疼痛溺愛ロジック~嗜虐的Dom×被虐的Subの恋愛法則~

水沢緋衣名

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Ⅲ.

Ⅲ 第一話

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 遊歩の家に転がり込んでから三日目、この時に俺は心の底からヤバイと思っていた。
 今までの俺の生活の中では、馬車馬の如くに働く時間が存在していた筈だ。
 なのに今その時間が全て、全く違うものに宛てられてしまっている。
 
 
「ねぇねぇ一希教えて?これやっぱ気持ちいい??」
 
 
 遊歩がそう囁きながら俺の頭を押え付ける。
 俺の身体はさっきからもう、お尻の中に何かを出し入れされる事を考えるのに手一杯だ。
 気持ちよくなりたい。気持ち良いことをしたい。欲望にとても忠実になっている。
 
 
「や……!!ゆうほ!!!これぇ……なんなんだってばぁ………!!!!」
 
 
 家事をしている俺に対していきなり深いキスをしたかと思えば、それと同時に何か錠剤のようなものを無理矢理飲まされたのが30分前。
 そして今現在、前からは先走りを垂れ流し、後ろは後ろでムズムズし通し。
 一体俺の身体に何をしたんだと思い睨み付ければ、遊歩がケラケラ笑いだした。
 何時も通りに下衆な笑みを浮かべた遊歩が、俺が飲んだであろう薬について教えてくれる。
 
 
「んーっとね、気持ちよくなっちゃうお薬だってさぁ………。調べて買ってみた」
 
 
 ………なんて胡散臭いものを買ってくるんだ!!
 その説明内容では、大事な事は大分隠されている気がする。
 この薬が違法か合法かさえも俺は解らないけれど、飲んで良いものだったとは思えない。
 そう思いながら顔を叛ければ、無理矢理遊歩が俺の顔を自分の方に向かせる。
 その時に絡まり合った視線で遊歩が悪い事を考えている事を察した。
 
  
Present見せろよ
 
 
 命令コマンド通りに入り口を開けば、焦らす様に指でなぞられる。
 遊歩の指の先端が俺の中に出入りする度、もっと奥を擦られたくてじれったい。
 思わず身体をびくりと震わせた瞬間に、更に言葉を投げかけた。
 
 
「どうしたい?中に何が欲しい?俺の指?それともバイブ?……もしかして、俺のチンコ?
もう此処三日位やりっぱなしだしさぁ、一希の尻なんでも入っちゃうよぉ??」
 
 
 遊歩が下衆な笑いを浮かべながら俺の中を指で探っている。
 此処まで読めばお分かりの通り、俺は此処三日間DV&セックス三昧だ。
 正直此処三日の間で一生分セックスをしたんじゃないかとさえ思う。
 此処三日間の間突きまわされた俺の尻が、指で満足できる訳がない。
 
 
「っ……ねぇっ……!!!もう、やぁっ……やだぁぁぁ!!!」
 
 
 フローリングの床を引っ搔くかのように、指先に力を入れて攻めに耐える。
 すると遊歩がとても冷たく囁いた。
 
 
Sayじゃあ言えよ
 
 
 遊歩の顔を見上げれば、遊歩の瞳から軽いグレアを感じる。
 威圧感と見下されているかのような眼差しで、身体の奥が震えるのが止まらない。
 今俺は遊歩に支配されている。遊歩の玩具として存在している。
 そう感じた瞬間、口から言葉を出さずにはいられなかった。
 
 
「ちんぽほし……です……ゆうほのぉ……おおきいのが、おおきいのがおくにほしい……!!!」
「はい、素直。……お利口さんだねぇ!!!」
 
 
 最奥目掛けて一気に貫かれた瞬間に、射精をする時の感覚が体中を駆け巡る。
 俺の中が必要以上に遊歩のものに絡みつくのを感じた時、これ以上したら身体が馬鹿になってしまうと思った。
 そんな俺の感情を他所に、遊歩は俺の腰を抑えて動きだす。
 
 
「ひ……!!!あああっ!!!きもち……!!きもちいいっ!!!!」
 
 
 遊歩が腰を動かす度に、潤滑剤が水音を立たせる。
 ぐちゃぐちゃ後ろを突きまわされながら、だらしなく口から唾液を漏らす。
 開いていた俺の両足が震えだし、イキっぱなしになる覚悟を決める。
 中がひくひく勝手に痙攣し始めた瞬間に絶頂のスイッチが入った。
 
 
「んあああああ!!!だめ!!!いく!!!いくいくいく!!!!」
Cumイケよ
 
 
 パタパタと前から精液が漏れ出して、自分の腹の上が汚れていく。
 けれど遊歩はまだまだ余裕そうに俺を見下ろしていた。
 
 
「………もっとイカせてあげるね?」
 
 
 更に遊歩が俺の身体を揺さぶりだせば、またイく感覚に襲われる。
 ただでさえ不健全な社会不適合者だというのに、この生活はとてもじゃないけど不健全だ。
 それを頭で理解している癖に、快楽からは逃れられない。
 そして俺はこの時も、気をやる所まで責め立てられる事になってしまった。
 
 
***
 
 
「この生活不健全じゃない……?」
「何言ってんの今更。大根おろし器みたいな傷全身に作っておいて」
 
 
 遊歩と二人で浴槽に浸かりながら気持ちを吐露すれば、遊歩がとぼけた言葉を返す。
 大根おろし器みたいな傷痕を引き合いに出されると、流石に返す言葉が無かった。
 遊歩の家のバスルームはほんの少しだけ広く、二人で入っても窮屈ではない。
 すると遊歩が俺の顔を濡れた手で撫でた。
 流石に何度も何度もセックスをしたせいなのか、遊歩がシたがっているタイミングが触り方で解る。
 今多分遊歩は、俺の身体に何かをしたいみたいだ。
 
 
「大根おろし器みたいな傷の事は確かに不健全だとは思うけどさ、俺たち此処ずっとプレイとセックスばっかりじゃない……?」
 
 
 雰囲気を壊すかの様に話を逸らせば、遊歩がほんの少しだけムッとする。
 俺はそれに気付いていないフリをしながら、不機嫌な遊歩を見ないようにした。
 遊歩が溜め息を吐いて濡れた髪を掻き上げる。そしてゆっくりと自分の意見を口に出した。
 
 
「……セックスの相手が近くに居たらムラムラするから仕方なくない?
それに明日から俺仕事バタつくから、ほんの少しだけ禁欲だよ?」
 
 
 遊歩がそう口にした時に遊歩の仕事が何なのかを、まだ聞いていなかった事を思い返す。
 この男の仕事に関して聞くタイミングは、正直今しかないと思った。
 遊歩の方を向き整った顔を覗き込む。浴槽に張られたお湯が、ぴちゃりと音を立てて揺れた。
 
 
「そういえばさ、遊歩ってなんの仕事してるの……?」
 
 
 俺の出した質問に対して、遊歩がほんの少しだけ目を泳がせる。
 それからほんの少しだけ答え辛そうに口を開いた。
 
 
「あー……んー……まぁ、バーの経営とか?お金貸したりとかの?ちょっと如何わしいお店の経営みたいな……?
なんか色々……?」
 
 
 一気に微妙な空気感がバスルームの中に漂い、俺と遊歩はお互いにわざとらしく笑う。
 この時に俺はこれから先も、遊歩の仕事に関しては余り深堀するのはやめようと心から思った。
 
 
「………そっか!!」
 
 
 適当な返事を返して遊歩に背を向ける。
 何事も無かったかの様に浴槽の中にタオルを沈めて、空気を入れて現実逃避に勤しむ。
 すると遊歩が慌てた様に取り繕い始めた。
 
 
「や、でも!!万が一警察とかそういうのが入っても俺は捕まらないからさ!!!
だから一希も大丈夫だって!!!」
 
 
 とりあえず遊歩の仕事が予想通りに宜しく無いものだったことは理解した。
 適当に聞き流して知らないふりをする。
 しかも警察が入ったところで自分は捕まらないクラスにいるのか。なんてふてぇ奴なんだと心から思う。
 すると遊歩がまた、俺の肩を優しく撫でた。
 
 
「ところでさ………ねぇ、一希お願い、もう一回………」
 
 
 遊歩がそう言いながら俺の肩を抱きしめる。この時に俺はある事を考えていた。
 最近遊歩といる様になって以来、Subの欲求が大分満たされている。
 それに遊歩と一緒いる時だけは、日向の事を考えなくて済むのだ。
 
 
 日向の為に早く死にたいとは常々感じてはいるけれど、生きながら日向の事を思い返せば死ぬより辛い思いをする。
 遊歩とセックスの時間が減るとすれば、もしかしたら俺も死活問題になるような気がした。
 
 
「……うん、いいよ」
 
 
 俺がそう答えた瞬間に、遊歩が満面の笑みを浮かべる。
 その瞬間俺の頭は浴槽の中に思いっきり沈められた。
 水の中は全てがくぐもったようになり、聞こえるのは俺がゴボゴボと息を吐く音だ。
 そして身体の中に水が入ってゆくような、粘膜がひりつく嫌な痛み。
 段々息が苦しくなってきたその時、遊歩が俺の顔を引き上げる。
 鼻と気管に水が入って思いっきり咳き込めば、遊歩が俺の顔を覗き込みながらにんまり笑った。
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