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禁断の一夜
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第二章:禁断の一夜
薄暗い部屋、熱を持つ肌。
唇が触れ合い、絡まり合う。
彼女の指が彼の髪をかき上げ、大公はそれに応えるように彼女の腰を引き寄せた。
──互いの素性も知らぬまま、 ただ欲望に身を任せた。
彼女の肌は陶器のように白く、指でなぞるとぞくりと震える。
その仕草すら 男を狂わせるほど愛おしかった。
(何故、こんなにも惹かれる……?)
それは 本能的な引力 だった。
二年ぶりの再会を知らず、求め合った男と女。
だが、情事のあと──
薄暗い部屋で、シーツの間から見えた女の 金の髪 。
ルビーのような赤い あの瞳 。
大公の全身が、冷たい衝撃に包まれる。
「まさか……お前……!」
お姫様もまた、彼の顔を見て 驚愕した。
──二年前、自ら手放した男と、今まさに一夜を共にしたのだ。
お姫様は 静かに笑った。
「……最悪」
彼女はシーツを纏い、 何もなかったかのように立ち去る。
その後ろ姿に、大公は言葉を失った。
「どこに行く?」
「どこでもいいでしょう? 貴方のものじゃないのだから」
彼女は小悪魔のように微笑む。
「……何を言っている」
クラウスの声は低く、怒りを滲ませていた。
「昨夜のことを忘れたとは言わせない」
「ふふ、忘れたりしないわよ」
エリスは優雅に微笑むと、彼の胸元に指を這わせた。
「だって、貴方を堕とすのは、とても楽しいもの」
クラウスの瞳が鋭く細められる。
「……っ」
彼の手が彼女の顎を掴み、無理やり視線を合わせさせた。
「いい加減、俺のものになれ」
「嫌よ」
エリスは楽しそうに囁く。
「私、簡単に捕まる女じゃないわ」
彼女はするりとクラウスの腕を抜け出し、寝台を降りた。
彼の上着を拾い上げ、裸のまま肩に掛ける。
「……俺をこれ以上、怒らせるな」
クラウスの声は低く、抑え込んだ激情が滲んでいた。
「ふふ、それはどうかしら?」
エリスは微笑むと、扉へと向かう。
「じゃあね、クラウス」
「待て」
クラウスは即座に立ち上がり、彼女の腕を掴んだ。
「お前は、俺から逃げられると思っているのか?」
「ええ、思っているわ」
エリスは躊躇なく答えた。
その瞳には、勝ち誇った光が浮かんでいた。
「だって、貴方は結局、私を追うしかできないもの」
クラウスの指が強く食い込む。
「俺はお前を……逃がさない」
「ふふ、じゃあ、頑張ってね」
エリスは彼の手を振り払い、そのまま部屋を後にした。
彼の執着を知りながら、それを煽るように。
彼が狂うのを楽しむように。
薄暗い部屋、熱を持つ肌。
唇が触れ合い、絡まり合う。
彼女の指が彼の髪をかき上げ、大公はそれに応えるように彼女の腰を引き寄せた。
──互いの素性も知らぬまま、 ただ欲望に身を任せた。
彼女の肌は陶器のように白く、指でなぞるとぞくりと震える。
その仕草すら 男を狂わせるほど愛おしかった。
(何故、こんなにも惹かれる……?)
それは 本能的な引力 だった。
二年ぶりの再会を知らず、求め合った男と女。
だが、情事のあと──
薄暗い部屋で、シーツの間から見えた女の 金の髪 。
ルビーのような赤い あの瞳 。
大公の全身が、冷たい衝撃に包まれる。
「まさか……お前……!」
お姫様もまた、彼の顔を見て 驚愕した。
──二年前、自ら手放した男と、今まさに一夜を共にしたのだ。
お姫様は 静かに笑った。
「……最悪」
彼女はシーツを纏い、 何もなかったかのように立ち去る。
その後ろ姿に、大公は言葉を失った。
「どこに行く?」
「どこでもいいでしょう? 貴方のものじゃないのだから」
彼女は小悪魔のように微笑む。
「……何を言っている」
クラウスの声は低く、怒りを滲ませていた。
「昨夜のことを忘れたとは言わせない」
「ふふ、忘れたりしないわよ」
エリスは優雅に微笑むと、彼の胸元に指を這わせた。
「だって、貴方を堕とすのは、とても楽しいもの」
クラウスの瞳が鋭く細められる。
「……っ」
彼の手が彼女の顎を掴み、無理やり視線を合わせさせた。
「いい加減、俺のものになれ」
「嫌よ」
エリスは楽しそうに囁く。
「私、簡単に捕まる女じゃないわ」
彼女はするりとクラウスの腕を抜け出し、寝台を降りた。
彼の上着を拾い上げ、裸のまま肩に掛ける。
「……俺をこれ以上、怒らせるな」
クラウスの声は低く、抑え込んだ激情が滲んでいた。
「ふふ、それはどうかしら?」
エリスは微笑むと、扉へと向かう。
「じゃあね、クラウス」
「待て」
クラウスは即座に立ち上がり、彼女の腕を掴んだ。
「お前は、俺から逃げられると思っているのか?」
「ええ、思っているわ」
エリスは躊躇なく答えた。
その瞳には、勝ち誇った光が浮かんでいた。
「だって、貴方は結局、私を追うしかできないもの」
クラウスの指が強く食い込む。
「俺はお前を……逃がさない」
「ふふ、じゃあ、頑張ってね」
エリスは彼の手を振り払い、そのまま部屋を後にした。
彼の執着を知りながら、それを煽るように。
彼が狂うのを楽しむように。
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