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サトリ編
010 仇の雷靂
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街は夜の真っ只中。
翔太郎は公園へ走りながらも、隣に浮遊するレフに質問した。
「あの歪、木を切っていたけどどういう能力?」
「妖が持つ妖力は『自然を操る』のです。多分あれは、風の力です。」
「韻は持ちこたえてくれそうかな…?」
「彼の実力次第です。ですが相方のポチさんに話を色々聞いたところ、韻さんは強い妖の相手した経歴がありましたからきっと無事ですよ。」
それを聞くなり翔太郎は顔を真っ青に。
「え…?僕の知らない間に、韻は沢山危険な目に遭ってるって事…?」
「そうなりますね。」
「今すぐ止めないと…!」
翔太郎は、走る足を速めた。するとレフは、後ろを確認しながら言う。
「妹さんもついてきている様ですよ?海美さんでしたっけ。」
「海美は体力がないから、すぐには追いついてこない。追いつく前に終わらせたい。」
「そういう事でしたら、韻さんのお手伝いが必要ですね。」
「うぅ…」
翔太郎は乗り気じゃないのか、微妙な反応。そうこうしつつも、翔太郎は公園に到着した。既に警察がやってきており、道を塞いでいる最中だった。警察は韻に呼びかけをしているが、見えない刃物が木々を切り倒している為か直に止めには行けないようだ。その上視界が狭い夜である、危険なのだ。
翔太郎は警察が野次馬を避難させている隙に、公園内に入る。そしてその先に、韻はいた。
韻は電気のボールを相手の四肢に当てて動きを止めているが、相手も風の刃で韻を攻撃してきている。韻は器用な事に、相手の風の刃にもボールを当てて被害を最少にしていた。ボールと風の刃が相殺する度に見える火花と爆風、韻が蹴っている電気の球。翔太郎は呆然とした。
(す、凄い…。韻…こんな恐ろしい相手にも果敢に立ち向かえるのか…!?)
翔太郎がショックを受けていると、韻は翔太郎に気づいた。
「あ、兄貴!?」
韻は翔太郎に気づいたせいか、相手の攻撃を見逃してしまう。ポチは言った。
〔韻ッ!〕
ポチは守ろうと電気を放ったが、反応が遅れた。韻は相手の刃を諸に喰らい、二メートルほど飛ばされてピクリとも動かなくなってしまう。それを見て、翔太郎は顔を真っ青にさせる。翔太郎は韻に駆け寄った。
「韻ィ!!」
韻を抱き上げると、韻は胸から腹にかけて切られたのか血を流していた。ポチがギリギリで相殺したお陰か、韻が真っ二つになる事は免れた。韻は気づいたのか、翔太郎を見ると言う。
「逃げろ…兄貴…!」
「何を言ってる韻!喋らなくていい、今すぐ救急車を…!」
「ポチ…」
韻はそう言って、ポチの方を見る。ポチは弱った韻を見ると、頷いた。
〔韻が言いたい事なんて、手に取るようにわかるよ。〕
そう言われ、韻はクスっと笑った。
「おう…、じゃあ…兄貴をよろしく頼む…」
そう言うと、韻は気を失ってしまった。翔太郎は韻に声をかけ続けた。
「韻!韻ィ!!」
「翔太郎さん。」
と話しかけたのはレフ。翔太郎はレフの方を見ると、レフは韻の体を見ながら言う。
「この方なら大丈夫です。まだ魂が身体を抜ける気配がしない、彼は生きるでしょう。」
そう言われると、翔太郎は安心したのか声を出すのをやめた。レフは続ける。
「ですが急いでこの場を片付けて、彼を病院へ連れて行った方がよろしいかと。」
翔太郎はレフに言われて真摯な表情を見せると、頷いた。
「わかった。」
そう言って翔太郎は歪の方を確認すると、翔太郎の前にはポチがいた。ポチは全身に強力な電気を纏っており、近づきがたい圧倒的な力に翔太郎は目を丸くする。
空には黒雲が立ち込め、月のある闇空を覆った。歪はポチに攻撃をしようとしたが、その攻撃はポチを取り巻く電気によって相殺される。ポチは言った。
〔よくも、僕の相棒に傷をつけてくれたね…。〕
ポチは仮面を被っているのだが、仮面の視界を得る為の穴から黄色く光る眼が見えた。その威圧感に、相手の歪は一瞬だけ動きを止めた。すると上空の黒雲が、ビリビリと雷を帯びる。
〔消えて償いな。〕
低くポチが言うと、翔太郎の背筋が凍る。
ポチの言葉と同時に、黒雲から歪に向けて一直線に雷が落ちた。轟音と目を刺す光に視界を奪われ、翔太郎は呆然としていた。真っ白な視界に包まれ、光の残留で目の前が見えない時間が続く。
少しして、奪われた視界が元の景色を捉えるようになった頃。翔太郎は歪がどこにも存在しない事に気づく。我に戻った翔太郎は言った。
「歪は…!?」
すると隣にレフがやってきて言う。
「ちゃんと幽霊と分離しました…と言えば嘘になりますね。彼の強力な雷で、妖の方は消滅してしまった様なのです。」
翔太郎はそれに驚くが、ふと思い出して韻の方を見た。すると韻の隣に、女性の幽霊が気を失っているのを見つける。レフは続けた。
「幽霊は気を失っているだけです。韻さんも、早く救急車を呼んであげた方がいいかと。」
「あ、そうだ!」
翔太郎は気づいて、すぐに電話をかけた。それをポチは横目で見ながら、韻の隣に向かう。韻の息があるのを知ると、ポチは韻の隣で寝転んで呟いた。
〔生きていて良かった。〕
するとそこへ、それら全てを見ていたユリアが現れる。一同はユリアの方へ視線を向けると、ユリアは言った。
「意外と呆気なかったわね。」
ユリアが見る先は、女性の幽霊。翔太郎はその視線に危険を感じ、韻と霊の二人を庇うように前に立った。
翔太郎は公園へ走りながらも、隣に浮遊するレフに質問した。
「あの歪、木を切っていたけどどういう能力?」
「妖が持つ妖力は『自然を操る』のです。多分あれは、風の力です。」
「韻は持ちこたえてくれそうかな…?」
「彼の実力次第です。ですが相方のポチさんに話を色々聞いたところ、韻さんは強い妖の相手した経歴がありましたからきっと無事ですよ。」
それを聞くなり翔太郎は顔を真っ青に。
「え…?僕の知らない間に、韻は沢山危険な目に遭ってるって事…?」
「そうなりますね。」
「今すぐ止めないと…!」
翔太郎は、走る足を速めた。するとレフは、後ろを確認しながら言う。
「妹さんもついてきている様ですよ?海美さんでしたっけ。」
「海美は体力がないから、すぐには追いついてこない。追いつく前に終わらせたい。」
「そういう事でしたら、韻さんのお手伝いが必要ですね。」
「うぅ…」
翔太郎は乗り気じゃないのか、微妙な反応。そうこうしつつも、翔太郎は公園に到着した。既に警察がやってきており、道を塞いでいる最中だった。警察は韻に呼びかけをしているが、見えない刃物が木々を切り倒している為か直に止めには行けないようだ。その上視界が狭い夜である、危険なのだ。
翔太郎は警察が野次馬を避難させている隙に、公園内に入る。そしてその先に、韻はいた。
韻は電気のボールを相手の四肢に当てて動きを止めているが、相手も風の刃で韻を攻撃してきている。韻は器用な事に、相手の風の刃にもボールを当てて被害を最少にしていた。ボールと風の刃が相殺する度に見える火花と爆風、韻が蹴っている電気の球。翔太郎は呆然とした。
(す、凄い…。韻…こんな恐ろしい相手にも果敢に立ち向かえるのか…!?)
翔太郎がショックを受けていると、韻は翔太郎に気づいた。
「あ、兄貴!?」
韻は翔太郎に気づいたせいか、相手の攻撃を見逃してしまう。ポチは言った。
〔韻ッ!〕
ポチは守ろうと電気を放ったが、反応が遅れた。韻は相手の刃を諸に喰らい、二メートルほど飛ばされてピクリとも動かなくなってしまう。それを見て、翔太郎は顔を真っ青にさせる。翔太郎は韻に駆け寄った。
「韻ィ!!」
韻を抱き上げると、韻は胸から腹にかけて切られたのか血を流していた。ポチがギリギリで相殺したお陰か、韻が真っ二つになる事は免れた。韻は気づいたのか、翔太郎を見ると言う。
「逃げろ…兄貴…!」
「何を言ってる韻!喋らなくていい、今すぐ救急車を…!」
「ポチ…」
韻はそう言って、ポチの方を見る。ポチは弱った韻を見ると、頷いた。
〔韻が言いたい事なんて、手に取るようにわかるよ。〕
そう言われ、韻はクスっと笑った。
「おう…、じゃあ…兄貴をよろしく頼む…」
そう言うと、韻は気を失ってしまった。翔太郎は韻に声をかけ続けた。
「韻!韻ィ!!」
「翔太郎さん。」
と話しかけたのはレフ。翔太郎はレフの方を見ると、レフは韻の体を見ながら言う。
「この方なら大丈夫です。まだ魂が身体を抜ける気配がしない、彼は生きるでしょう。」
そう言われると、翔太郎は安心したのか声を出すのをやめた。レフは続ける。
「ですが急いでこの場を片付けて、彼を病院へ連れて行った方がよろしいかと。」
翔太郎はレフに言われて真摯な表情を見せると、頷いた。
「わかった。」
そう言って翔太郎は歪の方を確認すると、翔太郎の前にはポチがいた。ポチは全身に強力な電気を纏っており、近づきがたい圧倒的な力に翔太郎は目を丸くする。
空には黒雲が立ち込め、月のある闇空を覆った。歪はポチに攻撃をしようとしたが、その攻撃はポチを取り巻く電気によって相殺される。ポチは言った。
〔よくも、僕の相棒に傷をつけてくれたね…。〕
ポチは仮面を被っているのだが、仮面の視界を得る為の穴から黄色く光る眼が見えた。その威圧感に、相手の歪は一瞬だけ動きを止めた。すると上空の黒雲が、ビリビリと雷を帯びる。
〔消えて償いな。〕
低くポチが言うと、翔太郎の背筋が凍る。
ポチの言葉と同時に、黒雲から歪に向けて一直線に雷が落ちた。轟音と目を刺す光に視界を奪われ、翔太郎は呆然としていた。真っ白な視界に包まれ、光の残留で目の前が見えない時間が続く。
少しして、奪われた視界が元の景色を捉えるようになった頃。翔太郎は歪がどこにも存在しない事に気づく。我に戻った翔太郎は言った。
「歪は…!?」
すると隣にレフがやってきて言う。
「ちゃんと幽霊と分離しました…と言えば嘘になりますね。彼の強力な雷で、妖の方は消滅してしまった様なのです。」
翔太郎はそれに驚くが、ふと思い出して韻の方を見た。すると韻の隣に、女性の幽霊が気を失っているのを見つける。レフは続けた。
「幽霊は気を失っているだけです。韻さんも、早く救急車を呼んであげた方がいいかと。」
「あ、そうだ!」
翔太郎は気づいて、すぐに電話をかけた。それをポチは横目で見ながら、韻の隣に向かう。韻の息があるのを知ると、ポチは韻の隣で寝転んで呟いた。
〔生きていて良かった。〕
するとそこへ、それら全てを見ていたユリアが現れる。一同はユリアの方へ視線を向けると、ユリアは言った。
「意外と呆気なかったわね。」
ユリアが見る先は、女性の幽霊。翔太郎はその視線に危険を感じ、韻と霊の二人を庇うように前に立った。
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