53 / 69
ヨミ編
053 お友達に約束
しおりを挟む
次の日の朝、神木間家にて。
家では朝からリビングで、母と父が黄色い声を上げて喜んでいた。
「可愛い~!」
「おいでおいで…」
二人は要の兄…もといナメクジが我が家にやって来て喜んでいる様子。ナメクジはレタスをムシャムシャ食べるのに夢中で、二人にはあまり興味を示していない。
「~!」
ナメクジが声を出すと、二人は歓喜の声。それを近くで見せられる、朝食中の翔太郎と韻。韻は気味悪そうに見ており、翔太郎は苦笑していた。レフもどうやらナメクジに興味がある様で、二人に並んで喜んでいた。すると、韻の肩の上にいるポチは呟く。
〔僕も人間に見える様になったらこのくらい…〕
「何の嫉妬だよそれ。…ご馳走様ー。」
韻は呆れたように言い、朝食を終えてシンクに食器を持っていった。そして近くのソファーに投げ捨てられいたバッグを背負い、翔太郎に言う。
「いってきまーす。」
すると翔太郎だけでなく、全員から言われる。
「「「いってらっしゃーい。」」」
レフも後から気づき、遅れて言った。
「行ってらっしゃいませー!」
(いや、韻には聞こえないんだけどな…)
翔太郎は苦笑しつつも思った。レフは気になる事があるのか翔太郎の隣へやって来る。
「にしても翔太郎さん。なぜ要さんのお兄さんを家に?」
「実は、妖世界への扉が閉じてしまっていて…。返そうにもにも返せないんです。だから暫くは家で面倒を見ようと…。」
困った様子で翔太郎はナメクジを見る。ナメクジは母の肩の上で、満腹にでもなったのか寝転がっていた。翔太郎は苦笑。
(心象世界では『緑色に名乗る名などない』って言われたけど…緑色の頭をした母さんによく懐いているな、このお兄さん…。)
一方、韻の方では。
韻は高校までの通学路を歩きながらもポチに言う。
「にしても要、どうしたんだかなー。こっからじゃどう足掻いても行けねぇし。」
〔要の事だから、ど忘れしてるのかもね。〕
「やめてくれよそれ…、笑えねぇから。」
すると高校近くに、一台の高級車が止まっているのを韻は発見。韻は不思議そうに見ながら言う。
「なんだあの車。たっかそー。」
そして中から、マイが出てきて韻は仰天した。
「尾崎まい!?なんで尾崎まいが高級車から!?」
対しポチは常に冷静であるが、妖の感覚からその驚きの意味を理解しきれていない。
〔韻がまだ中学の時は、駄菓子屋さんの家の子だったみたいだけど。駄菓子屋って高級車を乗れるほど儲かる仕事なの?〕
「な訳あるかよ…!それに駄菓子屋は親戚の家だから…!」
マイの次に、マイの父親である男性が出てくる。男性がマイを抱き寄せると、韻は顔を真っ赤にしてしまう。恥ずかしいような、どこか嫉妬を感じているような表情。ポチはそれに呆れていると、マイは周りの目を気にして男性から離れようとしていた。
それもその筈、ここは学校の前。生徒達の目にすぐ留まってしまう。韻は正義感に燃えた表情をすると言った。
「きっとマイに付き纏ってる男なんだ…!俺が助けねぇと…!」
〔いや、違うでしょ。〕
ポチはそう言ったが、韻を止められなかった。韻は男性とマイを引き剥がすと、マイを庇って男性の方を見た。マイは驚き、男性は真顔になって韻を見る。韻は男性を睨んで言った。
「嫌がってんじゃねぇか。お前、尾崎まいから離れろ!」
「神木間くん…!」
マイが青ざめた様子で言うと、男性は笑顔を見せる。
「君は?マイのなんなの?」
「クラスメイトだよ、なんか文句あっか。」
そう言われると、男性は笑った。韻はそれに眉を潜めてしまうと、男性は言う。
「僕はマイの父親だけど、何か文句ある?」
そう言い返され、韻はポカンとした。
「お…おお、お父様…?」
「うん。【美輝(ミキ)】って言うんだ。」
韻は思わず愕然としてしまったが、やがて頭を下げて謝罪した。
「ご、ごめんなさい!!てっきり悪い人かと…!」
「いいのいいの。ほら、僕とマイって全然似てないでしょ?勘違いしても仕方ない。」
「本当にごめんなさい…!!」
韻はそれでも、頭を下げるのをやめなかった。美輝は笑っていると、マイを見て言う。
「お友達?」
「え…ええ。困った時とか、いつも親切にして下さるの。」
マイがどこか安心した様子で言うと、美輝は韻の顔を無理に上げた。韻は美輝の顔を見ると、美輝は微笑んで言う。
「これからもマイと仲良くして欲しい。」
そう言われると、韻はなんだか嬉しそう。頬をピンクにして喜ぶと、韻は満天の笑顔で頷いた。
「はい!」
「にしても、足りないな。」
美輝の言葉に、韻は首を傾げる。
「え?」
「いやいや、気にしないで。マイのお友達ならさ、もっとマイの事を知って欲しいなって思ってね。」
美輝にそう言われると、韻はなんだか照れた様子に。ポチは呆れた表情でいると、美輝は韻に言う。
「ねえねえ、今から僕と付き合ってくんないかな?」
突然の誘いに韻は目を丸くした。
「え?でも学校行かねぇと。今日はサッカーの試合もあるし!」
「そうかい。じゃあ今度の休日とかどうかな?マイも入れて三人でさ。学校でのマイの事とか、色々聞きたいんだ。」
美輝が笑顔で言うと、マイは困った顔。
「やめてください…恥ずかしい。」
「いいじゃんいいじゃん、有咲にも報告しておきたいし。」
余所余所しく困るマイとお構いなしな美輝に、韻はどこか違和感を感じた。マイは黙り込んでしまうと、韻は美輝に言う。
「わかりました、日曜なら空いてますよ。」
「本当?じゃあお昼までに家へ迎えに行くよ。」
「え?俺の家知ってるんですか?」
「僕の父がね、昔世話になったからね。お寺の神木間くんだろう。」
「おぉ…!」
思わず感心する韻。
そのまま美輝は乗車すると、窓を開けて韻とマイに笑顔で手を振った。
「じゃ、僕はこれで。あ、マイと遊ぶ事は学校の子には秘密にしてね。」
「はい!」
「行ってらっしゃいお父さん…」
マイが控えめに言うと、韻は笑顔で言う。
「また今度ー!」
実の親子であるマイよりも、韻の方が美輝と打ち解けている様子。車が去っていくと、マイは不安を覚えているのか俯いた。それを韻が見ると、少し照れた様子で言う。
「ご、ごめんな。勝手に約束取り付けて。もし嫌だったら、断るけど…。」
「ううん、いいの。むしろ神木間くんが休日いるなら安心だわ。」
「え?」
韻はその言葉に頬を赤らめたが、マイは俯いた様子のまま。その異変に韻は首を傾げると、一つ心当たりでもあるのか言った。
「そう言えば尾崎まいさ、昔はかーちゃんと一緒にいたよな。とーちゃんいないって言ってたけど。」
〔韻のお馬鹿、そういうのは聞くもんじゃないよ。〕
ポチがそう注意すると、マイは気にしないで欲しいのか首を横に振った。思わず二人がマイの方を見ると、マイは言う。
「本当のお父さんなのよ。でも、ちょっと苦手というか…。あまり長い時間一緒にいたくないの。」
マイは実父に心を開けていない様で、それを悩みとしている様だった。しかし韻はそんな複雑な家庭に想像力が働かないのか、特に重く感じる事も無く単純な回答を思いついた。
「そっか。わかった!だったら日曜、絶対行くぜ。日曜だけとは言わず、いつでも歓迎!」
そう言って韻が笑顔を見せると、マイは表情が釣られることもなく小さく頷いた。
「本当にいつもありがとう、神木間くん。周りにからかわれた時だって、神木間くんはいつも庇ってくれて…。」
「いいんだいいんだ。あ、ほら早く学校へ行かないと遅刻だぜ!」
「ええ。」
そして二人は学校へ登校するのであった。
家では朝からリビングで、母と父が黄色い声を上げて喜んでいた。
「可愛い~!」
「おいでおいで…」
二人は要の兄…もといナメクジが我が家にやって来て喜んでいる様子。ナメクジはレタスをムシャムシャ食べるのに夢中で、二人にはあまり興味を示していない。
「~!」
ナメクジが声を出すと、二人は歓喜の声。それを近くで見せられる、朝食中の翔太郎と韻。韻は気味悪そうに見ており、翔太郎は苦笑していた。レフもどうやらナメクジに興味がある様で、二人に並んで喜んでいた。すると、韻の肩の上にいるポチは呟く。
〔僕も人間に見える様になったらこのくらい…〕
「何の嫉妬だよそれ。…ご馳走様ー。」
韻は呆れたように言い、朝食を終えてシンクに食器を持っていった。そして近くのソファーに投げ捨てられいたバッグを背負い、翔太郎に言う。
「いってきまーす。」
すると翔太郎だけでなく、全員から言われる。
「「「いってらっしゃーい。」」」
レフも後から気づき、遅れて言った。
「行ってらっしゃいませー!」
(いや、韻には聞こえないんだけどな…)
翔太郎は苦笑しつつも思った。レフは気になる事があるのか翔太郎の隣へやって来る。
「にしても翔太郎さん。なぜ要さんのお兄さんを家に?」
「実は、妖世界への扉が閉じてしまっていて…。返そうにもにも返せないんです。だから暫くは家で面倒を見ようと…。」
困った様子で翔太郎はナメクジを見る。ナメクジは母の肩の上で、満腹にでもなったのか寝転がっていた。翔太郎は苦笑。
(心象世界では『緑色に名乗る名などない』って言われたけど…緑色の頭をした母さんによく懐いているな、このお兄さん…。)
一方、韻の方では。
韻は高校までの通学路を歩きながらもポチに言う。
「にしても要、どうしたんだかなー。こっからじゃどう足掻いても行けねぇし。」
〔要の事だから、ど忘れしてるのかもね。〕
「やめてくれよそれ…、笑えねぇから。」
すると高校近くに、一台の高級車が止まっているのを韻は発見。韻は不思議そうに見ながら言う。
「なんだあの車。たっかそー。」
そして中から、マイが出てきて韻は仰天した。
「尾崎まい!?なんで尾崎まいが高級車から!?」
対しポチは常に冷静であるが、妖の感覚からその驚きの意味を理解しきれていない。
〔韻がまだ中学の時は、駄菓子屋さんの家の子だったみたいだけど。駄菓子屋って高級車を乗れるほど儲かる仕事なの?〕
「な訳あるかよ…!それに駄菓子屋は親戚の家だから…!」
マイの次に、マイの父親である男性が出てくる。男性がマイを抱き寄せると、韻は顔を真っ赤にしてしまう。恥ずかしいような、どこか嫉妬を感じているような表情。ポチはそれに呆れていると、マイは周りの目を気にして男性から離れようとしていた。
それもその筈、ここは学校の前。生徒達の目にすぐ留まってしまう。韻は正義感に燃えた表情をすると言った。
「きっとマイに付き纏ってる男なんだ…!俺が助けねぇと…!」
〔いや、違うでしょ。〕
ポチはそう言ったが、韻を止められなかった。韻は男性とマイを引き剥がすと、マイを庇って男性の方を見た。マイは驚き、男性は真顔になって韻を見る。韻は男性を睨んで言った。
「嫌がってんじゃねぇか。お前、尾崎まいから離れろ!」
「神木間くん…!」
マイが青ざめた様子で言うと、男性は笑顔を見せる。
「君は?マイのなんなの?」
「クラスメイトだよ、なんか文句あっか。」
そう言われると、男性は笑った。韻はそれに眉を潜めてしまうと、男性は言う。
「僕はマイの父親だけど、何か文句ある?」
そう言い返され、韻はポカンとした。
「お…おお、お父様…?」
「うん。【美輝(ミキ)】って言うんだ。」
韻は思わず愕然としてしまったが、やがて頭を下げて謝罪した。
「ご、ごめんなさい!!てっきり悪い人かと…!」
「いいのいいの。ほら、僕とマイって全然似てないでしょ?勘違いしても仕方ない。」
「本当にごめんなさい…!!」
韻はそれでも、頭を下げるのをやめなかった。美輝は笑っていると、マイを見て言う。
「お友達?」
「え…ええ。困った時とか、いつも親切にして下さるの。」
マイがどこか安心した様子で言うと、美輝は韻の顔を無理に上げた。韻は美輝の顔を見ると、美輝は微笑んで言う。
「これからもマイと仲良くして欲しい。」
そう言われると、韻はなんだか嬉しそう。頬をピンクにして喜ぶと、韻は満天の笑顔で頷いた。
「はい!」
「にしても、足りないな。」
美輝の言葉に、韻は首を傾げる。
「え?」
「いやいや、気にしないで。マイのお友達ならさ、もっとマイの事を知って欲しいなって思ってね。」
美輝にそう言われると、韻はなんだか照れた様子に。ポチは呆れた表情でいると、美輝は韻に言う。
「ねえねえ、今から僕と付き合ってくんないかな?」
突然の誘いに韻は目を丸くした。
「え?でも学校行かねぇと。今日はサッカーの試合もあるし!」
「そうかい。じゃあ今度の休日とかどうかな?マイも入れて三人でさ。学校でのマイの事とか、色々聞きたいんだ。」
美輝が笑顔で言うと、マイは困った顔。
「やめてください…恥ずかしい。」
「いいじゃんいいじゃん、有咲にも報告しておきたいし。」
余所余所しく困るマイとお構いなしな美輝に、韻はどこか違和感を感じた。マイは黙り込んでしまうと、韻は美輝に言う。
「わかりました、日曜なら空いてますよ。」
「本当?じゃあお昼までに家へ迎えに行くよ。」
「え?俺の家知ってるんですか?」
「僕の父がね、昔世話になったからね。お寺の神木間くんだろう。」
「おぉ…!」
思わず感心する韻。
そのまま美輝は乗車すると、窓を開けて韻とマイに笑顔で手を振った。
「じゃ、僕はこれで。あ、マイと遊ぶ事は学校の子には秘密にしてね。」
「はい!」
「行ってらっしゃいお父さん…」
マイが控えめに言うと、韻は笑顔で言う。
「また今度ー!」
実の親子であるマイよりも、韻の方が美輝と打ち解けている様子。車が去っていくと、マイは不安を覚えているのか俯いた。それを韻が見ると、少し照れた様子で言う。
「ご、ごめんな。勝手に約束取り付けて。もし嫌だったら、断るけど…。」
「ううん、いいの。むしろ神木間くんが休日いるなら安心だわ。」
「え?」
韻はその言葉に頬を赤らめたが、マイは俯いた様子のまま。その異変に韻は首を傾げると、一つ心当たりでもあるのか言った。
「そう言えば尾崎まいさ、昔はかーちゃんと一緒にいたよな。とーちゃんいないって言ってたけど。」
〔韻のお馬鹿、そういうのは聞くもんじゃないよ。〕
ポチがそう注意すると、マイは気にしないで欲しいのか首を横に振った。思わず二人がマイの方を見ると、マイは言う。
「本当のお父さんなのよ。でも、ちょっと苦手というか…。あまり長い時間一緒にいたくないの。」
マイは実父に心を開けていない様で、それを悩みとしている様だった。しかし韻はそんな複雑な家庭に想像力が働かないのか、特に重く感じる事も無く単純な回答を思いついた。
「そっか。わかった!だったら日曜、絶対行くぜ。日曜だけとは言わず、いつでも歓迎!」
そう言って韻が笑顔を見せると、マイは表情が釣られることもなく小さく頷いた。
「本当にいつもありがとう、神木間くん。周りにからかわれた時だって、神木間くんはいつも庇ってくれて…。」
「いいんだいいんだ。あ、ほら早く学校へ行かないと遅刻だぜ!」
「ええ。」
そして二人は学校へ登校するのであった。
0
あなたにおすすめの小説
後宮の胡蝶 ~皇帝陛下の秘密の妃~
菱沼あゆ
キャラ文芸
突然の譲位により、若き皇帝となった苑楊は封印されているはずの宮殿で女官らしき娘、洋蘭と出会う。
洋蘭はこの宮殿の牢に住む老人の世話をしているのだと言う。
天女のごとき外見と豊富な知識を持つ洋蘭に心惹かれはじめる苑楊だったが。
洋蘭はまったく思い通りにならないうえに、なにかが怪しい女だった――。
中華後宮ラブコメディ。
美味しいコーヒーの愉しみ方 Acidity and Bitterness
碧井夢夏
ライト文芸
<第五回ライト文芸大賞 最終選考・奨励賞>
住宅街とオフィスビルが共存するとある下町にある定食屋「まなべ」。
看板娘の利津(りつ)は毎日忙しくお店を手伝っている。
最近隣にできたコーヒーショップ「The Coffee Stand Natsu」。
どうやら、店長は有名なクリエイティブ・ディレクターで、脱サラして始めたお店らしく……?
神の舌を持つ定食屋の娘×クリエイティブ界の神と呼ばれた男 2人の出会いはやがて下町を変えていく――?
定食屋とコーヒーショップ、時々美容室、を中心に繰り広げられる出会いと挫折の物語。
過激表現はありませんが、重めの過去が出ることがあります。
うわさの行方
下沢翠花(しもざわすいか)
恋愛
まだ十歳で結婚したセシリア。
すぐに戦場へ行ってしまった夫のニールスは優しい人だった。
戦場から帰るまでは。
三年ぶりにあったニールスは、なぜかセシリアを遠ざける。
ニールスの素っ気ない態度に傷つき疲弊していくセシリアは謂れのない酷い噂に追い詰められて行く。
後宮なりきり夫婦録
石田空
キャラ文芸
「月鈴、ちょっと嫁に来るか?」
「はあ……?」
雲仙国では、皇帝が三代続いて謎の昏睡状態に陥る事態が続いていた。
あまりにも不可解なために、新しい皇帝を立てる訳にもいかない国は、急遽皇帝の「影武者」として跡継ぎ騒動を防ぐために寺院に入れられていた皇子の空燕を呼び戻すことに決める。
空燕の国の声に応える条件は、同じく寺院で方士修行をしていた方士の月鈴を妃として後宮に入れること。
かくしてふたりは片や皇帝の影武者として、片や皇帝の偽りの愛妃として、後宮と言う名の魔窟に潜入捜査をすることとなった。
影武者夫婦は、後宮内で起こる事件の謎を解けるのか。そしてふたりの想いの行方はいったい。
サイトより転載になります。
ある日、私は事故で死んだ───はずなのに、目が覚めたら事故の日の朝なんですけど!?
ねーさん
恋愛
アイリスは十六歳の誕生日の前の日に、姉ヴィクトリアと幼なじみジェイドと共に馬車で王宮に向かう途中、事故に遭い命を落とした───はずだったが、目覚めると何故か事故の日の朝に巻き戻っていた。
何度もその日を繰り返して、その度事故に遭って死んでしまうアイリス。
何度目の「今日」かもわからなくなった頃、目が覚めると、そこにはヴィクトリアの婚約者で第三王子ウォルターがいた。
「明日」が来たんだわ。私、十六歳になれたんだ…
下っ端宮女のひたむき後宮恋譚 ~前世の夢を追いかけていたらいつのまにか寵愛されていました~
紀本明
キャラ文芸
妃嬪から嫌がらせを受けつつも耐え忍んでいた下っ端宮女の鈴風(りんふぁ)はある日突然前世の記憶を取り戻す。料理人になるのが夢だった彼女は、今世でもその夢を叶えようと決意した矢先、ぼさぼさ頭の宦官・雲嵐(うんらん)と出会い、毎晩夕飯をつくることになる。料理人になるべく奮闘するも、妃嬪からの嫌がらせはひどくなる一方だった。そんなある日、事件が起こり、鈴風は窮地に立たされるが……――?
【完結】あやかし団地 管理人見習い日誌
双月ねむる
キャラ文芸
就活全滅で「自分には社会性がない」と思い込む凛は、遠縁の親戚に紹介され、昭和レトロな巨大団地・さくらヶ丘第一団地の『管理人見習い』として住み込みで働くことに。しかしその団地には、中庭の「靴鳴らし」、エレベーター表示盤に棲む狐など、団地限定あやかし達が当たり前のように暮らしていた。
最初は逃げ腰の凛だったが、すねた空き部屋や、ベランダの風鈴が告げるSOSなど、人とあやかしのトラブルに巻き込まれながら、少しずつ『共同体』に関わる勇気を取り戻していく。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる