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元・日本の大学生くんのこれから
27 おまけ(2) ★
しおりを挟む「わ、笑うなよ」
こっちは真剣なのに。するとアトラはますます笑みを深めて俺を抱き上げた。
「み、見るな……っ」
「どうして」
「だって、俺……今サイテーなこと考えてた……」
アトラといやらしいことがしたい。キスして、あちこち触られて、めちゃくちゃに気持ちいいことがしたい。そんな俺の欲望を簡単に見抜いたアトラは「それのどこが最低なことなんだ?」と言った。
「で、でも、だって」
「気持ちいいことがしたい、美味いものが食べたい、そういう欲求は誰もが思うことだ。別に悪いことじゃない」
「そうじゃなくて……!」
といいつつ「え? そうなの?」と思ってしまう。でも。
「…………でも、誰が相手でもいいわけじゃないから……」
そうだ、俺はアトラだからそう思うんだ。気持ちよくなれさえすれば誰でもいいわけじゃない。アトラがいい。アトラじゃないと嫌なんだ。
今ここで盛られた毒のせいにして「抱いて欲しい」って言うのは、アトラの優しさを利用するってことだ。神殿でも俺は彼の《夜の従者》という役目に甘えまくってやりたい放題してた。でもそれはやっぱりいけないことだ。
「俺はこれ以上アトラの優しさに甘えたくない。自分に都合よくアトラを使うようなわがままは、もうしたくないんだ」
断腸の思いで彼から身体を離して言った。うん、偉いぞ自分。気持ちは未練タラタラだけど。ところが有無を言わさぬ力で引き戻された。アトラの恐ろしく分厚くて逞しい胸に顔が埋まって息ができない。
「ア、アトラ?」
「お前は本当にトナティルとは似ても似つかぬ男だな」
「え?」
そりゃそうだ。トナティルはちょっと、いやかなりイカレたやつだったが、いつでも自信満々でそれに見合う心の強さがあった。ところがアトラは俺の髪をぐしゃぐしゃと掻き回すと、顎を掴んで無理に顔を上げさせた。その顔は心底楽しそうで俺は思わず首をかしげてしまう。するとアトラはびっくりするくらい優しい声で言った。
「遠慮するな。いくらでも存分に甘えてくれ。お前の言うわがままなど、まだまだ全然足りないくらいだ」
「は?」
え、アトラってマゾなの? なんて失礼な疑問が頭をよぎった時、ぐい、と身体ごと持ち上げられて耳に息が掛かるくらい近くで囁かれた。
「おれだってお前と同じことを思っている。これ以上プルケに盛られた媚薬や果たすべき役目を口実にしてお前に触れたくはない。だがおれはお前に触れたいし、お前をぐちゃぐちゃにして死ぬほど気持ちいいことをしたいと思っている」
「はゎ……」
信じられないようなことを耳に吹き込まれて鼓膜の奥がぞわぞわしてしまった。それに腹の奥がきゅん、ってなる。ヤバイ、あのアトラが俺をぐちゃぐちゃにしたいって。死ぬほど気持ちいいことしたいって。
「言ってくれ、ハルト。こういう時お前の国の言葉では何と言うんだ?」
アトラのキラキラ輝く黒い目が俺を見ている。大きな手が俺を掴んで、太い腕でがっちり囲まれて、膝に乗せられた俺の股間にアトラのすごくすごく硬くて大きなモノが当たってる。え、これって、まさか。
もう頭が沸騰しそうになっててまともにものが考えられない。とろんとした目でアトラを見て、くったりと力が抜けて、アトラの腕の中で馬鹿みたいにとろとろになって答えた。
「好き。アトラのことが好きだ」
「ああ、それはナワトルの言葉にもあるな」
そう言ってアトラがとても綺麗に笑った。
「好きだ。おれの心は生涯ハルトと共にある。それを許してくれるか?」
すごい。どんな童貞殺しな口説き文句だ。俺は相変わらずバカになった頭で「いいよ~」なんて呟きながらアトラの深い深い大人のキスを受け止めた。
◇ ◇ ◇
アトラの手が、口が、舌が、指が、俺のあらゆる場所を探っている。地面に寝かせたら石や砂で怪我をするからって、アトラは俺を膝に乗せたまますごくいやらしいことをたくさんしてきた。
「あっ、ん、あ、ソコ、ソコ……っ」
俺の両足の間でアトラの手が動いている。アトラの首にしがみついて身体を支えながら、腹の中をくちゅくちゅ掻き回してはゆっくりと出入りする太い指の動きに俺はもうとろとろになっていた。
「はっ、あっ、ソコ、きもちいい……っ」
「そうだ、そうやって言葉で教えて欲しい。もう我慢する必要はないんだから」
アトラが俺の耳たぶに軽く歯を立てながら囁く。それから耳の穴をぬちぬちといやらしく舌先で嬲られて軽くイってしまった。
「~~~~~っ!」
「ああ、もう出てしまったか」
精液を漏らしたペニスをアトラの身体に擦り付けて、へこへこと情けなく腰を振る。そうすると中に潜り込んだアトラの指にあらぬ場所をえぐられて、思わず声にならない悲鳴を上げた。
「気持ちがいいか? ハルト」
「んっ、イイ、きもち、いい……っ」
俺はなんとかそう答えてアトラにキスをねだる。するとすぐに彼は応えてくれて、肉厚な舌で口の中をたっぷりと愛撫してくれた。
「ア……アトラも……アトラも、きもちよくなってほしい……」
正気だったらぶん殴りたくなるくらい甘ったれた声が俺の口から漏れる。だが残念ながら俺は正気じゃなかった。
しがみついてた手をそろそろと下ろして、アトラのモノを握る。俺が今零した精液で濡れたアトラのモノは完全に勃起していた。えぐいくらい張り出したカリの部分を指で挟んでこする。するとアトラがちょっと眉をしかめて、それがたまらなく色っぽかった。
「アトラ……おれ……これ、ほしい……」
そうおねだりするとアトラがまたキスしてくれる。
正直ぼんやりとしか覚えてないけれど、あの七日間続いた宴で、途中から俺はペニスよりも後ろの孔を責められるようになった。ナカを出入りするアトラの指が信じられないくらい気持ちよくて、限界まで射精した後だというのにさらにぼたぼたと精液を漏らしていた覚えがある。そのせいか、今もペニスだけじゃなくて中が疼いてたまらない。
「アトラ……アトラ……っ」
アトラはなぜか俺が名前を呼ぶと嬉しそうにするから、だから好きって気持ちを精一杯こめて何度も繰り返す。アトラが俺の尻を掴んで持ち上げた。そしてパンパンに張り詰めた亀頭を俺の後腔に擦り付ける。するとそこはまるで女の子の愛液みたいに中から何かが垂れ落ちてきてぐちょぐちょに濡れていた。
「な、なんでぇ……」
「宴の最後の三日間はここに直接プルケを注いでいた。それもかなり濃いやつを。そのせいかもしれないな」
「そんなバカな……」
え、俺めちゃめちゃ濃い媚薬のせいでおんなのこになっちゃったの? 俺のここ、おんなのこのアソコになっちゃった? そんなバカ丸出しなことを考えながら、でもそれでもいいって思ってしまった。
アトラのおっきな亀頭がくちゅ、と少しだけ入って来る。そのまま腰を揺すられて俺の口からどろどろに蕩けた喘ぎ声が漏れた。
「はァ……っ、は、はやく、ぅ……っ、いれて、ナカ、いれて……ぇ……っ!」
「かわいいな。もっと言ってくれ」
アトラが俺の腰をぐっと抱えこむ。それと同時に丸みを帯びたなめらかな切っ先がぐぷ、と潜り込んできた。
「……っは……ぁ、あ……っ、んぐっ」
狭い肉の狭間をこじ開けるようにして、ぶっとい肉棒が奥へ奥へと入って来る。すごい、すごい、熱くて硬くて、こんなすごいものが、いちばんおくまで。
「ひぐっ!」
どちゅっ! と亀頭が最奥にはまり込んだ。はっ、はっ、と浅い呼吸を必死に繰り返す俺の背中を優しく撫でて、アトラが俺をもたれさせてくれた。そして中が馴染むまで背中や腰を撫でてくれる。
「奥まで入ったな」
耳もとでアトラが言った。
「これでお前はおれのものだ」
ヤバイ。あの優しくて頼りがいあって大人っぽいすごい男前がものすごいことを言っている。それだけで腹の奥がきゅんきゅんしてしまった。ヤバイのは俺の方だな。そのせいでアトラのものをぎゅうっと締め付けてしまって、余計に彼のモノが俺の腹を苦しいくらいにいっぱいに埋め尽くしてるって実感してしまった。
「動いていいか?」
アトラが聞いてくる。俺は声も出せずにひたすらコクコクと頷いた。
「あっ」
ゆさ、と揺らされて、それからリズミカルにゆるゆると腰を突き上げられる。きもちいい、きもちいい、バカみたいに気持ちがいい。おれ、おとこなのに、おとこにちんぽいれられてなんでこんなにきもちがいいの。
「あぁっ……ああぁ、あ、あ、きもち、……ぃい……っ」
「そうか、おれも気持ちがいい」
「んっ、よ、よかっ、あ、……これ、すご…っあぁ、あ、っ」
ぐぷぐぷと一番奥をしつこくしつこく突かれてこねられて、何かすごいものがせり上がって来る感じがする。
「ア、やだ、イく、イく、あ、ひゃ」
「なあ、ハルト」
ふいにアトラが耳元で聞いてくる。
「前もイく、と言っていたが、どこへ行くんだ?」
「は?」
なんだ? ああ、そういえば海外モノのAVだと、I'm commingだっけ「イく」じゃなくて「来る」って言うとかなんとか、誰かが言ってた気がするな。
ヤバ、こんな時に笑わせないでよ。俺がうひひ、と口をゆがませて笑うとアトラも笑った。
「いつでも笑っていてくれ、ハルト」
「あ、んっ、アトラ、アトラも、ね」
「ああ」
ぎゅっとアトラに抱き着くと、アトラも腕に力を籠めてさらに強く突いてくる。
「くぅ、っんあ、ぁ、だめだめっ、いくぅ……っ」
「ああ、いくらでも」
ぎゅうっとアトラが俺を抱きしめて、次の瞬間腹の中にものすごい熱いどろどろしたものを注ぎ込まれた。それでもアトラは止まらずぐりぐりと最奥に擦り付けてきて、視界がパチパチと白く弾ける。なんだろう、今までと違う、腹の中がビクビクと痙攣して止まらない。イったはずなのに全然余韻が消えなくて、アトラの腕の中で俺はいつまでもビクン、ビクン、と身体を震わせていた。
「なんだ、今度は出さずにイったのか」
アトラがそう言ったような気がしたが意味がよくわからない。それからゆっくりと抜かれて、ひょいと身体を持ち上げられて向かい合わせに座っていた身体を反対に向けられた。
アトラは俺を自分の胸にもたれさせて、川の水で俺の身体を洗い始めた。なんだか神殿での沐浴場を思い出すな。足の間も丁寧にこすられて気持ちがいい。でも指でちゅこちゅこと入口の浅いところや奥の方を洗われて、またひくひくと反応してしまった。
「……アトラ」
「なんだ?」
「イくってのはさ、天国に行っちゃうくらい気持ちがいいっていう意味だよ」
そう言ってから「天国」ってナワトル語にもあるのかな? と思った。でもちゃんと意味は通じたようで、アトラが笑って「それは良かった」と言った。
それからしばらくして、今度はアトラの方から話しかけてきた。
「さっき、おれの髪を解いただろう」
「え……ああ、三つ編みのこと……?」
「男の編んだ髪を解くのは妻か恋人だけだ」
「わーお……」
だから一瞬言葉に詰まってたのか。やっぱりアトラって結構面白い。
「疲れただろう? 眠れ。後はおれが全部やっておくから」
結局またお世話になっちゃうなぁ……と申し訳なく思いつつ、だんだん意識が遠のいていく。アトラは俺の手や足をマッサージしながら、子どもの寝かしつけでもしてるみたいに静かに何か話していた。
「このまま進めばおれの故郷のトルテカだ。戦士は皆死んだが、それ以外の者がまだ隠れて生き延びているかもしれない。それを確かめに行こうと思うのだが……」
「う、ん……いいよぉ……」
そりゃあ気になるよな。誰か生き残っているなら助けてあげないと。
俺も何か手伝えることあるかな。あるといいな。そんなことをムニャムニャ呟くと、アトラが笑って額にキスをした。
これからどんな人生が待っているのかはわからないけど、アトラと一緒なら大丈夫。
心の底からそう思った。
おわり
最後まで読んで下さってありがとうございました!
次はもうちょっと明るくて楽しい感じの話を書く予定です。
もしよかったら作者名(伊藤クロエ)をお気に入り登録していただければ更新情報が届くと思います。
よろしくお願いします~~!
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言葉を交わさずこんなにも絆の深まりを描くことができるのかと感動致しました。
また物語前半では徹底してアトラ側の内面を見せないことで1層彼のことが知りたい、声を聞きたいと主人公に憑依しながらドキドキ読むことができました。
徐々に明かされていく情報の出し方もあとを引いて読む手が止まらず一気に読んでしまいました、すごい充実感です…!!
こんなに面白い作品を読ませていただいたことに感謝致します。
丁度、transitと言う雑誌で暦と歴史が出ていて古代メキシコが恐ろしいことをしてたのにおののきました。二人が逃げられてほーんと良かった。これからの冒険で幸せになりますように
めちゃ面白かったです!続き切望…!