16 / 17
“娘”の物語
8.“父”/後篇
しおりを挟む
「悪い子だね、ラーベ」
名を呼ばれ、ラーベの身体がびくりと震えて竦んだ。
「“父”の言い付けを守れないなんて、カルミナがどう思うだろうね。カルミナはお前のせいで死んだというのに、本当に悪い子だ」
「父さま」
「カルミナの命に免じて、私はお前に時間を与えたのだよ? まさか、長く一緒にいたから絆されたとでも言うのかい?」
薄く笑みを湛えたまま、“父”はじっと部屋の隅に佇む。
イグナーツは油断なく剣を構えるが、“父”は彼を無視して言葉を続けた。
「お前の出来の悪さには、本当にがっかりさせられる。だが――」
“父”はまた、くっと笑った。
「それでも、お前には見込みがあるのだ。このまま私のところに戻るならこの男は見逃してやるが、どうする、ラーベ」
「ラーべは行かない」
伸ばされた手を遮って、イグナーツはラーベを隠すように位置をずらした。
「行かせない!」
宣言とともに、イグナーツはひと息にベッドを踏み越え、斬り掛かった。だが、“父”は難なくその斬撃を躱し、おどけたように肩を竦める。
「残念だが、時間切れのようだ、ラーベ」
さっと振った手から、ナイフが放たれる。
イグナーツの急所を正確に二箇所狙った刃は、けれど大剣の平が弾き返した。
「かわいそうに。ラーべ、お前のせいで、今度はこの男が死んでしまうね」
ますます楽しそうに笑う“父”は、すらりと長剣を抜いた。
“父”の剣は速い。
イグナーツも速いが、やはり得物の差は大きい。大剣では速度で長剣に劣る。
それでもイグナーツはよく躱しているし、“父”への斬撃も負けていない。何度も何度も繰り出される素早い斬撃を、イグナーツは危なげなく躱している。
ラーべも、正直ここまでイグナーツが躱せるとは、思っていなかったほどに。
“父”は小剣と短剣をラーべに教えたが、本来は長剣使いだ。
ラーべの目から見ても、間合いの長さでイグナーツに分があっても、技量と速度では“父”に分があるとわかった。
イグナーツは勘の良さでかなりを避けているけれど、それがいつまで続けられるかはわからない。
「なるほど、お前のその勘は、素養持ちだからか」
「何?」
ラーべはハッと顔を上げる。
魔法の素養を持つ者は、その魔法適性に応じて魔力を滲ませるものだ。イグナーツの尋常ではない勘の良さも素養ゆえだとしたら――
“父”は、面白そうに口の端を歪めた。
「お前は感覚系の素養持ちなのだろう。だから、人より勘が働く。だがね」
「何のことだ?」
訝しむイグナーツに、“父”は続ける。
「ならば、お前の魔法を阻害してやればいい。それだけでお前は動けなくなる」
“父”が呪文を唱え始めた。
イグナーツの斬撃を躱しながらなのに、詠唱は止まらない。
「だめだ!」
ラーべはとっさに飛び出した。なるべく“父”の不意を突けるように死角を狙い、短い魔法とともに炎を放った。
もちろん、“父”の唱えようとした魔法……感知疎外の魔法を阻止するために。
この状況でイグナーツの“勘”が働かなくなるのは致命的だ。ラーべでもたやすく想像できるほど、致命的だ。
「ラーベ、“父”に逆らうのか。本当に悪い子だ」
難なく避けはしたものの、さすがに詠唱を中断せざるを得なかった“父”が、ラーべをちらりと一瞥した。
「この魔法、父さまが、最初に教えてくれた」
怯えは拭いきれないけれど、それでもラーベは顔を上げて“父”を睨んでいた。
そんなラーベに、“父”はさらに楽しげに嗤った。
「そうだったね。だが、お前はまだまだ甘い。まだまだ未熟だ」
「――避けろ!」
いきなり“父”の姿が消えた。
ほとんど同時に叫んだイグナーツに強く腕を引かれ、ラーべはよろめく。たまらず一歩下がったところに、ほんの一瞬前までラーべがいた場所を、大きな炎が舐めた。
お前は下がっていろと背後に押しやられて、ラーべは思わず唇を噛む。
「ほんとうに、これだから感覚系の素養持ちは厄介だよ」
やれやれと首を振る“父”を、イグナーツは無言のまま剣で薙いだ。だが、“父”の結界の盾に阻まれ、傷を与えることができない。
舌打ちをひとつして、しかしそれでもイグナーツは攻撃の手を緩めなかった。
「若い割に腕もなかなかだ。こんなに腕がいいのに、とても残念だよ」
“父”は長剣でイグナーツの斬撃を滑らせた。流れるようにもう片手を伸ばし、短い呪文とともにまた炎を襲わせる。
だが、イグナーツは即座に身体を滑らせて、炎の直撃を避けた。
「ほう、これも避けるのか」
“父”は大げさに感心してみせる。
立て続けに何度か魔法を放つが、イグナーツはその全部を避けてみせた。
――完全に遊ばれている、とラーべは思う。
“父”は、完全に、ラーベとイグナーツで遊んでいる。
本来なら、“父”がここまで戦いを長引かせることはない。魔法と毒と剣、それを駆使してさっさと対象を始末するのが“父”のやり方だ。
なのに、今は剣とほんの少しの魔法だけで、イグナーツをまともに相手にしている。イグナーツとラーべふたり掛りでも、とうてい“父”には及ばないと考えているのだろう。
それが慢心だとは、ラーべも思っていない。
鎧を付けていないからとはいえ、イグナーツの身体はすでに傷だらけだ。浅く掠っただけとはいえ、あれは“いつでも仕留められる”という“父”の意思表示だろう。
なのに、イグナーツは未だに一撃も“父”に当てられていない。
おまけに、“父”とイグナーツの斬り合いでは、ラーベが加わることもできない。ふたりの斬撃を目で追うだけで精いっぱいでは、加勢したつもりでイグナーツの足を引っ張るだけだ。
それに、魔法と剣を自在に操る“父”を相手にこの狭い室内では、イグナーツにとって不利しかない。得物の大きさが違いすぎる。
不利さえ無くなれば。
一瞬だけでも“父”に隙を作ることができれば。
今、イグナーツのために自分にできることは。
ラーべは、ギリっと歯を軋ませる。
何か……何かができるはずだ。ラーべだって、黒と赤の双子として名を売って、腕がいいと評されたのだ。
イグナーツより、“父”のやり方だって知っている。
イグナーツの戦い方だって知っている。
できるはずの何かを探してぐるりと見回して、それが目に入った。
――ああ、きっと“父”には気づかれてしまう。
だけど、イグナーツならなんとかしてくれるはずだ。
イグナーツならちゃんとわかって動いてくれるはずだ。
ラーベはベッドに刺さったままのナイフに手を伸ばし、短い魔法を唱える。
この一撃を失敗すれば、もう後はない。
「ラーベ、お前はほんとうに悪い子になってしまったな」
背後に現れることも予想のうちだったのか、“父”はラーベの現れた場所を振り向きもせず、無造作に剣で薙いだ。
鋭い一閃は、イグナーツに庇う暇も与えなかった。
けれどラーべは、肉を斬られる衝撃によろめきつつ、それでも右のナイフでかろうじて急所を守り、左のナイフを“父”に突き立てる。
急所になんてまったく届かない、弱々しい一撃だった。
肩をほんの少し斬り裂いただけだった。
けれど、一瞬。本当にほんの一瞬だけ、“父”の意識は完全にラーベへと向いた。
「――イグナーツ!」
ラーベの呼びかけと同時にイグナーツが大剣を振るう。
その一撃が“父”の胸を浅く斬りつけて、初めて“父”の顔から笑みが消えた。
ラーベが畳みかけるように背後からナイフを振るう。
イグナーツも、返す手で大剣を薙ぐ。
“父”が、膝をついた。
ぱっくりと開いた喉からひゅうひゅうと息が漏れ、ぱくぱくと何かを告げるように“父”の口が動き……それから、ばたりと倒れた。
「イグナーツ」
目の前の光景が信じられなくて、ラーベはぺたりと座り込んだ。“父”に斬られた傷が熱く疼くように痛み始めて、ラーベの気が遠くなっていく。
「ラーベ、しっかりしろ!」
慌てて駆け寄るイグナーツが、ラーべを抱き起すのを感じた。
けれど、すぐにその声は遠くなり、そして何も聞こえなくなった。
名を呼ばれ、ラーベの身体がびくりと震えて竦んだ。
「“父”の言い付けを守れないなんて、カルミナがどう思うだろうね。カルミナはお前のせいで死んだというのに、本当に悪い子だ」
「父さま」
「カルミナの命に免じて、私はお前に時間を与えたのだよ? まさか、長く一緒にいたから絆されたとでも言うのかい?」
薄く笑みを湛えたまま、“父”はじっと部屋の隅に佇む。
イグナーツは油断なく剣を構えるが、“父”は彼を無視して言葉を続けた。
「お前の出来の悪さには、本当にがっかりさせられる。だが――」
“父”はまた、くっと笑った。
「それでも、お前には見込みがあるのだ。このまま私のところに戻るならこの男は見逃してやるが、どうする、ラーベ」
「ラーべは行かない」
伸ばされた手を遮って、イグナーツはラーベを隠すように位置をずらした。
「行かせない!」
宣言とともに、イグナーツはひと息にベッドを踏み越え、斬り掛かった。だが、“父”は難なくその斬撃を躱し、おどけたように肩を竦める。
「残念だが、時間切れのようだ、ラーベ」
さっと振った手から、ナイフが放たれる。
イグナーツの急所を正確に二箇所狙った刃は、けれど大剣の平が弾き返した。
「かわいそうに。ラーべ、お前のせいで、今度はこの男が死んでしまうね」
ますます楽しそうに笑う“父”は、すらりと長剣を抜いた。
“父”の剣は速い。
イグナーツも速いが、やはり得物の差は大きい。大剣では速度で長剣に劣る。
それでもイグナーツはよく躱しているし、“父”への斬撃も負けていない。何度も何度も繰り出される素早い斬撃を、イグナーツは危なげなく躱している。
ラーべも、正直ここまでイグナーツが躱せるとは、思っていなかったほどに。
“父”は小剣と短剣をラーべに教えたが、本来は長剣使いだ。
ラーべの目から見ても、間合いの長さでイグナーツに分があっても、技量と速度では“父”に分があるとわかった。
イグナーツは勘の良さでかなりを避けているけれど、それがいつまで続けられるかはわからない。
「なるほど、お前のその勘は、素養持ちだからか」
「何?」
ラーべはハッと顔を上げる。
魔法の素養を持つ者は、その魔法適性に応じて魔力を滲ませるものだ。イグナーツの尋常ではない勘の良さも素養ゆえだとしたら――
“父”は、面白そうに口の端を歪めた。
「お前は感覚系の素養持ちなのだろう。だから、人より勘が働く。だがね」
「何のことだ?」
訝しむイグナーツに、“父”は続ける。
「ならば、お前の魔法を阻害してやればいい。それだけでお前は動けなくなる」
“父”が呪文を唱え始めた。
イグナーツの斬撃を躱しながらなのに、詠唱は止まらない。
「だめだ!」
ラーべはとっさに飛び出した。なるべく“父”の不意を突けるように死角を狙い、短い魔法とともに炎を放った。
もちろん、“父”の唱えようとした魔法……感知疎外の魔法を阻止するために。
この状況でイグナーツの“勘”が働かなくなるのは致命的だ。ラーべでもたやすく想像できるほど、致命的だ。
「ラーベ、“父”に逆らうのか。本当に悪い子だ」
難なく避けはしたものの、さすがに詠唱を中断せざるを得なかった“父”が、ラーべをちらりと一瞥した。
「この魔法、父さまが、最初に教えてくれた」
怯えは拭いきれないけれど、それでもラーベは顔を上げて“父”を睨んでいた。
そんなラーベに、“父”はさらに楽しげに嗤った。
「そうだったね。だが、お前はまだまだ甘い。まだまだ未熟だ」
「――避けろ!」
いきなり“父”の姿が消えた。
ほとんど同時に叫んだイグナーツに強く腕を引かれ、ラーべはよろめく。たまらず一歩下がったところに、ほんの一瞬前までラーべがいた場所を、大きな炎が舐めた。
お前は下がっていろと背後に押しやられて、ラーべは思わず唇を噛む。
「ほんとうに、これだから感覚系の素養持ちは厄介だよ」
やれやれと首を振る“父”を、イグナーツは無言のまま剣で薙いだ。だが、“父”の結界の盾に阻まれ、傷を与えることができない。
舌打ちをひとつして、しかしそれでもイグナーツは攻撃の手を緩めなかった。
「若い割に腕もなかなかだ。こんなに腕がいいのに、とても残念だよ」
“父”は長剣でイグナーツの斬撃を滑らせた。流れるようにもう片手を伸ばし、短い呪文とともにまた炎を襲わせる。
だが、イグナーツは即座に身体を滑らせて、炎の直撃を避けた。
「ほう、これも避けるのか」
“父”は大げさに感心してみせる。
立て続けに何度か魔法を放つが、イグナーツはその全部を避けてみせた。
――完全に遊ばれている、とラーべは思う。
“父”は、完全に、ラーベとイグナーツで遊んでいる。
本来なら、“父”がここまで戦いを長引かせることはない。魔法と毒と剣、それを駆使してさっさと対象を始末するのが“父”のやり方だ。
なのに、今は剣とほんの少しの魔法だけで、イグナーツをまともに相手にしている。イグナーツとラーべふたり掛りでも、とうてい“父”には及ばないと考えているのだろう。
それが慢心だとは、ラーべも思っていない。
鎧を付けていないからとはいえ、イグナーツの身体はすでに傷だらけだ。浅く掠っただけとはいえ、あれは“いつでも仕留められる”という“父”の意思表示だろう。
なのに、イグナーツは未だに一撃も“父”に当てられていない。
おまけに、“父”とイグナーツの斬り合いでは、ラーベが加わることもできない。ふたりの斬撃を目で追うだけで精いっぱいでは、加勢したつもりでイグナーツの足を引っ張るだけだ。
それに、魔法と剣を自在に操る“父”を相手にこの狭い室内では、イグナーツにとって不利しかない。得物の大きさが違いすぎる。
不利さえ無くなれば。
一瞬だけでも“父”に隙を作ることができれば。
今、イグナーツのために自分にできることは。
ラーべは、ギリっと歯を軋ませる。
何か……何かができるはずだ。ラーべだって、黒と赤の双子として名を売って、腕がいいと評されたのだ。
イグナーツより、“父”のやり方だって知っている。
イグナーツの戦い方だって知っている。
できるはずの何かを探してぐるりと見回して、それが目に入った。
――ああ、きっと“父”には気づかれてしまう。
だけど、イグナーツならなんとかしてくれるはずだ。
イグナーツならちゃんとわかって動いてくれるはずだ。
ラーベはベッドに刺さったままのナイフに手を伸ばし、短い魔法を唱える。
この一撃を失敗すれば、もう後はない。
「ラーベ、お前はほんとうに悪い子になってしまったな」
背後に現れることも予想のうちだったのか、“父”はラーベの現れた場所を振り向きもせず、無造作に剣で薙いだ。
鋭い一閃は、イグナーツに庇う暇も与えなかった。
けれどラーべは、肉を斬られる衝撃によろめきつつ、それでも右のナイフでかろうじて急所を守り、左のナイフを“父”に突き立てる。
急所になんてまったく届かない、弱々しい一撃だった。
肩をほんの少し斬り裂いただけだった。
けれど、一瞬。本当にほんの一瞬だけ、“父”の意識は完全にラーベへと向いた。
「――イグナーツ!」
ラーベの呼びかけと同時にイグナーツが大剣を振るう。
その一撃が“父”の胸を浅く斬りつけて、初めて“父”の顔から笑みが消えた。
ラーベが畳みかけるように背後からナイフを振るう。
イグナーツも、返す手で大剣を薙ぐ。
“父”が、膝をついた。
ぱっくりと開いた喉からひゅうひゅうと息が漏れ、ぱくぱくと何かを告げるように“父”の口が動き……それから、ばたりと倒れた。
「イグナーツ」
目の前の光景が信じられなくて、ラーベはぺたりと座り込んだ。“父”に斬られた傷が熱く疼くように痛み始めて、ラーベの気が遠くなっていく。
「ラーベ、しっかりしろ!」
慌てて駆け寄るイグナーツが、ラーべを抱き起すのを感じた。
けれど、すぐにその声は遠くなり、そして何も聞こえなくなった。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
敗戦国の姫は、敵国将軍に掠奪される
clayclay
恋愛
架空の国アルバ国は、ブリタニア国に侵略され、国は壊滅状態となる。
状況を打破するため、アルバ国王は娘のソフィアに、ブリタニア国使者への「接待」を命じたが……。
「がっかりです」——その一言で終わる夫婦が、王宮にはある
柴田はつみ
恋愛
妃の席を踏みにじったのは令嬢——けれど妃の心を折ったのは、夫のたった一言だった
王太子妃リディアの唯一の安らぎは、王太子アーヴィンと交わす午後の茶会。だが新しく王宮に出入りする伯爵令嬢ミレーユは、妃の席に先に座り、殿下を私的に呼び、距離感のない振る舞いを重ねる。
リディアは王宮の礼節としてその場で正す——正しいはずだった。けれど夫は「リディア、そこまで言わなくても……」と、妃を止めた。
「わかりました。あなたには、がっかりです」
微笑んで去ったその日から、夫婦の茶会は終わる。沈黙の王宮で、言葉を失った王太子は、初めて“追う”ことを選ぶが——遅すぎた。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
短編【シークレットベビー】契約結婚の初夜の後でいきなり離縁されたのでお腹の子はひとりで立派に育てます 〜銀の仮面の侯爵と秘密の愛し子〜
美咲アリス
恋愛
レティシアは義母と妹からのいじめから逃げるために契約結婚をする。結婚相手は醜い傷跡を銀の仮面で隠した侯爵のクラウスだ。「どんなに恐ろしいお方かしら⋯⋯」震えながら初夜をむかえるがクラウスは想像以上に甘い初体験を与えてくれた。「私たち、うまくやっていけるかもしれないわ」小さな希望を持つレティシア。だけどなぜかいきなり離縁をされてしまって⋯⋯?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる