びますよ。ちゃんと横になって寝てください」
「あ、うん……」
そっと肩をゆすっても目を開ける素振りすらなく、ケリーはまたすぐに寝息を立て始める。これは早々起きないだろうと、僕は毛布を取りに行く。
ここのところ注文が立て込んでいたせいで、毎日遅くまで薬の調合をしていたのだ。疲れがたまっていたのだろう。
僕はケリーの身体を毛布に包み、ゆっくりと横抱きにした。頭を自分の身体にもたれさせて、起こさないよう静かに運び、そっとベッドに横たえる。
「師匠……ケリー」
耳元でそっと名前を呼び、ケリーが完全に寝入っていることを確認し、抱き締める。顔にかかった髪を掻き上げ、短く切り揃えた毛先にキスを落とす。
ケリーが僕を拾って助手に育てようと考えたことに、単に気が向いた以上の理由はないんだろう。だけど、僕はようやく得た“居てもいい場所”と、それを与えてくれたケリーを絶対に離したくない。
どうしたら、ずっとここに居られるだろうか。
……どうしたら、ケリーが僕のものになってくれるだろうか。
「ん……」
ケリーが小さく身じろぎをしたのに気付き、僕は慌てて離れた。気配を殺してじっと見つめて、またケリーの寝息が規則正しくなるのを確認する。
それから、そっと部屋を後にした。
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