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第一章
狩り
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「ギデオーン!?」
港の手前の少し大きめの樹に腕を組んで今にも
眠りそうな小柄の男に大声を浴びせた
「…っせぇ」
不機嫌そうに頭を抱え、頭上を睨む
シャーロット同様その黒い髪を掻く
実はシャーロットは野宿の時にはギデオンと一緒に
過ごすのだ。本当の事を言うと、シャーロットは
狩りなどは並み以上の腕前だが、火お越しや
寝床の決め方など旅人のくせにそこは並み以下なのだ。
「ちっとは、学習しろよ…」
野宿の時は狩り以外基本ギデオンに任せっきりだ。
呆れられるのも仕方がない。
「いいじゃないかぁ!」
「よかねぇよ」
ハァと溜め息をこぼし、樹から離れる
「じゃ、ロティ好きなの狩ってこいよ」
まってました!と言わんばかりに鞘から剣を出す
いつまでも元気な彼女に苦笑いし、真反対を走り出す
テネブラエの森はいつでも闇に覆われている
暗いせいか動物はあまり表に出ない
だが、旅を続けて知識もそこそこあるシャーロットは
動物が居る場所を所々知っている
入り組んだ樹の中 大きめの水辺
大体はそこら辺に住んでいるのだ。
歩き続けてやっとのことで一つの水辺に辿り着いた
来る度その狩りをした所にシャーロットは
“印”を付けるようにしている
印を付けることで、どのくらい狩りが出来る場所があるか探っているのである。
「やっぱここが一番っしょ」
そこは少し小さい水辺だった
だが、唯一と言おうかここだけ本当に少しだが、
光が差し込んでいるのだ。
そのためか、鹿や他の生き物が出る確率が高いのだ。
少し離れたところに小鹿が一匹いた
構える。音は出さずに、足音も残さず
剣の柄を握り切っ先を鹿の腹に向ける
ヒュンッ!と、剣を投げた音が静寂な森に響き渡る
小鹿は今になって狙われている事に気づく
だが、遅い。
バタンッ、と倒れる音が聞こえる
小走りで小鹿の元に寄る
開いたその眼を優しく返す
突き刺さった剣を鞘に納めた。
さて、大変なのはこれからだ。鹿を狩ることは出来る
だが、やはり抱えて戻ると言うと少し、疲れる
「さーて、頑張るぞー」
頑張る気なんて一ミリも無いが、
気分を変えようと言ってみたのである
港の手前の少し大きめの樹に腕を組んで今にも
眠りそうな小柄の男に大声を浴びせた
「…っせぇ」
不機嫌そうに頭を抱え、頭上を睨む
シャーロット同様その黒い髪を掻く
実はシャーロットは野宿の時にはギデオンと一緒に
過ごすのだ。本当の事を言うと、シャーロットは
狩りなどは並み以上の腕前だが、火お越しや
寝床の決め方など旅人のくせにそこは並み以下なのだ。
「ちっとは、学習しろよ…」
野宿の時は狩り以外基本ギデオンに任せっきりだ。
呆れられるのも仕方がない。
「いいじゃないかぁ!」
「よかねぇよ」
ハァと溜め息をこぼし、樹から離れる
「じゃ、ロティ好きなの狩ってこいよ」
まってました!と言わんばかりに鞘から剣を出す
いつまでも元気な彼女に苦笑いし、真反対を走り出す
テネブラエの森はいつでも闇に覆われている
暗いせいか動物はあまり表に出ない
だが、旅を続けて知識もそこそこあるシャーロットは
動物が居る場所を所々知っている
入り組んだ樹の中 大きめの水辺
大体はそこら辺に住んでいるのだ。
歩き続けてやっとのことで一つの水辺に辿り着いた
来る度その狩りをした所にシャーロットは
“印”を付けるようにしている
印を付けることで、どのくらい狩りが出来る場所があるか探っているのである。
「やっぱここが一番っしょ」
そこは少し小さい水辺だった
だが、唯一と言おうかここだけ本当に少しだが、
光が差し込んでいるのだ。
そのためか、鹿や他の生き物が出る確率が高いのだ。
少し離れたところに小鹿が一匹いた
構える。音は出さずに、足音も残さず
剣の柄を握り切っ先を鹿の腹に向ける
ヒュンッ!と、剣を投げた音が静寂な森に響き渡る
小鹿は今になって狙われている事に気づく
だが、遅い。
バタンッ、と倒れる音が聞こえる
小走りで小鹿の元に寄る
開いたその眼を優しく返す
突き刺さった剣を鞘に納めた。
さて、大変なのはこれからだ。鹿を狩ることは出来る
だが、やはり抱えて戻ると言うと少し、疲れる
「さーて、頑張るぞー」
頑張る気なんて一ミリも無いが、
気分を変えようと言ってみたのである
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