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ウィリアム
しおりを挟む《 》日本語以外です
「助けて……」
倒れたままの俺が伸ばした手を、大きな暖かい手がしっかりと包んでくれた。身体も暖かい……なんだか不思議と安心した俺は、閉じ掛けた目に青空の澄んだブルーが映り込み意識と共に消えた……
暖かい……ふわふわだ。何だろうこの肌触りサラサラしていて、ふわふわでずーっと触っていたい……
《起きたのか?》
「???」
俺は重低音で色気のある声が、近くから聞こえて飛び起きた。
「いたぁ~っ? 」
身体の半分がズキズキと痛む?足に力が入った瞬間、足首に刺すような痛みも襲ってきた。
「無理しないデクダサイ。一通り医師には、診てモライマシタヨ」
「貴方は?」
「ワタシハ、ウィリアムといいます。貴方は、裏道でタオレテイマシタ……ゴメンナサイ…ニホンゴまだまだです」
《助けていただいてありがとうございました。英語なら分かります》
《それは、良かった。日本語難しくてね》
ハスキーボイスの王子様みたいなウィリアムさんは、俺が寝ていたベッドの横に椅子に座って看病していてくれたみたいだ。
清潔感のあるキチンとしたシャツの胸元にあるボタンを数個外して、逞しい腕も捲り上げて晒している。満面の笑みを浮かべて、金髪の軽いウェーブした髪を大きな掌で無造作に掻き上げている。
何だろう? この人かっこいいのに色気があり、それでいてかわいい……こんな人いるんだなぁ。
俺はついつい見惚れてしまっていた。
《まだ寝ていなさい。当分は安静が必要と、医者からの命令です》
ウィリアムさんが手伝ってくれて、ベッドにゆっくり寝かせてくれた。ウィリアムさんも椅子に座り直し、お互いの視線があった。
《色々とありがとうございす。私は伊月と言います……あの時、背後から追っていた人はどうなりましたか?私はどうなったのでしょうか?》
《私は歩いていたんだが……何故か気になり、路地裏を見た時に音がして倒れた伊月がいたんだよ。
考えるより先に君に近寄り、抱き上げていた。すぐ傍に男が居たが、目が合うと逃げていったよ。
その後はホテルに連れて行き、医者に見せて現在だね。熱もあった様だから目覚めるのに2日かかったよ。熱は下がってるよ。怪我はまだ完治には遠いよ》
《2日も!!ご迷惑をかけてしまいました。御礼の言いようがありません》
《伊月、日本語にもあるではないか》
「ミモフレアウモダショートエント」
なんか……違うけど……
《だから気にしないで今は、怪我を治しなさい》
《ありがとうございます、ウィリアムさん。後、私の携帯は有りますか?》
《反対の机の上にありますよ。私は1ヶ月は日本に滞在しますから、貴方は安心してここに居なさい》
俺は反対を向くと、机の上に服と携帯と五千円札が置いてあった。携帯を手に取り作動させると、着信の通知が30件メールも20通来てた。開いていくとねねさんからで俺はウィリアムに断り電話をかけた。
ウィリアムは立ち上がり、隣の部屋へ行くみたいだ。初めて会った筈なのに、ウィリアムが離れると何故か心細くなったが、俺のそんな感情はねねさんの叫び声で吹き飛んだ。
「伊月~~~~~~!!!!アンタ何処にいるのよ~~~~2日も帰って来ないなんて何があったのよーーー!」
「ねねさん落ち着いて、俺は大丈夫だから。あいつに追われたんだけど、他の人に助けて貰って、体調も崩してたから今、起きたんだよ」
「何があったの?あのストーカ!あたしがあの夜、余計な事言ったから……伊月の周りうろつかないで…出入り禁止にするわよ!って言っちゃったのよ……ごめんなさい」
「ありがとう。ねねさんは悪くないから。俺は大丈夫だからもうちょいしたら帰るよ。又連絡するから心配してくれてありがとねねさん」
「伊月~~~~~~安全なのよね!大丈夫なのよね!本当よね!!」
「大丈夫だから、又連絡するから」
「わかったわ~絶対連絡しなさいよ」
「はい。じゃあ又」
「絶対よ」
「了解です」
俺は携帯を切り。心配してくれる人が居るという事に、嬉しさを感じていた。
《舜、君の予言は当たった様だ。俺の運命にやっと出逢えたぞ……逃がさないからな……伊月》
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