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エピローグ
その後の村での日常
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「そこ、もっと丁寧に!」
「クソッ! なんで私が、こんなことを」
「しっかり磨いて!」
時が過ぎいつもの日々が戻り、以前と同じようにギオルのウロコを磨く暖。
そこには一緒に鱗を磨く魔王――――いや、元魔王の姿があった。
「長生きはするものだな。よもや魔王に体を磨かれることが日常になるとは、思いもしなかった」
呆れるギオルのセリフは、いつかどこかで聞いたような気がする。
暖たちと一緒の村で暮らすようになった元魔王。
手荒い洗礼をなんとか生き延びた彼は、その後暖の下働きとなっていた。
「クソッ、何年経っても、屈辱だ。……この私が! どうして竜のウロコ磨きなど!」
「ワガママ、言わない」
「これはワガママなのか!?」
元魔王の叫びを暖があっさり聞き流すのも、どこかで見た風景。
流石に元魔王が可哀想に思えるギオルだ。
次はディアナの家の掃除、その次はネモとのリハビリという名の死闘等々、元魔王は朝から晩まで働き詰めなのだから。
ギオルとは違い微塵も魔王に同情していないリオールが、にこやかに暖に話しかけてきた。
「ウララ、そろそろアカリとハルトが幼稚園から帰ってくる時間ではないですか?」
「え、もうそんな時間?」
暖は驚いて顔を上げる。
それと同時に寝そべるギオルの頭の横の空間が、ボーっと光りはじめた。
「ママ! ただいま」
「たっだいまぁ!」
元気のよい二つの声がして、その場に可愛い男の子と女の子が現れた。
男の子は銀の髪と黒い目、女の子の方は黒い髪と紫の目をしている。
二人の子供は、自分たちなど一飲みにしてしまいそうなギオルを怖がりもせず、一目散に暖に向かって駆けてきた。
「おかえりなさい。幼稚園ではイイ子にしてた?」
自分に飛びつく二人の我が子を抱きとめながら暖はたずねる。
「うん! もっちろん!」
「ウソはダメだよ。アカリは、ゆいちゃんとケンカしただろう?」
「アカリ、わるくないもん! ゆいちゃんったらハルトのかみをひっぱったんだよ。 アカリ、かたきうちしてあげたの! 目には目を、歯には歯をって、いつもネモおじいちゃんがいってるもん!」
元気の良い灯里はネモやウルフィアの秘蔵っ子だ。
おかげで女の子としては乱暴なのが悩みの種になっている。
「ちがうよ。ゆいちゃんは、ぼくがすきなんだよ。だからぼくの気をひこうとしたんだ。そうだよね? リオールおじちゃん」
一方、暖人は、リオールやラミアーと一緒に本を読んだり話をしたりするのが好きなインドア派だった。
ちょっと子供らしからぬところが、気にかかるといえば気にかかる点だ。
おじちゃんと呼ばれたリオールは、嬉しそうにデレデレと笑って暖人の頭を撫でた。
――――美人エルフが台無しである。
「どっちにしても、ケンカはダメよ。あなたたちは日本の子たちと違って魔法が使えるんだから。弱い者いじめだけはしないでね」
その様子に呆れながら、暖は子供たちに注意した。
言われた二人は素直に頷き返してくれる。
「ひなたママも、いっつもそういっているもん」
「まさきパパは、いじめられたら、おれが“じゅうばいがえし”にしてやるって、やくそくしてくれたんだ」
二人は笑ってそう言った。
相変わらず親バカ丸出しの妹夫婦に、暖は頭を抱える。
――――あの後、なんだかんだといろいろあった暖が無事妹の陽詩と再会したのは、一年後のことだった。
『お前は! 今まで何をしていたんだ!』
怒鳴りつけてくる義弟の顔はずいぶんと憔悴していて、何かあったのかとびっくりしてしまう。
なんでも最後のディアナの言葉を聞いた陽詩が、かなり腹を立てしばらく義弟と口をきいてくれなかったのだそうだ。
しかもその話を聞きつけた義弟の祖父まで揃って義弟を責め、この一年間の彼は針のむしろだったのだという。
「それは、なんていうか……お気の毒?」
『疑問符をつけるな! しかもお前はちゃっかり旦那ができて、子供まで産んでいるし!』
義弟の言う通り、その時暖と一緒にいたアルディアの手の中には、双子の男女の赤ん坊がすやすやと眠っていた。
「クソッ! なんで私が、こんなことを」
「しっかり磨いて!」
時が過ぎいつもの日々が戻り、以前と同じようにギオルのウロコを磨く暖。
そこには一緒に鱗を磨く魔王――――いや、元魔王の姿があった。
「長生きはするものだな。よもや魔王に体を磨かれることが日常になるとは、思いもしなかった」
呆れるギオルのセリフは、いつかどこかで聞いたような気がする。
暖たちと一緒の村で暮らすようになった元魔王。
手荒い洗礼をなんとか生き延びた彼は、その後暖の下働きとなっていた。
「クソッ、何年経っても、屈辱だ。……この私が! どうして竜のウロコ磨きなど!」
「ワガママ、言わない」
「これはワガママなのか!?」
元魔王の叫びを暖があっさり聞き流すのも、どこかで見た風景。
流石に元魔王が可哀想に思えるギオルだ。
次はディアナの家の掃除、その次はネモとのリハビリという名の死闘等々、元魔王は朝から晩まで働き詰めなのだから。
ギオルとは違い微塵も魔王に同情していないリオールが、にこやかに暖に話しかけてきた。
「ウララ、そろそろアカリとハルトが幼稚園から帰ってくる時間ではないですか?」
「え、もうそんな時間?」
暖は驚いて顔を上げる。
それと同時に寝そべるギオルの頭の横の空間が、ボーっと光りはじめた。
「ママ! ただいま」
「たっだいまぁ!」
元気のよい二つの声がして、その場に可愛い男の子と女の子が現れた。
男の子は銀の髪と黒い目、女の子の方は黒い髪と紫の目をしている。
二人の子供は、自分たちなど一飲みにしてしまいそうなギオルを怖がりもせず、一目散に暖に向かって駆けてきた。
「おかえりなさい。幼稚園ではイイ子にしてた?」
自分に飛びつく二人の我が子を抱きとめながら暖はたずねる。
「うん! もっちろん!」
「ウソはダメだよ。アカリは、ゆいちゃんとケンカしただろう?」
「アカリ、わるくないもん! ゆいちゃんったらハルトのかみをひっぱったんだよ。 アカリ、かたきうちしてあげたの! 目には目を、歯には歯をって、いつもネモおじいちゃんがいってるもん!」
元気の良い灯里はネモやウルフィアの秘蔵っ子だ。
おかげで女の子としては乱暴なのが悩みの種になっている。
「ちがうよ。ゆいちゃんは、ぼくがすきなんだよ。だからぼくの気をひこうとしたんだ。そうだよね? リオールおじちゃん」
一方、暖人は、リオールやラミアーと一緒に本を読んだり話をしたりするのが好きなインドア派だった。
ちょっと子供らしからぬところが、気にかかるといえば気にかかる点だ。
おじちゃんと呼ばれたリオールは、嬉しそうにデレデレと笑って暖人の頭を撫でた。
――――美人エルフが台無しである。
「どっちにしても、ケンカはダメよ。あなたたちは日本の子たちと違って魔法が使えるんだから。弱い者いじめだけはしないでね」
その様子に呆れながら、暖は子供たちに注意した。
言われた二人は素直に頷き返してくれる。
「ひなたママも、いっつもそういっているもん」
「まさきパパは、いじめられたら、おれが“じゅうばいがえし”にしてやるって、やくそくしてくれたんだ」
二人は笑ってそう言った。
相変わらず親バカ丸出しの妹夫婦に、暖は頭を抱える。
――――あの後、なんだかんだといろいろあった暖が無事妹の陽詩と再会したのは、一年後のことだった。
『お前は! 今まで何をしていたんだ!』
怒鳴りつけてくる義弟の顔はずいぶんと憔悴していて、何かあったのかとびっくりしてしまう。
なんでも最後のディアナの言葉を聞いた陽詩が、かなり腹を立てしばらく義弟と口をきいてくれなかったのだそうだ。
しかもその話を聞きつけた義弟の祖父まで揃って義弟を責め、この一年間の彼は針のむしろだったのだという。
「それは、なんていうか……お気の毒?」
『疑問符をつけるな! しかもお前はちゃっかり旦那ができて、子供まで産んでいるし!』
義弟の言う通り、その時暖と一緒にいたアルディアの手の中には、双子の男女の赤ん坊がすやすやと眠っていた。
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