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3話:聖女エミーリア
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「……安易に救いの手を差し伸べるのは……」
ミネルヴァはそう言って自身の像の陰から少女を観察する。
すると、新たな影が複数廃教会へと乗り込んできた。
「観念しろエミーリア、いや、禁忌の魔女よ」
「誰が魔女よ! 都合の良いときだけ神に縋って! 要らなくなったら捨てて! ほんとに貴方達って自分勝手だわ!」
「信仰などはもう古い――神の時代はもう終わったのだ」
入ってきたのは、鎧を着た3人の騎士だ。それぞれ、ナイフ、ロングソード、そしてボーガンを手にしていた。
「朽ちた教会とは、死に場所に相応しいじゃないか魔女よ――最後の聖女よ」
「まだミネルヴァ様の信仰は失われていない! あたしがその証拠よ!」
エミーリアが叫ぶが、それを無視して騎士の一人がロングソードを掲げた。
「帝国騎士団の名において、エミーリア、貴様を魔女と判断し処刑する。お前ら、押さえろ」
ロングソードの騎士の命令で2人の騎士達が無理矢理エミーリアを床へと倒し、上から押さえた。エミーリアは必死に抵抗するが、大の男2人に敵うわけがない。
「ミネルヴァ! 助けないと!」
「神は人を助けない。我々は平等で有らねばならないんだ」
ミネルヴァが下唇を血が出るほど噛みながら目の前の処刑を見つめていた。
ミネルヴァの神眼によって、エミーリアが神の加護を受けた人間――つまり聖女である事が分かった。本来、下界でならば敬われるべき存在のはずだ。
それが魔女扱いされて無理矢理処刑されそうになっているのだ。
それは、神への冒涜に他ならない。
「ミネルヴァ! ここは下界、そして貴女はもう――神じゃない! だからっ!」
「そうか……そうだな。私はもう神ではない。ならば人を助けるも助けないも――自由か」
ミネルヴァは不敵に笑い、右手のサーベルと左手のマスケット銃を握り直した。
自由に生きると決めたのだ。ならば――
押さえられているエミーリアが叫ぶ。
「あたしに触るな! あたしに触れていいのはミネルヴァ様だけよ!!」
「それが最後の言葉か? ならば問おう。そのミネルヴァ様とやらは何処にいるのだ」
騎士はそう言って掲げたロングソードをエミーリアへと振り下ろす。
次の瞬間。
「私は――ここにいるぞ」
銃声が響き、騎士の右手がロングソードと手甲ごと射貫かれた。
「っ!? 誰だ!!」
ナイフを持って、エミーリアを押さえていた騎士の目の前に、ミネルヴァが舞い降りる。
「馬鹿な!?」
騎士のナイフを持っていた腕が、ミネルヴァが右手に持つサーベルによって切断された。
「腕がああ!!」
斬れた腕を拾おうとしゃがんだ騎士の頭部へと、ミネルヴァが左手に持つマスケット銃の銃床が叩き付けられ、騎士は意識を失い床へと落ちた。
「き、貴様!! 死――ひっ!! すみません! すみません!」
ボーガンを撃とうとした騎士の額へと、くるりと回転したマスケット銃の銃口が突きつけられた。
一瞬の出来事で三人の騎士はあっという間に制圧され、床に倒れていたエミーリアはその大きな瞳を更に大きく見開かせた。
「うそ……まさか……ミネルヴァ様?」
「ふっ……まあ、ミネルヴァ、みたいなものだ」
ミネルヴァはそう言ってエミーリアに、異性どころか同性すらも惑わすような、飛びっきり素敵なウィンクをしたのだった。
ミネルヴァはそう言って自身の像の陰から少女を観察する。
すると、新たな影が複数廃教会へと乗り込んできた。
「観念しろエミーリア、いや、禁忌の魔女よ」
「誰が魔女よ! 都合の良いときだけ神に縋って! 要らなくなったら捨てて! ほんとに貴方達って自分勝手だわ!」
「信仰などはもう古い――神の時代はもう終わったのだ」
入ってきたのは、鎧を着た3人の騎士だ。それぞれ、ナイフ、ロングソード、そしてボーガンを手にしていた。
「朽ちた教会とは、死に場所に相応しいじゃないか魔女よ――最後の聖女よ」
「まだミネルヴァ様の信仰は失われていない! あたしがその証拠よ!」
エミーリアが叫ぶが、それを無視して騎士の一人がロングソードを掲げた。
「帝国騎士団の名において、エミーリア、貴様を魔女と判断し処刑する。お前ら、押さえろ」
ロングソードの騎士の命令で2人の騎士達が無理矢理エミーリアを床へと倒し、上から押さえた。エミーリアは必死に抵抗するが、大の男2人に敵うわけがない。
「ミネルヴァ! 助けないと!」
「神は人を助けない。我々は平等で有らねばならないんだ」
ミネルヴァが下唇を血が出るほど噛みながら目の前の処刑を見つめていた。
ミネルヴァの神眼によって、エミーリアが神の加護を受けた人間――つまり聖女である事が分かった。本来、下界でならば敬われるべき存在のはずだ。
それが魔女扱いされて無理矢理処刑されそうになっているのだ。
それは、神への冒涜に他ならない。
「ミネルヴァ! ここは下界、そして貴女はもう――神じゃない! だからっ!」
「そうか……そうだな。私はもう神ではない。ならば人を助けるも助けないも――自由か」
ミネルヴァは不敵に笑い、右手のサーベルと左手のマスケット銃を握り直した。
自由に生きると決めたのだ。ならば――
押さえられているエミーリアが叫ぶ。
「あたしに触るな! あたしに触れていいのはミネルヴァ様だけよ!!」
「それが最後の言葉か? ならば問おう。そのミネルヴァ様とやらは何処にいるのだ」
騎士はそう言って掲げたロングソードをエミーリアへと振り下ろす。
次の瞬間。
「私は――ここにいるぞ」
銃声が響き、騎士の右手がロングソードと手甲ごと射貫かれた。
「っ!? 誰だ!!」
ナイフを持って、エミーリアを押さえていた騎士の目の前に、ミネルヴァが舞い降りる。
「馬鹿な!?」
騎士のナイフを持っていた腕が、ミネルヴァが右手に持つサーベルによって切断された。
「腕がああ!!」
斬れた腕を拾おうとしゃがんだ騎士の頭部へと、ミネルヴァが左手に持つマスケット銃の銃床が叩き付けられ、騎士は意識を失い床へと落ちた。
「き、貴様!! 死――ひっ!! すみません! すみません!」
ボーガンを撃とうとした騎士の額へと、くるりと回転したマスケット銃の銃口が突きつけられた。
一瞬の出来事で三人の騎士はあっという間に制圧され、床に倒れていたエミーリアはその大きな瞳を更に大きく見開かせた。
「うそ……まさか……ミネルヴァ様?」
「ふっ……まあ、ミネルヴァ、みたいなものだ」
ミネルヴァはそう言ってエミーリアに、異性どころか同性すらも惑わすような、飛びっきり素敵なウィンクをしたのだった。
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https://www.alphapolis.co.jp/novel/711270795/734700789
作者ツイッター: twitter/minori_sui
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