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第四章 選んだ先の未来へ向かいます!
後悔先に立たず
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思いもよらぬ正妃からの招待を受け、暖は目を丸くする。
「凄いわ! ウララ。側妃や身分の高い侍女以外の者が正妃さまにお目通りできるなんて、滅多にないことなのよ! 流石、私のウララだわ!」
モノアは手放しに喜ぶ。
いつの間に暖はモノアのウララになったのだろう?
ともあれ彼女に断るという選択肢は与えられていないようだった。
(正妃は魔王の奥さんだけど、ダンケルのお母さんではないのよね。……ってことは、ひょっとしてものすごく仲が悪かったりするんじゃないの?)
嫌な予感がヒシヒシとする。
「大丈夫よ、私も一緒に呼ばれているから。礼儀作法は私がバッチリ教えてあげるわ。……そうだわ! 謁見のための衣装もお揃いで作りましょう!」
一方、モノアはノリノリである。
自分で自分のアイデアを気に入ってパチンと手を叩いた。
先日以来、何着も作らせて毎日着ているアラビアンナイト風の衣装を見下ろしながら、にっこりと笑う。
(え? ……まさか、それを私が着るの?)
暖は顔色を悪くした。
「ムリムリムリ!」
首をブンブンと横に振り、必死に着たくないとアピールする。
「大丈夫よ。今から急いで作れば、正妃さまとの謁見までにウララの衣装を作ることは可能だわ。うんと豪華にしましょう!」
遠慮するなとモノアは言った。
そういう意味じゃない! と怒鳴りつけたい暖だ。
しかし悲しいかな、咄嗟に言葉が浮かばなかった。
――――結果、断りきれなかった暖はキラキラと光り輝くスケスケの衣装を身につける羽目になる。
モノアが渾身の思いを込めて作らせた衣装は、ため息が出るほど美しい。
「キレイよ! ウララ」
「……衣装ガ、ネ」
暖はガックリ肩を落とした。
(まさか自分が着るようになるとは思わなかったわ。……こんなことならアラビアンナイト風の衣装なんて、絶対勧めなかったのに!)
後悔、先に立たず。
あの日、調子に乗って衣装を作らせた自分を怒鳴りつけてやりたいと、暖は思う。
「いや、想像以上に似合っているぞ。その体形でその衣装はどうかと私も思ったのだが、……うん。悪くない」
落ち込む暖を慰めようとしたのだろう、料理長が声をかけてきた。
「……同情、イラナイ」
「いや、同情ではなく本当に――――」
料理長はなおも暖に話しかけてくるのだが、暖は聞いていなかった。
彼女の頭の中は、来るべき正妃との謁見でいっぱいになっていたのだ。
(着てしまった衣装は仕方ないわよね。笑われるのは覚悟して。……それより気にしなきゃいけないのは、正妃の思惑だわ。いったい私になんの用かしら?)
そこがわからない暖である。
暖のしているマッサージの噂を聞いて、依頼されるくらいならいいのだが……最悪、暖が人間だということがバレて捕まえようとしている可能性だって考えられる。
(正妃っていうくらいだから頭はいいと思うんだけど。……問答無用で殺そうとしたり、しないわよね?)
とはいえ魔王もあんな感じである。
あまり期待はできないと暖は思う。
その場合、どうやって波風立てずに済まそうかと悩んでしまった。
下手に攻撃されでもしたら、即座に暖の防御魔法が発動する。
後宮は、あっという間に消滅するだろう。
(それどころか、魔界滅亡だってあり得るわよね?)
モノアや料理長と過ごすうちに、暖はだんだん魔族に親しみを抱くようになってきた。
一つ目だったりトカゲだったりと、恐ろしい容貌の魔族たちだが、ずっと一緒に暮らして、その姿に慣れてみれば、人間とそれほど大きな違いはない。
(私のせいで、モノアやみんなが死んだりしたら嫌だわ)
何よりここまでマッサージをしてきた暖の努力が無に帰してしまう。
それはなんとしても避けたかった。
(ともかく、落ち着いて平常心でいきましょう。何が起こっても慌てず冷静に対処するの!)
暖は、固く決意する。
しかし、その決意は謁見のために正妃の間に入った途端、ガラガラと崩れ去った。
「やあ! 子豚ちゃん、久しぶり!」
短い牛の角を生やした絶世の美人の正妃の後ろには、何故かニコニコと笑うブラットが立っていた。
「凄いわ! ウララ。側妃や身分の高い侍女以外の者が正妃さまにお目通りできるなんて、滅多にないことなのよ! 流石、私のウララだわ!」
モノアは手放しに喜ぶ。
いつの間に暖はモノアのウララになったのだろう?
ともあれ彼女に断るという選択肢は与えられていないようだった。
(正妃は魔王の奥さんだけど、ダンケルのお母さんではないのよね。……ってことは、ひょっとしてものすごく仲が悪かったりするんじゃないの?)
嫌な予感がヒシヒシとする。
「大丈夫よ、私も一緒に呼ばれているから。礼儀作法は私がバッチリ教えてあげるわ。……そうだわ! 謁見のための衣装もお揃いで作りましょう!」
一方、モノアはノリノリである。
自分で自分のアイデアを気に入ってパチンと手を叩いた。
先日以来、何着も作らせて毎日着ているアラビアンナイト風の衣装を見下ろしながら、にっこりと笑う。
(え? ……まさか、それを私が着るの?)
暖は顔色を悪くした。
「ムリムリムリ!」
首をブンブンと横に振り、必死に着たくないとアピールする。
「大丈夫よ。今から急いで作れば、正妃さまとの謁見までにウララの衣装を作ることは可能だわ。うんと豪華にしましょう!」
遠慮するなとモノアは言った。
そういう意味じゃない! と怒鳴りつけたい暖だ。
しかし悲しいかな、咄嗟に言葉が浮かばなかった。
――――結果、断りきれなかった暖はキラキラと光り輝くスケスケの衣装を身につける羽目になる。
モノアが渾身の思いを込めて作らせた衣装は、ため息が出るほど美しい。
「キレイよ! ウララ」
「……衣装ガ、ネ」
暖はガックリ肩を落とした。
(まさか自分が着るようになるとは思わなかったわ。……こんなことならアラビアンナイト風の衣装なんて、絶対勧めなかったのに!)
後悔、先に立たず。
あの日、調子に乗って衣装を作らせた自分を怒鳴りつけてやりたいと、暖は思う。
「いや、想像以上に似合っているぞ。その体形でその衣装はどうかと私も思ったのだが、……うん。悪くない」
落ち込む暖を慰めようとしたのだろう、料理長が声をかけてきた。
「……同情、イラナイ」
「いや、同情ではなく本当に――――」
料理長はなおも暖に話しかけてくるのだが、暖は聞いていなかった。
彼女の頭の中は、来るべき正妃との謁見でいっぱいになっていたのだ。
(着てしまった衣装は仕方ないわよね。笑われるのは覚悟して。……それより気にしなきゃいけないのは、正妃の思惑だわ。いったい私になんの用かしら?)
そこがわからない暖である。
暖のしているマッサージの噂を聞いて、依頼されるくらいならいいのだが……最悪、暖が人間だということがバレて捕まえようとしている可能性だって考えられる。
(正妃っていうくらいだから頭はいいと思うんだけど。……問答無用で殺そうとしたり、しないわよね?)
とはいえ魔王もあんな感じである。
あまり期待はできないと暖は思う。
その場合、どうやって波風立てずに済まそうかと悩んでしまった。
下手に攻撃されでもしたら、即座に暖の防御魔法が発動する。
後宮は、あっという間に消滅するだろう。
(それどころか、魔界滅亡だってあり得るわよね?)
モノアや料理長と過ごすうちに、暖はだんだん魔族に親しみを抱くようになってきた。
一つ目だったりトカゲだったりと、恐ろしい容貌の魔族たちだが、ずっと一緒に暮らして、その姿に慣れてみれば、人間とそれほど大きな違いはない。
(私のせいで、モノアやみんなが死んだりしたら嫌だわ)
何よりここまでマッサージをしてきた暖の努力が無に帰してしまう。
それはなんとしても避けたかった。
(ともかく、落ち着いて平常心でいきましょう。何が起こっても慌てず冷静に対処するの!)
暖は、固く決意する。
しかし、その決意は謁見のために正妃の間に入った途端、ガラガラと崩れ去った。
「やあ! 子豚ちゃん、久しぶり!」
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