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第61話
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私はもちろん、ゴードンも、つい先ほどまで胸倉を掴まれていた男も、誰も彼もが気まずげな表情を浮かべている。
夫人から散々「どうかゴードンを解放して欲しい」「セラスの言うことしか聞かないから、あなたが強く拒絶してくれないと困る」と頼まれても、上手くできない私。
商会長夫妻に「いい加減セラスを諦めて、次期商会長としての責任を果たせ」と苦言を呈されても、頑なに意志を曲げないゴードン。私に絡んでいた男だって、同じ職場の夫人やカガリに揉め事を起こしたことを知られたくはないだろう。
やはり、今までマイペースに生きていた罰か。レンの言う通り、誠意をもってゴードンと接するべきだったのに――なんと答えたものかと悩んでいると、夫人の横に立つカガリが厳しい表情で1歩踏み出した。
「――姉さん、もしかしてまだいかがわしいことをして稼いでいるの?」
「カガリ……」
「商会を辞めたから金策に困ったの? 町で姉さんのことがどれだけ噂になっているか、本気で分からないの? 嘘だろうと本当だろうと恥ずかしいよ、どうしてこんなのが姉さんなんだろう……」
物憂げな表情でため息をつかれて、困ってしまう。母だけでなく、妹にまで荒唐無稽な話を持ち出されるのか。
でも、ここでムキになって否定したところで何になるのだろうか。謎に私を敵視する商会の男に、妹に、今やすっかり嫌われてしまった商会長夫人。味方になってくれるのは、間違いなくゴードン1人――となれば、夫人の手前彼の心証が悪くなるだけである。
もし男に「セラスの方が誘ってきたんです」と言われたら? 否定しても無意味だったら? なんだか、考えるだけで色んなことが面倒になった。今からでも「もう町には来ませんから~!」なんて泣いて走り去れば、許されるだろうか。それをキッカケにゴードンと離れれば、まだ間に合うだろうか?
――それくらいやって初めて、レンは「よく頑張りましたね」と褒めてくれそうな気がする。
「……あら? ちょっとセラス、手首が真っ赤になっているわよ。まさか、うちの職員に乱暴された訳じゃあないでしょうね?」
「えっ? あ……いえ、その――」
夫人もカガリと同じく深々とため息を吐いていたけれど、ふと私の手首に目を留めると首を傾げた。見れば確かに、男に強い力で掴まれた手首は赤くなっている。
私のことを快く思っていないはずなのに、心配してくれるのか。そう思うと、喜ぶべきか申し訳なく思うべきか、よく分からなかった。
「ねえ、職業柄色んな話が耳に入るんだけど、ついこの間狩猟免許をとったとか――そんなに危ないところへ引っ越したの? でも、町を出てから結構経つわよね……女性1人なんだから、もう少しよく考えて行動しなさい。聞いているだけで心配になるわ」
夫人は俯き気味に硬い口調で言ったけれど、言葉通りに心配してくれていることがよく分かった。もしかすると、言外に「いたずらにゴードンの気を引くような真似をするな」と忠告されているのかも知れないけれど。
狩猟免許を取ったのは、これからずっと森で生活することを考えた結果、あって困ることはないと思ったからだ。それほど危険な森ではないけれど、もしもの時に銃があるのとないのとでは心持ちが違う。
自分の身を守るだけではなく、相手が害獣であれば業者に渡すと収入を得られるし、一石二鳥である。
――元は教師になりたいと思っていたくらいだから、そもそも勉強が好きなのだ。ただ学ぶ機会があっただけ。定職についていないし、ずっとレンの傍に居ると煙たがられるし、必要に迫られただけ。
私は何やら恐縮してしまって、「ありがとうございます」と頭を下げる。夫人はどこか気まずそうに顔を逸らし、小さく頷いた。
カガリはもの言いたげに目を眇めているし、職員の男もソワソワとしていて落ち着かない。私やゴードンが夫人に告げ口するのではないかと。ヤキモキしているのだろう。
わざわざ揉め事について言及して、「あなたが町に来るから悪いんでしょう?」なんて責められると悲しい。このまま「ケガの多い生活なんです」と濁して、さっさと立ち去るのが一番スマートな気がした。
町へ来るたび大なり小なり嫌な思いをしていたし、これを機にゴードン離れすべきなのかも知れない。
まず、男の言うことにも一理あった。「結婚できない」と自分勝手にゴードンを突き放したくせに、寂しい、好きだから離れがたいなどと、彼の好意を利用している悪女で間違いない。
「すみません、買い物だけ済ませたら帰ります。急がないと、あっという間に日が暮れてしまうので……」
ゴードンが職員について何かしら言葉を発する前に、先んじて口を開いた。高い位置から「どうして弁解しないんだ」と言いたげな目線が送られてきたけれど、気付かないフリだ。まるで逃げるように――いや、事実逃げである。
とにかくさっさと退散して、後のことは森でゆっくり考えれば良い。いつまでも未練たらしくゴードンに執着している、私の優柔不断が招いたことなのだから。
そうして身を引こうとすれば、カガリが男に向かって厳しい目を向けた。
「――姉さんに何か用があったみたいですけれど、お話は済んだんですか? もしかして、私たちが邪魔をした形になりましたか」
「え!? いやっ……今日は忙しそうだし、もう――また日を改めて話すよ、急ぎじゃないしな」
「……また? そんな日が都合よく来るかどうか分からないですよ、姉さんは町の外に住んでいるんですから。……邪魔になったのは私たちじゃなくて、ゴードンでしょうか? それでしたら、夫人と一緒に彼を連れて商会へ戻りますけれど――」
カガリは何故か執拗に要らぬ気を回した。男は焦った様子でゴードンと夫人に目配せをして、それから小刻みに首を横に振ると、蚊の鳴くような声で「勘弁してくれ」と呟いた。
まあ恐らく、彼が私を連れて行こうとしていた『いい部屋』というのは、いかがわしい宿のことだろう。目撃者に証人まで揃う中、そんな目的のために無理を通せるはずがない。
美人なのに、そういった類の話には疎いのだろうか? いや、私に向かって「恥ずかしい」と言うくらいだから、純真無垢ではないはずだ……まさか目的を察した上で、男の背を押している?
男へやけに冷たい目線を送る妹を見ていると、不安になった。彼女は暗に「いいぞ、もっとやれ、良いところでやめるな」と言っているのではないか? そのまま姉を辱めて、二度と町へ立ち入れないようにしてしまえと――。
我ながら性格が悪いと思いつつ、浮かんだ疑念に背筋が寒くなった。
カガリの厚すぎる人望は厄介だ。言葉に力があるというか、影響力が私とは段違いである。もし私に何か不幸があったとしても、あの子が「白」と言えば黒も白に変わるのではないだろうか。
私はすっかり及び腰になって、「悪いけど、本当に時間がないの」と架空の門限を持ち出した。幸い男の方も気を削がれているようだし、さっさと逃げたい。
ふとこの前、レンに「あなたは痛い目に遭わないと学ばないタイプの、とても残念な人間です」とこき下ろされたことを思い出した。このままでは本当に取り返しのつかないことになる。
苦く笑いながら数歩後ずされば、「姉さん! 元上司相手に礼を失して、恥ずかしくないの!?」と叱責されて眉尻を下げた。失礼も何も、本人のやる気がなくなっているのだから逃げても良いではないかと思うのだけれど――。
「用事は手早く済ませた方が良いですよね? 仕事の納期と同じです、後回しにしていつまでも気がかりで居ると、業務パフォーマンスも下がりますよ」
「――か、カガリ、お前、俺になんの恨みがあるんだよ!? 本当にしつこいな、話が違うじゃないか! 今日を逃したらセラスと二度と会えない訳でもあるまいし、俺が「今度でいい」と言ったらそれで良いだろ! 何が納期だ、バカにするなよ!」
「きゃあっ」
あまりにしつこかったせいか、男は激昂した。頭に血が上っているのか掴みかかりそうな勢いで詰め寄ったため、カガリが肩を竦めてゴードンの背に隠れる。ほっそりとした手が彼の背中に添えられているのを見て、傷つくよりも先に「美女と野獣でお似合いだ」なんて認めてしまった。それからチクリと胸が痛んで、本当に恋は厄介だと思う。
けれどゴードンは男ではなくカガリを一瞥すると、これ見よがしに大きなため息を吐き出した。そうして紡がれたのは、「俺が何も知らないと思っているのか?」という問いかけだった。
夫人から散々「どうかゴードンを解放して欲しい」「セラスの言うことしか聞かないから、あなたが強く拒絶してくれないと困る」と頼まれても、上手くできない私。
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やはり、今までマイペースに生きていた罰か。レンの言う通り、誠意をもってゴードンと接するべきだったのに――なんと答えたものかと悩んでいると、夫人の横に立つカガリが厳しい表情で1歩踏み出した。
「――姉さん、もしかしてまだいかがわしいことをして稼いでいるの?」
「カガリ……」
「商会を辞めたから金策に困ったの? 町で姉さんのことがどれだけ噂になっているか、本気で分からないの? 嘘だろうと本当だろうと恥ずかしいよ、どうしてこんなのが姉さんなんだろう……」
物憂げな表情でため息をつかれて、困ってしまう。母だけでなく、妹にまで荒唐無稽な話を持ち出されるのか。
でも、ここでムキになって否定したところで何になるのだろうか。謎に私を敵視する商会の男に、妹に、今やすっかり嫌われてしまった商会長夫人。味方になってくれるのは、間違いなくゴードン1人――となれば、夫人の手前彼の心証が悪くなるだけである。
もし男に「セラスの方が誘ってきたんです」と言われたら? 否定しても無意味だったら? なんだか、考えるだけで色んなことが面倒になった。今からでも「もう町には来ませんから~!」なんて泣いて走り去れば、許されるだろうか。それをキッカケにゴードンと離れれば、まだ間に合うだろうか?
――それくらいやって初めて、レンは「よく頑張りましたね」と褒めてくれそうな気がする。
「……あら? ちょっとセラス、手首が真っ赤になっているわよ。まさか、うちの職員に乱暴された訳じゃあないでしょうね?」
「えっ? あ……いえ、その――」
夫人もカガリと同じく深々とため息を吐いていたけれど、ふと私の手首に目を留めると首を傾げた。見れば確かに、男に強い力で掴まれた手首は赤くなっている。
私のことを快く思っていないはずなのに、心配してくれるのか。そう思うと、喜ぶべきか申し訳なく思うべきか、よく分からなかった。
「ねえ、職業柄色んな話が耳に入るんだけど、ついこの間狩猟免許をとったとか――そんなに危ないところへ引っ越したの? でも、町を出てから結構経つわよね……女性1人なんだから、もう少しよく考えて行動しなさい。聞いているだけで心配になるわ」
夫人は俯き気味に硬い口調で言ったけれど、言葉通りに心配してくれていることがよく分かった。もしかすると、言外に「いたずらにゴードンの気を引くような真似をするな」と忠告されているのかも知れないけれど。
狩猟免許を取ったのは、これからずっと森で生活することを考えた結果、あって困ることはないと思ったからだ。それほど危険な森ではないけれど、もしもの時に銃があるのとないのとでは心持ちが違う。
自分の身を守るだけではなく、相手が害獣であれば業者に渡すと収入を得られるし、一石二鳥である。
――元は教師になりたいと思っていたくらいだから、そもそも勉強が好きなのだ。ただ学ぶ機会があっただけ。定職についていないし、ずっとレンの傍に居ると煙たがられるし、必要に迫られただけ。
私は何やら恐縮してしまって、「ありがとうございます」と頭を下げる。夫人はどこか気まずそうに顔を逸らし、小さく頷いた。
カガリはもの言いたげに目を眇めているし、職員の男もソワソワとしていて落ち着かない。私やゴードンが夫人に告げ口するのではないかと。ヤキモキしているのだろう。
わざわざ揉め事について言及して、「あなたが町に来るから悪いんでしょう?」なんて責められると悲しい。このまま「ケガの多い生活なんです」と濁して、さっさと立ち去るのが一番スマートな気がした。
町へ来るたび大なり小なり嫌な思いをしていたし、これを機にゴードン離れすべきなのかも知れない。
まず、男の言うことにも一理あった。「結婚できない」と自分勝手にゴードンを突き放したくせに、寂しい、好きだから離れがたいなどと、彼の好意を利用している悪女で間違いない。
「すみません、買い物だけ済ませたら帰ります。急がないと、あっという間に日が暮れてしまうので……」
ゴードンが職員について何かしら言葉を発する前に、先んじて口を開いた。高い位置から「どうして弁解しないんだ」と言いたげな目線が送られてきたけれど、気付かないフリだ。まるで逃げるように――いや、事実逃げである。
とにかくさっさと退散して、後のことは森でゆっくり考えれば良い。いつまでも未練たらしくゴードンに執着している、私の優柔不断が招いたことなのだから。
そうして身を引こうとすれば、カガリが男に向かって厳しい目を向けた。
「――姉さんに何か用があったみたいですけれど、お話は済んだんですか? もしかして、私たちが邪魔をした形になりましたか」
「え!? いやっ……今日は忙しそうだし、もう――また日を改めて話すよ、急ぎじゃないしな」
「……また? そんな日が都合よく来るかどうか分からないですよ、姉さんは町の外に住んでいるんですから。……邪魔になったのは私たちじゃなくて、ゴードンでしょうか? それでしたら、夫人と一緒に彼を連れて商会へ戻りますけれど――」
カガリは何故か執拗に要らぬ気を回した。男は焦った様子でゴードンと夫人に目配せをして、それから小刻みに首を横に振ると、蚊の鳴くような声で「勘弁してくれ」と呟いた。
まあ恐らく、彼が私を連れて行こうとしていた『いい部屋』というのは、いかがわしい宿のことだろう。目撃者に証人まで揃う中、そんな目的のために無理を通せるはずがない。
美人なのに、そういった類の話には疎いのだろうか? いや、私に向かって「恥ずかしい」と言うくらいだから、純真無垢ではないはずだ……まさか目的を察した上で、男の背を押している?
男へやけに冷たい目線を送る妹を見ていると、不安になった。彼女は暗に「いいぞ、もっとやれ、良いところでやめるな」と言っているのではないか? そのまま姉を辱めて、二度と町へ立ち入れないようにしてしまえと――。
我ながら性格が悪いと思いつつ、浮かんだ疑念に背筋が寒くなった。
カガリの厚すぎる人望は厄介だ。言葉に力があるというか、影響力が私とは段違いである。もし私に何か不幸があったとしても、あの子が「白」と言えば黒も白に変わるのではないだろうか。
私はすっかり及び腰になって、「悪いけど、本当に時間がないの」と架空の門限を持ち出した。幸い男の方も気を削がれているようだし、さっさと逃げたい。
ふとこの前、レンに「あなたは痛い目に遭わないと学ばないタイプの、とても残念な人間です」とこき下ろされたことを思い出した。このままでは本当に取り返しのつかないことになる。
苦く笑いながら数歩後ずされば、「姉さん! 元上司相手に礼を失して、恥ずかしくないの!?」と叱責されて眉尻を下げた。失礼も何も、本人のやる気がなくなっているのだから逃げても良いではないかと思うのだけれど――。
「用事は手早く済ませた方が良いですよね? 仕事の納期と同じです、後回しにしていつまでも気がかりで居ると、業務パフォーマンスも下がりますよ」
「――か、カガリ、お前、俺になんの恨みがあるんだよ!? 本当にしつこいな、話が違うじゃないか! 今日を逃したらセラスと二度と会えない訳でもあるまいし、俺が「今度でいい」と言ったらそれで良いだろ! 何が納期だ、バカにするなよ!」
「きゃあっ」
あまりにしつこかったせいか、男は激昂した。頭に血が上っているのか掴みかかりそうな勢いで詰め寄ったため、カガリが肩を竦めてゴードンの背に隠れる。ほっそりとした手が彼の背中に添えられているのを見て、傷つくよりも先に「美女と野獣でお似合いだ」なんて認めてしまった。それからチクリと胸が痛んで、本当に恋は厄介だと思う。
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