悪役令嬢と七つの大罪

美雨音ハル

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本編

第13話 保健室

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「あら、どうしたの? こんな時間に」

 保健室に行くと、セクシーな女医が、ロザリアを見た。

「先生、すみません。さっき私、頭を強くぶつけてしまったみたいで」

「あらあら、それは大変ね。さあ、見てあげるからこっちへいらっしゃいな」

 あら、ひどいたんこぶになってるじゃないの、と女医は呟いた。
 幸いなことに、この時間は部屋に誰いないようだった。

「どこにぶつけたの?」

 そう聞かれて、ロザリアは素直に天球儀のことを言いそうになってしまった。けれどそれでは旧校舎にはいったことがばれてしまうと、慌てて別の言い訳を探す。

「か、階段から落ちちゃって」

「階段から?」

 女医は眉をひそめた。
 
「それは危ないわね。他に怪我したところは?」

「いえ、ないのですけど……落ちたときに気を失っちゃってたみたいで」

「まあ、なんてこと」

 女医は冷やすものを持ってくると、ロザリアに持たせ、ベッドに移動させた。

「頭は何があるのかわからないのよ。あなたは……黒寮なのね。アレイズ先生には伝えておくから、今日はここで泊まりなさい」

「……」

 少々大げさすぎるかとも思ったが、ロザリアもなんだか不安になってきたので、このままここで眠ることにした。

「吐き気は? めまいとかはない?」

「大丈夫です」

 そういうと女医は頷いて、何かを紙に記入していた。

「大事な生徒の健康はしっかり管理しなければいけませんからね。とにかく、今日はここで休んでいくのよ」

「……はい」

 ロザリアは素直に、ベッドに横になった。
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