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33話-1.彼女の決意と俺の決意

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 レベルを上げるために連休を取りたいと思うが……
 それが無理となると、今月はビッグフロッグとオーク狩りを夕方から夜中までやる。
 そして、平日はソレを繰り返す予定だ。

 今週の末は教会のスミス神父に頼んで、一度泊まった事のある教会の一室を借りることにする。
 そして、[インターネット]の件を女神に直接聞いてみよう。
 きっと、あの女神の事だ――俺を加工しに来るハズだ!!

 休日の日は、裏庭に太陽光パネルを野立てで設置するとしよう。
 そんな感じで、今週の予定は決まった。

 お店はいつも通りに客足よく、いつも通り忙しい毎日が続いている。
 今週は、いつもの仕事終わりにオーク狩りとビッグフロッグ狩りを行った。
 お店の休みの前日は、狩りへ行かず教会へ行くことにした。

 そして、教会へ移動した。

 エミリーが、コチラに気づき挨拶をしてきた。
「ハジメさん、こんばんわ。
 今日は、何かの用事ですか?」

「えーと、エミリーさんに会いに来ました」

 ……と、俺は彼女に軽くとぼけて返答した。そして、続けて話を続けた。

「……と、いうのは冗談です。
 今日は、神父にお願いがあって来ました」

 エミリーは、教会の奥の方にある休憩室に向かって声を発した。

「神父ー。
 ハジメさんが用事らしいですよ」

 奥の方から、「わかったー」と神父の声が聞こえた。
 奥の方から、スミス神父が出て来た。

「やあ、ハジメ君。
 今日はなんの用事かい? エミリーとデートかい?」

「それも、いいんですけど……
 今週はやることが多くて今回は違います。
 あの件レベル40を実現する為に、今のお店をスタッフのみで回せるようにする必要があるんですよ。
 今回、スミス神父にお願いしたいのは、前みたいに教会の一室を貸してもらえませんか?」

「ん?
 もしかして、啓示をまた受けようと?」

「そ、そうですね。
 もしかしたら、前回と同様に女神様に会えるかもしれないので」

「それは、構わないよ」

「ハジメさんは、女神様に会いたくて教会に来たんですか?」と、少しエミリーが不機嫌になってる。

「そうではあるけど。
 女神様に会いたいのは、仕事の一環みたいな感じだし。
 明日フリーなら――本当はエミリーさんと居たいですよ」
 ……と彼女の機嫌を取るために正直に答えた。

「うーん、本当に君達仲がいいねぇ。
 私が、この場にいる事を忘れないでくれよ」と、スミス神父がおどけて言った。

 エミリーの不機嫌さはなくなったが、赤くなって俯いてた。
 一応、スミス神父の許可も取れたので、今日は教会に泊まることになった。

「あっ、そうだ。
 ビッグフロッグの在庫は教会には残ってます?」と、聞いてみたらエミリーが答えてきた。

「干し肉にした分も、そろそろ使い切りますね」

「そっか、それならビッグフロッグの在庫が、かなりあるんで少しもらってくれません?」

「かなりって、どれくらいです?」

「解体してない状態で、300匹以上の在庫があります。
 仕事終わってから夜中まで狩りしてます」

「無理はしないで下さいね……」と、エミリーが心配そうに言ってきた。

「ああ、それは大丈夫ですよ。[スリープ]の魔法もあるし……
【転送魔法】があれば、行き帰りの移動時間はナシだし、サビ残連発で電車で毎日三十分を往復させられてた時に比べれば楽です」
 ……と、つい口に出してしまった。

「「サビ残? 電車?」」と、エミリーと神父が聞いたことのない言葉に戸惑っていた。

「いえ、それは転生前の話なんで気にしないでください。
 あと、今は商人の能力で連勤に強くなってるんで、ご心配なく」

「それなら、いいんですけど……
 無理はしないでくださいね」と、彼女が心配そうに言ってきた。

「はい、気をつけます。
 それで、ビッグフロッグを如何程に譲りましょうか?」

「神父、どうしますか?」

「ハジメ君が、我々に譲渡して下さると言うんだ。
 ありがたく頂戴しましょう」と、神父が答えた。

「すいません、ハジメさん。
 5匹程都合つけてもらっていいですか?」

「いいですよ。
 まだ解体済んでないんで、まだ夕方で陽が出てる間に外で捌いちゃいますね」

「お願いします。
 だけど、私が捌かなくていいんですか?」

「前、エミリーさんに捌き方教えてもらったんで、それを応用できるようになりました。
 まぁ、見てて下さいよ」と言って、神父とエミリーを連れてこの前と同じ井戸の前に来た。

 5匹のビッグフロッグを並べて、一匹ずつ魔石を抜いていった。
 そのあとは[エアカッター]の魔法で、ビッグフロッグを部位毎に切り分けた。

「は、早いですね」

「お、おう。お見事!!」

 戸惑うエミリーに、感嘆する神父。

「エミリーさんに、基本を教えていただいたおかげですよ」

「魔法を使って切り分けとか……
 教えてないですよね」

「あくまでも、コレは応用ですから。
 基本を教わったから出来たことですよ」

「そうですか、それなら良かったです」と言って、エミリーも納得してくれたようだ。

「今日はハジメさんも料理を食べていって下さいね」

「そうさせてもらいます。
 ご飯は何処で食べればいいんですかね?」

「教会の個室に持って来ますよ」

「てっきり、子供達と食べるのかなと思ってました」

「それでもいいんですけど、子供達がお邪魔して啓示の邪魔になるかもしれませんし。
 子供達には、ハジメさんが教会に泊まってる事は内緒にしておきます。
 特に、シェリー辺りはハジメさんが居るの解ったら、間違いなくお部屋にお邪魔するでしょうし」

「はは、たしかに……」

「そしたら、教会の休憩室で料理が来るのを楽しみにして待ってます」

「はい、楽しみにしてて下さい」

「そしたら、今日はお世話になります」と、二人に向けて言った。

「お構いもできないが、くつろいでいってくれ」と、神父が言ってくれた。

 二人とは、それで別れて教会内の一室へ向かった。
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