あきらめきれない恋をした

東 里胡

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*サヨナラ、大好きな人*

逢いたくなりました1

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 定期検査の結果が思わしくなかった。

「嘘だ?」
「嘘じゃないよ、今週末は病院にお泊りしようね、はーちゃん」

 検査結果を待つまでの間、早く準備ができるようにとママにその知らせを伝えに来てくれた佐々木さん。
 小学校高学年までは、時々そういうこともあって。
 だけどここ数年、落ち着いてきてたというのになんで?!

 ぶううっとふくれた私にママが困ったね、と笑う。

「花菜が、あまりにも最近頑張りすぎてるから神様からの休息かな」
「えー? だったら神様はイジワルだよ。私には期末という恐ろしいものが待っているというのに」
「そうね、期末前かあ。だったら勉強道具も一式持ってくるわ」
「わー、いらない、期末終わるまで休もうかな」

 今日が木曜日、土日は休みだからいいとしても、金曜日に知らされるテスト範囲のお知らせはルカに聞くしかないわけだ。

「またルカに心配かけちゃうな」

 ママに聞こえないように呟いた。

 私の病気のことはルカには全部打ち明けてる。
 だからこそ、いつも心配してくれるんだけど不安そうなルカの顔を見るのが私もツライ。

「ママ、スマホの充電器とタブレットも欲しい。後ワイヤレスホンと」
「覚えきれないからメッセージでお願い。用意してくるから」

 ママはきっと新しいパジャマを何枚か買ってくる。
 新しい下着も。私がいつも抱いて寝ているテディベアも連れて来る。
 それからパパはママから連絡を受けて会社を早退して、私の大好きなプリンを買ってくるんだ。
 もうそこまで子供じゃないよ、私。
 なんとなくこの後の二人の行動が想像できてしまって、ママの後ろ姿を見送って苦笑した。

「はーちゃん、先に病室行っとく?」
「そうしよっかな、もうきっとベッドの用意されてるんでしょ?」
「もちろんでございます、お嬢様。ご案内いたします」

 なんてふざける佐々木さんに苦笑した。
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