六音一揮

うてな

文字の大きさ
2 / 95

プロローグ 嚆矢濫觴 後半

しおりを挟む
 森を必死に走るルネア。
しかし不思議と、竜からの攻撃は来ていなかった。

遠い遠い場所から破壊される音、人の悲鳴が聞こえる。

ルネアは恐怖で怯えた。
何が起きたのかもわからなかった。
平和に生きてたルネアは、目の前に起こった惨劇に対し逃げる事しか考えられないのだ。

気づくと森の木々は、宇宙色をした葉を持つ木に変わっていた。
真っ暗な森に、宇宙の輝きを持つ木々。
ルネアはその幻想的な光景に、気づけば走るのをやめて歩いていた。

(どこだろ…。まるで宇宙に迷い込んだような…。)

するとルネアは何かに気づいた様な顔をする。

(ここ、立ち入り禁止の森じゃないか!?
確か、ここには『大昔に封印された恐ろしい大男』がいるとかなんとかで…!)

ルネアは身が震え、遂には足を止めてしまった。

(駄目だ…。アルネの事といい、さっきの竜といい、森に迷い込んだ事といい…外に出なきゃよかった。
一体出口はどこ…)

ルネアは再び歩き出すと、少しずつであったが薄明かりが見えた。

(外…?)

ルネアは薄明かりに向かって再び走り出す。

(あの光…凄く懐かしい感じがする…!きっと太陽だ…!)

そしてその明かりにたどり着くと、そこはまだ森の中。
木々が円を描くように避けて立っており、その円の中心には人が浮いていた。

人は立つようにして眠っており、その人は見るからに大男だった。
優しい光が大男を包んでおり、ルネアは神秘的な光景に感嘆の声をあげた。

(噂の大男…!?)

ルネアは驚いてはいたが、その不思議な光景につい近づいてしまう。

暗緑色の短い髪に、白い服にケープを着ている。
どこかで見た事ある様な服装だ。
胸には星型の飾り物があったが、もう一つ同じ星型の飾り物が彼を守るように彼の前に浮いている。
飾り物を中心に、彼を包む光が溢れている気がするのだ。

ルネアはふとその飾り物に触れると、指が痛くなるほど強い力に弾かれた。

「うわっ!」

すると、大男を包んでいた光が強くなる。
眩しくなってルネアは目を庇うと、大男は地に足を着けた。
光は弱まり完全に消えてしまうと、大男の前にあった飾り物は地面に落っこちた。

それと同時に大男は開眼し、なんとルネアの服を掴んで持ち上げてしまう。

「アール!お前一体俺に何しやがった!」

大男はそう言うと、次にポカンとした顔をする。
ルネアは怖くて目を回しており、大男は優しくルネアを下ろしてあげた。
ルネアはその場で座り込んでしまうと、大男は青ざめてブツブツと呟き始めた。

「俺はなんて事を…知らない人に掴みかかった挙句怒鳴るなんて…。」

ルネアは大男の怖くない雰囲気を感じ取ると話しかける。

「あのー…」

すると、大男はルネアを見て目を見開く。
ルネアは苦笑してしまうと、大男はルネアを暫く見つめると言った。

「お前、名前は?」

「え、ルネア・プロノスです。」

それを聴いた大男は怒った形相を見せて言う。

「プロノスって!お前『東の大将』の息子かなんかかぁ!?」

大男は怒った顔を見せているものの、口の勢いだけで顔に威厳はそこまでない。
ルネアは彼の言葉に首を傾げた。

「『東の大将』…?戦争の話ですか?
それならもう四百年前に終わってますよ。東が勝って、今は東の国なんですよ全部。」

「えっ…!?」

それを聴いた大男は驚いた顔で声を詰まらせる。
ルネアは大男の服装をよく見ると、先程の合唱団と似た服装であるのに気づいた。
合唱団は決まってケープを着ており、彼に関してはケープに紫のラインが入っていた。

「あ!合唱団の服!…て信じられないですけど、まさか大男さん大昔の人だったりします?
その服装、大昔の合唱団の服の特徴に似てます。」

すると大男は身構える。

「な、なんだよ大昔って!…嘘だろ…?俺まさか…」

大男はそう言うと、膝をついてしまった。
両手で顔を覆い隠し、悔しそうな顔を浮かべる。

「そうだ…!アイツに騙されて…!」

ルネアはその悲しそうな顔を見ると、自分まで悲しくなっていた。
大男は、ルネアを見ると言う。

「なあ、お前って【魔法】を使えたりしないのか?」

急な問いに、ルネアは慌ててしまった。

「え!?使えないですよ!魔法持ちなんて今の時代珍しいんですから!」

それを聴いた大男はルネアの肩を掴むと言った。

「じゃあ、お前は自分の能力にも気づいてねぇんだな。」

「僕の能力…?あるんですか?てかわかるんですか?」

大男は頷くと言う。

「俺は相手の力を読む事ができるんだ。
お前、俺の知り合いの力と同じものを持ってて、時代を行き来できる力があるとかなんとか…聴いた話だけど。その子孫かなって。」

「え!?魔法ですか!?しかも時を行き来してしまう!?」

ルネアは驚くと同時に、自分に不思議な力があると思うと目が輝いた。
しかし大男は目を逸らして呟く。

「ま、魔法力が無いから力を使えないみたいだけどな。」

「えぇ…」

ルネアは一気にテンションが下がってしまうと、
大男は次に言う。

「なあ、お願いだ、過去を変えて欲しいんだ!助けて欲しい仲間がいる!
俺の魔法力なら過去に行く分の力を与えられる…!お願いだ…!」

ルネアは急に大きな事を頼まれた為、両手を振って断った。

「むむむ無理ですよ!そんな急に!なんですか過去って!
…僕一国の王子だし!」

「なんだよ!一国の王子なら国民の為に一肌脱げよ!
それとも、大昔の民の希望は叶えられねぇってのか!」

「ち、違います!僕にはできない!それだけです!」

ルネアはそう言うと、大男を振り切って逃げてしまうのであった。

大男はその場で呆然とルネアの後ろ姿を見守っていると、次に地面に落ちていた星の飾り物を拾い上げた。
大男は胸に紫色の飾り物をしているが、地面に落ちていたのは藍色の飾り物だった。
その飾り物を拾い上げると、大男はその飾り物を強く握り締める。

「なんで…!なんでお前は…裏切ったんだよ…!俺達を…!」

~+~+~+~+~+~+~+~+

ルネアはやっとの思いで城近くまで帰ってきたが、城も街も商店街もボロボロであった。
大方、さっきの竜がやったのだろう。
変わり果てた国が、ルネアの心を襲った。

人の気配が一切なく、たまに倒れたまま動かない人がいるだけだ。

「嘘…」

ルネアは人に駆け寄って安否を確かめたかったが、できなかった。
もし既に亡くなっていたら…
それを知るだけでルネアは一歩も動けなくなってしまうだろう。
それは本人もよくわかっていた。

「ルネア!」

ルネアはアルネの声を聴いた。
ルネアは急いで声の方へ向かうと、アルネは少し離れた場所にいる。

「良かった…!無事だったのね…!急に竜と、吸血鬼が国を襲ってきて…!
みんな避難してるのよ!ルネアも早くこっちに来て!」

アルネは涙目になりながらも言っていた。

「ありがと…アルネ。今行くから!」

ルネアはそう言って走り出すと、急にアルネの背後に白髪の女性が現れる。
瞬間移動とも言える速さでアルネの背後に回った女性は、アルネが気づく間もなくアルネを捕まえた。

「きゃ!
あなた…!国を襲った吸血鬼…!」

女性の吸血鬼は舌なめずりをすると、

「お前は美味しそうだな。」

とアルネに返答せずに、その吸血鬼は大きく口を開いた。
吸血鬼のむき出しになった鋭い牙が、アルネの首筋を狙っている。

「いやっ!助けて!ルネア!」

アルネはそう叫んだが、吸血鬼は構わずアルネの首に噛み付いた。
ルネアは驚く間もなく、アルネの首から血が滲む。

ルネアは足が動かなかった。
現実味が感じられなかったのと、単に足がすくんでいた。

ルネアはただ呆然と感じていた。

緊張からなる、強い鼓動を、手首の脈を。

現実を受け止めたくないが為に、まとまらなくなる思考を。

恐怖に支配された、その震えた手を。

(これ……本当に現実…?
夢…じゃないよね…?)

吸血鬼はアルネを手放すと、血の気が消えたアルネがその場で転がってしまう。
ピクリとも動かない彼女。
その時、ルネアはやっと現実を目の当たりにしたのだった。

「あぁ…アルネ…!」

ルネアは後すざりをしたが、アルネとの思い出が蘇る。


自由がなかったルネアにとって、自由を持っていたアルネは、外への夢を、そして友情をくれた唯一の親友だった。


急に自分の弱さが悔しくなり、仇のために一歩前に出た。

「よくもアルネを…!」

ルネアがそう言って歩き始めると、誰かがルネアの服を引っ張って止める。

「馬鹿!何やってんだお前!!」

それはさっきの大男で、ルネアは焦点の合わない目を大男に向けた。

「さっきの大男さん…?」

大男は軽く溜息をつくと、吸血鬼を見てからルネアに言った。

「ラム。【ラム・ローフ】、俺の名だ。」

「ラム・ロース…」

ルネアは小さくその名を呟く。
するとラムにツッコミを入れられる。

「肉じゃないローフだっ!」

それでもルネアは正気じゃないのか、まるで聞こえていない様子。
ラムは溜息をつくと、吸血鬼はラムを見て笑った。

「ラム・ロース!探したぞ。」

「いやお前も間違えんなよっ!」

ラムはツッコミを入れたが、一度落ち着く。
それからラムはルネアの耳元で言う。

「アイツは吸血鬼の魔物だ。
顔をよく覚えとけ、奴は吸血する事で相手の力を奪うんだ。
俺の仲間も、コイツのせいで死んじまった。」

ルネアはボーッとしていたが、話の途中で徐々に正気に戻っていく。
そしてルネアは思う。

(ラムも仲間を失っているんだ…)

吸血鬼は言った。

「四百年もどこに隠れていたんだ?ここらはくまなく探し、他の場所もあたっていたんだぞ。
ま、見つけた今は関係ないがな。お前の力を頂いて、私は…私は…フフフ…」

するとラムは眉を潜める。

「身を隠すってお前、アールが俺を…あれ?」

ラムは何か引っかかる内容でもあるのか、考えていた。

「あの、アールさんって誰ですか?」

考え事をするラムに空かさずルネアは質問するが、ラムは更に頭がこんがらがっているのか頭を抱えた。
それを見た魔物は笑う。

「お前、前々から思ってたが、あの男が好きなのか?」

その言葉にラムは吹き出してしまうと

「んなワケねぇだろ!!第一男同士だろおい!」

と言ったが、ルネアは鵜呑みにしていた。
ルネアは思わず顔を引き攣った。

「え、ゲイ?」

「違ぇ!!」

魔物は面白いのかクスクス笑うと更に言う。

「あの男はお前の力強い所と繊細な所のギャップが好きと言っていたぞ?」

「え…アールが…?」

ラムはそれを聞いて少し顔を赤らめると、手を口に当ててしまう。
ルネアはその様子に女々しさしか感じないのであった。

「まあ嘘だがな。」

魔物によって嘘だという事をバラされると、ラムの表情は怒りへと変わった。

「お前…っ!」

魔物はラムをからかって満足したのか、次に言った。

「お遊びはここまでにしよう。さあ!お前の力を頂くぞ!」

ラムはその言葉に身構えると、ある事に気づく。

「そういやドラゴンがそこらで暴れてるって話を聞いたんだが…いないな…」

ルネアも周りを見渡すが、確かにドラゴンの姿が見えない。
あんなに大きなドラゴン、すぐに視界に入るはずだ。

「ラムさんはあの竜の事知ってるんですか?」

「詳しい事は知らない!」

ラムは無愛想な態度でそう言うと、次に言った。

「いいか!あのドラゴンは一度暴れりゃ止まらねぇ。あの魔物が持つ魔法力もかなりのものだ。
それを考えたら…この国はもう終わりだ。」

それを聴いたルネアだが、反応が全くなかった。
ラムはおかしく思っていると、ルネアは急に泣き出す。
どうやら全てが唐突過ぎて、ルネアの感情が追いついていないようだ。

「…もう…、もう終わりなんだ…。ひどいっ…僕の人生っ…ひくっ…みんなのぉ…うぐっ…」

ラムはその様子に驚いた後に慌てた。

「お、おい泣くな!お俺のせいかよ…!いや、ひとつだけ助かる方法がある!」

ルネアはその言葉に顔を上げると、ラムは言った。

「お、お前が過去に行って未来を変えりゃ、こんな世界になんねぇからよ!」

それを聴いたルネアは顔を下げ、地面を見つめた。
ラムはそんなルネアを見て、最後に言う。

「このまま国の終わりを見てるか、それとも過去に行って頑張ってみるか決めろ。あんまり時間がない。」

そう言われ、ルネアは俯いて考えた。

(時を越えて過去を変えるなんて、そんな話聞いた事も、そういう本を読んだ事もない。
つまり前代未聞…。
僕がそれを成せるのか、恐ろしい事が待っている事は確かだ。

だけど、自分が行かなければ誰が行くというんだ。
誰がこの悲惨な現実を変えると言うのだろう。)

ルネアは暫く黙り込むと呟いた。

「あの…、僕行きます。外…大好きなんで…」

ラムは最後の言葉に違和感を感じると、ルネアは涙を流したまま言った。

「大事な人が目の前で死んじゃって…!
きっとラムも同じ思いしたよね…!僕…変えたいよ未来…!全部!」

ラムはルネアの言葉に俯くと、次にルネアの目を見て言う。

「ありがと、よく決心してくれた。」

ルネアは顔を上げると、魔物は言った。

「さあ、最後の言葉は交わしたか?」

するとラムは魔物を見て不敵に笑う。

「おう、終わったぜ。…今すぐお見送りしてやるさ!」

ラムはそう言うと、ルネアに手をかざす。
ルネアはなんとなくわかった。
ラムはありったけの魔法力をルネアに注いでいるのだ。
ルネアは魔法力に触れるのは初めてだったが、それでもラムの力が強大であるのがわかった。

(凄い力…!)

「ごめんな…ルネア。
お願いだ、俺の仲間を救って…未来を変えてくれ!
そうすれば、この現実が変わるはずだッ!」

それに対し、ルネアは心配かけまいと笑顔で頷く。
本当は不安でいっぱいなのに。

すると、ルネアの背後に大きな空間が現れ、ルネアだけが吸い込まれていった。

地から足が離れ空間に入る時、ルネアは思った。

(これから…僕はどうなってしまうんだろう…)

ルネアは不可思議な空間に恐怖を抱く前に、ゆっくり目を閉じる。
すると、僅かにラムの声が聞こえてきた。

「ルネア!最後に一つ!!
俺と似た服着た黒髪の眼鏡男に気をつけろ!
アイツはっ…【アール】は…!裏切り者だ…!」

顔が見えなくてもわかる。
涙と、悔しさと悲しさの混ざった声だ。


――その後のサグズィの末路は、ルネアにはわからない…



しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

無能妃候補は辞退したい

水綴(ミツヅリ)
ファンタジー
貴族の嗜み・教養がとにかく身に付かず、社交会にも出してもらえない無能侯爵令嬢メイヴィス・ラングラーは、死んだ姉の代わりに15歳で王太子妃候補として王宮へ迎え入れられる。 しかし王太子サイラスには周囲から正妃最有力候補と囁かれる公爵令嬢クリスタがおり、王太子妃候補とは名ばかりの茶番レース。 帰る場所のないメイヴィスは、サイラスとクリスタが正式に婚約を発表する3年後までひっそりと王宮で過ごすことに。 誰もが不出来な自分を見下す中、誰とも関わりたくないメイヴィスはサイラスとも他の王太子妃候補たちとも距離を取るが……。 果たしてメイヴィスは王宮を出られるのか? 誰にも愛されないひとりぼっちの無気力令嬢が愛を得るまでの話。 この作品は「小説家になろう」「カクヨム」にも掲載しています。

『婚約破棄された悪役令嬢ですが、嫁ぎ先で“連れ子三人”の母になりました ~三人の「ママ」が聞けるまで、私は絶対に逃げません~』

放浪人
恋愛
「母はいりません」と拒絶された悪役令嬢が、最強の“ママ”になるまでの物語。 「君のような可愛げのない女は、王妃にふさわしくない」 身に覚えのない罪で婚約破棄され、“悪役令嬢”の汚名を着せられたクラリス。 彼女が新たに嫁いだのは、北方の辺境を守る「氷の公爵」ことレオンハルト・フォン・グレイフだった。 冷え切った屋敷で彼女を待っていたのは、無表情な夫と、心に傷を負った三人の連れ子たち。 「僕たちに、母はいりません」 初対面で突きつけられた三つの拒絶。しかし、クラリスは諦めなかった。 「称号はいりません。私が欲しいのは――あなたたち三人の『ママ』になれる日だけです」 得意の生活魔法『灯(ともしび)』で凍えた部屋を温め、『鎮(しずめ)』の歌で夜泣きを癒やし、家政手腕で荒れた食卓を立て直す。 クラリスの献身的な愛情は、頑なだった子供たちの心を解きほぐし、やがて不器用な夫の氷の心さえも熱く溶かしていく。 これは、不遇な悪役令嬢が「最強の母」となり、家族を脅かす元婚約者や魔獣たちを華麗に撃退し、最愛の家族から「ママ」と呼ばれるその日までを綴った物語。

屈辱と愛情

守 秀斗
恋愛
最近、夫の態度がおかしいと思っている妻の名和志穂。25才。仕事で疲れているのかとそっとしておいたのだが、一か月もベッドで抱いてくれない。思い切って、夫に聞いてみると意外な事を言われてしまうのだが……。

救世の結界師マールちゃん~無能だと廃棄されましたが、敵国で傭兵のおっさん達に餌付けされてるので、今さら必要と言われても戻りません~

ぽんぽこ@3/28新作発売!!
ファンタジー
「ウチの子、可愛いうえに最強すぎるんだが――!?」 魔の森の隣、辺境伯家。 そこで八歳のメイド・マールは、食事も与えられず“要らない人間”として扱われていた。 ――そしてある日ついに、毒と魔獣の禁忌領域《魔の森》へ捨てられてしまう。 「ここ……どこ?」 現れた魔獣に襲われかけたその瞬間。 救いに現れたのは――敵国の”イケオジ”傭兵隊だった。 「ほら、食え」 「……いいの?」 焚き火のそばで差し出された“温かいお粥”は、マールに初めての「安心」と「ごはん」を教えてくれた。 行き場を失った幼女は、強面のおじさん傭兵たちに餌付けされ、守られ、少しずつ笑えるようになる―― そんなシナリオだったはずなのに。 旅の途中、マールは無意識に結界を張り、猛毒の果実を「安全な食べ物」に変えてしまう。 「これもおいしいよ、おじさん!食べて食べて!」 「ウチの子は天才か!?」 ただ食べたいだけ。 だけどその力は、国境も常識もくつがえす。 これは、捨てられた欠食幼女が、敵国でお腹いっぱい幸せになりながら、秘められた力で世界を巻き込んでいく物語。 ※若干の百合風味を含みます。

王女様は聖女様?おてんば姫の大冒険~ペットのドラゴンが迷子なので冒険者になって探しに行きます!~

しましまにゃんこ
ファンタジー
アリシア王国の第3王女ティアラ姫には誰にも言えない秘密があった。 それは自分が全属性の魔力を持ち、最強のチート能力を持っていた「建国の賢者アリシア」の生まれ変わりであること! 8才の誕生日を境に前世の記憶を取り戻したものの、500年後に転生したことを知って慌てる。なぜなら死の直前、パートナーのドラゴンに必ず生まれ変わって会いにいくと約束したから。 どこにいてもきっとわかる!と豪語したものの、肝心のドラゴンの気配を感じることができない。全属性の魔力は受け継いだものの、かつての力に比べて圧倒的に弱くなっていたのだ! 「500年……長い。いや、でも、ドラゴンだし。きっと生きてる、よね?待ってて。約束通りきっと会いにいくから!」  かつての力を取り戻しつつ、チートな魔法で大活躍!愛する家族と優しい婚約者候補、可愛い獣人たちに囲まれた穏やかで平和な日々。 しかし、かつての母国が各国に向けて宣戦布告したことにより、少しずつ世界の平和が脅かされていく。 「今度こそ、私が世界を救って見せる!」 失われたドラゴンと世界の破滅を防ぐため、ティアラ姫の冒険の旅が今、始まる!   剣と魔法が織りなすファンタジーの世界で、アリシア王国第3王女として生まれ変わったかつての賢者が巻き起こす、愛と成長と冒険の物語です。 イケメン王子たちとの甘い恋の行方もお見逃しなく。 小説家になろう、カクヨムさま他サイトでも投稿しています。

中身は80歳のおばあちゃんですが、異世界でイケオジ伯爵に溺愛されています

浅水シマ
ファンタジー
【完結しました】 ーー人生まさかの二週目。しかもお相手は年下イケオジ伯爵!? 激動の時代を生き、八十歳でその生涯を終えた早川百合子。 目を覚ますと、そこは異世界。しかも、彼女は公爵家令嬢“エマ”として新たな人生を歩むことに。 もう恋愛なんて……と思っていた矢先、彼女の前に現れたのは、渋くて穏やかなイケオジ伯爵・セイルだった。 セイルはエマに心から優しく、どこまでも真摯。 戸惑いながらも、エマは少しずつ彼に惹かれていく。 けれど、中身は人生80年分の知識と経験を持つ元おばあちゃん。 「乙女のときめき」にはとっくに卒業したはずなのに――どうしてこの人といると、胸がこんなに苦しいの? これは、中身おばあちゃん×イケオジ伯爵の、 ちょっと不思議で切ない、恋と家族の物語。 ※小説家になろうにも掲載中です。

アガルタ・クライシス ―接点―

来栖とむ
SF
神話や物語で語られる異世界は、空想上の世界ではなかった。 九州で発見され盗難された古代の石板には、異世界につながる何かが記されていた。 同時に発見された古い指輪に偶然触れた瞬間、平凡な高校生・結衣は不思議な力に目覚める。 不審な動きをする他国の艦船と怪しい組織。そんな中、異世界からの来訪者が現れる。政府の秘密組織も行動を開始する。 古代から権力者たちによって秘密にされてきた異世界との関係。地球とアガルタ、二つの世界を巻き込む陰謀の渦中で、古代の謎が解き明かされていく。

悪役令嬢になるのも面倒なので、冒険にでかけます

綾月百花   
ファンタジー
リリーには幼い頃に決められた王子の婚約者がいたが、その婚約者の誕生日パーティーで婚約者はミーネと入場し挨拶して歩きファーストダンスまで踊る始末。国王と王妃に謝られ、贈り物も準備されていると宥められるが、その贈り物のドレスまでミーネが着ていた。リリーは怒ってワインボトルを持ち、美しいドレスをワイン色に染め上げるが、ミーネもリリーのドレスの裾を踏みつけ、ワインボトルからボトボトと頭から濡らされた。相手は子爵令嬢、リリーは伯爵令嬢、位の違いに国王も黙ってはいられない。婚約者はそれでも、リリーの肩を持たず、リリーは国王に婚約破棄をして欲しいと直訴する。それ受け入れられ、リリーは清々した。婚約破棄が完全に決まった後、リリーは深夜に家を飛び出し笛を吹く。会いたかったビエントに会えた。過ごすうちもっと好きになる。必死で練習した飛行魔法とささやかな攻撃魔法を身につけ、リリーは今度は自分からビエントに会いに行こうと家出をして旅を始めた。旅の途中の魔物の森で魔物に襲われ、リリーは自分の未熟さに気付き、国営の騎士団に入り、魔物狩りを始めた。最終目的はダンジョンの攻略。悪役令嬢と魔物退治、ダンジョン攻略等を混ぜてみました。メインはリリーが王妃になるまでのシンデレラストーリーです。

処理中です...