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エピローグ
まだまだこれからだ!
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あの日のディアナの予言は、ぴったりと当たったのだ。
『正樹さんったら、大きな声を出さないで。赤ちゃんが泣いたらどうするの?』
キツイ声で陽詩は義弟を叱りつける。
陽詩の赤ちゃんを見る目は、母性本能に溢れていた。
病弱で体の弱い陽詩。
彼女に出産は無理だと、暖の友人の女医は診断していた。
その辺の事情を全て知って、それでも陽詩を伴侶へと望んだ義弟のその点だけは暖も評価している。
そんな陽詩は昔から『お姉ちゃんに子供が産まれたら我が子のように可愛がるのだ』と宣言していた。
彼女が、大好きなお姉ちゃんの産んだ双子の赤ちゃんにメロメロになったのは言うまでもない。
『お姉ちゃん、お願い。この子たちに日本の教育を受けさせてあげてくれない? お姉ちゃんは、そっちの世界で暮らすことを選んだけれど、でもこの子たちには間違いなく日本人の血も流れているわ。せっかく二つの世界の血を持つ子供たちなんだもの。大きくなって、この子たちが自由に好きな方の世界を選べるようにしてあげた方がいいと思うの』
なんと陽詩はそんなことを提案してきた。
子供たちが日本にいる時は、自分たちの子として大切に育てたいとも。
陽詩の本当の目的が、ただただ暖の子供たちを可愛がりたいだけなのだということなど明け透けだったのだが、驚いたことに陽詩の提案をアルディアが思いのほか気に入った。
「広い視点を持つことは、子供にとって大切なことだ」
真面目な顔で頷くアルディア。
『ありがとうございます。お義兄さん。……私たちが赤ちゃんを預かっている間は、どうぞ安心してお姉ちゃんとイチャイチャしてくださいね。単身赴任なんですもの。夫婦の時間は大切ですよね』
ニッコリと、可愛らしく笑う陽詩。
「……陽詩……アルディア」
呆然とする暖だった。
そんなこんなで、暖の二人の子供たちは日本とこの世界を行き来しつつ元気に育っている。
元々才能があったのか、ディアナの指導を受けた二人は、今では自力で異世界への扉を開けるまでになっていた。
「もとまおうのおじいちゃん! はやく、ウロコみがきおわらせて、アカリとデッキブラシでけっとうごっこしよう!」
「そのあとで、ぼくとまほうしょうぶだよ。きのうディアナおばあちゃんに、うんと、ひきょうなまほうをおしえてもらったんだ! はやくためしたい!」
――――いささか、元気すぎる気もするが。
元魔王は派手に顔を引きつらせた。
それでも断らないあたり、彼も二人の子供たちを気に入っているのかもしれない。
苦笑しながら暖は我が子をギュッと抱きしめた。
「それもいいけれど、まずはお家に帰りましょう。今日はとってもいい知らせがあるのよ」
二人は目を輝かせて、暖を見上げた。
「いいこと!?」
「パパ! パパでしょう!? パパ、ようやく王さまを寿退社できたの?」
……むやみやたらに、子供が使わないような日本語まで教えるのは止めてほしいと、今度陽詩に伝えよう。
そう暖は固く決意する。
「それもあるけどね――――」
暖は、二人の子供たちの耳にこっそりと囁く。
聞いた二人は、顔を見合わせて「キャァ~!」と、歓声をあげた。
「わたしたちが!」
「おねえちゃんとおにいちゃんに、なるの!?」
ハイタッチして喜ぶ子供たち。
暖のお腹には、アルディアとの三人目の子供が宿っていた。
「やった! やった!」と騒ぐ二人は、リオールや元魔王ともハイタッチをし、ギオルの巨大な頭をよじのぼり、二本の角ともハイタッチする。
「みんなにも、おしえなくっちゃ!」
叫ぶなり二人揃って駆けていった。
明るい子供の声が、村の中に響いていく。
賑やかに、晴れ晴れと――――
その声に耳を傾けながら――――幸せだと、暖は思った。
ある日突然、温泉と一緒に素っ裸で異世界召喚されてしまった暖。
どうなることかと思ったが、暖はこの世界でかけがえのない幸せを手に入れた。
愛する人と仲間たち。
二人の子供と、そしてもう一人――――
そっと、自分のお腹に手を当てる。
(ううん。まだまだこれからよね。私は、ずっとこれからも幸せに生きていくんだから。……みんなと一緒に)
暖は笑顔で空を見上げる。
彼女の幸せな日々は、まだまだこれからも、ずっとずっと続いていくのだった。
――――おわり
……………………………
これにて完結です。
お読みいただきありがとうございました!
『正樹さんったら、大きな声を出さないで。赤ちゃんが泣いたらどうするの?』
キツイ声で陽詩は義弟を叱りつける。
陽詩の赤ちゃんを見る目は、母性本能に溢れていた。
病弱で体の弱い陽詩。
彼女に出産は無理だと、暖の友人の女医は診断していた。
その辺の事情を全て知って、それでも陽詩を伴侶へと望んだ義弟のその点だけは暖も評価している。
そんな陽詩は昔から『お姉ちゃんに子供が産まれたら我が子のように可愛がるのだ』と宣言していた。
彼女が、大好きなお姉ちゃんの産んだ双子の赤ちゃんにメロメロになったのは言うまでもない。
『お姉ちゃん、お願い。この子たちに日本の教育を受けさせてあげてくれない? お姉ちゃんは、そっちの世界で暮らすことを選んだけれど、でもこの子たちには間違いなく日本人の血も流れているわ。せっかく二つの世界の血を持つ子供たちなんだもの。大きくなって、この子たちが自由に好きな方の世界を選べるようにしてあげた方がいいと思うの』
なんと陽詩はそんなことを提案してきた。
子供たちが日本にいる時は、自分たちの子として大切に育てたいとも。
陽詩の本当の目的が、ただただ暖の子供たちを可愛がりたいだけなのだということなど明け透けだったのだが、驚いたことに陽詩の提案をアルディアが思いのほか気に入った。
「広い視点を持つことは、子供にとって大切なことだ」
真面目な顔で頷くアルディア。
『ありがとうございます。お義兄さん。……私たちが赤ちゃんを預かっている間は、どうぞ安心してお姉ちゃんとイチャイチャしてくださいね。単身赴任なんですもの。夫婦の時間は大切ですよね』
ニッコリと、可愛らしく笑う陽詩。
「……陽詩……アルディア」
呆然とする暖だった。
そんなこんなで、暖の二人の子供たちは日本とこの世界を行き来しつつ元気に育っている。
元々才能があったのか、ディアナの指導を受けた二人は、今では自力で異世界への扉を開けるまでになっていた。
「もとまおうのおじいちゃん! はやく、ウロコみがきおわらせて、アカリとデッキブラシでけっとうごっこしよう!」
「そのあとで、ぼくとまほうしょうぶだよ。きのうディアナおばあちゃんに、うんと、ひきょうなまほうをおしえてもらったんだ! はやくためしたい!」
――――いささか、元気すぎる気もするが。
元魔王は派手に顔を引きつらせた。
それでも断らないあたり、彼も二人の子供たちを気に入っているのかもしれない。
苦笑しながら暖は我が子をギュッと抱きしめた。
「それもいいけれど、まずはお家に帰りましょう。今日はとってもいい知らせがあるのよ」
二人は目を輝かせて、暖を見上げた。
「いいこと!?」
「パパ! パパでしょう!? パパ、ようやく王さまを寿退社できたの?」
……むやみやたらに、子供が使わないような日本語まで教えるのは止めてほしいと、今度陽詩に伝えよう。
そう暖は固く決意する。
「それもあるけどね――――」
暖は、二人の子供たちの耳にこっそりと囁く。
聞いた二人は、顔を見合わせて「キャァ~!」と、歓声をあげた。
「わたしたちが!」
「おねえちゃんとおにいちゃんに、なるの!?」
ハイタッチして喜ぶ子供たち。
暖のお腹には、アルディアとの三人目の子供が宿っていた。
「やった! やった!」と騒ぐ二人は、リオールや元魔王ともハイタッチをし、ギオルの巨大な頭をよじのぼり、二本の角ともハイタッチする。
「みんなにも、おしえなくっちゃ!」
叫ぶなり二人揃って駆けていった。
明るい子供の声が、村の中に響いていく。
賑やかに、晴れ晴れと――――
その声に耳を傾けながら――――幸せだと、暖は思った。
ある日突然、温泉と一緒に素っ裸で異世界召喚されてしまった暖。
どうなることかと思ったが、暖はこの世界でかけがえのない幸せを手に入れた。
愛する人と仲間たち。
二人の子供と、そしてもう一人――――
そっと、自分のお腹に手を当てる。
(ううん。まだまだこれからよね。私は、ずっとこれからも幸せに生きていくんだから。……みんなと一緒に)
暖は笑顔で空を見上げる。
彼女の幸せな日々は、まだまだこれからも、ずっとずっと続いていくのだった。
――――おわり
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これにて完結です。
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