スキル【疲れ知らず】を会得した俺は、人々を救う。

あおいろ

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2話 エピローグ ようこそ始まりの街【ビーギニング】へ

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 それから全員で馬車に乗り込み、ワゴンの扉が閉まると同時に走り始めた。
 だが俺が窓の外に視線を向けたら、違和感に気がついた。
 この馬車は真っ直ぐ大通りを道なりに進んでいるも、ギルドの前を何気なく通りすぎてしまう。
 そのまま馬車は、真っ直ぐに大通りを進むようだった。
 「……おい、…。」
 と俺は振り向き様に、リキッドの方へと訝しげな視線を送る。
 すると真向かいの席の彼は、慌てて言い訳を始めた。
 「良いじゃないか、寄り道したって!!だって、おじいちゃん。…ずっと一ヶ月も書類仕事や後始末のゴタゴタばかりで、ヒルフェ君とお話してないんだから!」
 「はぁ。」
 ついでに隣からは、ダフネのため息も聞こえる。
 しかしリキッドは、気にせずに話を続けだす。
 「もう大変だったんだから。…彼方此方から怒られ、心配されて。……方々に頭を下げ続ける毎日だったよ。」
 「あぁ、そうなの。…試験が中止になってしまったしな。」
 と俺も聞き流しながら、話に加わる。
 「そうなんだよ。…魔獣の出現で試験が中止になったのは、ギルド創設以来で、初めての事だ。…前代未聞なんだよ。」
 「げ?!…そこまで大事だったのか。」
 「…実際には大怪我した人も殆どおらず、結果的に大きな被害がなかったから良かったよ。…でも、あの異様な蛇(サーペンス)みたいな魔獣の出現が尾を引いていてね。…ギルドの統括管理者の間では、問題視されて、…酷く叱責する者もいたよ。」
 「あんなのを予見しろってのは、無理があると思うが。」
 「仕方ないさ。」
 とリキッドは最後に呟くと、途端に力なく項垂れだす。表情には疲れが表れていた。
 その様子に俺は少し考え込むと、ふと脳裏に過った事を思わず口に出していた。
 「…そういえば、初めて会った宿場町でも、ボルドー・ボアも同じく異様な感じだったし、あの蛇も似たようだったな。…何だったんだろうな。…」
 「…詳しくは、ギルドで調査していて、まだ分からない。…ただ、…」
 「ただ、なんだよ?」
 「えぇ、とね。…」
 リキッドは話を聞いて答えようとするも、頭を掻きだしながら言い淀むようだった。最終的には「いや、なんでもないよ。」と否定の言葉を、呟くだけだった。
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