あきらめきれない恋をした

東 里胡

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*新しい関係性*

嘘は言えませんでした2

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 学校へと向かう足取りがとても重い朝。
 どうしよう、どんな顔をしたらいい?

『私もズルイかもしれない。だけど、あのね真宙くんを好きになりたい』

 昨日、自分で言ってしまったことをもう後悔し始めていた。
 なんであんなひどいこと言ってしまったんだろう。

 昨日は確かに思ったんだよ。
 この次の恋をするなら、真宙くんみたいな優しい人がいい。
 真宙くんみたいに一緒にいて楽しくなれる人を好きになれたら、幸せなんじゃないかって。
 私のことを好きだと言ってくれる人と一緒にいたら、こんなに辛い気持ちはもう忘れられるんじゃないかなって。
 真宙くんがこのままどこか行ってしまいそうで、気付いたら引き留めてしまった。
 そんな私の気持ちが全てお見通しみたいな顔で笑った真宙くんは。


『んじゃ、明日から恋人お試し期間でどう?』

 聞き間違いかと思って首を傾げた私に。

『だから俺と恋人お試し期間しない?』
『お試し期間?』
『そ、夏休みが終わるまで恋人ごっこしてみない? そんでハナちゃんが、俺のこと好きになったら本当に付き合って。でも、やっぱり空人が忘れられないってんならあきらめるよ』
『なんで?! それって私にばかり都合がいいことだよ? ダメだよ、そんなの』

 私が真宙くんのことを男の子として好きになれなかったら、そこで終わりだというのに。

『ハナちゃん見てたらさ、俺もあきらめが悪くなったかもね』
『……、私そんなにあきらめが悪い?』
『そうだね、そこが好き。一生懸命な感じがさ』

 へへっと照れたように笑うから、恥ずかしくなって俯いた。

『あまり気負わないで。今までとそんなに変わりないと思うから』

 真宙くんの優しい申し出に首を縦に振ってしまったのを時間が経つにつれて後悔が深くなっている。
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