《異世界アイオグリーンライト・ストーリー》僕は何故か、異世界人をヘッドスパで癒してるんだ

皇子(みこ)

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ヘッドマッサージ・スパ

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話し終えた歩は、ジャックとレイシにとっては未知の世界である日本の話をしても、キチンと理解出来てもらえたのか心配になり、二人の顔を交互に観察した。二人はそれぞれに、考え事をしている様子だが、レイシは何事かを思いついた様で楽しそうな瞳になり歩に話しかけた。


「凄いのね歩の世界は、髪を切るという職業があるのね。ふぅ~ん……ねえ! 私を切ってみてくれない? 後、ヘッドマッサージもやってもらいたいわね…いえ、私は髪を綺麗にしたいからスパがしたいわ。マッサージはジャックにしてみてよ! どう? 歩」

「はい! 良いですよ。でも未だ見習いなんで上手くできるかわかりませんが、宜しくお願いします」

「何言ってんのよ私の方がやってもらうんだから宜しく頼みますって言わないとね。と、言いながらも私これからパン屋が混むのよ。後で又来るからね、その時お願いね。ジャック! 歩の部屋とか用意してあげなさいよ。わかってるの?」

「早く行かねえと親父さんが泣くぞ、手が回らなくてよ」

「わかってるわよ。じゃあね歩。と、これ渡すの忘れてたわ。はいこれ歩にあげるわ、それじゃあ痛いでしょ」


レイシは歩に袋を渡し来た時同様、バタバタ音を立てて騒がしく立ち去って行った。

 歩は受け取った袋を開けてみると、中には新しい歩のサイズぐらいの靴が入っていた。


「ジャックさんこれ」

「ああ。靴だな履いてみろ、入るか」


歩は汚れた靴下を脱ぎ、軽くはたいて靴を持った。世界は違うし素材も違うが、靴の形は違わないと思いながら歩は履いた。


「凄いです。ぴったり」

「それなら貰っとけ。後で、スパと言うものをやってやれば喜ぶだろう」

「はい」


御礼も含めて、頭の中でレイシの髪型をどの様に切ろうか思考を巡らせていた歩は、ある重大なことを思い出した。


「あっ! ヤバイ!!! オイルが無いかも!」


急いで横に置いていたリュックを膝に乗せて、チャックを開けて中の物を机の上に出していった。


「あーーーーやっぱり量が無い! ばあちゃんの髪をついでに切ってあげようと思ってて、道具を一揃え持ってきてたけどオイルとかの量が確実に数回分しか無いよ! 俺オイル作る技術なんて無いしどうしよう。それにシャンプーとかトリートメントとかどうしよう……ヤバイ! ヤバイよぉーーーーーー」


うんうんあたふた、一人で身悶えている歩を側で見ていたジャックが、瓶に半分程入ったオイルを手に持ち匂いを嗅いだり、透かせてみたり少量手の先に出しどんなものか確かめてみたりしていた。


「歩……これが作れれば良いのか?」

「えっ? そうなんです! これはスパやマッサージに必要なものなんです。これが無いと難しいかもです」


困った顔で半泣きになりながら歩は答えた。


「歩、出掛けるぞ」

「どこへ行くんですか?」

「着いて来い。行ってから説明する。そのオイルという物も持って来いよ。ついでにそこら辺の瓶に入ってるのも持って来いもしかしたら造れるかもしれん」


ジャックは上着を羽織り、出掛ける支度をし、店の窓等を閉めて回っている。それを見ていた歩も急いで荷物をリュックに戻し肩にかけた。二人とも用意が出来外に出て最後に店の扉を閉めてcloseのカードを店先にかけたら。


「歩きながら話してやるから、行くぞ」


ジャックはサクサク路を歩き始めた。横を歩く歩は、はじめての異世界の路に驚く事ばかりだ。

 地面が先ずは土だし、偶に馬車や馬が横を走っているのだから、車社会で慣れている歩にとってはあり得ない街なのだから。

 この場所は店が立ち並ぶ商店街なのだろう、雰囲気にしたら昔の西洋の映画の感じによく似ている。

 すれ違う人達が又ビックリだらけで、二度見三度見してなかなか前に進めない歩に対してジャックは、強制的に手を繋ぎ引っ張って行くという行為に出たのだが、歩は引っ張られながらもキョロキョロ周りを見渡してばかりいた。


「ジャックさん……何なんですかここは。ジャックさんの髪も濃いブルーで驚いてはいたんですよ。

 でも、レイシさんは茶髪にオレンジの瞳でまあまあ許容範囲だったから、お洒落かなって思ってて……

 でも外に出たら……何ですかこれはあり得ません……髪が緑やピンクや赤や黄色や……瞳も紫や金色や様々な色をしてます。茶髪や黒が多いけど偶に見かける派手な髪や瞳は……もしかして染めてますか? 瞳はカラコン? 」

「染めてはないし、カラコンとは何だ?俺の髪見てみるか」


人が行き交う路の端でジャックは立ち止まり、屈んで歩が髪を見やすい様にしてくれたので好奇心が抑えられない歩は、近寄り数本手にとってみた。

 部屋の中で見たときは、濃いブルーかと思ったのに手に取って光に透かしてみると、ブルーにゴールドが入っているみたいにキラキラ光り輝いている。


「凄い……綺麗……」


ジャックは屈んでいる状態だから、歩との距離も近いという事になる。必然的に歩とジャックの視線があった時、歩の機能は停止した。

 ジャックの瞳は、室内では暗くてやはり髪同様の濃いブルーにしか見えていなかったのだが、光の元で覗き込むと鮮やかなブルーにゴールドを散りばめた何とも言えない宝石の如き煌めきに満ちていたのだ。






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