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【第二部】東の国アル・ハダール
65 衝動★(ダルガート)
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ダルガートの身体はサイードさんよりももっと硬くて大きくて強い。多分ダルガートさえその気になれば僕の首の骨くらい片手で簡単に折ってしまえるくらいに。
僕の脳裏に、ダルガートが神殿で襲い掛かってきた巨漢のマスダルの喉首を片手で掴んで抑え込んだ時の事がよぎる。今の僕はその圧倒的な力と強さがたまらなく羨ましかった。
この強い強い肉体を僕のものにしたい。でも本当を言えば、僕自身がダルガートのように強くなりたくてたまらない。
咎められないのをいいことに僕は憎らしいほど逞しい身体のあちこちにキスしたり歯を立てたりしながら、ずるずると下に這い降りていく。そしてズボンのウエストを掴むとダルガートの腹の上から見上げて尋ねた。
「……いい?」
するとダルガートが答える。
「私のすべては貴方のものだ」
僕はダルガートのお腹に感謝のキスをして、ズボンの紐を解き下履きごと引き下ろす。そのまま靴も一緒に全部脱がして寝台の隅に放り投げた。そしてもう一度ダルガートの下半身に覆いかぶさる。
ああ、すごい、すごい。
僕のモノとは色も形も違う、まさに相手を屈服させ支配する凶器だ。そんなに凄いものを、僕は自分の好きにしていいんだ。
臍の下から続く茂みを掻き分け、唇を這わせて大きなソレを両手で掴んだ。そしてこれから先のことを想像して唾液が溢れる口を開けて、先端を呑み込む。
「ん……っちゅ、んんっ、……っふ、ん…………っ」
サイードさんのモノよりもっと太くて熱いそれは、亀頭を咥えるだけで精一杯だ。僕はすべすべとした先端に舌を這わせ、舐めしゃぶり、唾液とカウパーにまみれ太い竿をぬるぬると擦った。
ああ、ほら、もうこんなに硬くなって、太い血管まで浮いてる。
そうさせてるのがこの僕だってことが嬉しくてたまらない。
もっと、もっと欲しい。もっと感じて欲しい。もっと欲しがって欲しい。
久しぶりに会えた喜びと、彼が羨ましくて妬ましいという嫉妬心、そしてそれ程までの力を持ってるダルガートを自分のものにしたい欲望が入り混じって煮詰まって沸々と煮えたぎっているようだ。
だからどんなに恥ずかしいことや淫らなことでも、今なら出来てしまいそうな気がする。
「お願い、これ、全部ちょうだい」
完全に勃起したモノをゆるゆると片手で扱きながらダルガートの上に乗り上げ、顔を覗き込んで囁く。
「痛くても苦しくてもいいから、全部、欲しい」
そう言いながら、頼むから断らないで、僕を宥めようとしないで、って心の中で叫んだ。
神殿で初めてダルガートに抱かれた時、今の僕には無理だ、と言ってダルガートは自分のモノを根元まで挿れようとしなかった。
二人に大事にされるのは嬉しい。でもその度に彼らにとって僕は気を遣って導いてやらなきゃいけない子どもなんだって思い知らされる。それが悔しくて腹立たしい。
今だってきっと僕が無茶を言い出したって思って、どうやって僕の要求を諦めさせようかって冷静に頭の中で考えてるに違いないんだ。
「お願いだから、ダルガート……っ」
もっと僕を欲しがってほしい。僕ばかりがいつも切羽詰まって動揺するばかりじゃなくて、いつも冷ややかな目をして落ち着き払ってるダルガートが思わず理性をかなぐり捨ててしまうような、そうさせるだけの力が僕は欲しいんだ。
と思った時、ふわっと浮き上がったような感覚がして思わず息を呑んだら、気づくと身体が仰向けになっていた。
「え?」
一瞬何が起きたのか全然わからなかった。
ギシ、と寝台が軋む音がして視線を上げると、薄暗い天蓋のベールの中でダルガートの大きな黒い影が伸し掛かっていた。
ものすごく分厚くて重そうな身体と太い腕に囲われて、まるで狭い檻の中に閉じ込められたようで息ができなくなる。
ダルガートがものすごく意地悪そうな、そしてひどく官能的な笑みを口元に刷いて僕を見下ろしていた。
「その言葉、後悔召されるな」
その低くて擦れた声に心臓が止まりそうになる。じゅわぁ、と何かひどく居たたまれないような感覚が下腹の奥深くに広がるのを感じた。
「しない、後悔なんてしないから」
ダルガートが勿体ぶるみたいにゆっくりと羽織っていた服を脱いでいくのをうっとりと見上げながら僕は答える。
「はやく、ぜんぶ、ちょうだい」
そして僕なんか簡単に押し潰されてしまいそうな大きな身体が再び覆いかぶさってくるのを見つめながら、心も身体も明らかに何かを期待して、ぞくん、と震えた。
僕の脳裏に、ダルガートが神殿で襲い掛かってきた巨漢のマスダルの喉首を片手で掴んで抑え込んだ時の事がよぎる。今の僕はその圧倒的な力と強さがたまらなく羨ましかった。
この強い強い肉体を僕のものにしたい。でも本当を言えば、僕自身がダルガートのように強くなりたくてたまらない。
咎められないのをいいことに僕は憎らしいほど逞しい身体のあちこちにキスしたり歯を立てたりしながら、ずるずると下に這い降りていく。そしてズボンのウエストを掴むとダルガートの腹の上から見上げて尋ねた。
「……いい?」
するとダルガートが答える。
「私のすべては貴方のものだ」
僕はダルガートのお腹に感謝のキスをして、ズボンの紐を解き下履きごと引き下ろす。そのまま靴も一緒に全部脱がして寝台の隅に放り投げた。そしてもう一度ダルガートの下半身に覆いかぶさる。
ああ、すごい、すごい。
僕のモノとは色も形も違う、まさに相手を屈服させ支配する凶器だ。そんなに凄いものを、僕は自分の好きにしていいんだ。
臍の下から続く茂みを掻き分け、唇を這わせて大きなソレを両手で掴んだ。そしてこれから先のことを想像して唾液が溢れる口を開けて、先端を呑み込む。
「ん……っちゅ、んんっ、……っふ、ん…………っ」
サイードさんのモノよりもっと太くて熱いそれは、亀頭を咥えるだけで精一杯だ。僕はすべすべとした先端に舌を這わせ、舐めしゃぶり、唾液とカウパーにまみれ太い竿をぬるぬると擦った。
ああ、ほら、もうこんなに硬くなって、太い血管まで浮いてる。
そうさせてるのがこの僕だってことが嬉しくてたまらない。
もっと、もっと欲しい。もっと感じて欲しい。もっと欲しがって欲しい。
久しぶりに会えた喜びと、彼が羨ましくて妬ましいという嫉妬心、そしてそれ程までの力を持ってるダルガートを自分のものにしたい欲望が入り混じって煮詰まって沸々と煮えたぎっているようだ。
だからどんなに恥ずかしいことや淫らなことでも、今なら出来てしまいそうな気がする。
「お願い、これ、全部ちょうだい」
完全に勃起したモノをゆるゆると片手で扱きながらダルガートの上に乗り上げ、顔を覗き込んで囁く。
「痛くても苦しくてもいいから、全部、欲しい」
そう言いながら、頼むから断らないで、僕を宥めようとしないで、って心の中で叫んだ。
神殿で初めてダルガートに抱かれた時、今の僕には無理だ、と言ってダルガートは自分のモノを根元まで挿れようとしなかった。
二人に大事にされるのは嬉しい。でもその度に彼らにとって僕は気を遣って導いてやらなきゃいけない子どもなんだって思い知らされる。それが悔しくて腹立たしい。
今だってきっと僕が無茶を言い出したって思って、どうやって僕の要求を諦めさせようかって冷静に頭の中で考えてるに違いないんだ。
「お願いだから、ダルガート……っ」
もっと僕を欲しがってほしい。僕ばかりがいつも切羽詰まって動揺するばかりじゃなくて、いつも冷ややかな目をして落ち着き払ってるダルガートが思わず理性をかなぐり捨ててしまうような、そうさせるだけの力が僕は欲しいんだ。
と思った時、ふわっと浮き上がったような感覚がして思わず息を呑んだら、気づくと身体が仰向けになっていた。
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「しない、後悔なんてしないから」
ダルガートが勿体ぶるみたいにゆっくりと羽織っていた服を脱いでいくのをうっとりと見上げながら僕は答える。
「はやく、ぜんぶ、ちょうだい」
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