【完結】婚活アドバイザーが異世界で結婚相談所を開いたらこじらせハイスペ王子たちがご来店されました〜絶対にご成婚していただきますっ!〜

たかつじ楓@書籍発売中

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第10章 対面デート

ショッピングデート

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「まずはショッピングだな」

 颯爽と家を出て、街を歩いていくルビオの背を慌てて追いかける。

 小走りになってしまっているアリサの様子に気がつき、ルビオは振り返ると歩く速度を徐々にゆっくりにした。

 二人が並んで歩くようになる。

 街中を歩く女性は皆、私服を着ているルビオの美形っぷりに目を奪われ二度見しているが、結婚相談所の会員はいつもギルドで暴言を吐いているルビオを知っているため、ああ今日もアリサがあのこじらせ男子の相手をしているんだな、と同情めいた視線を送ってくる。


「ここの店などは好きなんじゃないか」


 辿り着いたのは、可愛らしい服や雑貨を売っている店だった。
 店頭には明るい色のワンピースを着たマネキンが飾ってある。

 ルビオは扉を押し、アリサを中へと誘った。レディーファースト、ということだろうか。

 店に入ると、エリサの好みの服やアクセサリーがたくさん置いてあって、思わず感嘆の声ををあげる。


「わあ、かわいい。そういえば最近服を買ってなかったなぁ」


 エグゼクティブパーティの時にレースのワンピースを買って以来、転生した時に着ていた服と家にあった簡素な服を着回していたアリサだ。


(そういえば、私服はレベル1の標準服のままよね。
 確かにおしゃれのバリエーションはもっと欲しいかもしれないわ)


 懐も温まってきたし、服も買おうかな、とデニムスカートやシャツワンピを手に取り、鏡の前で合わせてみる。
 ゲームのキャラの美少女の自分はなんでも似合いそうに思える。


「欲しいのか」

「そうですねー、あ、あのネックレスとも合いそう」


 アリサがネックレルやブレスレットなどのアクセサリーを手に取り眺める。


「店主、これら全て購入する」

「ええ!?」


 まだ鏡の前で悩んでいる段階なのに、ルビオは会計をすると言い出した。


「まま、待ってください。
 似合うかどうかもわからないし、サイズも合うか……」

「合わなければ着なければいい。
 気になったものは全て買え、私が払う」


 太っ腹がすぎるのでアリサは絶句する。


(現代日本だと、タワマンに住む港区社長がゴールドカードでショーウィンドーの商品全部買っていく、みたいな感じかしら……)


 王子ならではの金銭感覚に、アリサは慌てて店主に断りを入れる。


「王子、お金持ちだからって無駄にお金を使う必要はありません。
 それって王国や城下町の人が払った税金なんじゃないですか?」

「む……」


 図星だったのだろう。
 市民たちの血税を、私の服に使うなんて、とアリサの正義感が拒否した。


「それに、頑張ってやっと手に入ったものだからこそ、大事にするでしょう。
 むやみやたらに買ってもタンスの肥やしになるだけで無駄ですし、本当に似合う人に買ってもらった方が服も幸せです」


 思わず婚活アドバイザーモードになり、説教じみたことを言ってしまう。

 いつもなら言い返してくるルビオだが、


「それもそうか。そなたが喜んでくれると思ったのだが、早とちりだったな」


 と唇を尖らして服を元の場所に戻している。


(あら……ルビオ王子なりの、私への感謝の表れだったのかしら? 
 強く言いすぎちゃった)


 アリサは今日は休日なのだということを思い出し、あまりアドバイザーモードで彼に接するのは止めようと思った。


「このワンピースは気になったので、試着してみてもいいですか?」

「無論だ」


 ルビオに許可を取り、気になる服を着てみたら思った以上に似合っていたので、自分のポケットマネーで購入した。

 袋を抱え、スキップ混じりにアリサは店を出る。


「うふふ、可愛い服が買えたし、色々見れて楽しかった。
 お付き合いいただきありがとうございます!」

「似合っていたぞ。今度相談所で着ると良い」

「はい!」


 素直な賞賛にアリサは頷くと、ルビオも口角を上げた。
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