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本編
第15話 ランチ
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試験が迫ってきている。
なのに、武具の召喚がいまだにできない。
「私、このままじゃ本当に退学になるんじゃ……」
ロザリアは今日も一人、裏庭のベンチでサンドイッチを頬張っていた。
「そんなのいやよぉ……」
退学になったあとを考えるだけで、胃が痛くなる。
ロザリアは頭を抱えた。
なんだってこんなことになってしまったのだ。
入学試験に合格すれば、なんとかなると思っていたのに……。
「何が嫌なの?」
「だってあんな最悪な父……」
ロザリアがハッと顔を上げると、そこにはアリスが立っていた。
キョトンとした様子でロザリアを見つめている。
「最悪な?」
「あ、な、なんでもない……」
ロザリアは慌てて首を振った。
アリスは首をかしげると、すとんとロザリアの横に腰を落とした。
「今日はいい天気だね!」
「ええ……あの子犬のところに行っていたの?」
「うん、そうなの」
アリスは頷いて、持っていたバスケットを見せた。
「真白、すごく賢くてさ。私がくるの、ちゃんと待ってるんだよ。まるで言葉がわかるみたいなの」
「そう、なんだ」
にこにこと笑うアリスを見ながら、ロザリアは頷いた。
(アリスちゃんが笑っているだけで私も幸せ……)
「私、ごはんまだだから、ここで一緒に食べてもいい?」
「!」
ロザリアはこくこくと頷いた。
ただでさえ話せるだけで幸せなのに、ごはんを一緒に、とな。
(なんてこと! ついに私にも友達と一緒にごはんを食べる午後が……!)
ロザリアがほわわわ~と感動した。
短い時間だったが、ロザリアはアリスとのほのぼのとしたランチタイムを楽しんだ。
なのに、武具の召喚がいまだにできない。
「私、このままじゃ本当に退学になるんじゃ……」
ロザリアは今日も一人、裏庭のベンチでサンドイッチを頬張っていた。
「そんなのいやよぉ……」
退学になったあとを考えるだけで、胃が痛くなる。
ロザリアは頭を抱えた。
なんだってこんなことになってしまったのだ。
入学試験に合格すれば、なんとかなると思っていたのに……。
「何が嫌なの?」
「だってあんな最悪な父……」
ロザリアがハッと顔を上げると、そこにはアリスが立っていた。
キョトンとした様子でロザリアを見つめている。
「最悪な?」
「あ、な、なんでもない……」
ロザリアは慌てて首を振った。
アリスは首をかしげると、すとんとロザリアの横に腰を落とした。
「今日はいい天気だね!」
「ええ……あの子犬のところに行っていたの?」
「うん、そうなの」
アリスは頷いて、持っていたバスケットを見せた。
「真白、すごく賢くてさ。私がくるの、ちゃんと待ってるんだよ。まるで言葉がわかるみたいなの」
「そう、なんだ」
にこにこと笑うアリスを見ながら、ロザリアは頷いた。
(アリスちゃんが笑っているだけで私も幸せ……)
「私、ごはんまだだから、ここで一緒に食べてもいい?」
「!」
ロザリアはこくこくと頷いた。
ただでさえ話せるだけで幸せなのに、ごはんを一緒に、とな。
(なんてこと! ついに私にも友達と一緒にごはんを食べる午後が……!)
ロザリアがほわわわ~と感動した。
短い時間だったが、ロザリアはアリスとのほのぼのとしたランチタイムを楽しんだ。
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