スキル【疲れ知らず】を会得した俺は、人々を救う。

あおいろ

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2話 三章 ヒナとキリエと街でのあれこれ

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 ※※※

 それから全員で店を後にした。
 俺達は再び馬車に乗り込むと、街中を移動していき、別の目的地へと向かう。
 「あ!!…止めて、止めて!」
 だが途中で、ヒナが騒ぎながら、窓の外を指さしていた。
 そこは大通りの少し先、ーー十字路にある飲食店だ。
 ごく小さな店舗で、客が中に入れそうにない。
 また表の方には、巨大で派手な看板が設置されて目立った。表面にも絵が描かれている。丸が段々と重なり、逆三角形の上に乗った不思議な物で、目を引くデザインである。
 その真下には、陳列棚が剥き出しになっていた。
 すると店先から客が商品を注文している。
 もう既に複数の客が後ろに並びだしていた。
 店の向かい側の道の端に、俺達の乗る馬車は停車した。
 すかさずアルフォンスは、皆に問いかけてくる。
 「あぁ、菓子でございますね。…何かご所望でしたら、買ってまいります。…いかがしますか?」
 「…あたし、いつも食べてるの!」
 すぐにヒナが注文する。
 続けてキリエと、ダフネが答えた。
 「では、私はヒナ様と同じのを。」「私は勤務中です。」
 「ヒルフェ様は?」
 「…え?…いや、別になんでも。」
 最後に、俺は曖昧に呟く。
  「分かりました。」とアルフォンスは頷き、颯爽と馬車から降りていくと、店先へと向かう。
 やがて彼は順番が回ってくると、店員に注文をしてから、商品の入った箱を受け取り、再びワゴンの中に戻ってきた。間髪入れずに箱を差し出してくる。
 「お待たせいたしました。…どうぞ。」
 「わーい!!…ありがとう。」
 とヒナは商品の箱を受けとると、間髪入れずに、蓋を開け放つのだった。
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