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光の国に転生した闇属性の俺!?
88)お話し
すると、父は母に腕を組まれて部屋に戻っていった。父も俺も今日は寝られないと思った方がいいだろう。
「ぼ、僕っちはどうしたらいいんだ?」
「ごめん、今日は使用人たちに君を任せるよ。”決して人間に危害を加えてはいけないよ”。それは君たちも同じだからね。シェイドは僕の契約している悪魔だから」
初めてシェイドに対して命令をした。でもこれのおかげでシェイドはうちの使用人に手を出せないだろう。一応使用人たちにも釘を刺しておく。これでお互い大丈夫だろう。
(まあ、そんな心配している場合ではないんだけど)
本当に心配するべきは俺だ。隣にはいつもの笑みを浮かべた激おこお兄様。周りを見渡して使用人たちに助けを求めるが皆目を逸らす。きっと巻き込まれたくないのだろう。というわけで俺を助けてくれる人は一人もいないというわけだ。
「僕はどちらの部屋でもいいんだけど、ナハトはどっちの部屋でお話ししたい?」
「…僕の部屋で」
どちらの部屋を選んでも地獄だろうが、敵陣であるか自陣であるかで気持ちが少し変わるだろう。頭上にいる義兄の視線が痛い。
「ふふ、ナハトの方から部屋に呼んでくれるなんて光栄だなあ」
(笑ってるけど目は笑ってないですよ…)
あえて口には出さなかった。これ以上墓穴を掘るわけにはいかない。義兄は俺の手をすっと握って俺の部屋の方向へ歩き出した。傍から見れば仲睦まじい兄弟に見えるかもしれないが今日はそうはいかない。せめて朝には眠れますようにと思いながら覚悟を決めるのであった。
ガチャン
と部屋の閉まる音が響く。俺にとっては死刑宣告されているようなものだった。
「そういえば、言うの忘れていたね。おかえり、ナハト」
「…ただいま帰りました。お兄様」
「じゃあ、今日の話をナハトから話してくれるかな?」
こっちにおいでと言われて手を引かれる。部屋の中にある少しゆったりとしたソファに並んで座る。距離が近すぎて俺の心臓の音が聞こえてしまうのではないかと思ってしまう。声が震えないように我慢しながら今日あったことを一から話す。
「なので、シェイドを家に置くのを許して欲しいんです。面倒は僕が必ず見るのでお願いします」
「うん。ナハトの話はわかったよ。でも僕は君が危険な目に遭うのは耐えられないんだ。それはわかってくれるよね?」
「は、はい」
やけに義兄は優しい。もしかしたらただ単に俺の心配をしすぎた結果さっきみたいになってしまったのだろうか。俺は本当の義兄の恐ろしさをわかっていなかった。
「ぼ、僕っちはどうしたらいいんだ?」
「ごめん、今日は使用人たちに君を任せるよ。”決して人間に危害を加えてはいけないよ”。それは君たちも同じだからね。シェイドは僕の契約している悪魔だから」
初めてシェイドに対して命令をした。でもこれのおかげでシェイドはうちの使用人に手を出せないだろう。一応使用人たちにも釘を刺しておく。これでお互い大丈夫だろう。
(まあ、そんな心配している場合ではないんだけど)
本当に心配するべきは俺だ。隣にはいつもの笑みを浮かべた激おこお兄様。周りを見渡して使用人たちに助けを求めるが皆目を逸らす。きっと巻き込まれたくないのだろう。というわけで俺を助けてくれる人は一人もいないというわけだ。
「僕はどちらの部屋でもいいんだけど、ナハトはどっちの部屋でお話ししたい?」
「…僕の部屋で」
どちらの部屋を選んでも地獄だろうが、敵陣であるか自陣であるかで気持ちが少し変わるだろう。頭上にいる義兄の視線が痛い。
「ふふ、ナハトの方から部屋に呼んでくれるなんて光栄だなあ」
(笑ってるけど目は笑ってないですよ…)
あえて口には出さなかった。これ以上墓穴を掘るわけにはいかない。義兄は俺の手をすっと握って俺の部屋の方向へ歩き出した。傍から見れば仲睦まじい兄弟に見えるかもしれないが今日はそうはいかない。せめて朝には眠れますようにと思いながら覚悟を決めるのであった。
ガチャン
と部屋の閉まる音が響く。俺にとっては死刑宣告されているようなものだった。
「そういえば、言うの忘れていたね。おかえり、ナハト」
「…ただいま帰りました。お兄様」
「じゃあ、今日の話をナハトから話してくれるかな?」
こっちにおいでと言われて手を引かれる。部屋の中にある少しゆったりとしたソファに並んで座る。距離が近すぎて俺の心臓の音が聞こえてしまうのではないかと思ってしまう。声が震えないように我慢しながら今日あったことを一から話す。
「なので、シェイドを家に置くのを許して欲しいんです。面倒は僕が必ず見るのでお願いします」
「うん。ナハトの話はわかったよ。でも僕は君が危険な目に遭うのは耐えられないんだ。それはわかってくれるよね?」
「は、はい」
やけに義兄は優しい。もしかしたらただ単に俺の心配をしすぎた結果さっきみたいになってしまったのだろうか。俺は本当の義兄の恐ろしさをわかっていなかった。
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