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19. バーベキュー
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タクヤ主催のバーベキューに行かないかと、誘われたのが昨日のことである。
「アイツんち庭が広いから、去年もやったし、明日は家の人がいないから好きに出来るって」
「えーーー、私はいいよ、カイだけ行ってきなよ」
「断るのなし、ゆりっちも参加するって返事しちゃった」
「ないないない、ありえない、タクヤ君だけじゃないでしょ」
「他にサークルの仲間が5~6人来る、そいつらにも連れて行くって約束しちゃったもん」
「・・・」
「タクヤが絶対連れて来いって」
「最初で最後だからね。後はないから」
「そのフレーズ好きだね、前にも聞いたことがある」
笑いながら言われたが、いつ使ったのかは覚えていない。
カイの親友の頼みを無下に断わるわけにもいかないので、しぶしぶ承諾したが気乗りはしない。
とても気が重い。重い荷物を背負わされたロバの気分である。
だが容赦なく、その日はやって来た。
バイトのあるカイと、休みの私は別々に行くこととなった。
「タクヤ、一人で準備してるって」
観念して裏方に徹するつもりでいた。
「じゃあ、先に行ってお手伝いしてるよ、野菜ぐらい切れるし」
「それはダメ。タクヤと二人っきりになっちゃう。あいつ、女相手だとケダモノになるの何度も目撃してっから」
タクヤ君は、あなたほどマニアックではないよ、と言いたかったが、話が長くなるので黙っていた。
「バイトが終わるのが4時だから、すぐに行けば俺は4時半には着くでしょ。ゆりっちはバスで15分で行けるから、4時15分に出発、それ以上早く行っちゃダメだよ」
「ラジャー!」カラ元気なのはカイにも伝わったと思う。
地図アプリに住所を入れてくれたので迷うことはない。
それにしても出発時間まで限定されるとは思わなかった。
友達と言っても、タクヤ君以外は初めて会う人ばかりなので緊張する。
しかも若い連中に交じり、ひとりだけ浮かないか心配。
違和感が半端ない。どうしょう、腹痛が、、、
「大丈夫、俺の隣にいるだけでいいんだから」
鋭い、何もかもお見通しかよ。
どこにアンテナはってんだ。私もその感度の良いアンテナが欲しいよ。
言われたとおりに4時15分に家を出たが、バスが遅れて着いたのは4時45分を過ぎていた。
カイを始め、ほとんどのメンバーが揃っていた。
手招きされて、緊張が高まった。
イケメン大豊作とでもいいましょうか。
紹介された面々はにこやかな笑みを湛えて自己紹介をしてくれる。
カイと同じ医大生なので、お医者様予備軍である。
この人たちが、余裕の応対が出来るのはリア充だからだ。
恋人としてお披露目された女が、揺るがないおばさんでも動揺はしない。
目が泳ぐこともなく、そつなく会話を続けてくれる。
それは恵まれているからこそ出来る 業だと思う。
穿った見方をしたのではない。
お育ちがイイというのは、そういうことなのだ。
そつなくお披露目も終わり、疲れ果てて帰宅した。
「バーベキュー、タクヤがゆりっちのために企画したんだ。みんなに紹介して既成事実を作っておくのも大事だって。色々けじめつけられっから、って。アイツなりに色々考えてくれてて嬉しかった」
カイはそう言ったが、そんな良い人をケダモノ扱いしてたのは誰でしょうか。
”けじめ”の相手がマリリンなのは明白だった。
カイは彼女に友達以上にはなれないと告げたらしい。
一言も言葉を交わさなかったが、彼女の視線は痛いほど感じていた。
それはそうだよ、40過ぎのおばさんに鞍替えされたなんて、ズタボロだよね。
でも私だってカイのことが好きだから、ここは譲れない。
あなたみたいに美人なら、世の中の男、選り取り見取りでしょ。
サイボーグでも作らない限り、シェアはできませんから。
デキる親友に<レベル94>ありがとう
「アイツんち庭が広いから、去年もやったし、明日は家の人がいないから好きに出来るって」
「えーーー、私はいいよ、カイだけ行ってきなよ」
「断るのなし、ゆりっちも参加するって返事しちゃった」
「ないないない、ありえない、タクヤ君だけじゃないでしょ」
「他にサークルの仲間が5~6人来る、そいつらにも連れて行くって約束しちゃったもん」
「・・・」
「タクヤが絶対連れて来いって」
「最初で最後だからね。後はないから」
「そのフレーズ好きだね、前にも聞いたことがある」
笑いながら言われたが、いつ使ったのかは覚えていない。
カイの親友の頼みを無下に断わるわけにもいかないので、しぶしぶ承諾したが気乗りはしない。
とても気が重い。重い荷物を背負わされたロバの気分である。
だが容赦なく、その日はやって来た。
バイトのあるカイと、休みの私は別々に行くこととなった。
「タクヤ、一人で準備してるって」
観念して裏方に徹するつもりでいた。
「じゃあ、先に行ってお手伝いしてるよ、野菜ぐらい切れるし」
「それはダメ。タクヤと二人っきりになっちゃう。あいつ、女相手だとケダモノになるの何度も目撃してっから」
タクヤ君は、あなたほどマニアックではないよ、と言いたかったが、話が長くなるので黙っていた。
「バイトが終わるのが4時だから、すぐに行けば俺は4時半には着くでしょ。ゆりっちはバスで15分で行けるから、4時15分に出発、それ以上早く行っちゃダメだよ」
「ラジャー!」カラ元気なのはカイにも伝わったと思う。
地図アプリに住所を入れてくれたので迷うことはない。
それにしても出発時間まで限定されるとは思わなかった。
友達と言っても、タクヤ君以外は初めて会う人ばかりなので緊張する。
しかも若い連中に交じり、ひとりだけ浮かないか心配。
違和感が半端ない。どうしょう、腹痛が、、、
「大丈夫、俺の隣にいるだけでいいんだから」
鋭い、何もかもお見通しかよ。
どこにアンテナはってんだ。私もその感度の良いアンテナが欲しいよ。
言われたとおりに4時15分に家を出たが、バスが遅れて着いたのは4時45分を過ぎていた。
カイを始め、ほとんどのメンバーが揃っていた。
手招きされて、緊張が高まった。
イケメン大豊作とでもいいましょうか。
紹介された面々はにこやかな笑みを湛えて自己紹介をしてくれる。
カイと同じ医大生なので、お医者様予備軍である。
この人たちが、余裕の応対が出来るのはリア充だからだ。
恋人としてお披露目された女が、揺るがないおばさんでも動揺はしない。
目が泳ぐこともなく、そつなく会話を続けてくれる。
それは恵まれているからこそ出来る 業だと思う。
穿った見方をしたのではない。
お育ちがイイというのは、そういうことなのだ。
そつなくお披露目も終わり、疲れ果てて帰宅した。
「バーベキュー、タクヤがゆりっちのために企画したんだ。みんなに紹介して既成事実を作っておくのも大事だって。色々けじめつけられっから、って。アイツなりに色々考えてくれてて嬉しかった」
カイはそう言ったが、そんな良い人をケダモノ扱いしてたのは誰でしょうか。
”けじめ”の相手がマリリンなのは明白だった。
カイは彼女に友達以上にはなれないと告げたらしい。
一言も言葉を交わさなかったが、彼女の視線は痛いほど感じていた。
それはそうだよ、40過ぎのおばさんに鞍替えされたなんて、ズタボロだよね。
でも私だってカイのことが好きだから、ここは譲れない。
あなたみたいに美人なら、世の中の男、選り取り見取りでしょ。
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