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ヨスガ編
046 食欲の魔の手
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そしてその日の夕方。
翔太郎とケンと星夜は、いつものカフェで談話していた。翔太郎は韻から聞いた話を、ケンと星夜にしていた。ケンは納得した表情で言う。
「つまりあの龍は妖で、部長の親戚…と。」
(まさか部長の親戚が妖だなんて…!)
ケンは目を光らせていたが、翔太郎は困った表情でケンに言った。
「ごめんねケンくん。妖とか幽霊とか…わからない話をしちゃって。でも琴爪くんには話を共有しておきたくて…。」
「全っ然、どうぞもっとしてください!」
(妖なら俺にも見えますんで!)
ケンはご機嫌であった。対し星夜は、体調が悪い上に嫌悪の表情を浮かべている。翔太郎はそれに首を傾げた。
「体調の悪い日に、こんな話をしてごめんなさい…。」
「いや、そうではなくてだな…」
翔太郎は心配そうに首を傾げると、星夜は少し考えた末に話す。
「私は韻と知り合いと言っただろう。」
「はい。」
「だからな、韻と親しい要とも知り合いなのだ。…つまりだな、要の兄上も知人なのだ。」
「お知り合いでしたか…。そうですよね…知人が殺人もしてるとなると…」
翔太郎は落ち込んだ様子を見せたが、星夜はそれを言葉で塞いだ。
「いいや。…あやつは人格が歪んでおるからな…先が心配なのだ。」
「そうなんですか?」
「翔太郎も奴と関わる事があれば、覚悟しておいた方がいい。」
「僕限定ですか!?」
翔太郎がそう言うと、ケンはどこか寂しそうに星夜を見つめる。星夜はそんなケンを見てから言った。
「ケンは普通なのではないか。」
「それ、何が基準なんですか?」
「すまんが…これ以上奴の話をすると体調が悪化する…」
「そんな…!?」
ケンは驚いた後に溜息をついてしまうと、翔太郎は俯く。
「ここ数日、闇雲に探してきて…。琴爪くんは、見つける方法があると思いますか?このままじゃ、要くんのお兄さんが…!」
「方法は無い。あの男が仮に死んだとしても、仕方のない事だ。見つけられなかったら諦めるしかなかろう。」
それに翔太郎は弱ってしまうと、そこへヨスガがやってきた。ヨスガは笑顔で言う。
「待たせた!いやぁ、彼女と遊んでてさー!聞けよ彼女、俺が近づくだけでデレデレで可愛いんだよ~!それでさ、夜の顔とかもうサイコーで~!」
星夜はそれに対し眉を潜め、翔太郎は苦笑。しかしケンは真顔で言う。
「会って早々惚気ですか?星夜さんとは初対面なんですから、そういう話は後にしてください。」
「…は?」
ヨスガはケンを睨んだ。二人の間に流れる険悪なムードに翔太郎は焦りを感じると、星夜は言った。
「なぜかモヤモヤするぞ。」
「そりゃそうです、興味の無い話を聞かされても楽しくないでしょう。彼女に浮かれるなんて初体験で卒業して欲しいです。」
「ほう、ちなみに何の初体験だ?」
「それ今、聞かなくていいです!」
と言ったのは翔太郎。星夜がそれに首を傾げると、ケンは頷いた。それらを聞いていたヨスガは少し恥ずかしかったのか、黙っていたがやがて笑顔を見せて言う。
「さて、サークル活動と行きますか!」
そう言って翔太郎の隣に座るヨスガ。するとケンはヨスガを見て、少しだけ表情を歪ませた。それほどに気に入らない何かがあるのだろうか。その様子に翔太郎が首を傾げていると、ケンは隣に座る星夜の肩を叩く。
「なんだ。」
「連れション…いいですか?」
真面目な顔でケンは言うので、星夜は同じく真面目な顔で返した。
「断る。」
「お願いします、星夜さんがいないと俺トイレもできないんです…!」
「勝手に幼児退行するでない、一人で行け。」
しかしケンは諦めきれず、小さい星夜を抱えてトイレへ向かってしまった。星夜は今は体調不良で抵抗する力も無いようだった。それを見送りながら、ヨスガは笑っている。
「面白いね二人とも~。出来てたりするのかな?」
「そ、そんな事ないはず…」
翔太郎はそう言って苦笑していた。ヨスガは翔太郎をマジマジと見ている。翔太郎は視線を感じて気まずそうに俯いてしまうと、ヨスガは翔太郎の鞄に視線が行った。鞄は少し開いており、そこから医療系の文献が顔を出している。それを見たヨスガは、笑顔で言った。
「神木間、俺の話を聞いてくんね?」
「え?うん。」
「俺さ、家が結構保守的でよ。なーんかブームとか新しい事とか、かなり毛嫌いしてたんだわ。ほらでも、俺こんなナリでしょ?両親とも衝突多くてさー。」
突然始まった話に、翔太郎は少々戸惑った様子。
「は、はあ。」
「そんな俺の将来の夢は、俳優になる事。凛々しくて、かっこよくて、みんなの人気の的になれるような。でもこれ、保守的な親に猛反対された。」
「え、そんな…!羽取くんならできると思う!」
翔太郎はそう言って目を輝かせると、ヨスガは無邪気に笑ってみせる。ヨスガは穏やかな笑みを浮かべ、翔太郎を見つめながら言った。
「神木間の将来の夢は?」
いつもと違う穏やかな笑みに、翔太郎は目を丸くした。
「え…僕?」
そう言った後、翔太郎は俯いた。そして翔太郎の表情の雲行きが怪しくなる。翔太郎は医療系の文献が入った鞄を、強く握り締めた。
(確かに将来の夢はあるけど…。いずれ消えてなくなる屍人の僕が、将来の夢なんて語っていいんだろうか…?)
ヨスガは翔太郎が俯いているのを見て、表情がニヤニヤとしていた。どこか興奮を抑えきれない表情をして、ヨスガは思う。
(ヤバイぜ屍人くんよぉ…!お前、美味しい匂いがプンプンしてたまんねぇわ…!食っちまうかな…?食っても大丈夫かな…?)
翔太郎が悩んでいる間、ヨスガはそんな事を考えている。ヨスガは翔太郎に手を伸ばし、食欲を抑えきれないでいた。
(どうせ今、店内は空いてんだ…。正体がバレる前に食っちまえばいい…よな?この身体も、あと一時間で俺のモンなんだから…!)
翔太郎とケンと星夜は、いつものカフェで談話していた。翔太郎は韻から聞いた話を、ケンと星夜にしていた。ケンは納得した表情で言う。
「つまりあの龍は妖で、部長の親戚…と。」
(まさか部長の親戚が妖だなんて…!)
ケンは目を光らせていたが、翔太郎は困った表情でケンに言った。
「ごめんねケンくん。妖とか幽霊とか…わからない話をしちゃって。でも琴爪くんには話を共有しておきたくて…。」
「全っ然、どうぞもっとしてください!」
(妖なら俺にも見えますんで!)
ケンはご機嫌であった。対し星夜は、体調が悪い上に嫌悪の表情を浮かべている。翔太郎はそれに首を傾げた。
「体調の悪い日に、こんな話をしてごめんなさい…。」
「いや、そうではなくてだな…」
翔太郎は心配そうに首を傾げると、星夜は少し考えた末に話す。
「私は韻と知り合いと言っただろう。」
「はい。」
「だからな、韻と親しい要とも知り合いなのだ。…つまりだな、要の兄上も知人なのだ。」
「お知り合いでしたか…。そうですよね…知人が殺人もしてるとなると…」
翔太郎は落ち込んだ様子を見せたが、星夜はそれを言葉で塞いだ。
「いいや。…あやつは人格が歪んでおるからな…先が心配なのだ。」
「そうなんですか?」
「翔太郎も奴と関わる事があれば、覚悟しておいた方がいい。」
「僕限定ですか!?」
翔太郎がそう言うと、ケンはどこか寂しそうに星夜を見つめる。星夜はそんなケンを見てから言った。
「ケンは普通なのではないか。」
「それ、何が基準なんですか?」
「すまんが…これ以上奴の話をすると体調が悪化する…」
「そんな…!?」
ケンは驚いた後に溜息をついてしまうと、翔太郎は俯く。
「ここ数日、闇雲に探してきて…。琴爪くんは、見つける方法があると思いますか?このままじゃ、要くんのお兄さんが…!」
「方法は無い。あの男が仮に死んだとしても、仕方のない事だ。見つけられなかったら諦めるしかなかろう。」
それに翔太郎は弱ってしまうと、そこへヨスガがやってきた。ヨスガは笑顔で言う。
「待たせた!いやぁ、彼女と遊んでてさー!聞けよ彼女、俺が近づくだけでデレデレで可愛いんだよ~!それでさ、夜の顔とかもうサイコーで~!」
星夜はそれに対し眉を潜め、翔太郎は苦笑。しかしケンは真顔で言う。
「会って早々惚気ですか?星夜さんとは初対面なんですから、そういう話は後にしてください。」
「…は?」
ヨスガはケンを睨んだ。二人の間に流れる険悪なムードに翔太郎は焦りを感じると、星夜は言った。
「なぜかモヤモヤするぞ。」
「そりゃそうです、興味の無い話を聞かされても楽しくないでしょう。彼女に浮かれるなんて初体験で卒業して欲しいです。」
「ほう、ちなみに何の初体験だ?」
「それ今、聞かなくていいです!」
と言ったのは翔太郎。星夜がそれに首を傾げると、ケンは頷いた。それらを聞いていたヨスガは少し恥ずかしかったのか、黙っていたがやがて笑顔を見せて言う。
「さて、サークル活動と行きますか!」
そう言って翔太郎の隣に座るヨスガ。するとケンはヨスガを見て、少しだけ表情を歪ませた。それほどに気に入らない何かがあるのだろうか。その様子に翔太郎が首を傾げていると、ケンは隣に座る星夜の肩を叩く。
「なんだ。」
「連れション…いいですか?」
真面目な顔でケンは言うので、星夜は同じく真面目な顔で返した。
「断る。」
「お願いします、星夜さんがいないと俺トイレもできないんです…!」
「勝手に幼児退行するでない、一人で行け。」
しかしケンは諦めきれず、小さい星夜を抱えてトイレへ向かってしまった。星夜は今は体調不良で抵抗する力も無いようだった。それを見送りながら、ヨスガは笑っている。
「面白いね二人とも~。出来てたりするのかな?」
「そ、そんな事ないはず…」
翔太郎はそう言って苦笑していた。ヨスガは翔太郎をマジマジと見ている。翔太郎は視線を感じて気まずそうに俯いてしまうと、ヨスガは翔太郎の鞄に視線が行った。鞄は少し開いており、そこから医療系の文献が顔を出している。それを見たヨスガは、笑顔で言った。
「神木間、俺の話を聞いてくんね?」
「え?うん。」
「俺さ、家が結構保守的でよ。なーんかブームとか新しい事とか、かなり毛嫌いしてたんだわ。ほらでも、俺こんなナリでしょ?両親とも衝突多くてさー。」
突然始まった話に、翔太郎は少々戸惑った様子。
「は、はあ。」
「そんな俺の将来の夢は、俳優になる事。凛々しくて、かっこよくて、みんなの人気の的になれるような。でもこれ、保守的な親に猛反対された。」
「え、そんな…!羽取くんならできると思う!」
翔太郎はそう言って目を輝かせると、ヨスガは無邪気に笑ってみせる。ヨスガは穏やかな笑みを浮かべ、翔太郎を見つめながら言った。
「神木間の将来の夢は?」
いつもと違う穏やかな笑みに、翔太郎は目を丸くした。
「え…僕?」
そう言った後、翔太郎は俯いた。そして翔太郎の表情の雲行きが怪しくなる。翔太郎は医療系の文献が入った鞄を、強く握り締めた。
(確かに将来の夢はあるけど…。いずれ消えてなくなる屍人の僕が、将来の夢なんて語っていいんだろうか…?)
ヨスガは翔太郎が俯いているのを見て、表情がニヤニヤとしていた。どこか興奮を抑えきれない表情をして、ヨスガは思う。
(ヤバイぜ屍人くんよぉ…!お前、美味しい匂いがプンプンしてたまんねぇわ…!食っちまうかな…?食っても大丈夫かな…?)
翔太郎が悩んでいる間、ヨスガはそんな事を考えている。ヨスガは翔太郎に手を伸ばし、食欲を抑えきれないでいた。
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