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サトリ編
005 良き最期(ジカン)を
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翔太郎が目を覚ますとそこは、病室だった。
真っ暗なのだが、そこに何が置いてあるのか、何が存在しているのか理解している。翔太郎は呆然と立ち上がると思う。
(変な感覚がする。まるで、夢の中みたいな場所…。)
すると病室のベッドの前の椅子に座り込む、一人の男性に翔太郎は気づいた。
「あの…!」
翔太郎の声に、男性は気づいて振り返った。男性の身体は半透明で、ひと目で幽霊である事がわかる。壮年の男性であると翔太郎は見たが、それよりも別に気づいた事があった。
男性の身体には青いオーラの様なものが取り巻いており、その先には謎の怪異がいた。その生命体は動物の様な形をしており、身体が水の様になっている。この怪異はどこか、バス停付近で見かけたものと似ていた。
怪異は苦しんでいるのか、男性の膝で蹲っていた。翔太郎はそれを見るとピンと来る。
(そう言えばレフさんが、歪は霊と妖が混じった姿と言っていた…。つまりこの動物こそが、妖なのか…!?仮にそうなら、僕は幽霊だけじゃなく怪異まで視認出来るようになったって事!?)
翔太郎がそう思っていると、男性は言葉を発した。
「兄ちゃん、俺の話を聞いてくれないか?」
「え…?」
妙に落ち着き払った男性は、深々と溜息を吐くと言う。
「俺にはよ…妻と子供がいたんだ…。でも、事故で俺だけ死んじまったのさ…。」
その言葉に翔太郎は反応すると、気づけば男性は感情を滲ませ涙を流して声を枯らせていた。
「久々に家族とドライブして、一瞬だ…ほんの一瞬だけ注意を怠った。それで事故に遭って…家族にまで迷惑かけて…!情けない…情けない…!!」
「…理不尽…ですね。」
翔太郎はそう呟いた。翔太郎は浮かない表情で、男性の近くまで歩きながら思う。
(人生って理不尽なものだ。人はいつどこで亡くなるかわからない。僕だって、知らない間に死んでいたって話なのに…。この方は苦しい思いをして…)
そして翔太郎がベッドの前に来た時、翔太郎はベッドに横たわっている人を見て驚いた。ベッドに横たわっているのは正に今、ベッドの横で座っている男性なのだ。不思議に思い翔太郎は顎に手を当てると、思考を巡らせる。
(同じ人が二人…?
心象世界…。これが彼の心の中と言うのなら、これには何か意味があるはずだ。)
すると男性は悔やんだ様子で続けた。
「ホント理不尽だよな…。妻子には、二度と高速になんて乗るなよって言ってやりてぇ…!」
その言葉を聞いた途端、翔太郎は閃く。翔太郎は男性に前屈みに近づくと、男性は目を丸くした。
「あの、高速で事故に遭われたのですか?」
「え…?ああ。」
(霊の殆どは、亡くなった場所や亡くなる原因となった場所で彷徨う『地縛霊』が多い。でもこの人は、近くに高速も病院もない大学前で歪となって暴れていた…。歪が大学前から動く様子がない所からも、現れてから殆ど動いていない可能性の方が高い。だけど彼は高速で亡くなったと言い、心象世界は謎にも病院の一室…。そして…)
翔太郎はそう思いつつ、もう一人の男性を見つめた。固く目を閉じて、微動だにしない男性が横たわっている。翔太郎は男性に聞いた。
「…奥さんと息子さん、今はどうされていますか?」
「え?…まだ病院で入院中さ。自由に動けないからか、いつも暗い顔してやがる。…俺が何度病室へ足を運んでも、視線も合わせてくれなかったな…。ま、幽霊だから仕方ないか…。」
すると翔太郎はブツブツと呟く。
「まだ入院中…事故からそう時間が経っていないって事か…?」
「それがどうかしたかい?」
男性が聞くと、翔太郎は静かに頷いた。そんな翔太郎に男性が首を傾げると、翔太郎は話し始めた。
「多分ですが…、あなたはまだ死んでないと思います。」
その言葉を聞いて、男性は目を剥いた。翔太郎は続ける。
「霊は亡くなった場所、原因となった場所に縛られる事が多いんです。それらに縛られない幽霊は余程の霊力持ちか、…『幽体離脱』している場合です。」
「幽体離脱…?」
男性がそう呟くと、翔太郎は深く頷いた。
「そしてあなたの霊力は、地縛を逃れるほどのものではないはずです。霊力は持っていれば持っているほど、生きた人間にも霊体を可視して貰いやすくなるんです。地縛を逃れるほどの霊力があれば、あなたさえ願えば生きた人もあなたを可視出来るはず。」
翔太郎の解説に男性は呆気を取られていると、翔太郎は我に返って恥ずかしそうにする。そして咳払いをして続けた。
「あのつまり…幽体離脱した魂は亡くなった霊と違って、自由に移動が出来てしまうんです。あなたが大学前にいるのは、幽体離脱したからかな…と僕は思ったんです。」
「俺が…まだ生きている…?」
男性はそう言うと、翔太郎に顔を近づけて希望を得た瞳で言った。
「俺は、また目覚める事ができるのか!?」
翔太郎はそう言われると、少し言いづらそうにした。そして目を閉じるが、やがて覚悟を決めた様子で目を開けた。
「いいえ、多分…目覚める可能性は皆無に等しいです。」
男性はショックして言葉を失うと、翔太郎は続けた。
「幽体離脱は基本的に、亡くなる前に起きるものですから…多分高確率であなたは…」
翔太郎がそこまで言うと、男性は翔太郎の両肩を掴んだ。そして力強く握って、力いっぱいに訴えた。
「俺が死んだら家族が苦労するんだ!お願いだ霊能者さん、俺を生き返らせる方法はないか!?」
そう言われたが、翔太郎は視線を合わせられず黙り込む。男性も答えが分かっているのか、泣きそうな声を小さく上げた。すると翔太郎は言った。
「なぜ…幽体離脱した魂は、亡くなられた魂よりも自由に動けると思いますか…?」
その言葉に反応して、男性は顔を上げた。男性が見た翔太郎の表情は、正に真摯と言える。
「それは、今まで自分が歩んできた人生と寄り添う為です。」
その言葉に、男性は目が覚めたような表情をした。握り締めた手が、少しずつ力が抜けていく。翔太郎は続ける。
「現世の別れまでのタイムリミットを、有意義に過ごす為。大切な人へ別れを言ったり、傍にいてあげたり、思い出の場所を巡ったり…。そしてあなたは今、その貴重な時間の真っ只中なんです。」
すると男性は、自然と自分の透けた両手を見た。透けている様な、黒い影の様にも見える霊体。男性は悔しい表情を浮かべて呟く。
「どう足掻いても…もう駄目なのか…。」
その言葉に、翔太郎は小さく頷いた。すると男性は吹っ切れたように鼻で笑った。男性は涙を目に溜めてはいたが、表情は笑うようにしていた。
「…子供…子供に会いたい。妻にも、お袋にも言いたい事が沢山ある。…兄弟は、顔だけ見とくか…。」
それを聞いた翔太郎は、男性に微笑みかけた。
「生きている人も、あなたの訪問であなたの姿を見るかもしれません。夢だったり、幻の様だったりで…。」
「そうか…。」
男性がそう言うと、翔太郎は男性の手を掴んだ。男性が目を丸くすると、翔太郎は祈るように深く目を閉じる。すると翔太郎から白い光が漂い、男性の霊体にその力が移った。男性に力が移ると、薄い身体が少しずつ濃くなっていく。それに男性が感嘆の声を上げると、翔太郎は手を離して言った。
「僕の霊力を分けます。生きている人に見てもらうには、霊力が必要不可欠ですから。」
「…ありがとう、君は親切だね。」
「いえいえそんな事…。ですが、生きている方の霊力によって可視できるかが決まります。日によって調子が出ない時もありますから、そこは運になりますが…。ですが運が良ければ、誰もがあなたを見つけてくれますよ。」
翔太郎はそう言って、優しい笑みを浮かべた。その笑みに男性は嬉しそうに小さく笑うと、翔太郎の顔を見て言った。
「歩んできた人生と寄り添う時間…ここで勿体ぶって無駄にする訳にはいかないな。
…世話になった。」
そう言った瞬間、心象世界に異変が起きる。心象世界は光に包まれ、長らく脇役となっていた妖もいつの間にかリラックスした様子になっている。翔太郎は妖を見下ろしながらも思う。
(リラックスした様子になっている…?この人の忘れた部分を取り戻したお陰かな…?まさかこれが、歪を鎮めるという事?)
「じゃ、もう行くよ。」
男性がそう言ったので、翔太郎は光に包まれながらも言った。
「はい。…良き最期(じかん)を。」
こうして心象世界は光に包まれ、翔太郎は現実へと引き戻された。
真っ暗なのだが、そこに何が置いてあるのか、何が存在しているのか理解している。翔太郎は呆然と立ち上がると思う。
(変な感覚がする。まるで、夢の中みたいな場所…。)
すると病室のベッドの前の椅子に座り込む、一人の男性に翔太郎は気づいた。
「あの…!」
翔太郎の声に、男性は気づいて振り返った。男性の身体は半透明で、ひと目で幽霊である事がわかる。壮年の男性であると翔太郎は見たが、それよりも別に気づいた事があった。
男性の身体には青いオーラの様なものが取り巻いており、その先には謎の怪異がいた。その生命体は動物の様な形をしており、身体が水の様になっている。この怪異はどこか、バス停付近で見かけたものと似ていた。
怪異は苦しんでいるのか、男性の膝で蹲っていた。翔太郎はそれを見るとピンと来る。
(そう言えばレフさんが、歪は霊と妖が混じった姿と言っていた…。つまりこの動物こそが、妖なのか…!?仮にそうなら、僕は幽霊だけじゃなく怪異まで視認出来るようになったって事!?)
翔太郎がそう思っていると、男性は言葉を発した。
「兄ちゃん、俺の話を聞いてくれないか?」
「え…?」
妙に落ち着き払った男性は、深々と溜息を吐くと言う。
「俺にはよ…妻と子供がいたんだ…。でも、事故で俺だけ死んじまったのさ…。」
その言葉に翔太郎は反応すると、気づけば男性は感情を滲ませ涙を流して声を枯らせていた。
「久々に家族とドライブして、一瞬だ…ほんの一瞬だけ注意を怠った。それで事故に遭って…家族にまで迷惑かけて…!情けない…情けない…!!」
「…理不尽…ですね。」
翔太郎はそう呟いた。翔太郎は浮かない表情で、男性の近くまで歩きながら思う。
(人生って理不尽なものだ。人はいつどこで亡くなるかわからない。僕だって、知らない間に死んでいたって話なのに…。この方は苦しい思いをして…)
そして翔太郎がベッドの前に来た時、翔太郎はベッドに横たわっている人を見て驚いた。ベッドに横たわっているのは正に今、ベッドの横で座っている男性なのだ。不思議に思い翔太郎は顎に手を当てると、思考を巡らせる。
(同じ人が二人…?
心象世界…。これが彼の心の中と言うのなら、これには何か意味があるはずだ。)
すると男性は悔やんだ様子で続けた。
「ホント理不尽だよな…。妻子には、二度と高速になんて乗るなよって言ってやりてぇ…!」
その言葉を聞いた途端、翔太郎は閃く。翔太郎は男性に前屈みに近づくと、男性は目を丸くした。
「あの、高速で事故に遭われたのですか?」
「え…?ああ。」
(霊の殆どは、亡くなった場所や亡くなる原因となった場所で彷徨う『地縛霊』が多い。でもこの人は、近くに高速も病院もない大学前で歪となって暴れていた…。歪が大学前から動く様子がない所からも、現れてから殆ど動いていない可能性の方が高い。だけど彼は高速で亡くなったと言い、心象世界は謎にも病院の一室…。そして…)
翔太郎はそう思いつつ、もう一人の男性を見つめた。固く目を閉じて、微動だにしない男性が横たわっている。翔太郎は男性に聞いた。
「…奥さんと息子さん、今はどうされていますか?」
「え?…まだ病院で入院中さ。自由に動けないからか、いつも暗い顔してやがる。…俺が何度病室へ足を運んでも、視線も合わせてくれなかったな…。ま、幽霊だから仕方ないか…。」
すると翔太郎はブツブツと呟く。
「まだ入院中…事故からそう時間が経っていないって事か…?」
「それがどうかしたかい?」
男性が聞くと、翔太郎は静かに頷いた。そんな翔太郎に男性が首を傾げると、翔太郎は話し始めた。
「多分ですが…、あなたはまだ死んでないと思います。」
その言葉を聞いて、男性は目を剥いた。翔太郎は続ける。
「霊は亡くなった場所、原因となった場所に縛られる事が多いんです。それらに縛られない幽霊は余程の霊力持ちか、…『幽体離脱』している場合です。」
「幽体離脱…?」
男性がそう呟くと、翔太郎は深く頷いた。
「そしてあなたの霊力は、地縛を逃れるほどのものではないはずです。霊力は持っていれば持っているほど、生きた人間にも霊体を可視して貰いやすくなるんです。地縛を逃れるほどの霊力があれば、あなたさえ願えば生きた人もあなたを可視出来るはず。」
翔太郎の解説に男性は呆気を取られていると、翔太郎は我に返って恥ずかしそうにする。そして咳払いをして続けた。
「あのつまり…幽体離脱した魂は亡くなった霊と違って、自由に移動が出来てしまうんです。あなたが大学前にいるのは、幽体離脱したからかな…と僕は思ったんです。」
「俺が…まだ生きている…?」
男性はそう言うと、翔太郎に顔を近づけて希望を得た瞳で言った。
「俺は、また目覚める事ができるのか!?」
翔太郎はそう言われると、少し言いづらそうにした。そして目を閉じるが、やがて覚悟を決めた様子で目を開けた。
「いいえ、多分…目覚める可能性は皆無に等しいです。」
男性はショックして言葉を失うと、翔太郎は続けた。
「幽体離脱は基本的に、亡くなる前に起きるものですから…多分高確率であなたは…」
翔太郎がそこまで言うと、男性は翔太郎の両肩を掴んだ。そして力強く握って、力いっぱいに訴えた。
「俺が死んだら家族が苦労するんだ!お願いだ霊能者さん、俺を生き返らせる方法はないか!?」
そう言われたが、翔太郎は視線を合わせられず黙り込む。男性も答えが分かっているのか、泣きそうな声を小さく上げた。すると翔太郎は言った。
「なぜ…幽体離脱した魂は、亡くなられた魂よりも自由に動けると思いますか…?」
その言葉に反応して、男性は顔を上げた。男性が見た翔太郎の表情は、正に真摯と言える。
「それは、今まで自分が歩んできた人生と寄り添う為です。」
その言葉に、男性は目が覚めたような表情をした。握り締めた手が、少しずつ力が抜けていく。翔太郎は続ける。
「現世の別れまでのタイムリミットを、有意義に過ごす為。大切な人へ別れを言ったり、傍にいてあげたり、思い出の場所を巡ったり…。そしてあなたは今、その貴重な時間の真っ只中なんです。」
すると男性は、自然と自分の透けた両手を見た。透けている様な、黒い影の様にも見える霊体。男性は悔しい表情を浮かべて呟く。
「どう足掻いても…もう駄目なのか…。」
その言葉に、翔太郎は小さく頷いた。すると男性は吹っ切れたように鼻で笑った。男性は涙を目に溜めてはいたが、表情は笑うようにしていた。
「…子供…子供に会いたい。妻にも、お袋にも言いたい事が沢山ある。…兄弟は、顔だけ見とくか…。」
それを聞いた翔太郎は、男性に微笑みかけた。
「生きている人も、あなたの訪問であなたの姿を見るかもしれません。夢だったり、幻の様だったりで…。」
「そうか…。」
男性がそう言うと、翔太郎は男性の手を掴んだ。男性が目を丸くすると、翔太郎は祈るように深く目を閉じる。すると翔太郎から白い光が漂い、男性の霊体にその力が移った。男性に力が移ると、薄い身体が少しずつ濃くなっていく。それに男性が感嘆の声を上げると、翔太郎は手を離して言った。
「僕の霊力を分けます。生きている人に見てもらうには、霊力が必要不可欠ですから。」
「…ありがとう、君は親切だね。」
「いえいえそんな事…。ですが、生きている方の霊力によって可視できるかが決まります。日によって調子が出ない時もありますから、そこは運になりますが…。ですが運が良ければ、誰もがあなたを見つけてくれますよ。」
翔太郎はそう言って、優しい笑みを浮かべた。その笑みに男性は嬉しそうに小さく笑うと、翔太郎の顔を見て言った。
「歩んできた人生と寄り添う時間…ここで勿体ぶって無駄にする訳にはいかないな。
…世話になった。」
そう言った瞬間、心象世界に異変が起きる。心象世界は光に包まれ、長らく脇役となっていた妖もいつの間にかリラックスした様子になっている。翔太郎は妖を見下ろしながらも思う。
(リラックスした様子になっている…?この人の忘れた部分を取り戻したお陰かな…?まさかこれが、歪を鎮めるという事?)
「じゃ、もう行くよ。」
男性がそう言ったので、翔太郎は光に包まれながらも言った。
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