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ヨスガ編
033 ケンの初めての友達
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――幼いケンが泣いていると、ケンの頭を撫でてくれる男性がいた。男性は穏やかな表情で笑顔を見せると、ケンは男性に抱き着いて泣いた。
「父上…!なんで俺は周りと違うの…?頭の色が変だって、クラスの子が言ってきた…!」
「それはケンがちょっと特別だからかな。」
父親は考えた素振りで言うと、ケンは言う。
「俺が化け物だからだ…!俺はもう笑っちゃいけないんだ…泣いちゃダメなんだ…怒っちゃダメなんだ…」
「困った困った。お父さんじゃ、ケンのご機嫌を取るには力不足かな。」
「違う…友達が欲しいの!」
「できるよ、ケンは心優しいもの。いつかケンの正体を知っても寄り添ってくれる人が、ケンに気づいてくれるはず。」
そう言われると、ケンは父親を見つめた。父親は続ける。
「いつか、ケンを理解してくれる人が必ず現れるよ。その時はねケン、自分を包み隠さないで。正直に表現するんだ。そうしたら、相手も歩み寄ってくれるさ。」
そう言われたが、ケンはうるうるとした瞳のまま。
「いつっていつ…」
「難しい…。ちなみにお父さんはね、二十八歳で初めて心から許せるお友達ができたよ!だからねぇ…ケンはもっと早いよ、僕よりいい子だから!」
自信満々に笑顔で言う父親。そんな父親に、ケンはクスっと笑ってしまうのであった。――
ケンは父との過去を思い出し、胸に手を当てる。
(それが今かもしれない…。)
するとケンは、星夜に話した。
「先程、何の為にサークルに入ったかの質問しましたよね。部長と友達になる事以外で、もう一つ目的があります。」
「何だ。」
星夜は足を止めてケンの方を見ると、ケンは真面目な表情をして言う。
「父を探しているんです。父は歪が現れ始めた頃、歪が増える原因を調査し続けていました。ですが、一か月前から音信不通で…。」
「父親…?」
「はい。なので琴爪さんがもし、歪を調べている人間を見つけたら俺に教えて欲しいんです。父かもしれません。」
それを聞いて、星夜は少し黙る。ケンを暫く見つめ、星夜は言った。
「貴様、苗字は。」
「【奈江島(ナエジマ)】です。奈江島ケンと言います。」
それを聞くと、星夜は強く反応を示した。ケンはそれを見逃さない。
「琴爪さん?何か知っているんですか!?」
「し、知っているも何も…」
と星夜はそこまで言ったが、自ら手で口を塞いだ。ケンは気になってしょうがない表情をしていたが、星夜は言う。
「私の知り合いも、同じ苗字だから驚いただけだ。」
「え?まさか同じ人では!?」
「フン。そうだとしたら、とんだ偶然だな。」
星夜はそう言い、早々とトイレを出ようとした。ケンがついて行くと、星夜は足を止めてから言う。
「疑って悪かった。これからは仲良くしよう、私で良ければだが。」
そう言われると、ケンは目を丸くした。ケンは目を輝かせると、頭の色が黄色っぽく染まる。
ケンは笑顔で言った。
「本当ですか、ありがとうございます!」
(初めてだ、俺の正体を知っている友達…!)
ケンはご機嫌だった。それに対し星夜は、奇妙に思う事もなく小さく笑みを見せるのであった。
その日の夕方。
都会のド真ん中に馴染む、とある高層ビルにて。ここは黄泉という者を中心にユリアやサトリがいた場所。
名を【黄泉の砦】。
黄泉の砦では、黄泉が不機嫌そうにしていた。黄泉の周囲にはいくつもの御霊が飛び回り、部屋には他に数人いた。
「屍人達、最近全然人が死んでないんだけど。頑張って人を殺してる?歪増やしてる?」
どうやら黄泉を囲む人は皆、翔太郎と同じ屍人の様だ。屍人の一人が、焦りを覚えた様子で言う。
「全国に歪を放っているのだけど…歪を退治する者が後を絶たず…。」
「何、誰が一体阻止してるんだ。」
生意気そうな口調で話す黄泉。別の屍人が写真を黄泉に提出した。
写真に写っているのはは翔太郎、韻、星夜、ケン、後は知らない人の写真が数枚。黄泉は言う。
「この人数に手こずってるって…。君達に与えた力、全然発揮できてないんだね。」
それらに言葉を控える屍人達。その中には、ユリアも混ざっていた。但しユリアに関しては、興味が無さそうに話を流しているだけ。
黄泉が溜息をつくと、そこへ一人の屍人が前に出た。
「黄泉様、やはりここは俺の出番かと。」
短い茶髪の男性で、色のついた眼鏡をかけている。ニヤニヤと笑っているその姿は、この空気の中でも緊張感ゼロ。
黄泉はその屍人を見ると、首を傾げた。
「君みたいな屍人いたっけ?」
「忘れたんですか?『変幻自在』の屍人、【ヨスガ】ですよ!」
ヨスガは非常に陽気な性格なのか、通る声で笑顔を見せた。黄泉は名前を聞くと思い出せるのか納得する。
「あぁ、君はすぐに『身体を入れ替えちゃう』から覚えられないな。」
「はは!どうです黄泉様?ここは一つ、『新しい身体』を手に入れた俺が死者を増やすってのは。」
「…新しい身体を使って?人間の身体じゃないの?」
黄泉がそう質問すると、ヨスガはクスクスと笑った。そして次の瞬間に怪しい笑みを浮かべる。
「…『妖』の身体です、とびきり特殊な。」
そう言われると、黄泉も笑みを浮かべる。
「ほう…興味深い。期待してもいいんだね?」
「勿論ですとも。っとその前に、誰かとチーム組みたいなぁ~。」
ヨスガはそう言って、ユリアの方へ歩いた。ユリアはヨスガに目もくれずにいると、ヨスガは言う。
「ユリア、来いよ。」
ユリアは黙っていたが、やがて淡白な様子で溜息を吐いた。
「わかったわ。」
「父上…!なんで俺は周りと違うの…?頭の色が変だって、クラスの子が言ってきた…!」
「それはケンがちょっと特別だからかな。」
父親は考えた素振りで言うと、ケンは言う。
「俺が化け物だからだ…!俺はもう笑っちゃいけないんだ…泣いちゃダメなんだ…怒っちゃダメなんだ…」
「困った困った。お父さんじゃ、ケンのご機嫌を取るには力不足かな。」
「違う…友達が欲しいの!」
「できるよ、ケンは心優しいもの。いつかケンの正体を知っても寄り添ってくれる人が、ケンに気づいてくれるはず。」
そう言われると、ケンは父親を見つめた。父親は続ける。
「いつか、ケンを理解してくれる人が必ず現れるよ。その時はねケン、自分を包み隠さないで。正直に表現するんだ。そうしたら、相手も歩み寄ってくれるさ。」
そう言われたが、ケンはうるうるとした瞳のまま。
「いつっていつ…」
「難しい…。ちなみにお父さんはね、二十八歳で初めて心から許せるお友達ができたよ!だからねぇ…ケンはもっと早いよ、僕よりいい子だから!」
自信満々に笑顔で言う父親。そんな父親に、ケンはクスっと笑ってしまうのであった。――
ケンは父との過去を思い出し、胸に手を当てる。
(それが今かもしれない…。)
するとケンは、星夜に話した。
「先程、何の為にサークルに入ったかの質問しましたよね。部長と友達になる事以外で、もう一つ目的があります。」
「何だ。」
星夜は足を止めてケンの方を見ると、ケンは真面目な表情をして言う。
「父を探しているんです。父は歪が現れ始めた頃、歪が増える原因を調査し続けていました。ですが、一か月前から音信不通で…。」
「父親…?」
「はい。なので琴爪さんがもし、歪を調べている人間を見つけたら俺に教えて欲しいんです。父かもしれません。」
それを聞いて、星夜は少し黙る。ケンを暫く見つめ、星夜は言った。
「貴様、苗字は。」
「【奈江島(ナエジマ)】です。奈江島ケンと言います。」
それを聞くと、星夜は強く反応を示した。ケンはそれを見逃さない。
「琴爪さん?何か知っているんですか!?」
「し、知っているも何も…」
と星夜はそこまで言ったが、自ら手で口を塞いだ。ケンは気になってしょうがない表情をしていたが、星夜は言う。
「私の知り合いも、同じ苗字だから驚いただけだ。」
「え?まさか同じ人では!?」
「フン。そうだとしたら、とんだ偶然だな。」
星夜はそう言い、早々とトイレを出ようとした。ケンがついて行くと、星夜は足を止めてから言う。
「疑って悪かった。これからは仲良くしよう、私で良ければだが。」
そう言われると、ケンは目を丸くした。ケンは目を輝かせると、頭の色が黄色っぽく染まる。
ケンは笑顔で言った。
「本当ですか、ありがとうございます!」
(初めてだ、俺の正体を知っている友達…!)
ケンはご機嫌だった。それに対し星夜は、奇妙に思う事もなく小さく笑みを見せるのであった。
その日の夕方。
都会のド真ん中に馴染む、とある高層ビルにて。ここは黄泉という者を中心にユリアやサトリがいた場所。
名を【黄泉の砦】。
黄泉の砦では、黄泉が不機嫌そうにしていた。黄泉の周囲にはいくつもの御霊が飛び回り、部屋には他に数人いた。
「屍人達、最近全然人が死んでないんだけど。頑張って人を殺してる?歪増やしてる?」
どうやら黄泉を囲む人は皆、翔太郎と同じ屍人の様だ。屍人の一人が、焦りを覚えた様子で言う。
「全国に歪を放っているのだけど…歪を退治する者が後を絶たず…。」
「何、誰が一体阻止してるんだ。」
生意気そうな口調で話す黄泉。別の屍人が写真を黄泉に提出した。
写真に写っているのはは翔太郎、韻、星夜、ケン、後は知らない人の写真が数枚。黄泉は言う。
「この人数に手こずってるって…。君達に与えた力、全然発揮できてないんだね。」
それらに言葉を控える屍人達。その中には、ユリアも混ざっていた。但しユリアに関しては、興味が無さそうに話を流しているだけ。
黄泉が溜息をつくと、そこへ一人の屍人が前に出た。
「黄泉様、やはりここは俺の出番かと。」
短い茶髪の男性で、色のついた眼鏡をかけている。ニヤニヤと笑っているその姿は、この空気の中でも緊張感ゼロ。
黄泉はその屍人を見ると、首を傾げた。
「君みたいな屍人いたっけ?」
「忘れたんですか?『変幻自在』の屍人、【ヨスガ】ですよ!」
ヨスガは非常に陽気な性格なのか、通る声で笑顔を見せた。黄泉は名前を聞くと思い出せるのか納得する。
「あぁ、君はすぐに『身体を入れ替えちゃう』から覚えられないな。」
「はは!どうです黄泉様?ここは一つ、『新しい身体』を手に入れた俺が死者を増やすってのは。」
「…新しい身体を使って?人間の身体じゃないの?」
黄泉がそう質問すると、ヨスガはクスクスと笑った。そして次の瞬間に怪しい笑みを浮かべる。
「…『妖』の身体です、とびきり特殊な。」
そう言われると、黄泉も笑みを浮かべる。
「ほう…興味深い。期待してもいいんだね?」
「勿論ですとも。っとその前に、誰かとチーム組みたいなぁ~。」
ヨスガはそう言って、ユリアの方へ歩いた。ユリアはヨスガに目もくれずにいると、ヨスガは言う。
「ユリア、来いよ。」
ユリアは黙っていたが、やがて淡白な様子で溜息を吐いた。
「わかったわ。」
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