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84話.赤芋虫を狩るモノ達

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 私達4人は、砂漠でラッキーインセクトを狩りに行く事となった。
 まずは、装備を整える必要がある。

「そしたら、エミリーとシェリーは、狩りの装備を整えてきて」

「「はーい」」と言って、二人は寝室へ。

「キャリーは私の武器でも使っててね」と言って、ミスリルの剣を渡した。

「お兄さん。この武器って、ドラゴン倒すときに使うやつですよね」

「詳しいね。氷の大陸で大活躍の武器だよ」

「お兄さんは武器が無くていいんですか?」

「今日の狩りの主役は実はシェリーなんだよ」

「おまたせしました……」

 彼女達の寝室から魔女っ娘とナースさんが出てきた。

「シェリーの魔女っ娘衣装はわかるけど。
 エミリーさん、何故? ……ナース服」

「シェリーに隠してる、この服を見つけられてました」

 二人のコスプレ姿を見て、つい本音が出てしまった。
「シェリーは安定の可愛さだし。
 エミリーも、やっぱり似合ってるな。あの時以来だし……」

「お兄さん……」と言って、キャリーのジト目が痛い。

 彼女にジト目を喰らい低姿勢で謝ってしまう。
「なんか、すいません」

「お兄さん。私に似合う服も今度選んでくださいね」

「あっ、ハイ」

 彼女達をパーティ扱いにして[経験値分配]の指定を行った。

 全員で自宅の外に出て[ライト]の魔法と、[転送魔法]を使い砂漠へ移動した。

「え? お兄さん。 今、何をしたんです?」

「ん?[転送魔法]だけど? キャリーは初めてだっけ?」

 たしかに、キャリーと一緒に[転送魔法]使ったことないな……

「ここはドコの砂漠なんです?」

「サドタの街の付近の砂漠だよ」

 それじゃ、俺は久々にこの装備でいいかな。
 俺は鉄の槍を装備した。

「それじゃ、ラッキーインセクトを狩りたいと思います。
 シェリー、キミの力を貸してね」

「はーい」

[魔力視]のスキルを利用し【マップ】を確認する。
 7匹のラッキーインセクトの反応があった。

 俺は砂の上にしゃがんで、シェリーを肩車する。

「お兄さん、それで真面目に狩りをする気あります?」
 ……と、キャリーが素でツッコミを入れてきた。
 
「ふふふ……。
 シェリーは凄いんだぞぉ!!」

「へへーん」

「エミリー。
 私の旦那って、へんな人?」

「たまにね……」

 二人とも酷い、グスン。
 一匹目を【マップ】の範囲に入れた所で、シェリーから「見えたよー」コールが聞こえた。

 ラッキーインセクトを狩りに来る人間はいない為、シェリーに攻撃支持を出した。

「どうぞ!!」

「あいすらんす!!」

 遠くで見えないが倒したんだろうというのは実感できた。

「倒したよー」

「よく出来ました」と、言うと……

「肩車から下ろして」と、シェリー言った。
 少女を肩から降ろすと――そして、コンボの上目使い。

 ハイハイ、撫でますよ。 ジャンジャン撫でますとも!!

 ……と、シェリーを撫でまくっていたら。デザートブルがコッチに突っ込んできた。

 エミリーが、デザートブルの横からミスリルの槍を突き刺す。
 彼女も、この場所での狩りに慣れたものだ……

「ハジメさん、早く回収に行きましょう。
 シェリーも褒めて欲しいのはわかるけど、終わってからにしましょう」

「「はーい」」と俺とシェリー言った。

 討伐したモンスターを回収してから、再びシェリーを肩車して狩りを再開する。
 二匹目、三匹目、四匹目、五匹目、六匹目、七匹目のラッキーインセクトを討伐し俺はレベル39になった。

「お兄ちゃん、[てんそーまほう]覚えたよ」

 シェリーを肩車から下ろして。

「この子、天才!!」と言いながら、頭を撫でてた。

「えへへー」

「ねぇ、エミリー。
 お兄さんがこうなってる時、私達は凄く悲しいね」

「この時ばかりは、シェリーにかなわないのよね」

「違うからな!! 基本は平等だからな俺は」と、シェリーの頭を撫でながら言っている。

「「そのナデナデしながら言うのを、やめてくださいね」」と、二人からツッコミを入れられた。

 とりあえず、みんなにお礼を言わないとな……

「おかげさまで、レベル39になれました。
 あと一レベルで上がれば、スミス神父との約束が果たせるよ」

「そうですね。そうすれば私達……」と、途中まで言って、エミリーが顔を赤らめた。

「えっ、どうしたの?エミリー」

 耳打ちして、エミリーとキャリーが話をしている。

「お兄さん早く、レベル40なりましょうね♡」

「善処します」

 よし!! これで[スピーカー]と[双眼鏡]を手に入れることができる。

 まず[スピーカー]は、防災用のスピーカー(付属マイク付き)を購入。
 電源は太陽光発電の蓄電池を利用する、[双眼鏡]は、どこにでもあるタイプを購入した。

[アースウォール]で作った高台から、見下ろして相手に音を伝える為の正確な情報を得るためのアイテムだ。
 この作戦は、ミスが許されない以上、この二つは必須だろう。
[セカンタの町]には壁がない。あるのは、ビッグフロッグ避けの柵程度だし……

 貴族のリストア達に襲われるとマズイので、その前に[アースウォール]で高台を作り、そこで情報を得て相手を叩き潰すのだ。

「それじゃ、みんな家に帰ろうか……」

「「「はーい」」」

【転送魔法】を使い自宅へ帰宅した。

みんなに[クリア]の魔法を使用して、今日の狩りは終了した。

「そうなると、キャリーはどこで寝るんだ?  借りた家に帰るか?」

「お兄さん。イケズですぅ」

「ウチで今後は寝るのな……。
 ベッド増やそうか?」

「明日、注文してきていいですか?」と、エミリーが聞いてきた。

「良いよ、好きなの注文してきて」

「ありがとうございます。
 明日、シェリーと買ってきますね」

「今日は狭いかもしれないけど、三人で寝てくださいね」

「「「はーい」」」

「そしたら、みんなおやすみなさい」

 まさか、キャリーまで俺の所に来るのは予想外だったな。
 明日も仕事だし余計な事考えずに寝よう。

 ……
 …………

 ごそごそ……
 …………ごそごそ。

 だれかが、俺の布団に潜り込んできている。

「誰?」

「お兄さん、一緒にお風呂入りましょ!!」

「え!?」

「お兄さん静かに……
 二人が起きますよ」

「いやいや、どういう事?」

「みんなとは、お風呂入ってるのに、私と入ってくれてないのが悲しいなぁと思って」

「いやいや、お風呂入るって事はそういう事でしょう?」

「はい。だから公認になったから、誘いに来ました」

 え? これは何かの罠か……?  ……と悩み始めた。

「お兄さん、良いですか」と言ってた 、キャリーが抱きついてきた。

「なんです?」

「エミリー達に私が囮になるって言ったけど、本当は怖かったんですよ」

 失敗した時の事を考えれば、そりゃ、そうだろう。
 あんなふざけた結末が見えてる所に誰が行きたい人間がいるはずがない……

「うん、それはわかるよ」

「お兄さんが、本番不可なのはエミリーに聞いて解ってます。
 だから、本番は望みませんから二人でお風呂に入りましょ」

 これは、あかんヤツになるヤツだ。

「ハイ、お兄さん。
 ハイ、起きる!! さぁ、行きましょう」

 あるぇ?強制で起こされて風呂に連れていかれた。

「お兄さん、服を脱ぎましょうね」
 さっくりとひん剥かれた……
 一線は守る為にタオルは腰に巻いた。

 なんだ、この子? 服を脱がすのに手慣れてる……

「びっくりしてますね。
 私って、こういう風に子供達を脱がす係だったから」

「へぇ……。
 あぁ、エミリーが洗う係って奴か」

「そうです、そうです」

 話をしていたら、キャリーが服を脱ぎ始めた。

「あれ、お兄さん大きくなってないですね」

「いやいや、流石に無理でしょう? この展開は……」

「じゃあ、もう一枚脱ぎますね」

「それ脱いだら完全にアウトのヤツーー。
 胸が見えるでしょうが!!」

 キャリーの挑発に乗らず、そそくさと湯船に向かった。
 既に、お湯が張られていた。
 前もって、彼女が準備をしていたのだろう……

「お兄さん、早いですよー」

 タオルを巻いて色々と隠している。
 彼女の身体は、少女らしい凹凸は少なめだが、無い訳ではない……
 いかん変なことを考えるな!! 血が……余計な所に登ってしまう。
 タオルを腰に巻いたまま風呂に入った。

「お兄さんダメですよ、お風呂はタオル取らなきゃ」と言って、タオルを外してキャリーが湯船に浸かった。
 お湯が溢れること無く二人とも湯船に入った。

 彼女はぱっと見で、シェリーと同じくらいの歳に見えるんだよなあ。
 しばらく、浴槽に浸かっていたが、まだ平常心を保てていた。

「そうだ、お兄さん身体洗ってあげますね」

 彼女が立ち上がる時、汚れけがれや跡のない綺麗なお尻が見えてしまった。
 それが致命傷となり、彼女から赤い芋虫の狩りの準備が始められてしまい……
 石鹸や色々なモノを利用されたご奉仕に完全敗北……してしまった。

 事を終えた二人は、脱衣所で着替えを終えていた。

「お兄さん、またしましょうね♡」

「キャリーに色々と奪われちゃった気がする」

「えへへ」

 その見た目でエヘヘとか、やられると可愛いだろうが……

「お兄さんは、シェリー相手でも大丈夫ですね」

「えっ!?それは……」

「文字通りの意味ですよ。
 お兄さんのツボが解った気がしますよ」

「この見た目なのに凄くエロいんですけど……」

「えへへー」

「褒めてないからな」

「むぅー」と彼女がむくれた。くっそ可愛い……
 手がとっさに彼女の頭を撫でてしまった。

 そのまま、二人で寝室で眠る事となった。
 二人は寝坊をして、エミリーとシェリーの二人からお説教を受けたのはいうまでもない……
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