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ヨスガ編
045 妖の王が敗れる
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数日後の夜の事。
住宅街にある空き地に、亜空間が開く。そこから要が出てくると、背伸びをして身体を解した。
「用事も済んだ事だし、そろそろ兄さん探しでもしようかなー。」
そして要は夜空を見上げながらも、余裕を見せた笑みを浮かべた。
「何が一週間だ、一晩で取り戻す!…あ、もう三日しか残ってないのか。」
要は残りの時間を再確認すると、早速誰かの気配を察知した。要の相手の力を感じるセンサーは正確なのか、誰が来たのか察した様子。要は笑みを浮かべると、ゆっくり背後を振り返りながら言う。
「自分から来てくれたんだ、兄さん。いや、偽物って言った方がしっくり来るかな。」
要の視線の先にはヨスガがいた。ヨスガは人の姿で、要に一歩ずつ近づく。
「君が『王様』か…」
そう呟くと、ヨスガは顔を上げて狂気的な笑みを浮かべた。その表情はまるで食に飢えた狼のよう。
「美味そうだ!誰よりも美味そうな匂いがする…!君を見た瞬間から…!全身がゾクゾクとしていてね…!」
「全身が反応しちゃうのはきっと、兄さんの『本能』のせいだね。」
余裕を見せている要はヨスガを見つめるだけで、ある事を知る。
「君、触れた相手の身体を乗っ取る能力を持ってるんだね。忠告しといてあげるけど、兄さんの力を好き勝手に使わない方がいいよ。」
要は相手の持つ能力が、見ただけでわかってしまうようだ。
「ほう、見ただけで能力を見抜くなんて…流石は妖世界の王。」
「じゃなくてさ、話聞いてた?」
「どうせあと三日もすればこの身体は抜け殻さ。そしたら今度は、君の身体を抜け殻にしてやるぜ?」
自信に満ち溢れたヨスガの笑みに対し、要は呆れた表情を浮かべる。
「兄さんを抜け殻にする前に、君が『本能』に抗えなくなるよ。」
「何が『本能』だ?」
ヨスガはそう言うと、身体を組み替えて背から沢山の触手を伸ばした。猛スピードで襲ってくる触手に、要は微動だにせず唱える。
「止まれ。」
その言葉を聞いた途端、ヨスガの触手は動きをピタリと止めた。ヨスガは目を丸くして呆然とする。
「か、身体が動かない…!?」
「そう、それが『本能』。主の命令には逆らえない…兄さんの『本能』。君は僕とは戦えない。意識は君でも、身体はあくまで兄さんのものだからね。」
その衝撃の事実に、ヨスガは焦りを禁じ得ない。
「お…王の実兄なのに…なんで弟の方が主なんだ…!」
「僕が主人で、兄さんが下僕なの。兄弟とか、関係ない。」
王に血縁など関係ないのだろうか、妖の世界は不思議な事だらけである。
「妖の世界じゃ、兄弟はみんなそうなのか…?」
ヨスガの質問に答えず、要は妖力を使ったのか目が黄色く煌めいた。するとヨスガの触手や全身を包み込むように、氷の刺が地面から痛々しく突き出てくる。ヨスガの身動きが完全に取れなくなると、要はニッコリ笑顔。
「いいから兄さんを返してよ。」
そう言われたヨスガだが、余裕にも笑ってみせた。ヨスガは酔っ払ったような笑い声を上げると言う。
「君のお兄さんの能力、本当に便利だよな。自分の身体だけじゃなくてよ、他人の身体までも弄れちまう。」
その言葉に要は反応し、笑顔だった表情が無へと変わっていった。ヨスガは続ける。
「身体を組み替えれば、妖力だけじゃなく霊力の気配さえも消せちまう。本当に便利だ…本当に便利…。」
「でも兄さんがいくら身体を組み替えようとも、主の僕には正体がわかる。」
「それは兄さん『だけ』だろう?」
要はその言葉が図星だったのか、眉を潜めた。その瞬間、要の背後には黄泉がいた。要の反応が一瞬遅れ、後ろを振り返ろうとした。しかし遅く、黄泉の蜘蛛の脚から伸びる赤い蜘蛛の糸に捕まってしまう。そして黄泉は呟いた。
「封印…」
すると糸は光り輝き、禍々しい赤い光を周囲に放った。要は歯を食いしばった様子で言う。
「コイツ…!仲間の気配を消したのか!」
「大正解。黄泉様は、王様を永遠に動けないようにしてあげるそうだ。」
と言って笑ったのはヨスガ。要は悔しそうな表情を浮かべると、妖力を解放する。青海の色をした瞳が黄色に変化し、全身が青白く光り輝いた。その光は赤い糸に抵抗をしているようで、必死に足掻いている様子。しかし要は勝てなかったのか、光は蜘蛛の糸を相殺して散ってしまう。
要は気を失って地面に倒れ、ひと仕事終えた黄泉は息をついた。ヨスガを取り巻く氷が消えたので、ヨスガは笑みを浮かべる。
「やった…!黄泉様流石です!」
すると黄泉は要の身体を雑に持ち上げると、要が出てきた亜空間へ放り込んでしまった。それを見たヨスガは残念そうに言う。
「あ!身体貰おうと思ったのに…。」
「いや、アレはダメだね。」
「どうしてですー?」
ヨスガにそう言われた黄泉は、どこか不安を覚えた焦りの表情をしていた。
「思った以上に力が有り過ぎる…封印も中途半端になった。だから彼が目覚めるかもしれない、封印も解かれるかもしれない。」
「へぇー…。」
ヨスガはそう思いつつ、つまらなそうな顔を浮かべた。
(妖の王様の身体を手に入れられたら、黄泉なんて倒せちまう気がしたのによ。)
ヨスガの腹の内は、どうやら黒い様だ。黄泉は立ち去りながらも言う。
「引き続き、魂を集めるんだよヨスガ。」
「はい、仰せのままに。」
ヨスガはそう言って、立ち去る黄泉を見送った。黄泉がいなくなるとヨスガは溜息を吐いて、スマホを確認する。
「魂集めるっつってもこの身体、食わねぇと能力が使えねぇんだよな。あん時の龍みたいにデカイのになるなら、沢山食わねぇと。…特に力を持つ奴とか、生き物は最高に力がつく…。」
そう言ってヨスガは舌舐りをした。するとスマホに同じ大学の女子から連絡が来るので、ヨスガは鼻で笑う。
「…今夜のディナーはこの子でいっか。」
二日後、翔太郎は大学へ来ていた。
レフも一緒におり、レフは言う。
「結局要さんは来ませんでしたね。私達がいくら探しても、お兄さんは見つかりませんでした。タイムリミットは一週間と言われましたが、今日のいつ龍さんの心が失われてしまうかわかりませんし…。」
翔太郎は緊迫した様子を見せていた。
「今日が最後…。要くんも、何かあったのかな?韻も迎えに行こうとしていたけど、亜空間が閉じられて行けないみたいで…。」
「心配です…。」
すると翔太郎は、大学生に扮したヨスガと共にいるケンを発見。ケンは翔太郎を見ると挨拶をする。
「部長、おはようございます。」
「おはようケンくんに、羽取くん。」
「おはよう神木間!」
ヨスガが元気よく挨拶すると、翔太郎も笑顔で返した。そして翔太郎はケンに言う。
「琴爪くん、今日は来るって。」
「俺も聞きました!体調良くなったんですかね?」
「良くならないと大学来ないでしょ。」
翔太郎とケンは、そう言って笑った。ヨスガもニコリと笑う。
「琴爪くん…か。俺の事はもう知らせてくれたの?」
「ああ、新しいサークルメンバーだから言っておいたよ。」
「そっか。」
するとそこへ、星夜がやって来る。翔太郎とケンは星夜の姿を見ると笑顔で挨拶をした。
「おはよう琴爪くん、久しぶりです。」
「おはようございます、星夜さん!」
「…おはよう。」
そう言った星夜は、なんだか足元がフラついている。その上顔色も悪く、以前に増して無愛想な表情になっている。二人はそれにギョッとすると、二人は星夜を囲んで言った。
「どうしたんですか…!?体調が悪化してません…!?」
「星夜さん、無理して大学来たんですか?」
「翔太郎に呼ばれたのもそうだが…出席せねばと思い…。」
「無理は禁物です!」
翔太郎はそう言ったが、やがて困った様子を見せる。
(力不足で体調を崩したと思ったら、今度は本当に体調を崩しちゃったのか。いたわってあげないと…!)
二人は星夜に気を使っていると、星夜はヨスガに気づく。ヨスガと星夜は目が合うと、ヨスガは内心警戒した。
(コイツは一番近くで戦った相手だからな…バレる可能性も考慮して行動しねぇと。)
しかし星夜は体調が悪く、目を回して気を失いそうになっている。その情けない様子を見ると、思わずヨスガは鼻で笑った。
(いや、大丈夫か。)
ヨスガは即安心した。
住宅街にある空き地に、亜空間が開く。そこから要が出てくると、背伸びをして身体を解した。
「用事も済んだ事だし、そろそろ兄さん探しでもしようかなー。」
そして要は夜空を見上げながらも、余裕を見せた笑みを浮かべた。
「何が一週間だ、一晩で取り戻す!…あ、もう三日しか残ってないのか。」
要は残りの時間を再確認すると、早速誰かの気配を察知した。要の相手の力を感じるセンサーは正確なのか、誰が来たのか察した様子。要は笑みを浮かべると、ゆっくり背後を振り返りながら言う。
「自分から来てくれたんだ、兄さん。いや、偽物って言った方がしっくり来るかな。」
要の視線の先にはヨスガがいた。ヨスガは人の姿で、要に一歩ずつ近づく。
「君が『王様』か…」
そう呟くと、ヨスガは顔を上げて狂気的な笑みを浮かべた。その表情はまるで食に飢えた狼のよう。
「美味そうだ!誰よりも美味そうな匂いがする…!君を見た瞬間から…!全身がゾクゾクとしていてね…!」
「全身が反応しちゃうのはきっと、兄さんの『本能』のせいだね。」
余裕を見せている要はヨスガを見つめるだけで、ある事を知る。
「君、触れた相手の身体を乗っ取る能力を持ってるんだね。忠告しといてあげるけど、兄さんの力を好き勝手に使わない方がいいよ。」
要は相手の持つ能力が、見ただけでわかってしまうようだ。
「ほう、見ただけで能力を見抜くなんて…流石は妖世界の王。」
「じゃなくてさ、話聞いてた?」
「どうせあと三日もすればこの身体は抜け殻さ。そしたら今度は、君の身体を抜け殻にしてやるぜ?」
自信に満ち溢れたヨスガの笑みに対し、要は呆れた表情を浮かべる。
「兄さんを抜け殻にする前に、君が『本能』に抗えなくなるよ。」
「何が『本能』だ?」
ヨスガはそう言うと、身体を組み替えて背から沢山の触手を伸ばした。猛スピードで襲ってくる触手に、要は微動だにせず唱える。
「止まれ。」
その言葉を聞いた途端、ヨスガの触手は動きをピタリと止めた。ヨスガは目を丸くして呆然とする。
「か、身体が動かない…!?」
「そう、それが『本能』。主の命令には逆らえない…兄さんの『本能』。君は僕とは戦えない。意識は君でも、身体はあくまで兄さんのものだからね。」
その衝撃の事実に、ヨスガは焦りを禁じ得ない。
「お…王の実兄なのに…なんで弟の方が主なんだ…!」
「僕が主人で、兄さんが下僕なの。兄弟とか、関係ない。」
王に血縁など関係ないのだろうか、妖の世界は不思議な事だらけである。
「妖の世界じゃ、兄弟はみんなそうなのか…?」
ヨスガの質問に答えず、要は妖力を使ったのか目が黄色く煌めいた。するとヨスガの触手や全身を包み込むように、氷の刺が地面から痛々しく突き出てくる。ヨスガの身動きが完全に取れなくなると、要はニッコリ笑顔。
「いいから兄さんを返してよ。」
そう言われたヨスガだが、余裕にも笑ってみせた。ヨスガは酔っ払ったような笑い声を上げると言う。
「君のお兄さんの能力、本当に便利だよな。自分の身体だけじゃなくてよ、他人の身体までも弄れちまう。」
その言葉に要は反応し、笑顔だった表情が無へと変わっていった。ヨスガは続ける。
「身体を組み替えれば、妖力だけじゃなく霊力の気配さえも消せちまう。本当に便利だ…本当に便利…。」
「でも兄さんがいくら身体を組み替えようとも、主の僕には正体がわかる。」
「それは兄さん『だけ』だろう?」
要はその言葉が図星だったのか、眉を潜めた。その瞬間、要の背後には黄泉がいた。要の反応が一瞬遅れ、後ろを振り返ろうとした。しかし遅く、黄泉の蜘蛛の脚から伸びる赤い蜘蛛の糸に捕まってしまう。そして黄泉は呟いた。
「封印…」
すると糸は光り輝き、禍々しい赤い光を周囲に放った。要は歯を食いしばった様子で言う。
「コイツ…!仲間の気配を消したのか!」
「大正解。黄泉様は、王様を永遠に動けないようにしてあげるそうだ。」
と言って笑ったのはヨスガ。要は悔しそうな表情を浮かべると、妖力を解放する。青海の色をした瞳が黄色に変化し、全身が青白く光り輝いた。その光は赤い糸に抵抗をしているようで、必死に足掻いている様子。しかし要は勝てなかったのか、光は蜘蛛の糸を相殺して散ってしまう。
要は気を失って地面に倒れ、ひと仕事終えた黄泉は息をついた。ヨスガを取り巻く氷が消えたので、ヨスガは笑みを浮かべる。
「やった…!黄泉様流石です!」
すると黄泉は要の身体を雑に持ち上げると、要が出てきた亜空間へ放り込んでしまった。それを見たヨスガは残念そうに言う。
「あ!身体貰おうと思ったのに…。」
「いや、アレはダメだね。」
「どうしてですー?」
ヨスガにそう言われた黄泉は、どこか不安を覚えた焦りの表情をしていた。
「思った以上に力が有り過ぎる…封印も中途半端になった。だから彼が目覚めるかもしれない、封印も解かれるかもしれない。」
「へぇー…。」
ヨスガはそう思いつつ、つまらなそうな顔を浮かべた。
(妖の王様の身体を手に入れられたら、黄泉なんて倒せちまう気がしたのによ。)
ヨスガの腹の内は、どうやら黒い様だ。黄泉は立ち去りながらも言う。
「引き続き、魂を集めるんだよヨスガ。」
「はい、仰せのままに。」
ヨスガはそう言って、立ち去る黄泉を見送った。黄泉がいなくなるとヨスガは溜息を吐いて、スマホを確認する。
「魂集めるっつってもこの身体、食わねぇと能力が使えねぇんだよな。あん時の龍みたいにデカイのになるなら、沢山食わねぇと。…特に力を持つ奴とか、生き物は最高に力がつく…。」
そう言ってヨスガは舌舐りをした。するとスマホに同じ大学の女子から連絡が来るので、ヨスガは鼻で笑う。
「…今夜のディナーはこの子でいっか。」
二日後、翔太郎は大学へ来ていた。
レフも一緒におり、レフは言う。
「結局要さんは来ませんでしたね。私達がいくら探しても、お兄さんは見つかりませんでした。タイムリミットは一週間と言われましたが、今日のいつ龍さんの心が失われてしまうかわかりませんし…。」
翔太郎は緊迫した様子を見せていた。
「今日が最後…。要くんも、何かあったのかな?韻も迎えに行こうとしていたけど、亜空間が閉じられて行けないみたいで…。」
「心配です…。」
すると翔太郎は、大学生に扮したヨスガと共にいるケンを発見。ケンは翔太郎を見ると挨拶をする。
「部長、おはようございます。」
「おはようケンくんに、羽取くん。」
「おはよう神木間!」
ヨスガが元気よく挨拶すると、翔太郎も笑顔で返した。そして翔太郎はケンに言う。
「琴爪くん、今日は来るって。」
「俺も聞きました!体調良くなったんですかね?」
「良くならないと大学来ないでしょ。」
翔太郎とケンは、そう言って笑った。ヨスガもニコリと笑う。
「琴爪くん…か。俺の事はもう知らせてくれたの?」
「ああ、新しいサークルメンバーだから言っておいたよ。」
「そっか。」
するとそこへ、星夜がやって来る。翔太郎とケンは星夜の姿を見ると笑顔で挨拶をした。
「おはよう琴爪くん、久しぶりです。」
「おはようございます、星夜さん!」
「…おはよう。」
そう言った星夜は、なんだか足元がフラついている。その上顔色も悪く、以前に増して無愛想な表情になっている。二人はそれにギョッとすると、二人は星夜を囲んで言った。
「どうしたんですか…!?体調が悪化してません…!?」
「星夜さん、無理して大学来たんですか?」
「翔太郎に呼ばれたのもそうだが…出席せねばと思い…。」
「無理は禁物です!」
翔太郎はそう言ったが、やがて困った様子を見せる。
(力不足で体調を崩したと思ったら、今度は本当に体調を崩しちゃったのか。いたわってあげないと…!)
二人は星夜に気を使っていると、星夜はヨスガに気づく。ヨスガと星夜は目が合うと、ヨスガは内心警戒した。
(コイツは一番近くで戦った相手だからな…バレる可能性も考慮して行動しねぇと。)
しかし星夜は体調が悪く、目を回して気を失いそうになっている。その情けない様子を見ると、思わずヨスガは鼻で笑った。
(いや、大丈夫か。)
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