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1巻
1-3
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やはりオスの鉄鼠も梅子と同じで、白銀に対しては畏怖の感情を抱いているらしい。
「いや……あんな凶暴な奴が人間に化けて人間と行動するなんてことは無いか……」
鉄鼠はブツブツと呟きながら首を振った。
白銀は凶暴な奴、と言われたのが気に食わなかったのか、髪を掻き上げ、気だるそうに鉄鼠へと近づく。
「人間かあやかしか、どっちだと思う?」
金色の目を見開いて笑った。
さっき煎餅屋の店員に向けた優しい微笑みではなく、捕食者が餌を見つけたような、まさに凶暴な瞳だ。蛇に睨まれた蛙同然に、鉄鼠は毛を逆立てて固まってしまった。
「もう、怖がらせないでください。行きますよ」
相手をおちょくる白銀の悪い癖だ。
紗奈は鉄鼠に平謝りをし、白銀の腕を引っ張って元来た道へと戻った。
* * *
一人だけではなく、他の鉄鼠にも聞いた方がいいと、リスを見つけては話しかけて事情を聞いていたら、すっかり時間が経ってしまった。
さっきもらった煎餅ぐらいしか食べていなかったので空腹でお腹が鳴り、紗奈が恥ずかしそうにうつむいていたら、腹ごなしするぞ、と白銀が提案してきた。
小町通りの脇道を入った細い路地裏に、ひっそりと建っている黒いウッド調のカフェへと入店する。
ミルクハウスという名前のカフェは、雰囲気も良くご飯も美味しいと人気のお店で、紗奈もお気に入りの場所であった。
日当たりの良い窓際の丸テーブルに案内される。
アンティークな店内は、白い壁に小さな絵や振り子時計が飾られていて、ランプも温かいオレンジ色の間接照明で、とても居心地が良い。
女性客が多く、みんな談笑したり静かに本を読んだりと各々の時間を楽しんでいる。
昼食には遅く、夕飯には早い半端な時間だったが、空腹で腹の虫が鳴り続くので、紗奈はメニュー表を見て、ミルクライスを注文した。
向かいに座り同じくメニュー表を眺めていた白銀も、同じ物をと注文する。
しかし本当に食いしん坊な人だな、あやかしってお腹すくんだ? と疑問が頭をよぎる。
程なくして注文がテーブルの前に並べられた。
ミルクライスとは、チキンライスの上にホワイトソースがかかった洋食である。
ケチャップやデミグラスソースがかかっているオムライスとは違い、白いソースの、少し珍しいメニューである。
赤いチキンライスのケチャップと、白いホワイトソースが混じり、酸っぱさと甘みがとろけ合い美味しい。ひとつまみのパセリもかかっていて、緑の差し色も綺麗だ。
上品な花柄の食器を使っており、目も癒される。
紗奈がスプーンですくい口に運ぶと、優しい味が広がる。
「んー、美味しい!」
小町通りを何往復もしたため、意外に疲れてしまっていたようだ。空腹に染み渡る。
「これは牛乳か?」
向かいに座る白銀は、珍しそうにまじまじと見ていたが、口に運ぶと気に入ったのか、無言でどんどん食べ進めていった。
ソース一滴も皿に残らないほど、綺麗な食べっぷりであった。
静かな音楽が流れる落ち着いた空間で、美味しいご飯を食べるのは最高だな、と紗奈は思った。
食べ終わって食後のコーヒーを飲んでいたら、満腹になった白銀がお腹をさすっていた。
「ふー食った食った。んでお嬢ちゃん、あのリスはどうするんだい?」
コーヒーは苦いから苦手だと、白銀はメロンソーダを注文していた。背の高い青年が、細いストローでメロンソーダをすすっているのは、なんだか幼く見えて可愛い。
「そうですね……結論から言うと、今回労災にするのは難しそうです」
千鳥格子柄のコーヒーカップをテーブルに置き、紗奈は眉根を寄せる。
「なんでだ。あいつらの言う通り、仕事中の怪我なんだろ?」
「そうですね、場所と時間はまさに勤務地、勤務時間中なので問題ないんですけれど」
昼頃、ソフトクリーム屋の前で体が痛んだという梅子。
目撃者の同僚曰く、他の鉄鼠も仕事をしていた昼の時間だし、ソフトクリーム屋は小町通りの中央にあるので、勤務地から離れてもいない。
毎日参考書を読み勉強し、頭に叩き込んだ労災保険の内容を思い出す。
「判断が難しいところなんですが、慢性疾患は労災と判断されづらいんです」
「慢性疾患?」
「いわゆる職業病、みたいなものですね」
紗奈は社労士事務所で働いていた時の経験を生かして、事例に当てはめて説明する。
「人間の職業で例えると、工事現場の作業員さんが、お仕事中に脚立から落ちて骨折しました。これは労災に該当する可能性が高いです。でも作業員さんが、工事現場で毎日重い物を運んでいたので、慢性腰痛になりました。これは、労災に該当しない可能性が高いんです」
「なんで」
「仕事中の行動が原因での怪我でなければいけないんですよ。……すごく嫌な言い方になりますが、プライベートや休日に、一度も物を持たないの? ということなんです」
もしかしたら、休日にスーパーでたくさん買い物をして、荷物を持った時の疲労の蓄積かもしれない。猫背でスマホやパソコンを長時間見ていたせいで、腰が痛んだのかもしれない。
『業務起因性』の証明が難しいため、慢性的な痛みは労災にするのが難しいのだ。
「結構厳しいな、人間社会は」
白銀は肩をすくめた。あやかしの姿だったら、頭頂部の耳をぴくぴく動かしていたに違いない。
「厳しいですよね。業種によって、体を酷使するから痛めやすいのに、慢性疾患は労災に認められにくい。バスやタクシーの運転手さんは、ずっと座って運転しているから、椎間板ヘルニアや痔になる方もすごく多いです」
「ぢ……」
想像して痛くなったのか、白銀は椅子に座っている自分の尻を見下ろし、身震いをした。普段白く大きな尻尾の生えている彼からしたら、恐ろしい病気なのかもしれない。
「だから梅子ちゃんの場合、電線から落ちて地面に腰を打ったとか、何か重い物が落ちてきて腕を挟んだとかなら労災になるんですけど、毎日駆け回ったり、手に収まる程度の物を運んだりして徐々に痛くなってしまった、というのは……労災には該当しないと思います」
人間もあやかしも、一生懸命働いた結果、体が悲鳴を上げてしまったのだから同情の余地はあるはずなのだが。
口にしたコーヒーの苦みだけでなく、やるせない気持ちで顔をしかめてしまう。
「まあ、無理しないで辛くなったら休むことだな。人間もあやかしも」
澄んだ緑色のメロンソーダを飲みながら、珍しく白銀が優しいことを言ったので、紗奈は同調して頷く。
「健康が一番大事ですからね」
オルゴールの音色が流れる穏やかなカフェ店内で、紗奈はため息をつく。
「ところで品書きに載っていた黄色い甘味も食べていいか?」
「プリンですか? いいですけど……」
「お嬢ちゃんも、疲れた時は甘い物が一番だよ」
そう言うと、白銀は店員を呼び止め、プリンをふたつ注文した。
やるせない様子の紗奈を元気づけようとしたのだとは感じたが、どうせお代は私が出すんだけどね、と紗奈は鎌倉一の問題児を眺めて苦笑した。
* * *
社務所に戻り、襖を開ける。
畳に敷いた来客用の布団の上に、リスの梅子が大の字になってひっくり返っている。
体調が悪そうなので、ゆっくりしていてねと促したのだ。
人間の大人用の布団に、ぽつんと小さな子リスが仰向けになっているのは、なんだか面白い。
梅子は紗奈と白銀の姿を確認すると、耳を尖らせゆっくりと起き上がった。
「どうだったかちら? あたち、霊力いっぱいもらえる?」
背中は丸めたまま、期待と不安の混じった瞳で見上げてくる梅子。
紗奈は、申し訳ない気持ちになりながら、座布団に座り事情を説明した。
腰と腕の痛みは、仕事時間中、仕事場にて痛み出したが、急性の怪我では無く慢性的なので、労災は難しいと伝える。
最初は興味深そうにうんうん、と聞いていた梅子も、最後の方になると目に見えて意気消沈していた。
「そう……だめなのね……」
もっと嫌がったり抵抗したりするかと思ったが、もうそんな体力もないらしい。すんなりと受け入れた梅子は尻尾を丸めてうなだれた。
「労災になったら、仲間のみんなからいっぱい霊力もらって、毛並みつやつやの、パワーつよつよの、最強リスになれると思ったのにぃ」
期待していた分、がっくりきたのであろう。
紗奈が働いていた時もそうだった。労災で手厚く給付がもらえると思っていた人の、対象にならないと言われた時の悲しそうな瞳を思い出す。
「残念だったな。そうはうまくいかないもんだ」
社務所に帰ってきたので元の姿に戻ったのか、白い髪で耳と尻尾を生やした白銀が煽るように言うものだから、梅子はますます体を小さく丸めた。
「で、でもね。梅子ちゃんはちゃんと毎月御神木に霊力を納めてくれてるから、保障できるよ。落ち込まないで」
労災がダメでも健康保険はちゃんと使えるのだから、と説明する。
「そうなの?」
「もちろんよ。怪我や病気をして苦しんでるあやかしを救うための制度なんだからね」
紗奈は元気を出してほしいと、梅子に優しく微笑みかけた。
* * *
桜霞神社の境内の麓、長く伸びたイチョウの木がそびえ立っている。
この神社ができた千年近く前からあるというその樹の幹は、年輪を重ね太くたくましい。
日が暮れ、夜遅く薄闇の中に佇む御神木は、一層威厳を感じさせた。
紗奈と梅子はそのイチョウの木の下に立ち、空高いてっぺんを見上げた。
「じゃあ始めるわね」
紗奈の両手の上に包まれるように乗っている梅子が、こくんと頷く。
夜は月の光を受け、御神木が一番霊力を蓄えている時間だ。
参拝客が帰り、日が沈んだ後に霊力供給の儀を行うのである。
「御神木よ、施しを与えたまえ」
樹を見上げ、静かな声で紗奈が言葉を放つと、葉が揺らめきだした。
ざわざわ、と葉の擦れる音が周囲に鳴り響いた後、その一枚一枚に、ゆっくりと光が灯っていく。
温かく、橙色の小さな光。しかし生い茂る葉の数だけ光が灯るので、それは天まで照らすかの如くきらきらと輝きだした。
クリスマスツリーのイルミネーションのような明るい光に、梅子が、わあ、と感嘆の声を上げた。
ひらり、と葉が舞い落ちる。
その葉に灯っていた光が、まるで蛍のように風に乗りゆっくりとそよぎ、梅子の体に触れた。
紗奈の両手に乗っていた梅子の体を、優しい光で包みこむ。
「わあ……あたたかい。体がいたくなくなった…!」
腰の痛みのせいでずっと体を丸め、へたり込んでた梅子が、光をまとったまま立ち上がった。嬉しそうにぴょんと跳ねる。
その輝きは、あやかしから集めた霊力の塊だ。体に触れると、力として吸収されるのだろう。
「全然いたくない、すごいわ!」
「よかった、上手くいったみたいね」
御神木は梅子の喜ぶ声を聞いて、ちかちかと点滅して輝いている。
光に照らされて、喜ぶ梅子を見下ろす御神木。
すると、四方八方から小さな黒い影が、紗奈の周囲に集まってきた。
「梅子ちゃん大丈夫だった?」
「無理すんなよ、心配したぜ」
周りを取り囲んだのは、梅子の仲間であるリスの姿をした鉄鼠だった。
ざっと数えて三十匹ほど。おそらく全員が、彼女の体を心配し、息を潜めて神社に集まっていたのだろう。
「みんなぁ……来てくれたのね」
梅子は紗奈の手から地面へとぴょんと飛び降り、全然痛くないわ、と尻尾を振りながら楽しげに一回転した。
リスの仲間達は、よかったよかったと声をかけ、安心したように彼女に駆け寄った。
労災にすることはできなかったが、きっと仲間達は言われればすぐに、彼女に霊力を差し出したに違いない。
霊力より、同僚達の仲間想いな気持ちが、一番の薬だろう。
「紗奈ちゃんありがとう。あたち元気になったわ」
「良かった。お大事にね。今度は体がきつくなる前に、無理せず休んでね」
「うん!」
梅子は元気良く頷くと、鳥居の上にいる白銀に視線を向けた。
「白銀様も、ありがと! あたちアンタのこと誤解ちてたわ。鉄鼠のみんなにも、案外悪い奴じゃないって伝えとく!」
最初怖がっていた梅子は、腰痛を治すために手伝ってくれた白銀に感謝しているようだ。
「そりゃあ、どうも」
狐の耳を掻きながら、軽い調子で白銀が返す。そんなに嫌われてたのかと少々不服なのだろう。
リスはみんな口々にお礼を言うと、境内の横を通り抜け小町通りの方へと去っていった。
小さなあやかし達の、確固たる絆を目の前にして、紗奈は解決して良かったな、と微笑んだ。
「一件落着だな、お嬢ちゃん」
鳥居の上に座り、あぐらをかいていた白銀が、リスの群れを視線で追いながら愉快そうに声をかけてきた。
「元気になって良かったです。彼女もこの鎌倉を守ってくれているあやかしの一人ですからね」
紗奈の言葉に頷くと、白銀は立ち上がり鳥居の上から飛び降りた。
ひらり、とまるで舞を舞うかのように優雅に着地する。羽織と銀色の長い髪が、月明かりの下で揺れる。
「初仕事は上手くいったようだな」
紗奈一人での相談業務は初めてで、本当は少し不安だったのだが、無事解決して良かった。人間に化けた白銀が手を貸してくれたおかげで聞き込みもスムーズにすんだから、感謝している。
「はい! 白銀様、ありがとうございました。今後も、傷ついたあやかし達のために頑張りますよ!」
まだまだ知識も実務経験も未熟で、上手くできるか不安だったのだが。梅子の笑顔を見て、やりがいがある仕事だと感じた。一人でも多くのあやかしを救いたいと、心から思えた。
「そりゃあよかった。頑張れよ、次期神主様」
白銀は紗奈の背中をばんばん叩いた。う、と声がくぐもる。
手加減がない。がさつな白銀に目を細めて訴える。
「痛いですよ。私がここで怪我したら、間違いなく労災ですからね」
勤務地である神社での負傷なのだから当たり前だ。なんならさっきのカフェのお代を返してもらおうか。
白銀は、おお怖い、と肩をすくめ、けけけと笑った。
第二章 由比ヶ浜、第三者行為の八咫烏
誰かが言った。「鎌倉は一年中いつ行っても混んでいる」と。
四季折々、飽きることなく様々なイベントが楽しめるからだ。
春は段葛に桜が咲き誇り、それを愛でながら小町通りで食べ歩き。
梅雨は長谷寺に紫陽花が咲き、青白紫ピンクの綺麗な花が視界いっぱい広がるのは圧巻だ。
夏は花火と海水浴。江の島や由比ヶ浜で昼に海水浴を楽しみ、夜は水上花火が上がる。
秋は橙色に染まった紅葉狩りを楽しめ、散策にちょうど良い気候だ。
冬は初詣。除夜の鐘が鳴り、神社のお参りに大勢の人が並んでいるのがよくニュースで取り上げられている。
神社としては一番忙しいのは年末から年明けにかけての初詣シーズンなのだが、これだけ見所のある鎌倉は日々観光客が多く訪れ、駅から近く大きい街のシンボルである桜霞神社も参拝客が絶えることはない。
今日も新生児のお宮参り、厄年の方の厄払い、地元企業の商売繁盛祈願など、神主である父は一日中引っ張りだこだ。
――そのため、あやかし達の相談窓口と、自由奔放な祀り神の話し相手は、娘である紗奈の仕事なのである。
「暑いなぁ……」
社務所の中に差し込む夏の日差しを浴び、紗奈は額の汗を拭った。
冷房をかけていても、窓際は直射日光で暑い。髪を結び、半袖のシャツを肩までまくし上げる。
「全くだ。人間は真面目だな、こんな暑いのに働くなんざ」
白銀が気だるげに相槌を打ってきた。
本堂からは、企業の祈願が終わったのか、役員らしき恰幅のある中年から、新卒と思われる若い青年までスーツ姿の男性が十人近く出てきた。クールビズが進んだとはいえ、サラリーマンの彼らは長袖シャツに長ズボンでとても暑そうだ。一番若い青年が自分の半身ほどある大きな破魔矢を持ち、もう片方の手の中のタオルで首筋を拭いていた。
白銀はそんな彼らの様子を見て、口をへの字に曲げる。
神社の入り口にある大きな鳥居の上が彼のお気に入りの場所で、いつもそこが定位置となっているのだが、さすがに暑いからか今日は社務所の中でうちわを扇いでいる。
やはり尻尾と耳が毛に覆われている分、人間より暑く感じるのだろうか、と紗奈が見つめる先、長い脚を投げ出し畳の上でひっくり返っている、どこまでもマイペースで自由な天狐である。
初夏の澄んだ空と入道雲を見上げながら、紗奈は参考書のページをめくった。
早いところはもう夏休みに入っているのだろうか。通りには観光に来た学生や幼い子供連れの夫婦も見かける。
湘南新宿ラインができてから、新宿や池袋、ひいては埼玉・北関東からも簡単に電車で来られるようになり、より身近な観光地になったのかもしれない。
ぴんぽーん、ぴんぽーん。
チャイムの音が社務所に響く。
あやかしにしか読めない字で『御用の方はこちらを押してください』と書かれたお札を横に貼っているそのチャイムを押したのは、相談に来たあやかしに違いない。
紗奈が社務所の窓口を開け、顔を出す。蒸れた外気が顔をくすぐる。
ひらり、と黒い羽根が目の前を舞ったかと思うと、そこには一羽のカラスがとまっていた。
「恥ずかしながら、どうか施しをいただきたく参りました」
そのカラスは丸い頭を深々と下げ、丁寧な口調で告げた。
鳥の姿だが、低い声でどこか気品を感じさせる雰囲気だ。
「おう、どうしたんだ弥助」
客人が気になったのか、立ち上がり見に来た白銀は、そのカラスを目にすると気軽に弥助と呼んだ。知り合いなのだろうか。
「白銀様、そこにおられましたか! これはこれは、お恥ずかしいところをお見せいたします」
カラスは白銀がいると思っていなかったのか、驚いてくちばしから舌を出した。
「いや……あんな凶暴な奴が人間に化けて人間と行動するなんてことは無いか……」
鉄鼠はブツブツと呟きながら首を振った。
白銀は凶暴な奴、と言われたのが気に食わなかったのか、髪を掻き上げ、気だるそうに鉄鼠へと近づく。
「人間かあやかしか、どっちだと思う?」
金色の目を見開いて笑った。
さっき煎餅屋の店員に向けた優しい微笑みではなく、捕食者が餌を見つけたような、まさに凶暴な瞳だ。蛇に睨まれた蛙同然に、鉄鼠は毛を逆立てて固まってしまった。
「もう、怖がらせないでください。行きますよ」
相手をおちょくる白銀の悪い癖だ。
紗奈は鉄鼠に平謝りをし、白銀の腕を引っ張って元来た道へと戻った。
* * *
一人だけではなく、他の鉄鼠にも聞いた方がいいと、リスを見つけては話しかけて事情を聞いていたら、すっかり時間が経ってしまった。
さっきもらった煎餅ぐらいしか食べていなかったので空腹でお腹が鳴り、紗奈が恥ずかしそうにうつむいていたら、腹ごなしするぞ、と白銀が提案してきた。
小町通りの脇道を入った細い路地裏に、ひっそりと建っている黒いウッド調のカフェへと入店する。
ミルクハウスという名前のカフェは、雰囲気も良くご飯も美味しいと人気のお店で、紗奈もお気に入りの場所であった。
日当たりの良い窓際の丸テーブルに案内される。
アンティークな店内は、白い壁に小さな絵や振り子時計が飾られていて、ランプも温かいオレンジ色の間接照明で、とても居心地が良い。
女性客が多く、みんな談笑したり静かに本を読んだりと各々の時間を楽しんでいる。
昼食には遅く、夕飯には早い半端な時間だったが、空腹で腹の虫が鳴り続くので、紗奈はメニュー表を見て、ミルクライスを注文した。
向かいに座り同じくメニュー表を眺めていた白銀も、同じ物をと注文する。
しかし本当に食いしん坊な人だな、あやかしってお腹すくんだ? と疑問が頭をよぎる。
程なくして注文がテーブルの前に並べられた。
ミルクライスとは、チキンライスの上にホワイトソースがかかった洋食である。
ケチャップやデミグラスソースがかかっているオムライスとは違い、白いソースの、少し珍しいメニューである。
赤いチキンライスのケチャップと、白いホワイトソースが混じり、酸っぱさと甘みがとろけ合い美味しい。ひとつまみのパセリもかかっていて、緑の差し色も綺麗だ。
上品な花柄の食器を使っており、目も癒される。
紗奈がスプーンですくい口に運ぶと、優しい味が広がる。
「んー、美味しい!」
小町通りを何往復もしたため、意外に疲れてしまっていたようだ。空腹に染み渡る。
「これは牛乳か?」
向かいに座る白銀は、珍しそうにまじまじと見ていたが、口に運ぶと気に入ったのか、無言でどんどん食べ進めていった。
ソース一滴も皿に残らないほど、綺麗な食べっぷりであった。
静かな音楽が流れる落ち着いた空間で、美味しいご飯を食べるのは最高だな、と紗奈は思った。
食べ終わって食後のコーヒーを飲んでいたら、満腹になった白銀がお腹をさすっていた。
「ふー食った食った。んでお嬢ちゃん、あのリスはどうするんだい?」
コーヒーは苦いから苦手だと、白銀はメロンソーダを注文していた。背の高い青年が、細いストローでメロンソーダをすすっているのは、なんだか幼く見えて可愛い。
「そうですね……結論から言うと、今回労災にするのは難しそうです」
千鳥格子柄のコーヒーカップをテーブルに置き、紗奈は眉根を寄せる。
「なんでだ。あいつらの言う通り、仕事中の怪我なんだろ?」
「そうですね、場所と時間はまさに勤務地、勤務時間中なので問題ないんですけれど」
昼頃、ソフトクリーム屋の前で体が痛んだという梅子。
目撃者の同僚曰く、他の鉄鼠も仕事をしていた昼の時間だし、ソフトクリーム屋は小町通りの中央にあるので、勤務地から離れてもいない。
毎日参考書を読み勉強し、頭に叩き込んだ労災保険の内容を思い出す。
「判断が難しいところなんですが、慢性疾患は労災と判断されづらいんです」
「慢性疾患?」
「いわゆる職業病、みたいなものですね」
紗奈は社労士事務所で働いていた時の経験を生かして、事例に当てはめて説明する。
「人間の職業で例えると、工事現場の作業員さんが、お仕事中に脚立から落ちて骨折しました。これは労災に該当する可能性が高いです。でも作業員さんが、工事現場で毎日重い物を運んでいたので、慢性腰痛になりました。これは、労災に該当しない可能性が高いんです」
「なんで」
「仕事中の行動が原因での怪我でなければいけないんですよ。……すごく嫌な言い方になりますが、プライベートや休日に、一度も物を持たないの? ということなんです」
もしかしたら、休日にスーパーでたくさん買い物をして、荷物を持った時の疲労の蓄積かもしれない。猫背でスマホやパソコンを長時間見ていたせいで、腰が痛んだのかもしれない。
『業務起因性』の証明が難しいため、慢性的な痛みは労災にするのが難しいのだ。
「結構厳しいな、人間社会は」
白銀は肩をすくめた。あやかしの姿だったら、頭頂部の耳をぴくぴく動かしていたに違いない。
「厳しいですよね。業種によって、体を酷使するから痛めやすいのに、慢性疾患は労災に認められにくい。バスやタクシーの運転手さんは、ずっと座って運転しているから、椎間板ヘルニアや痔になる方もすごく多いです」
「ぢ……」
想像して痛くなったのか、白銀は椅子に座っている自分の尻を見下ろし、身震いをした。普段白く大きな尻尾の生えている彼からしたら、恐ろしい病気なのかもしれない。
「だから梅子ちゃんの場合、電線から落ちて地面に腰を打ったとか、何か重い物が落ちてきて腕を挟んだとかなら労災になるんですけど、毎日駆け回ったり、手に収まる程度の物を運んだりして徐々に痛くなってしまった、というのは……労災には該当しないと思います」
人間もあやかしも、一生懸命働いた結果、体が悲鳴を上げてしまったのだから同情の余地はあるはずなのだが。
口にしたコーヒーの苦みだけでなく、やるせない気持ちで顔をしかめてしまう。
「まあ、無理しないで辛くなったら休むことだな。人間もあやかしも」
澄んだ緑色のメロンソーダを飲みながら、珍しく白銀が優しいことを言ったので、紗奈は同調して頷く。
「健康が一番大事ですからね」
オルゴールの音色が流れる穏やかなカフェ店内で、紗奈はため息をつく。
「ところで品書きに載っていた黄色い甘味も食べていいか?」
「プリンですか? いいですけど……」
「お嬢ちゃんも、疲れた時は甘い物が一番だよ」
そう言うと、白銀は店員を呼び止め、プリンをふたつ注文した。
やるせない様子の紗奈を元気づけようとしたのだとは感じたが、どうせお代は私が出すんだけどね、と紗奈は鎌倉一の問題児を眺めて苦笑した。
* * *
社務所に戻り、襖を開ける。
畳に敷いた来客用の布団の上に、リスの梅子が大の字になってひっくり返っている。
体調が悪そうなので、ゆっくりしていてねと促したのだ。
人間の大人用の布団に、ぽつんと小さな子リスが仰向けになっているのは、なんだか面白い。
梅子は紗奈と白銀の姿を確認すると、耳を尖らせゆっくりと起き上がった。
「どうだったかちら? あたち、霊力いっぱいもらえる?」
背中は丸めたまま、期待と不安の混じった瞳で見上げてくる梅子。
紗奈は、申し訳ない気持ちになりながら、座布団に座り事情を説明した。
腰と腕の痛みは、仕事時間中、仕事場にて痛み出したが、急性の怪我では無く慢性的なので、労災は難しいと伝える。
最初は興味深そうにうんうん、と聞いていた梅子も、最後の方になると目に見えて意気消沈していた。
「そう……だめなのね……」
もっと嫌がったり抵抗したりするかと思ったが、もうそんな体力もないらしい。すんなりと受け入れた梅子は尻尾を丸めてうなだれた。
「労災になったら、仲間のみんなからいっぱい霊力もらって、毛並みつやつやの、パワーつよつよの、最強リスになれると思ったのにぃ」
期待していた分、がっくりきたのであろう。
紗奈が働いていた時もそうだった。労災で手厚く給付がもらえると思っていた人の、対象にならないと言われた時の悲しそうな瞳を思い出す。
「残念だったな。そうはうまくいかないもんだ」
社務所に帰ってきたので元の姿に戻ったのか、白い髪で耳と尻尾を生やした白銀が煽るように言うものだから、梅子はますます体を小さく丸めた。
「で、でもね。梅子ちゃんはちゃんと毎月御神木に霊力を納めてくれてるから、保障できるよ。落ち込まないで」
労災がダメでも健康保険はちゃんと使えるのだから、と説明する。
「そうなの?」
「もちろんよ。怪我や病気をして苦しんでるあやかしを救うための制度なんだからね」
紗奈は元気を出してほしいと、梅子に優しく微笑みかけた。
* * *
桜霞神社の境内の麓、長く伸びたイチョウの木がそびえ立っている。
この神社ができた千年近く前からあるというその樹の幹は、年輪を重ね太くたくましい。
日が暮れ、夜遅く薄闇の中に佇む御神木は、一層威厳を感じさせた。
紗奈と梅子はそのイチョウの木の下に立ち、空高いてっぺんを見上げた。
「じゃあ始めるわね」
紗奈の両手の上に包まれるように乗っている梅子が、こくんと頷く。
夜は月の光を受け、御神木が一番霊力を蓄えている時間だ。
参拝客が帰り、日が沈んだ後に霊力供給の儀を行うのである。
「御神木よ、施しを与えたまえ」
樹を見上げ、静かな声で紗奈が言葉を放つと、葉が揺らめきだした。
ざわざわ、と葉の擦れる音が周囲に鳴り響いた後、その一枚一枚に、ゆっくりと光が灯っていく。
温かく、橙色の小さな光。しかし生い茂る葉の数だけ光が灯るので、それは天まで照らすかの如くきらきらと輝きだした。
クリスマスツリーのイルミネーションのような明るい光に、梅子が、わあ、と感嘆の声を上げた。
ひらり、と葉が舞い落ちる。
その葉に灯っていた光が、まるで蛍のように風に乗りゆっくりとそよぎ、梅子の体に触れた。
紗奈の両手に乗っていた梅子の体を、優しい光で包みこむ。
「わあ……あたたかい。体がいたくなくなった…!」
腰の痛みのせいでずっと体を丸め、へたり込んでた梅子が、光をまとったまま立ち上がった。嬉しそうにぴょんと跳ねる。
その輝きは、あやかしから集めた霊力の塊だ。体に触れると、力として吸収されるのだろう。
「全然いたくない、すごいわ!」
「よかった、上手くいったみたいね」
御神木は梅子の喜ぶ声を聞いて、ちかちかと点滅して輝いている。
光に照らされて、喜ぶ梅子を見下ろす御神木。
すると、四方八方から小さな黒い影が、紗奈の周囲に集まってきた。
「梅子ちゃん大丈夫だった?」
「無理すんなよ、心配したぜ」
周りを取り囲んだのは、梅子の仲間であるリスの姿をした鉄鼠だった。
ざっと数えて三十匹ほど。おそらく全員が、彼女の体を心配し、息を潜めて神社に集まっていたのだろう。
「みんなぁ……来てくれたのね」
梅子は紗奈の手から地面へとぴょんと飛び降り、全然痛くないわ、と尻尾を振りながら楽しげに一回転した。
リスの仲間達は、よかったよかったと声をかけ、安心したように彼女に駆け寄った。
労災にすることはできなかったが、きっと仲間達は言われればすぐに、彼女に霊力を差し出したに違いない。
霊力より、同僚達の仲間想いな気持ちが、一番の薬だろう。
「紗奈ちゃんありがとう。あたち元気になったわ」
「良かった。お大事にね。今度は体がきつくなる前に、無理せず休んでね」
「うん!」
梅子は元気良く頷くと、鳥居の上にいる白銀に視線を向けた。
「白銀様も、ありがと! あたちアンタのこと誤解ちてたわ。鉄鼠のみんなにも、案外悪い奴じゃないって伝えとく!」
最初怖がっていた梅子は、腰痛を治すために手伝ってくれた白銀に感謝しているようだ。
「そりゃあ、どうも」
狐の耳を掻きながら、軽い調子で白銀が返す。そんなに嫌われてたのかと少々不服なのだろう。
リスはみんな口々にお礼を言うと、境内の横を通り抜け小町通りの方へと去っていった。
小さなあやかし達の、確固たる絆を目の前にして、紗奈は解決して良かったな、と微笑んだ。
「一件落着だな、お嬢ちゃん」
鳥居の上に座り、あぐらをかいていた白銀が、リスの群れを視線で追いながら愉快そうに声をかけてきた。
「元気になって良かったです。彼女もこの鎌倉を守ってくれているあやかしの一人ですからね」
紗奈の言葉に頷くと、白銀は立ち上がり鳥居の上から飛び降りた。
ひらり、とまるで舞を舞うかのように優雅に着地する。羽織と銀色の長い髪が、月明かりの下で揺れる。
「初仕事は上手くいったようだな」
紗奈一人での相談業務は初めてで、本当は少し不安だったのだが、無事解決して良かった。人間に化けた白銀が手を貸してくれたおかげで聞き込みもスムーズにすんだから、感謝している。
「はい! 白銀様、ありがとうございました。今後も、傷ついたあやかし達のために頑張りますよ!」
まだまだ知識も実務経験も未熟で、上手くできるか不安だったのだが。梅子の笑顔を見て、やりがいがある仕事だと感じた。一人でも多くのあやかしを救いたいと、心から思えた。
「そりゃあよかった。頑張れよ、次期神主様」
白銀は紗奈の背中をばんばん叩いた。う、と声がくぐもる。
手加減がない。がさつな白銀に目を細めて訴える。
「痛いですよ。私がここで怪我したら、間違いなく労災ですからね」
勤務地である神社での負傷なのだから当たり前だ。なんならさっきのカフェのお代を返してもらおうか。
白銀は、おお怖い、と肩をすくめ、けけけと笑った。
第二章 由比ヶ浜、第三者行為の八咫烏
誰かが言った。「鎌倉は一年中いつ行っても混んでいる」と。
四季折々、飽きることなく様々なイベントが楽しめるからだ。
春は段葛に桜が咲き誇り、それを愛でながら小町通りで食べ歩き。
梅雨は長谷寺に紫陽花が咲き、青白紫ピンクの綺麗な花が視界いっぱい広がるのは圧巻だ。
夏は花火と海水浴。江の島や由比ヶ浜で昼に海水浴を楽しみ、夜は水上花火が上がる。
秋は橙色に染まった紅葉狩りを楽しめ、散策にちょうど良い気候だ。
冬は初詣。除夜の鐘が鳴り、神社のお参りに大勢の人が並んでいるのがよくニュースで取り上げられている。
神社としては一番忙しいのは年末から年明けにかけての初詣シーズンなのだが、これだけ見所のある鎌倉は日々観光客が多く訪れ、駅から近く大きい街のシンボルである桜霞神社も参拝客が絶えることはない。
今日も新生児のお宮参り、厄年の方の厄払い、地元企業の商売繁盛祈願など、神主である父は一日中引っ張りだこだ。
――そのため、あやかし達の相談窓口と、自由奔放な祀り神の話し相手は、娘である紗奈の仕事なのである。
「暑いなぁ……」
社務所の中に差し込む夏の日差しを浴び、紗奈は額の汗を拭った。
冷房をかけていても、窓際は直射日光で暑い。髪を結び、半袖のシャツを肩までまくし上げる。
「全くだ。人間は真面目だな、こんな暑いのに働くなんざ」
白銀が気だるげに相槌を打ってきた。
本堂からは、企業の祈願が終わったのか、役員らしき恰幅のある中年から、新卒と思われる若い青年までスーツ姿の男性が十人近く出てきた。クールビズが進んだとはいえ、サラリーマンの彼らは長袖シャツに長ズボンでとても暑そうだ。一番若い青年が自分の半身ほどある大きな破魔矢を持ち、もう片方の手の中のタオルで首筋を拭いていた。
白銀はそんな彼らの様子を見て、口をへの字に曲げる。
神社の入り口にある大きな鳥居の上が彼のお気に入りの場所で、いつもそこが定位置となっているのだが、さすがに暑いからか今日は社務所の中でうちわを扇いでいる。
やはり尻尾と耳が毛に覆われている分、人間より暑く感じるのだろうか、と紗奈が見つめる先、長い脚を投げ出し畳の上でひっくり返っている、どこまでもマイペースで自由な天狐である。
初夏の澄んだ空と入道雲を見上げながら、紗奈は参考書のページをめくった。
早いところはもう夏休みに入っているのだろうか。通りには観光に来た学生や幼い子供連れの夫婦も見かける。
湘南新宿ラインができてから、新宿や池袋、ひいては埼玉・北関東からも簡単に電車で来られるようになり、より身近な観光地になったのかもしれない。
ぴんぽーん、ぴんぽーん。
チャイムの音が社務所に響く。
あやかしにしか読めない字で『御用の方はこちらを押してください』と書かれたお札を横に貼っているそのチャイムを押したのは、相談に来たあやかしに違いない。
紗奈が社務所の窓口を開け、顔を出す。蒸れた外気が顔をくすぐる。
ひらり、と黒い羽根が目の前を舞ったかと思うと、そこには一羽のカラスがとまっていた。
「恥ずかしながら、どうか施しをいただきたく参りました」
そのカラスは丸い頭を深々と下げ、丁寧な口調で告げた。
鳥の姿だが、低い声でどこか気品を感じさせる雰囲気だ。
「おう、どうしたんだ弥助」
客人が気になったのか、立ち上がり見に来た白銀は、そのカラスを目にすると気軽に弥助と呼んだ。知り合いなのだろうか。
「白銀様、そこにおられましたか! これはこれは、お恥ずかしいところをお見せいたします」
カラスは白銀がいると思っていなかったのか、驚いてくちばしから舌を出した。
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