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吉澤尚也と水樹沙羅
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「おはようございます。二日酔いは大丈夫?昨日すっごい呑んでたから。
ペットボトルの水買ってきたんだけど、いる?」
「……………」
「大丈夫?」
びっくりした!絶対アイツだと思ってたから、開けた瞬間罵る言葉が頭を渦巻いたわ。
落ち着け、落ち着こう私。
「ごめんなさい、少し驚いちゃって…その貴方は?私って」
「あーもしかして、覚えて無い?まあ、そりゃそうか、ベロンベロンに酔ってたからね。
じゃあまずは、自己紹介の前に水飲みなよ」
「ありがとうございます。名前は確か…
吉澤尚也さん?」
「すごい憶えてたんですね、マチルダさん」
あー色々、怒涛のように思い出した…
「本当に、ごめんなさい。
マチルダは無しでお願いします。
忘れて下さい。
私の名前は水樹沙羅です。昨夜はご無礼の数々をしてしまった様ですが、酔っ払いの戯言とお忘れ下さい」
私は両手をついて謝った。
この人は、泣いている赤の他人を慰め、呑みに連れて行き、愚痴を聞き呑んだくれた女を、家まで連れて帰って介抱してくれた、とてもとても親切な方なのだから。
「やめて下さい。水樹さんご近所さんなんですから当たり前ですよ」
「えっ?ご近所とは…」
私は驚き、座って手をついたまま吉澤さんを見上げた。
「えっ俺、隣なんです。
引っ越した時、お菓子持ってきたんですけど、ゴミ捨て場でもエレベーターでも、偶に挨拶してますよね?」
「えーっと…ごめんなさい記憶に無いかも…」
「マジですか?結構俺、笑顔で挨拶してましたよ」
やってしまった…私は男性に、すこーしだけ恐怖心があり、ご近所とか特に苦手なんです。
視線を合わせられずに、そらしてしまうんです。
仕事場で会うのは大丈夫…ご近所や夜道の背後とかが苦手なだけなので、普段は平気なんだけど。
どう言おうか……
「あの…私、目が悪くてあまり見えてなかったのかも、こんなイケメンさんを見逃すなんて駄目ね!」
どうだ?逃れたかな?大丈夫かな?
「俺は、そんなイケメンじゃないですよ!貴女の彼氏の方が…………あっやべっごめんなさい!すみません!!俺なんて事を」
「もう大丈夫です。昨日で吹っ切れましたから、貴方のおかげです」
良かった!相手のミスであの違和感が消えたわ。ラッキーアイツの存在も最後に役に立ってくれたわね。
うふふふふ
ペットボトルの水買ってきたんだけど、いる?」
「……………」
「大丈夫?」
びっくりした!絶対アイツだと思ってたから、開けた瞬間罵る言葉が頭を渦巻いたわ。
落ち着け、落ち着こう私。
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「あーもしかして、覚えて無い?まあ、そりゃそうか、ベロンベロンに酔ってたからね。
じゃあまずは、自己紹介の前に水飲みなよ」
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吉澤尚也さん?」
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「えっ?ご近所とは…」
私は驚き、座って手をついたまま吉澤さんを見上げた。
「えっ俺、隣なんです。
引っ越した時、お菓子持ってきたんですけど、ゴミ捨て場でもエレベーターでも、偶に挨拶してますよね?」
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