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6章 行進変奏
第87音 堅忍果決
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【堅忍果決】けんにんかけつ
強い意志で耐え忍び、
一旦決めると思い切って断行する事。
================
アールは改めて、レイと共に地上を空から見てみる。
ボロボロになった本拠地、一部は歪に落ち、マグマに飲まれる。
大きな歪がクモの巣を張るように広がっている。
真夜中なのに、マグマの熱の色で街の様子が見える。
とは言っても、黒い煙があって綺麗に見える訳ではない。
避難する者、諦める者、何をしているかわからない者もいる。
児童園近くの森も沢山茂って敷き詰められていたのに、
崩れ、一部ぽっかり空いてしまっていた。
サグズィの地は下がりつつあり、今でも崩れそうだった。
本拠地に輝き溢れる光。
あそこにラムがいるのだとアールは確信する。
アールは図書館を見た。
図書館でルネアの声が聞こえたからだ。
アールはそちらに向かって飛ぶ。
ルネアは空をボーッと見ていると、「あ!アールさん!」と言って手を振った。
それから一つ気づく。
「何で竜の翼なんですか!!?」
更にグランもアールを見て驚いた。
アールは屋上に降り立つと、レイを降ろしてルネアに近づく。
「えっと、アールさん?なんで竜なんです?」
「話はこれが終わってからだ。今はお前に望みを託したい。」
アールはそう言ってルネアの腕を掴んだ。
ルネアは「げっ」と驚いて慌てた。
「何何何をしに行くんですか?」
「ラムを起こしてきてほしい。」
それを聞くなり首を横に振って言う。
「待って、それってアールさんの仕事でしょ!
以前ラムが分身を出しちゃった時だって…!」
「お前はラムの親友なんだろう?いや、友達以上なんだろう?」
アールに言われたので、ルネアは目を丸くした。
アールは少し黙ってから言う。
「ラムを起こせるのはラムにとって、本当に信頼できる者だけ。
お前ならいける気がするんだ。
理由は聞くな、面倒だ。」
アールは少し表情を暗くして言ったのだが、ルネアは俯いて言った。
「…自信ないです…」
それにアールは首根っこを掴んだ。
「自信は己でつけろ。
…お前が堂々としないと相手も困るだろう…。」
すると、ルネアはそれを払って言った。
「何でアールさんは駄目なんですか!?」
アールは眉を潜めてから言った。
「欲しいなら全力で奪え、相手に気を使うな。
いいか、お前はラムに選ばれる事だけを考えていろ。」
その必死な瞳、真っ直ぐに見つめる熱い視線にルネアは驚いた。
ルネアはその事について考えてみる。
自信がない。
そう言えば、ラムの前でも近しい事を以前言った記憶があった。
あの時はラムも手伝うと言ってくれたが、今回はそのラムが危険にさらされている。
では今は、アールが手伝うのか。
それとも、自分がアールを手伝うのだろうか。
そこに大魔導師が笑ってから言った。
「話はじきわかる。だから今は行ってきた方がいい。
…彼の想いを無駄にしないで欲しいな。」
その言葉にルネアは、何か意味があるのだと頷いた。
アールは一瞬、大魔導師に目をやったが、ルネアの服を掴んで言う。
「行くぞ。」
そう言って飛び立った。
ルネアは「あわわわ」と焦っていた。
それを見上げながらもグランは「ほー」と感心していた。
レイは屋上に残り、無事を祈るように目を瞑っていた。
ルネアは空を飛んでいると、ノノに運ばれて飛んだ事思い出しアールに聞いてみた。
「アールさんよく飛べますね。」
「何が言いたいんだ?」
「何でもないです。」
アールの飛行は意外と早く、
服はバサバサ言うし、髪の毛も飛んでいく気がしてしまう。
焼け焦げた匂いが煙と共に巻き上がってくる。
暫くすると、本拠地上空に着いた。
あの漏れるほど輝くあの光はラムなのだろうか。
遠くから見ていても凄いとは思ったが、近くに来ると怖いくらいだった。
「ここに…僕が?」
アールはルネアを見て、「勿論だ。」と言って降ろされた。
ラムのいる部屋の前に下ろされる。
廊下らしき場所は、崩れきっていて廃墟のようだ。
するとアールはすぐさま飛ぶ。
ルネアはその姿に驚いて声をかけた。
「アールさん!どこ行くの!?」
アールは振り向いて言う。
「このままだとサグズィが崩れて、じきに地上にも被害が出る。
私はそれを止めに行くだけだ。」
そう言って、そのまま飛び去って行ってしまった。
ルネアは冷や汗ながらも思う。
(危険な事じゃないよね…)
部屋に踏み出そうとしたが、魔法の壁があって入れない。
拒まれてしまうのだ。
(え!?嘘。入れない…どうしよう……)
ルネアは黙って考え込むのであった。
アールは急いでサグズィの力の中心部に来た。
降り立ってみると微かに円盤を描くような、小さな光達が集まっていた。
それを見るなりアールは不意に笑みがこぼれた。
(やっぱり…ラムはルネアの方が…。)
そう思いつつ、今はそんな場合ではないと思った。
ラムは自分を想わず、ルネアに信頼をおいた。
ラムの避けようとしている態度は端から気づいていた。
いや、考えるのは止めにしよう。
極点守護の魔法のかけ方。
ここまで大きな守護魔法をかける為、この中心部の力も借りなければ成功はできない。
しかし中心部の力あまり使うと、力を失くしてサグズィが崩れ去る可能性が。
少なくとも一ヶ月弱は残すべきだろうと思った。
歌の練習、歌を最後にラムと歌う為に。
ラムを封印するまでの間を少しでも増やしたい。
できるだけ自分の力を使って守護し、できないと思った分はここの力を御裾分けしてもらう事に。
アールは深く深呼吸する。
すると、彼に強力な力が漂うように渦巻き始める。
この地や天に張り巡らされた魔法を覆うように働きかけ、途切れかけた魔法を繋ぐように修復をかける。
未経験の技だが、ここはもう感覚でいくしかない。
ラムの魔法の暴走でサグズィの魔法が不安定化している。
完全にラムの暴走は、この地上を破壊にかかっている。
異常に力を使うので、アールは気が遠くなりそうだ。
頭の一点がポーっとするような感覚がする。
ここで気を抜いたら、この努力は水の泡だ。
耐えて流す、耐えて流すの繰り返し。
これを地の魔法が安定するまで続けるのだ。
アールは力の限界が来て、ふと力の中心に触れてみた。
すると、誰かの長い記憶が流れる。
愛する男性の出会い、家族と共に過ごす日々。
その中には、以前アールとレイが出会ったシンヤがいた。
シンヤとシンヤによく似た少年と、もう一人自分のように無愛想な少年。
隣には男性と、金髪の女性。
やがて記憶の持ち主と男性は結ばれる。
しかし、その平和な日常は一瞬にして一変した。
男性は厄災の力で消えてしまい、記憶の持ち主は最愛の人を失う。
最愛の人だけを想い、記憶の持ち主は呆然と過ごしていた。
これはここを作った者の記憶だろうか。
そこには占い師の姿も映っていた。
次は、よく知った記憶が流れた。
アールと共に遊んだり、後ろを追いかける思い出。
これはきっとラムの記憶。
始終映る自分は、自分でも驚くくらい表情に乏しい。
徐々に成長していく自分が映る。
それに伴い徐々に表情が暗くなる。
記憶の何もかもが懐かしく、思わず拳を握ってしまうアール。
全てを見たような気がするが、あまり覚えていない気もする。
気づくと、周辺に優しい光が地面から上がっていた。
その光が幾つかの波紋となって地面を沿ってサグズィ全体にに広がっていく。
空を包む優しい光が広がるのだった。
それを図書館から見ているグラン。
レイはアールがやったんだと思い目を見開く。
大魔導師と占い師は笑顔だった。
歪を避けつつ飛び越えるベスドマグは、大地の光に気づいて空を見上げた。
「アイツやりやがった…」
ニヤリと笑うベスドマグ。
抱えられている兵士もガッツポーズした。
一方ノノの方では。
ノノ達は地面を見て驚くが、
テノがその光の波紋を追いかけようとするが、何度挑戦しても早すぎて追いつけない。
まめきちの方では。
まめきちはそれに驚く。
「一体誰が…」
「揺れが止まった…」
ユネイもそう呟いた。
そして次はダニエルの方。
ダニエル等は児童を数十人連れて、光の波紋を眩しく見つめた。
「あら、優しい光」
「こんな恐ろしい事態に神現れた系?」
ルカが言うと、ツウは笑っていた。
そしてルネアの方では。
ルネアは進めなくて困っていると、その光に感激。
「綺麗~」と目を輝かせて見ていると、ラムの力に少し反応が出たので驚いた。
(まさかあの中心から…)
ルネアは森の方向を真っ直ぐ見つめ、進み始めるのであった。
安定した地の魔法の流れ。
揺れは止まり、なんとか成功したようだった。
アールは体全体の力が抜けそうになるが、ここで倒れてはいけない。
この魔法もいつ切れるかわからない。
アールは空を飛び、ルネアの元へ向かう。
この地の様子だとまだラムの暴走は止まっていない。
それならば急いでルネアの元に行き、彼を全力でサポートしなければと飛んでいった。
ルネアは光の波紋が止むと、拒まれる壁に向かいながらも改めてどうすれば良いかを考えようとした。
こんなに相手を想っていても伝わらない。
まず、自分はラムの事を本当に想っているのだろうか。
確かに好きだと言ったが、それは本当の心だろうか。
と、考えたくはなるが、現実は現実。
どんなに拒まれても、自分は自分の心を認めなければ。
(僕は怖がりで堂々としてないからな。
勇気が足りない…)
心配になるルネア。
ルネアが溜息をつくと、空の向こうからルネアを呼ぶ声がした。
そう、それはアールの声だった。
強い意志で耐え忍び、
一旦決めると思い切って断行する事。
================
アールは改めて、レイと共に地上を空から見てみる。
ボロボロになった本拠地、一部は歪に落ち、マグマに飲まれる。
大きな歪がクモの巣を張るように広がっている。
真夜中なのに、マグマの熱の色で街の様子が見える。
とは言っても、黒い煙があって綺麗に見える訳ではない。
避難する者、諦める者、何をしているかわからない者もいる。
児童園近くの森も沢山茂って敷き詰められていたのに、
崩れ、一部ぽっかり空いてしまっていた。
サグズィの地は下がりつつあり、今でも崩れそうだった。
本拠地に輝き溢れる光。
あそこにラムがいるのだとアールは確信する。
アールは図書館を見た。
図書館でルネアの声が聞こえたからだ。
アールはそちらに向かって飛ぶ。
ルネアは空をボーッと見ていると、「あ!アールさん!」と言って手を振った。
それから一つ気づく。
「何で竜の翼なんですか!!?」
更にグランもアールを見て驚いた。
アールは屋上に降り立つと、レイを降ろしてルネアに近づく。
「えっと、アールさん?なんで竜なんです?」
「話はこれが終わってからだ。今はお前に望みを託したい。」
アールはそう言ってルネアの腕を掴んだ。
ルネアは「げっ」と驚いて慌てた。
「何何何をしに行くんですか?」
「ラムを起こしてきてほしい。」
それを聞くなり首を横に振って言う。
「待って、それってアールさんの仕事でしょ!
以前ラムが分身を出しちゃった時だって…!」
「お前はラムの親友なんだろう?いや、友達以上なんだろう?」
アールに言われたので、ルネアは目を丸くした。
アールは少し黙ってから言う。
「ラムを起こせるのはラムにとって、本当に信頼できる者だけ。
お前ならいける気がするんだ。
理由は聞くな、面倒だ。」
アールは少し表情を暗くして言ったのだが、ルネアは俯いて言った。
「…自信ないです…」
それにアールは首根っこを掴んだ。
「自信は己でつけろ。
…お前が堂々としないと相手も困るだろう…。」
すると、ルネアはそれを払って言った。
「何でアールさんは駄目なんですか!?」
アールは眉を潜めてから言った。
「欲しいなら全力で奪え、相手に気を使うな。
いいか、お前はラムに選ばれる事だけを考えていろ。」
その必死な瞳、真っ直ぐに見つめる熱い視線にルネアは驚いた。
ルネアはその事について考えてみる。
自信がない。
そう言えば、ラムの前でも近しい事を以前言った記憶があった。
あの時はラムも手伝うと言ってくれたが、今回はそのラムが危険にさらされている。
では今は、アールが手伝うのか。
それとも、自分がアールを手伝うのだろうか。
そこに大魔導師が笑ってから言った。
「話はじきわかる。だから今は行ってきた方がいい。
…彼の想いを無駄にしないで欲しいな。」
その言葉にルネアは、何か意味があるのだと頷いた。
アールは一瞬、大魔導師に目をやったが、ルネアの服を掴んで言う。
「行くぞ。」
そう言って飛び立った。
ルネアは「あわわわ」と焦っていた。
それを見上げながらもグランは「ほー」と感心していた。
レイは屋上に残り、無事を祈るように目を瞑っていた。
ルネアは空を飛んでいると、ノノに運ばれて飛んだ事思い出しアールに聞いてみた。
「アールさんよく飛べますね。」
「何が言いたいんだ?」
「何でもないです。」
アールの飛行は意外と早く、
服はバサバサ言うし、髪の毛も飛んでいく気がしてしまう。
焼け焦げた匂いが煙と共に巻き上がってくる。
暫くすると、本拠地上空に着いた。
あの漏れるほど輝くあの光はラムなのだろうか。
遠くから見ていても凄いとは思ったが、近くに来ると怖いくらいだった。
「ここに…僕が?」
アールはルネアを見て、「勿論だ。」と言って降ろされた。
ラムのいる部屋の前に下ろされる。
廊下らしき場所は、崩れきっていて廃墟のようだ。
するとアールはすぐさま飛ぶ。
ルネアはその姿に驚いて声をかけた。
「アールさん!どこ行くの!?」
アールは振り向いて言う。
「このままだとサグズィが崩れて、じきに地上にも被害が出る。
私はそれを止めに行くだけだ。」
そう言って、そのまま飛び去って行ってしまった。
ルネアは冷や汗ながらも思う。
(危険な事じゃないよね…)
部屋に踏み出そうとしたが、魔法の壁があって入れない。
拒まれてしまうのだ。
(え!?嘘。入れない…どうしよう……)
ルネアは黙って考え込むのであった。
アールは急いでサグズィの力の中心部に来た。
降り立ってみると微かに円盤を描くような、小さな光達が集まっていた。
それを見るなりアールは不意に笑みがこぼれた。
(やっぱり…ラムはルネアの方が…。)
そう思いつつ、今はそんな場合ではないと思った。
ラムは自分を想わず、ルネアに信頼をおいた。
ラムの避けようとしている態度は端から気づいていた。
いや、考えるのは止めにしよう。
極点守護の魔法のかけ方。
ここまで大きな守護魔法をかける為、この中心部の力も借りなければ成功はできない。
しかし中心部の力あまり使うと、力を失くしてサグズィが崩れ去る可能性が。
少なくとも一ヶ月弱は残すべきだろうと思った。
歌の練習、歌を最後にラムと歌う為に。
ラムを封印するまでの間を少しでも増やしたい。
できるだけ自分の力を使って守護し、できないと思った分はここの力を御裾分けしてもらう事に。
アールは深く深呼吸する。
すると、彼に強力な力が漂うように渦巻き始める。
この地や天に張り巡らされた魔法を覆うように働きかけ、途切れかけた魔法を繋ぐように修復をかける。
未経験の技だが、ここはもう感覚でいくしかない。
ラムの魔法の暴走でサグズィの魔法が不安定化している。
完全にラムの暴走は、この地上を破壊にかかっている。
異常に力を使うので、アールは気が遠くなりそうだ。
頭の一点がポーっとするような感覚がする。
ここで気を抜いたら、この努力は水の泡だ。
耐えて流す、耐えて流すの繰り返し。
これを地の魔法が安定するまで続けるのだ。
アールは力の限界が来て、ふと力の中心に触れてみた。
すると、誰かの長い記憶が流れる。
愛する男性の出会い、家族と共に過ごす日々。
その中には、以前アールとレイが出会ったシンヤがいた。
シンヤとシンヤによく似た少年と、もう一人自分のように無愛想な少年。
隣には男性と、金髪の女性。
やがて記憶の持ち主と男性は結ばれる。
しかし、その平和な日常は一瞬にして一変した。
男性は厄災の力で消えてしまい、記憶の持ち主は最愛の人を失う。
最愛の人だけを想い、記憶の持ち主は呆然と過ごしていた。
これはここを作った者の記憶だろうか。
そこには占い師の姿も映っていた。
次は、よく知った記憶が流れた。
アールと共に遊んだり、後ろを追いかける思い出。
これはきっとラムの記憶。
始終映る自分は、自分でも驚くくらい表情に乏しい。
徐々に成長していく自分が映る。
それに伴い徐々に表情が暗くなる。
記憶の何もかもが懐かしく、思わず拳を握ってしまうアール。
全てを見たような気がするが、あまり覚えていない気もする。
気づくと、周辺に優しい光が地面から上がっていた。
その光が幾つかの波紋となって地面を沿ってサグズィ全体にに広がっていく。
空を包む優しい光が広がるのだった。
それを図書館から見ているグラン。
レイはアールがやったんだと思い目を見開く。
大魔導師と占い師は笑顔だった。
歪を避けつつ飛び越えるベスドマグは、大地の光に気づいて空を見上げた。
「アイツやりやがった…」
ニヤリと笑うベスドマグ。
抱えられている兵士もガッツポーズした。
一方ノノの方では。
ノノ達は地面を見て驚くが、
テノがその光の波紋を追いかけようとするが、何度挑戦しても早すぎて追いつけない。
まめきちの方では。
まめきちはそれに驚く。
「一体誰が…」
「揺れが止まった…」
ユネイもそう呟いた。
そして次はダニエルの方。
ダニエル等は児童を数十人連れて、光の波紋を眩しく見つめた。
「あら、優しい光」
「こんな恐ろしい事態に神現れた系?」
ルカが言うと、ツウは笑っていた。
そしてルネアの方では。
ルネアは進めなくて困っていると、その光に感激。
「綺麗~」と目を輝かせて見ていると、ラムの力に少し反応が出たので驚いた。
(まさかあの中心から…)
ルネアは森の方向を真っ直ぐ見つめ、進み始めるのであった。
安定した地の魔法の流れ。
揺れは止まり、なんとか成功したようだった。
アールは体全体の力が抜けそうになるが、ここで倒れてはいけない。
この魔法もいつ切れるかわからない。
アールは空を飛び、ルネアの元へ向かう。
この地の様子だとまだラムの暴走は止まっていない。
それならば急いでルネアの元に行き、彼を全力でサポートしなければと飛んでいった。
ルネアは光の波紋が止むと、拒まれる壁に向かいながらも改めてどうすれば良いかを考えようとした。
こんなに相手を想っていても伝わらない。
まず、自分はラムの事を本当に想っているのだろうか。
確かに好きだと言ったが、それは本当の心だろうか。
と、考えたくはなるが、現実は現実。
どんなに拒まれても、自分は自分の心を認めなければ。
(僕は怖がりで堂々としてないからな。
勇気が足りない…)
心配になるルネア。
ルネアが溜息をつくと、空の向こうからルネアを呼ぶ声がした。
そう、それはアールの声だった。
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