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第一章 異世界の住人はとても個性的でした。
新たな住人の正体は?
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持つ者に、幸運と竜の加護を与えると言われる伝説の竜玉を得た暖。
しかし、彼女の日常は、全く変わらなかった。
(特にラッキーになったっていう感じもしないし?)
ディアナやウルフィアにマッサージをし、アルディアに言葉を習いながらギオルのウロコを磨き、リオールの話を聞く日々。
暖の日常は今まで通り続いている。
(あ、でもギオルの調子は良さそうよね)
そう、暖に特に変わったことはないが彼女に竜玉を渡してくれたギオルの方は、最近すこぶる調子が良さそうだ。
竜玉によってできた暖とのつながりが、認知症の竜の精神面に良い影響を与えているのかもしれない。
(食事をしたことを忘れることも少なくなったし、私以外の人の名前も、前ほど間違えなくなったわよね)
もっとも、時々とんちんかんなことを言う症状は治っていないが――――
(ディアナのことを、“破壊の魔女” だの “世界を三度滅ぼしかけた暗黒神” だなんて言うんだもの)
笑い話として暖がディアナに伝えれば、老いた魔女は真っ赤になって怒った。
「三度などと言いがかりもはなはだしい! わしが滅ぼそうとしたのは二度だけで、後の一度は不幸な偶然が重なっただけじゃ。断じてわしのせいではない!」
――――うん。ディアナの言葉は聞かなかったことにしよう。
固く胸に誓う暖だった。
そんな毎日を繰り返していた暖に、新たなこの村の住人が引き合わされたのは、竜玉を得てから一カ月後のことだった。
「本当に、どうしてこんなにダルいのかわからないのよね」
気だるげにそう話す絶世の美女が暖の目の前にいる。
彼女は最近この地に療養に来たのだと言った。
一見どこも悪くなさそうなのに、体がダルく何もやる気が起きないのだと。
いつまで経っても症状が良くならないため、彼女は王子であるアルディアに相談した。
そして、相談を受けたアルディアが暖を呼びつけたのだ。
……絶対、面倒になったから押しつけたのだろうと、暖は確信する。
「めまいはするし、立ちくらみは起こるし――――」
美女は自分の症状を切々と訴える。
聞いた暖は、一つの病気を思い出した。
(……貧血?)
貧血という病気を知らない人は、現代日本にはいないだろう。
赤血球が減り血液が少なくなってしまうことで起こる病気で、めまいがしたり立ちくらみがしたりして、耳鳴りや息切れなども主症状として現れる。
顔色が悪くなり食欲もなく、本来なんともない運動でも疲れやすくなる。
目の前の美女の訴える症状は、ことごとく貧血の症状にあてはまった。
そう思った暖がアルディアに伝えれば、ワガママな王子は「あとは任せた」の一言で、暖と美女を自分の個室から追い出す。
「――――随分小さい子どもなのね? 本当にあなたでわかるの?」
別室に二人きりになった途端、美女は不満たっぷりに暖を睨んだ。
「私、コレデモ成人女性!」
暖も憤然として言い返す。
「成人? まあ見た目で判断できないのはわかるけど……でも、あなた生娘でしょう?」
生娘とは、つまりは処女だということである。
美女の言葉に、暖は真っ赤になって口をパクパクと開閉させた。
(いったいどうしてわかるの?)
暖の様子を見た美女は「やっぱり」と頷く。
軽く睨む暖に、嫣然と微笑み返してきた。
「私に誤魔化そうとしても無駄よ。私は ”吸血鬼” ですもの。相手が処女かそうでないかを判断するのはお手のものなのよ」
暖は、ポカンと口を開けた。
しかし、彼女の日常は、全く変わらなかった。
(特にラッキーになったっていう感じもしないし?)
ディアナやウルフィアにマッサージをし、アルディアに言葉を習いながらギオルのウロコを磨き、リオールの話を聞く日々。
暖の日常は今まで通り続いている。
(あ、でもギオルの調子は良さそうよね)
そう、暖に特に変わったことはないが彼女に竜玉を渡してくれたギオルの方は、最近すこぶる調子が良さそうだ。
竜玉によってできた暖とのつながりが、認知症の竜の精神面に良い影響を与えているのかもしれない。
(食事をしたことを忘れることも少なくなったし、私以外の人の名前も、前ほど間違えなくなったわよね)
もっとも、時々とんちんかんなことを言う症状は治っていないが――――
(ディアナのことを、“破壊の魔女” だの “世界を三度滅ぼしかけた暗黒神” だなんて言うんだもの)
笑い話として暖がディアナに伝えれば、老いた魔女は真っ赤になって怒った。
「三度などと言いがかりもはなはだしい! わしが滅ぼそうとしたのは二度だけで、後の一度は不幸な偶然が重なっただけじゃ。断じてわしのせいではない!」
――――うん。ディアナの言葉は聞かなかったことにしよう。
固く胸に誓う暖だった。
そんな毎日を繰り返していた暖に、新たなこの村の住人が引き合わされたのは、竜玉を得てから一カ月後のことだった。
「本当に、どうしてこんなにダルいのかわからないのよね」
気だるげにそう話す絶世の美女が暖の目の前にいる。
彼女は最近この地に療養に来たのだと言った。
一見どこも悪くなさそうなのに、体がダルく何もやる気が起きないのだと。
いつまで経っても症状が良くならないため、彼女は王子であるアルディアに相談した。
そして、相談を受けたアルディアが暖を呼びつけたのだ。
……絶対、面倒になったから押しつけたのだろうと、暖は確信する。
「めまいはするし、立ちくらみは起こるし――――」
美女は自分の症状を切々と訴える。
聞いた暖は、一つの病気を思い出した。
(……貧血?)
貧血という病気を知らない人は、現代日本にはいないだろう。
赤血球が減り血液が少なくなってしまうことで起こる病気で、めまいがしたり立ちくらみがしたりして、耳鳴りや息切れなども主症状として現れる。
顔色が悪くなり食欲もなく、本来なんともない運動でも疲れやすくなる。
目の前の美女の訴える症状は、ことごとく貧血の症状にあてはまった。
そう思った暖がアルディアに伝えれば、ワガママな王子は「あとは任せた」の一言で、暖と美女を自分の個室から追い出す。
「――――随分小さい子どもなのね? 本当にあなたでわかるの?」
別室に二人きりになった途端、美女は不満たっぷりに暖を睨んだ。
「私、コレデモ成人女性!」
暖も憤然として言い返す。
「成人? まあ見た目で判断できないのはわかるけど……でも、あなた生娘でしょう?」
生娘とは、つまりは処女だということである。
美女の言葉に、暖は真っ赤になって口をパクパクと開閉させた。
(いったいどうしてわかるの?)
暖の様子を見た美女は「やっぱり」と頷く。
軽く睨む暖に、嫣然と微笑み返してきた。
「私に誤魔化そうとしても無駄よ。私は ”吸血鬼” ですもの。相手が処女かそうでないかを判断するのはお手のものなのよ」
暖は、ポカンと口を開けた。
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