六音一揮

うてな

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4章 奇想組曲

第64音 合縁奇縁

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【合縁奇縁】あいえんきえん
不思議な巡り合わせの縁。

===========

ルネアは固まる。
東軍のベスドマグに元気なところを見られた。
と言う事は、戦争に連れて行かれる。
ベスドマグはニッコリ笑って言った。

「オメェも面白いヤツだなぁ」

その言葉に更に固まってしまうルネア。

「何の用ですか?」

とノノは聞く。
それにベスドマグは言った。

「おう。お前と、アールと、ラムに用がある」

ルネアは冷や汗をかく。
なぜかと言うと、三人共魔法を使った、使える人だからだ。
そこに、アールとレイが帰ってきた。

「…ベスドマグ隊長。」

アールは言った。

「おう、お前ちょっと表情が軽くなったんじゃねぇか?
よし、お前等でいいか。来い」

そう言って児童園に入っていくベスドマグ。

「わあ勝手に~」

ムスっとするルネア。
二人はベスドマグの方へ向かってしまう。
ルネアの事は無視のようだった。



ベスドマグ達は応接室に再び入る。

「今回は魔法をかけなくても?」

アールが聞くと、ベスドマグは「別にいらない」と言った。
二人を座らせると、ベスドマグは言った。

「お前達、魔法を使っていたの見られてたぞ?」

アールは少し黙っている。
するとノノは言った。

「処刑かの?」

「…多分…。」

そんな二人を見て、ベスドマグは笑った。

「安心しろ。お前達は処刑にならない。
なぜならばな、お前達が魔法を使う数日前、
魔法を使った者の処刑法を廃止したばかりだからなぁ。
でも、今回の本拠地破壊でまた考えられてるみたいだ。
まあ、俺が止めてみせるさ~」

ベスドマグはそう言った。
そこでアールは聞く。

「貴男は何を考えているんですか?
魔法戦争で、戦争を早く終わらせようとしている様に見えるのですが。」

ベスドマグは少し驚いた表情をしてから言った。

「ああ、それはな。…俺には妻子がいるからな。
妻子は西軍側に住んでいてよ。
領土を取られて帰ってこないまま。
生きてるのかもわからない。…だから知りたいんだ。
ここまで昇るのも大変だったんだぞ?」

それを聞いたアールは「そうですか…。」と呟いた。
ノノは笑顔でベスドマグに言った。

「と言う事は戦争を終わらせたい同士ですね!
アール!仲間が増えたぞ!」

アールは溜息をついた。

「だから早くケリをつけたい…んですね。」

「そう言うこったぁ。
まあ魔法戦争が始まるまで、戦争も中断だぁ。
魔法勢力を集めたり強化する時間が必要だからな。
言いたいのは魔法の強化をよろしくってわけよ。
じゃあな、他にもよろしくよ。」

そうベスドマグは言って、部屋を出ていこうとする。
するとまめきちが扉を開けてきて、ベスドマグは驚く。

「あんたよぉ。この前もこうじゃなかったか?」

ベスドマグが聞くと、まめきちはベスドマグを放置。
すぐにアールの方へ向かった。

「アール!…大丈夫みたいだ…」

アールはまめきちを見て、いつも通り冷たく言った。

「はい。残念ながら生きて帰りました。」

「そうじゃなくてね…」

ベスドマグはそれを眺めており、そのまま帰っていった。
するとルネアが扉から顔を見せて、まめきちを呼ぶ。

「まめきちさん!」

まめきちは気づいて振り向くと、更に他のパートリーダー達も顔を出していた。

『説明!』

と、みんなは一斉に言ってきた。
アールは疑問符を浮かべていたが、まめきちは溜息。

「みんなここに入りなさい」



まめきちは陽の光の当たらない場所に行って話す。

「あまり長話は好きじゃないから簡潔にいくよ」

一同が頷くと、まめきちは話し始めた。

「まず、アールの父である青龍は、ある星に住んでいて、
仲間の裏切りにあって殺され、復活して星を滅ぼした。
それは子孫も同じでね。
だからその血を引くアールは、絶対に死んじゃダメね。」

アールは真顔でそれを聞いていた。
それからアールは呟く。

「生き地獄…」

「なんでそういう暗い話に持っていく!?」

とまめきちは言ったが、やがて落ち着いて話を続けた。

「最初に私の正体について話すが、私は魔物だ。」

それを聞くと、一同は驚いた。
それと同時に、ペルドの事を思い出したのか一部の児童が震えた。
まめきちは微妙な反応を見せたが、それから咳払いをした。

「私は魔物だが、知能は人と同じ。つまりは感情も人と同じくらい感じる。」

するとアールは言った。

「だったら私や姉さんを突き放したりしないでください。」

その言葉にシナはギクッとすると、まめきちは頭を抱えた。
まめきちは一瞬だけシナを見るが、アールに言った。

「竜は直情的になると厄介になる生き物なんだ。
だからあまりそういう子供には育てたくなかった。」

それを聞くと、アールは舌打ちをする。

「その程度で…今まで私を…私を…」

まめきちへの恨みをフツフツとさせるアール。
一同は愛想笑いを見せていた。
今までは恨みの感情も抑えていたアールが、皆の前で普通に見せている。
皆は新鮮な気持ちだった。
まめきちは続けた。

「私はまた別の魔物の星に住んでいてね。
その星は、君の父が滅ぼしてしまったんだ。」

その話を聞くと、アールは顔を上げてまめきちを見た。
まめきちは切ない表情を見せながらも続ける。

「私のたった一人の兄が殺されてしまった。
私はアールには恨みはないが、君の父親を沢山恨んではいるね。」

一同はそれに沈黙した。
勿論アールも、さっきまでの威勢を失った。
まめきちはそれも気にせずに話す。

「そしてヤツには息子がいたと、物知りな大親友が教えてくれたんだ。」

そう言うと、まめきちは拳を握った。

「私はヤツを許せなかった。たった一人の家族を奪ったヤツを。
ヤツに子供がいるって事を知って、探しに行った。
探しに行くんだが………」

急にまめきちの言葉が詰まる。

「どうしたんです?」

ルネアが聞くと、まめきちは俯きながら言った。

「いや、これは私が児童園を始めたキッカケでね。
ちょっと、シナの話も入るんだ。それでもいいかい?」

シナは驚く。
まさかここで自分の話が入るのだ。

「い…いいわよ!」

とシナは言った。
それを聞くと、まめきちは深く頷いた。
そして、まめきちは続きを話すのであった。



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