雨の種

【第16回ファンタジー小説大賞 奨励賞 受賞作品】


【千年に一度、雨は死ぬ】

西暦二千五百年。

一年中、雨に包まれる世界。
人々は雨を原動力として、世界を発展させた。
雨は全ての命の源であり、世界は雨によって生かされている。

しかし、そんな雨にも寿命は存在する。

「神木様」

神がその姿を変えたといわれるその木は、世界中に雨をもたらす。
雨を降らす膨大な力は千年が限度とされ、神木様の寿命こそ、雨の寿命だった。


木船洸太郎は、雨の降らない世界を知らない。
新学期を迎え、幼馴染の大介と千歳、そして新しくクラスメイトとなった瑠奈とともに、洸太郎は「神木様」のある神社へと赴く。

数年振りに見た「神木様」の姿は、どこか昔と違っていた……。


雨と共に歩んだ人類の成長。
それは、『歴史は繰り返す』というレール上での進歩に過ぎなかったのだろうか――。
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