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甘いパン
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歩は、とても香ばしい匂いを漂わせている目の前に広げられた、様々なパン達を前に嬉しくなった。形は日本のパンと同じなのも有れば、見た事の無い変わったパン等もあり、とても興味をそそられる。
「異世界で焼き立てパンが食べられるなんて凄いです。あのー食べても良いですか?」
ニコニコ笑顔でレイシにお伺いを立てる歩。
「あら、可愛いわね。お姉さん餌付けしたくなっちゃうわ。どーぞ召し上がれ!
美味しく食べて貰えると嬉しいわ」
「いただきます」
歩が一番に手に取ったのは、日本でポピュラーなアンパンの様な丸いパン。焼き立てなので、手に取るとあったかくて柔らかい。
「それね。私の創作パンなの。新作よ、食べてみて」
「お前! 毒味させるなよ! 偶にお前の新作はハズレがあるからな。歩、気を付けろ。半分俺に寄越せ先に食べてみてやるから」
ジャックが歩の手のパンを素早く横取りして、半分に割り片方自身の口に入れた。モグモグ口を動かし、味わって飲み込み。
「そこまで美味くは無いが、まあ不味くもないから、大丈夫だ。ホラ歩」
「ジャックさん……モグモグモグモグ……」
歩の口元にジャックが残りのパンを近付けて、口が開くのを待っている。歩が口を開くと優しく中に差し入れた。モグモグ口を咀嚼する歩の顔が困った顔から、キラキラ笑顔に変化した。
「レイシさん。これ美味しいです。甘酸っぱい生の果実が入っててパンの中に生の果実って、新感覚です。初めて食べました。この世界は食べ物美味しいですね!」
「歩、気を付けろ! ハズレは本当に不味いからな。安心するな! 危険だぞ」
「なに言ってんのよ! ジャック!! アンタこそ危険人物だからね! 食べさせるって何? ラブラブ恋人同士でもしないわよ! アンタ前の恋人に食べさせたりした事あんの? あの生簀がないツンツン女よ! その前の気位の高い貴族の恋人は? その前の我儘な娘は? その前」
レイシが言葉を続けようとした口に、ジャックは小ぶりのパンを一つ突っ込んだ。
「煩いぞ、レイシ! 特別に俺の手ずから食べさせてやったぞ。嬉しいだろう」
「うーーーーーーー!!!!」
「歩、少しづつ切って一口試しに入れて美味かったら食べろ。不味いのは置いとけ、俺が食べるから。俺は慣れてるから大丈夫だから、なっ」
「……はい」
歩は言われた通りに一口づつ口に入れて、その後残りを食べていくのだが、中にはうーーーん? と思えるものもあったけれど、食べられない程では無かったのに、顔に出てたのか横からジャックに不思議と取り上げられていく。そのパンは、ジャックの口に入る。
「甘い! 甘いわ!! 甘過ぎる!あり得ないわね……まあ良いわ見なかったフリしてあげるわ。それで、歩はどこから来たの?」
いきなりレイシから問われて、ビックリしながらも歩は答えた。
「地球という世界の日本という国から来ました」
「そうなの。それで、帰れるの?」
「帰れません……」
「そう。ならここで、生きていかないとね。この国は何か働かないと生活できないのよ。歩は何か出来ることはあるの?」
「僕は美容師の学校へ行っていました。完璧ではないけど、髪を切ったりできます。それに得意なのはヘッドマッサージとスパかな……先生や友人にしてあげると、癒しの手って言われてたから。バイトの美容室でも特別にスパをやらせて貰っていました」
「???? よくわからない単語ばかり出てきたんだけど? 何?髪を切るの?マッサージって? 」
「えっとお……この世界は、髪をどの様な方法で切りますか?」
「ミュートを使って切って、親か近所の人に頼むかなぁ。ねえジャック他にあったかしら?」
「無いな」
歩は、少し驚きながらも美容師とは美容室とは、ヘッドマッサージとはスパとは何かをわかりやすく二人に説明した。
「異世界で焼き立てパンが食べられるなんて凄いです。あのー食べても良いですか?」
ニコニコ笑顔でレイシにお伺いを立てる歩。
「あら、可愛いわね。お姉さん餌付けしたくなっちゃうわ。どーぞ召し上がれ!
美味しく食べて貰えると嬉しいわ」
「いただきます」
歩が一番に手に取ったのは、日本でポピュラーなアンパンの様な丸いパン。焼き立てなので、手に取るとあったかくて柔らかい。
「それね。私の創作パンなの。新作よ、食べてみて」
「お前! 毒味させるなよ! 偶にお前の新作はハズレがあるからな。歩、気を付けろ。半分俺に寄越せ先に食べてみてやるから」
ジャックが歩の手のパンを素早く横取りして、半分に割り片方自身の口に入れた。モグモグ口を動かし、味わって飲み込み。
「そこまで美味くは無いが、まあ不味くもないから、大丈夫だ。ホラ歩」
「ジャックさん……モグモグモグモグ……」
歩の口元にジャックが残りのパンを近付けて、口が開くのを待っている。歩が口を開くと優しく中に差し入れた。モグモグ口を咀嚼する歩の顔が困った顔から、キラキラ笑顔に変化した。
「レイシさん。これ美味しいです。甘酸っぱい生の果実が入っててパンの中に生の果実って、新感覚です。初めて食べました。この世界は食べ物美味しいですね!」
「歩、気を付けろ! ハズレは本当に不味いからな。安心するな! 危険だぞ」
「なに言ってんのよ! ジャック!! アンタこそ危険人物だからね! 食べさせるって何? ラブラブ恋人同士でもしないわよ! アンタ前の恋人に食べさせたりした事あんの? あの生簀がないツンツン女よ! その前の気位の高い貴族の恋人は? その前の我儘な娘は? その前」
レイシが言葉を続けようとした口に、ジャックは小ぶりのパンを一つ突っ込んだ。
「煩いぞ、レイシ! 特別に俺の手ずから食べさせてやったぞ。嬉しいだろう」
「うーーーーーーー!!!!」
「歩、少しづつ切って一口試しに入れて美味かったら食べろ。不味いのは置いとけ、俺が食べるから。俺は慣れてるから大丈夫だから、なっ」
「……はい」
歩は言われた通りに一口づつ口に入れて、その後残りを食べていくのだが、中にはうーーーん? と思えるものもあったけれど、食べられない程では無かったのに、顔に出てたのか横からジャックに不思議と取り上げられていく。そのパンは、ジャックの口に入る。
「甘い! 甘いわ!! 甘過ぎる!あり得ないわね……まあ良いわ見なかったフリしてあげるわ。それで、歩はどこから来たの?」
いきなりレイシから問われて、ビックリしながらも歩は答えた。
「地球という世界の日本という国から来ました」
「そうなの。それで、帰れるの?」
「帰れません……」
「そう。ならここで、生きていかないとね。この国は何か働かないと生活できないのよ。歩は何か出来ることはあるの?」
「僕は美容師の学校へ行っていました。完璧ではないけど、髪を切ったりできます。それに得意なのはヘッドマッサージとスパかな……先生や友人にしてあげると、癒しの手って言われてたから。バイトの美容室でも特別にスパをやらせて貰っていました」
「???? よくわからない単語ばかり出てきたんだけど? 何?髪を切るの?マッサージって? 」
「えっとお……この世界は、髪をどの様な方法で切りますか?」
「ミュートを使って切って、親か近所の人に頼むかなぁ。ねえジャック他にあったかしら?」
「無いな」
歩は、少し驚きながらも美容師とは美容室とは、ヘッドマッサージとはスパとは何かをわかりやすく二人に説明した。
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