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第二章 平穏な日々ばかりではないようです。
私ですか!?
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拉致という言葉に、聞いていた全員が、一斉に殺気立つ。
空気がビリビリと震え、暖の背中にも寒気が走った。
その殺気を直接浴びたダンケルは、顔を青くして慌てて首を横に振る。
「いや、その! 拉致は、その、最終手段で! その前にできれば協力を仰げと言われている!」
ビビりながら言い訳をするダンケル。
「協力ぅ?」
「拉致しようとしておいてか?」
「相変わらずあのクソ魔王は、面の皮が厚いのぉ」
「魔の国もろとも滅ぼした方が、いいんじゃなぁい?」
「俺が、先陣を切る!」
リオール、ギオル、ディアナ、ラミアー、そしてネモの順の発言に、ダンケルの顔はますます青くなる。
「待て! 待ってくれ! ――――本当に拉致は最後の手段で! それだって、治癒魔法の使い手に危害を加えるつもりはなかったんだ。助けてもらうために拐うのだから、当然だろう! ……ただ最初から理由を話して助けを求めても聞いてもらえる確率が低かったから、……だから拉致した方が早いと思ったんだ!」
必死に言い募るダンケル。
なにせ相手は『エルフの失われた王』に『落ちたる竜王』、『世界を二度滅ぼしかけた魔女』と『神を堕落させた吸血姫』、そして『ドワーフの狂戦士』なんていう、どこの厨二病かと思うような二つ名を持つ存在ばかりなのだ。
彼らに睨まれて、タダで済むはずがない。
しかし――――
「そんなもん、自業自得じゃろう」
ディアナは、ダンケルのいいわけをバッサリ切り捨てた。
「今まで他種族を虐げ敵対してきたから、そんな羽目になるのじゃ。わしを見ろ! わしのように常に慈愛に満ちた聖女のような生き方をしていれば、周囲の者は、皆親切にわしの願いをきいてくれるようになるのじゃぞ!」
ディアナの発言に、聞いていた全員がそっと目を逸らす。
「………いや、それは怖くて逆らえないだけじゃないのか?」
ダンケルは言わずもがなのツッコミをした。
案外バカ正直な魔族である。
言った瞬間ギロリとディアナに睨まれ、ブルブルと体を震えさせる。
「……で、いったいどこをどう曲解して、その経緯で協力してもらえると思ったのですか?」
リオールが呆れたようにダンケルにたずねた。
確かに今までの彼の話では、誰も魔族を助けたいとは思わないだろう。
「俺たちを助ければ、この戦争は終わるからな」
人間の戦いから手を引く事を取り引き材料に、治癒魔法の使い手の力を得ようと魔族は思っていたという。
「――――随分、ずうずうしい考えですね」
リオールは、ますます呆れかえって肩をすくめた。
自分から戦争を仕掛けておいて協力してくれたら手を引くだなんて、身勝手にも程がある。
しかも最終的には力づくで拉致しようとしていたのだ。そんな魔族にいったい誰が協力するだろう。
「戦争など、やろうとさえ思えば、わしとディアナだけで三日もあれば終わらせられるぞ」
だから取引材料になどならないだろうと、ギオルが首を傾げる。
しかし――――
「老い先短いわしの貴重な三日を、そんなつまらんことにとられてたまるか!」
ディアナに忌々しそうにそう言われてしまった。
どうやらダンケルの申し出は、取引材料として有効なようだ。
勢い込んだ魔族は、身を乗り出す。
「だから! 頼む、協力してくれ! ちょっと魔界に来て俺たちの病を治してくれればそれでいいんだ。頼む!――――ウララ!」
ダンケルは、必死に叫ぶ!
地に着きそうなほどに、頭を下げた。
――――折り曲げられた彼の頭の先に立っているのは、暖だ。
暖は、一瞬ポカンとした。
「……ヘ?」
なんとも間抜けな声が出てしまう。
仲間たちを見回して、自分で自分を指さし首をひねる。
リオールが静かに頷いた。
「エ? ……エ、エエッ? エエエェェッ?! ワ、私!?」
なんとも間抜けな叫び声が、その場にあがった。
空気がビリビリと震え、暖の背中にも寒気が走った。
その殺気を直接浴びたダンケルは、顔を青くして慌てて首を横に振る。
「いや、その! 拉致は、その、最終手段で! その前にできれば協力を仰げと言われている!」
ビビりながら言い訳をするダンケル。
「協力ぅ?」
「拉致しようとしておいてか?」
「相変わらずあのクソ魔王は、面の皮が厚いのぉ」
「魔の国もろとも滅ぼした方が、いいんじゃなぁい?」
「俺が、先陣を切る!」
リオール、ギオル、ディアナ、ラミアー、そしてネモの順の発言に、ダンケルの顔はますます青くなる。
「待て! 待ってくれ! ――――本当に拉致は最後の手段で! それだって、治癒魔法の使い手に危害を加えるつもりはなかったんだ。助けてもらうために拐うのだから、当然だろう! ……ただ最初から理由を話して助けを求めても聞いてもらえる確率が低かったから、……だから拉致した方が早いと思ったんだ!」
必死に言い募るダンケル。
なにせ相手は『エルフの失われた王』に『落ちたる竜王』、『世界を二度滅ぼしかけた魔女』と『神を堕落させた吸血姫』、そして『ドワーフの狂戦士』なんていう、どこの厨二病かと思うような二つ名を持つ存在ばかりなのだ。
彼らに睨まれて、タダで済むはずがない。
しかし――――
「そんなもん、自業自得じゃろう」
ディアナは、ダンケルのいいわけをバッサリ切り捨てた。
「今まで他種族を虐げ敵対してきたから、そんな羽目になるのじゃ。わしを見ろ! わしのように常に慈愛に満ちた聖女のような生き方をしていれば、周囲の者は、皆親切にわしの願いをきいてくれるようになるのじゃぞ!」
ディアナの発言に、聞いていた全員がそっと目を逸らす。
「………いや、それは怖くて逆らえないだけじゃないのか?」
ダンケルは言わずもがなのツッコミをした。
案外バカ正直な魔族である。
言った瞬間ギロリとディアナに睨まれ、ブルブルと体を震えさせる。
「……で、いったいどこをどう曲解して、その経緯で協力してもらえると思ったのですか?」
リオールが呆れたようにダンケルにたずねた。
確かに今までの彼の話では、誰も魔族を助けたいとは思わないだろう。
「俺たちを助ければ、この戦争は終わるからな」
人間の戦いから手を引く事を取り引き材料に、治癒魔法の使い手の力を得ようと魔族は思っていたという。
「――――随分、ずうずうしい考えですね」
リオールは、ますます呆れかえって肩をすくめた。
自分から戦争を仕掛けておいて協力してくれたら手を引くだなんて、身勝手にも程がある。
しかも最終的には力づくで拉致しようとしていたのだ。そんな魔族にいったい誰が協力するだろう。
「戦争など、やろうとさえ思えば、わしとディアナだけで三日もあれば終わらせられるぞ」
だから取引材料になどならないだろうと、ギオルが首を傾げる。
しかし――――
「老い先短いわしの貴重な三日を、そんなつまらんことにとられてたまるか!」
ディアナに忌々しそうにそう言われてしまった。
どうやらダンケルの申し出は、取引材料として有効なようだ。
勢い込んだ魔族は、身を乗り出す。
「だから! 頼む、協力してくれ! ちょっと魔界に来て俺たちの病を治してくれればそれでいいんだ。頼む!――――ウララ!」
ダンケルは、必死に叫ぶ!
地に着きそうなほどに、頭を下げた。
――――折り曲げられた彼の頭の先に立っているのは、暖だ。
暖は、一瞬ポカンとした。
「……ヘ?」
なんとも間抜けな声が出てしまう。
仲間たちを見回して、自分で自分を指さし首をひねる。
リオールが静かに頷いた。
「エ? ……エ、エエッ? エエエェェッ?! ワ、私!?」
なんとも間抜けな叫び声が、その場にあがった。
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