65 / 95
4章 奇想組曲
第63音 有厚無厚
しおりを挟む
【有厚無厚】ゆうこうむこう
道理に合わない言いくるめの議論。
誤魔化しの議論。詭弁の事。
============
レイは走ってアール達の方に向かう。
少女は道の途中で親に会って帰した。
すると、上空にアール。いや、青年が飛んでいた。
レイは思わず苦無を彼に投げつけた。
目の前に苦無が通りかかる。
「うわぁ!」
青年は下を見て、降りてきた。
「何~!せっかくいい感じで締めたのに~!」
「貴男、向こうにいたわね。何かあったの?」
「もう終わったさ。片割れ君の勝ち。
親戚のペルドは死んでしまったさー。」
レイは眉を潜めた。
「……まあいいわ。」
レイは立ち去ろうとすると、青年は呼び止めた。
「待って。」
「何?」
青年はレイを見て言う。
「ねえ、片割れ君に優しくしてあげてね。
…僕、君の事信じてるから…。
あの子を二度と不幸にしたくないんだ…。」
その言葉にレイは少し驚いたような顔をした。
「勿論よ。…貴男、本当に彼が好きなのね。」
そう聞くと、彼は笑顔で言った。
「ありがとね、君にもまた会える気がするよ。」
そう言うと青年は一回背を向けてから、レイに振り向いて「アデュー。」と言って飛んだ。
彼はそのまま姿を変える。
それを見たレイは驚いた。
彼はなんと、イーちゃんに変身したのだ。
そして、そのまま遠い遠い空の彼方へ飛んでいってしまった。
「あの子……だったのね…」
レイは呟いた。
それなら自分が手当てをしてくれた時に、動揺してた意味がわかる気がする。
イーちゃんは女が苦手と聞いたからだ。
レイはそれを見守ると、急いでアールの方に向かった。
みんなは暫くアールを黙って見つめている。
このまま襲われるのではないかとヒヤヒヤ。
しかし、アールは不安な表情をした。
「私は…やはりみんなに嫌われている…?」
更に首を傾げたので、いつものアールだと判定。
みんなは一気に駆け寄ってきた。
「アール!無事で良かった!」
ラムが笑顔で言ってくれた。
アールは少し頬を赤らめる。
「当たり前だ。」
「強がり言うなっ!バリカンのくせして!」
シナが言うと、ノノも言った。
「お主ならやってくれると思っておった!」
「怖かったけど可愛かったよ!」
と言ったリート。
それにアールはリートに向かって手を伸ばす。
本心、可愛いは恥ずかしいのでとにかく胸ぐらを掴んでみる。
リートはそれに怯えてしまう。
アールはそれを見て、手を離して黙り込んだ。
するとテノは言う。
「アルにゃん傷は?」
テナーはテノの通訳でいきなり本題に入る。
アールは喉元を触ったり、ルカに撃たれた肩を触ったりしてから言った。
「どうやら竜は傷の治りが早いのかもしれない。」
その言葉にラムは眉を潜めた。
「でもアールって傷の治り普通だった気が」
「元々封印が解かれつつあった。」
とアールが言うのでみんなは驚く。
「え!それってやばくない!?」
「大丈夫だ。
奴の血を奪ってやったところで封印し直した。」
それを聞いたリートは目を丸くした。
「そんな事できるの?」
「竜の力が解除されると、同時に魔法力も上がる。
上がった魔法力で再び封じた。
竜の力も、姿も、父の意識も、全て。」
みんなが関心していると、更にアールは言った。
「私が防御魔法を得意としている事は知っているだろう?
…私の母親がかけた封印。
息子である私がかけられないはずはないだろう?」
みんなは納得した。
それをずっと黙って聞いていたルネアはいきなり喋る。
「アールさんやばいです!すごいです!
怖くて怖くて夜も寝れない気もしたんですが怖いです!あれ?」
と、とんちんかんな事を言い始めたルネア。
アールはルネアを見つつ、眉を潜める。
「相当怖かったんだな。」
みんなはそれに大笑いする。
ルネアは恥ずかしくなった。
「だって本当に怖いんですもん~!
目の前でアールさんが血だらけに…あ、吐ぎそう…」
そう言うと、みんなは笑うのをやめて慌て始めた。
ラムはテノと共にルネアは支えながら言う。
「児童園!児童園までの距離は!?」
「遠いな。」
とアールは冷静に言う。
ノノは笑顔で言う。
「仕方ない…私が連れて行こう」
そう言って翼を広げると、ルネアを抱き抱えて連れて行った。
「待ってこれも吐きそ…」
とルネアの声が聞こえる。
みんなは苦笑いだった。
せめて上から落とさないでくれ。
これぞ、みんなの願い。
ノノは関係なしに飛んでいった。
テノはアールに聞いた。
「アルにゃん。竜の封印して良かったのか?
飛べないし、強くもなれないぜ?」
「力は求めていない。空も飛べなくてもいい。
みんなに再び被害が及ぶよりマシだ。」
「自制すりゃいいじゃん」
テノが呟くと、アールは無理矢理言う。
「人として生きたい。」
周りは微妙な反応をしていると、アールはふとレイの事を思い出す。
「レイのところに行ってくる。」
「場所知っとるのか?」
上空からノノが聞くと、アールは言った。
「契約……したからな。」
そう言って走り去ってしまった。
みんなは驚く。
「え、まさかアールさんレイさんに無理矢理…!?」
ルネアが言うと、ラムは苦笑していた。
「いや、今度は同意上だろ。」
更にはテノはツッコミを入れた。
「おい、これじゃ人として生きてねぇ」
それに対し、テナーは苦笑いをしていた。
アールは走ってレイの元に来た。
「あら、アールさん。よくわかったわね。
あ、そうね、契約のせいかしら」
アールは頷いてから、レイに手を伸ばした。
「さあ、帰ろう。」
レイは黙ってその手を見ている。
敬語を変えるだけで、こんなに親近感が湧くのかと思う。
一気に距離が詰められたと、嬉しく思うレイ。
「レイ?」
アールが呼ぶと、レイは嬉しくてアールに飛びついた。
「大好き!アールさん。」
アールは突然で驚いたが、暫く黙ってから言った。
「…私も、友達程度なら。」
それを聞いたレイは少しムッとした。
「あら契約したでしょ。私達は結婚したとも同然よ。
アールさん、結婚するなら子供が三人欲しいって言ってたじゃない。」
それを聞くと、アールはそっぽ向きながら言う。
「その理屈で行くと私は既にバツイチではないか。
それに子供は竜と人間じゃできない。」
「そんなの嘘よ、だったらアールさんなんて存在しないもの。」
「できないと言ったらできない。させない。」
「させる!」
レイが笑顔で言うと、アールはある事に気づいたのか蒼白した。
「わざと命令するのはやめてほしい。」
それに対し、レイは笑ってしまった。
二人は二人で仲が良さそうだ。
アールとレイは森を歩きながら会話をしている。
「ああ…あの男はイーだったのか…。」
とアールは呟いた。
レイが頷くと、アールは言った。
「私が物心ついた時には既にいて、出かける時はいつも遊びに来ていたな。
自分が竜だと知って以来、急に親近感が湧いて。
いつか目的を果たしたら、こんな魔物のいる場所ではなくて、
もっと他の生物と暮らせるところへ連れて行きたかった…。
恩を着せられたな…。」
その言葉に、少しレイはイーに嫉妬する。
「アールさんの用が全て済んだら、私の故郷に引っ越しましょう!」
レイは突然そんな事を言う。
アールは呆れた表情になるのであった。
(竜にも嫉妬するのか…)
ルネアはやっと児童園前に着く。
「待って…吐きそう…あれ?治った!治りましたぁ!」
ルネアは感嘆の声をあげる。
ノノは扉を開けた。
ルネアもルンルンで入ろうと思ったその時、背後から男性の声が。
「ギプスしてるわりゃ元気な足だなぁ」
聞いた事のある声。
その声を聞いた瞬間、ルネアは真っ青になった。
そう、ベスドマグだった。
道理に合わない言いくるめの議論。
誤魔化しの議論。詭弁の事。
============
レイは走ってアール達の方に向かう。
少女は道の途中で親に会って帰した。
すると、上空にアール。いや、青年が飛んでいた。
レイは思わず苦無を彼に投げつけた。
目の前に苦無が通りかかる。
「うわぁ!」
青年は下を見て、降りてきた。
「何~!せっかくいい感じで締めたのに~!」
「貴男、向こうにいたわね。何かあったの?」
「もう終わったさ。片割れ君の勝ち。
親戚のペルドは死んでしまったさー。」
レイは眉を潜めた。
「……まあいいわ。」
レイは立ち去ろうとすると、青年は呼び止めた。
「待って。」
「何?」
青年はレイを見て言う。
「ねえ、片割れ君に優しくしてあげてね。
…僕、君の事信じてるから…。
あの子を二度と不幸にしたくないんだ…。」
その言葉にレイは少し驚いたような顔をした。
「勿論よ。…貴男、本当に彼が好きなのね。」
そう聞くと、彼は笑顔で言った。
「ありがとね、君にもまた会える気がするよ。」
そう言うと青年は一回背を向けてから、レイに振り向いて「アデュー。」と言って飛んだ。
彼はそのまま姿を変える。
それを見たレイは驚いた。
彼はなんと、イーちゃんに変身したのだ。
そして、そのまま遠い遠い空の彼方へ飛んでいってしまった。
「あの子……だったのね…」
レイは呟いた。
それなら自分が手当てをしてくれた時に、動揺してた意味がわかる気がする。
イーちゃんは女が苦手と聞いたからだ。
レイはそれを見守ると、急いでアールの方に向かった。
みんなは暫くアールを黙って見つめている。
このまま襲われるのではないかとヒヤヒヤ。
しかし、アールは不安な表情をした。
「私は…やはりみんなに嫌われている…?」
更に首を傾げたので、いつものアールだと判定。
みんなは一気に駆け寄ってきた。
「アール!無事で良かった!」
ラムが笑顔で言ってくれた。
アールは少し頬を赤らめる。
「当たり前だ。」
「強がり言うなっ!バリカンのくせして!」
シナが言うと、ノノも言った。
「お主ならやってくれると思っておった!」
「怖かったけど可愛かったよ!」
と言ったリート。
それにアールはリートに向かって手を伸ばす。
本心、可愛いは恥ずかしいのでとにかく胸ぐらを掴んでみる。
リートはそれに怯えてしまう。
アールはそれを見て、手を離して黙り込んだ。
するとテノは言う。
「アルにゃん傷は?」
テナーはテノの通訳でいきなり本題に入る。
アールは喉元を触ったり、ルカに撃たれた肩を触ったりしてから言った。
「どうやら竜は傷の治りが早いのかもしれない。」
その言葉にラムは眉を潜めた。
「でもアールって傷の治り普通だった気が」
「元々封印が解かれつつあった。」
とアールが言うのでみんなは驚く。
「え!それってやばくない!?」
「大丈夫だ。
奴の血を奪ってやったところで封印し直した。」
それを聞いたリートは目を丸くした。
「そんな事できるの?」
「竜の力が解除されると、同時に魔法力も上がる。
上がった魔法力で再び封じた。
竜の力も、姿も、父の意識も、全て。」
みんなが関心していると、更にアールは言った。
「私が防御魔法を得意としている事は知っているだろう?
…私の母親がかけた封印。
息子である私がかけられないはずはないだろう?」
みんなは納得した。
それをずっと黙って聞いていたルネアはいきなり喋る。
「アールさんやばいです!すごいです!
怖くて怖くて夜も寝れない気もしたんですが怖いです!あれ?」
と、とんちんかんな事を言い始めたルネア。
アールはルネアを見つつ、眉を潜める。
「相当怖かったんだな。」
みんなはそれに大笑いする。
ルネアは恥ずかしくなった。
「だって本当に怖いんですもん~!
目の前でアールさんが血だらけに…あ、吐ぎそう…」
そう言うと、みんなは笑うのをやめて慌て始めた。
ラムはテノと共にルネアは支えながら言う。
「児童園!児童園までの距離は!?」
「遠いな。」
とアールは冷静に言う。
ノノは笑顔で言う。
「仕方ない…私が連れて行こう」
そう言って翼を広げると、ルネアを抱き抱えて連れて行った。
「待ってこれも吐きそ…」
とルネアの声が聞こえる。
みんなは苦笑いだった。
せめて上から落とさないでくれ。
これぞ、みんなの願い。
ノノは関係なしに飛んでいった。
テノはアールに聞いた。
「アルにゃん。竜の封印して良かったのか?
飛べないし、強くもなれないぜ?」
「力は求めていない。空も飛べなくてもいい。
みんなに再び被害が及ぶよりマシだ。」
「自制すりゃいいじゃん」
テノが呟くと、アールは無理矢理言う。
「人として生きたい。」
周りは微妙な反応をしていると、アールはふとレイの事を思い出す。
「レイのところに行ってくる。」
「場所知っとるのか?」
上空からノノが聞くと、アールは言った。
「契約……したからな。」
そう言って走り去ってしまった。
みんなは驚く。
「え、まさかアールさんレイさんに無理矢理…!?」
ルネアが言うと、ラムは苦笑していた。
「いや、今度は同意上だろ。」
更にはテノはツッコミを入れた。
「おい、これじゃ人として生きてねぇ」
それに対し、テナーは苦笑いをしていた。
アールは走ってレイの元に来た。
「あら、アールさん。よくわかったわね。
あ、そうね、契約のせいかしら」
アールは頷いてから、レイに手を伸ばした。
「さあ、帰ろう。」
レイは黙ってその手を見ている。
敬語を変えるだけで、こんなに親近感が湧くのかと思う。
一気に距離が詰められたと、嬉しく思うレイ。
「レイ?」
アールが呼ぶと、レイは嬉しくてアールに飛びついた。
「大好き!アールさん。」
アールは突然で驚いたが、暫く黙ってから言った。
「…私も、友達程度なら。」
それを聞いたレイは少しムッとした。
「あら契約したでしょ。私達は結婚したとも同然よ。
アールさん、結婚するなら子供が三人欲しいって言ってたじゃない。」
それを聞くと、アールはそっぽ向きながら言う。
「その理屈で行くと私は既にバツイチではないか。
それに子供は竜と人間じゃできない。」
「そんなの嘘よ、だったらアールさんなんて存在しないもの。」
「できないと言ったらできない。させない。」
「させる!」
レイが笑顔で言うと、アールはある事に気づいたのか蒼白した。
「わざと命令するのはやめてほしい。」
それに対し、レイは笑ってしまった。
二人は二人で仲が良さそうだ。
アールとレイは森を歩きながら会話をしている。
「ああ…あの男はイーだったのか…。」
とアールは呟いた。
レイが頷くと、アールは言った。
「私が物心ついた時には既にいて、出かける時はいつも遊びに来ていたな。
自分が竜だと知って以来、急に親近感が湧いて。
いつか目的を果たしたら、こんな魔物のいる場所ではなくて、
もっと他の生物と暮らせるところへ連れて行きたかった…。
恩を着せられたな…。」
その言葉に、少しレイはイーに嫉妬する。
「アールさんの用が全て済んだら、私の故郷に引っ越しましょう!」
レイは突然そんな事を言う。
アールは呆れた表情になるのであった。
(竜にも嫉妬するのか…)
ルネアはやっと児童園前に着く。
「待って…吐きそう…あれ?治った!治りましたぁ!」
ルネアは感嘆の声をあげる。
ノノは扉を開けた。
ルネアもルンルンで入ろうと思ったその時、背後から男性の声が。
「ギプスしてるわりゃ元気な足だなぁ」
聞いた事のある声。
その声を聞いた瞬間、ルネアは真っ青になった。
そう、ベスドマグだった。
0
あなたにおすすめの小説
無能妃候補は辞退したい
水綴(ミツヅリ)
ファンタジー
貴族の嗜み・教養がとにかく身に付かず、社交会にも出してもらえない無能侯爵令嬢メイヴィス・ラングラーは、死んだ姉の代わりに15歳で王太子妃候補として王宮へ迎え入れられる。
しかし王太子サイラスには周囲から正妃最有力候補と囁かれる公爵令嬢クリスタがおり、王太子妃候補とは名ばかりの茶番レース。
帰る場所のないメイヴィスは、サイラスとクリスタが正式に婚約を発表する3年後までひっそりと王宮で過ごすことに。
誰もが不出来な自分を見下す中、誰とも関わりたくないメイヴィスはサイラスとも他の王太子妃候補たちとも距離を取るが……。
果たしてメイヴィスは王宮を出られるのか?
誰にも愛されないひとりぼっちの無気力令嬢が愛を得るまでの話。
この作品は「小説家になろう」「カクヨム」にも掲載しています。
『婚約破棄された悪役令嬢ですが、嫁ぎ先で“連れ子三人”の母になりました ~三人の「ママ」が聞けるまで、私は絶対に逃げません~』
放浪人
恋愛
「母はいりません」と拒絶された悪役令嬢が、最強の“ママ”になるまでの物語。
「君のような可愛げのない女は、王妃にふさわしくない」
身に覚えのない罪で婚約破棄され、“悪役令嬢”の汚名を着せられたクラリス。 彼女が新たに嫁いだのは、北方の辺境を守る「氷の公爵」ことレオンハルト・フォン・グレイフだった。
冷え切った屋敷で彼女を待っていたのは、無表情な夫と、心に傷を負った三人の連れ子たち。 「僕たちに、母はいりません」 初対面で突きつけられた三つの拒絶。しかし、クラリスは諦めなかった。
「称号はいりません。私が欲しいのは――あなたたち三人の『ママ』になれる日だけです」
得意の生活魔法『灯(ともしび)』で凍えた部屋を温め、『鎮(しずめ)』の歌で夜泣きを癒やし、家政手腕で荒れた食卓を立て直す。 クラリスの献身的な愛情は、頑なだった子供たちの心を解きほぐし、やがて不器用な夫の氷の心さえも熱く溶かしていく。
これは、不遇な悪役令嬢が「最強の母」となり、家族を脅かす元婚約者や魔獣たちを華麗に撃退し、最愛の家族から「ママ」と呼ばれるその日までを綴った物語。
屈辱と愛情
守 秀斗
恋愛
最近、夫の態度がおかしいと思っている妻の名和志穂。25才。仕事で疲れているのかとそっとしておいたのだが、一か月もベッドで抱いてくれない。思い切って、夫に聞いてみると意外な事を言われてしまうのだが……。
救世の結界師マールちゃん~無能だと廃棄されましたが、敵国で傭兵のおっさん達に餌付けされてるので、今さら必要と言われても戻りません~
ぽんぽこ@3/28新作発売!!
ファンタジー
「ウチの子、可愛いうえに最強すぎるんだが――!?」
魔の森の隣、辺境伯家。 そこで八歳のメイド・マールは、食事も与えられず“要らない人間”として扱われていた。
――そしてある日ついに、毒と魔獣の禁忌領域《魔の森》へ捨てられてしまう。
「ここ……どこ?」
現れた魔獣に襲われかけたその瞬間。
救いに現れたのは――敵国の”イケオジ”傭兵隊だった。
「ほら、食え」
「……いいの?」
焚き火のそばで差し出された“温かいお粥”は、マールに初めての「安心」と「ごはん」を教えてくれた。
行き場を失った幼女は、強面のおじさん傭兵たちに餌付けされ、守られ、少しずつ笑えるようになる―― そんなシナリオだったはずなのに。
旅の途中、マールは無意識に結界を張り、猛毒の果実を「安全な食べ物」に変えてしまう。
「これもおいしいよ、おじさん!食べて食べて!」
「ウチの子は天才か!?」
ただ食べたいだけ。 だけどその力は、国境も常識もくつがえす。
これは、捨てられた欠食幼女が、敵国でお腹いっぱい幸せになりながら、秘められた力で世界を巻き込んでいく物語。
※若干の百合風味を含みます。
王女様は聖女様?おてんば姫の大冒険~ペットのドラゴンが迷子なので冒険者になって探しに行きます!~
しましまにゃんこ
ファンタジー
アリシア王国の第3王女ティアラ姫には誰にも言えない秘密があった。
それは自分が全属性の魔力を持ち、最強のチート能力を持っていた「建国の賢者アリシア」の生まれ変わりであること!
8才の誕生日を境に前世の記憶を取り戻したものの、500年後に転生したことを知って慌てる。なぜなら死の直前、パートナーのドラゴンに必ず生まれ変わって会いにいくと約束したから。
どこにいてもきっとわかる!と豪語したものの、肝心のドラゴンの気配を感じることができない。全属性の魔力は受け継いだものの、かつての力に比べて圧倒的に弱くなっていたのだ!
「500年……長い。いや、でも、ドラゴンだし。きっと生きてる、よね?待ってて。約束通りきっと会いにいくから!」
かつての力を取り戻しつつ、チートな魔法で大活躍!愛する家族と優しい婚約者候補、可愛い獣人たちに囲まれた穏やかで平和な日々。
しかし、かつての母国が各国に向けて宣戦布告したことにより、少しずつ世界の平和が脅かされていく。
「今度こそ、私が世界を救って見せる!」
失われたドラゴンと世界の破滅を防ぐため、ティアラ姫の冒険の旅が今、始まる!
剣と魔法が織りなすファンタジーの世界で、アリシア王国第3王女として生まれ変わったかつての賢者が巻き起こす、愛と成長と冒険の物語です。
イケメン王子たちとの甘い恋の行方もお見逃しなく。
小説家になろう、カクヨムさま他サイトでも投稿しています。
中身は80歳のおばあちゃんですが、異世界でイケオジ伯爵に溺愛されています
浅水シマ
ファンタジー
【完結しました】
ーー人生まさかの二週目。しかもお相手は年下イケオジ伯爵!?
激動の時代を生き、八十歳でその生涯を終えた早川百合子。
目を覚ますと、そこは異世界。しかも、彼女は公爵家令嬢“エマ”として新たな人生を歩むことに。
もう恋愛なんて……と思っていた矢先、彼女の前に現れたのは、渋くて穏やかなイケオジ伯爵・セイルだった。
セイルはエマに心から優しく、どこまでも真摯。
戸惑いながらも、エマは少しずつ彼に惹かれていく。
けれど、中身は人生80年分の知識と経験を持つ元おばあちゃん。
「乙女のときめき」にはとっくに卒業したはずなのに――どうしてこの人といると、胸がこんなに苦しいの?
これは、中身おばあちゃん×イケオジ伯爵の、
ちょっと不思議で切ない、恋と家族の物語。
※小説家になろうにも掲載中です。
アガルタ・クライシス ―接点―
来栖とむ
SF
神話や物語で語られる異世界は、空想上の世界ではなかった。
九州で発見され盗難された古代の石板には、異世界につながる何かが記されていた。
同時に発見された古い指輪に偶然触れた瞬間、平凡な高校生・結衣は不思議な力に目覚める。
不審な動きをする他国の艦船と怪しい組織。そんな中、異世界からの来訪者が現れる。政府の秘密組織も行動を開始する。
古代から権力者たちによって秘密にされてきた異世界との関係。地球とアガルタ、二つの世界を巻き込む陰謀の渦中で、古代の謎が解き明かされていく。
悪役令嬢になるのも面倒なので、冒険にでかけます
綾月百花
ファンタジー
リリーには幼い頃に決められた王子の婚約者がいたが、その婚約者の誕生日パーティーで婚約者はミーネと入場し挨拶して歩きファーストダンスまで踊る始末。国王と王妃に謝られ、贈り物も準備されていると宥められるが、その贈り物のドレスまでミーネが着ていた。リリーは怒ってワインボトルを持ち、美しいドレスをワイン色に染め上げるが、ミーネもリリーのドレスの裾を踏みつけ、ワインボトルからボトボトと頭から濡らされた。相手は子爵令嬢、リリーは伯爵令嬢、位の違いに国王も黙ってはいられない。婚約者はそれでも、リリーの肩を持たず、リリーは国王に婚約破棄をして欲しいと直訴する。それ受け入れられ、リリーは清々した。婚約破棄が完全に決まった後、リリーは深夜に家を飛び出し笛を吹く。会いたかったビエントに会えた。過ごすうちもっと好きになる。必死で練習した飛行魔法とささやかな攻撃魔法を身につけ、リリーは今度は自分からビエントに会いに行こうと家出をして旅を始めた。旅の途中の魔物の森で魔物に襲われ、リリーは自分の未熟さに気付き、国営の騎士団に入り、魔物狩りを始めた。最終目的はダンジョンの攻略。悪役令嬢と魔物退治、ダンジョン攻略等を混ぜてみました。メインはリリーが王妃になるまでのシンデレラストーリーです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
