相剋のドゥエット

うてな

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03 魔術科学園

027 試練の部屋。

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授業が終わり、早速フューレンはノルスの元へ。
アイナはフューレンにくっついて歩いていた。

「ノルス先生、ちょっといいですか。」

フューレンが珍しく畏まって話している。

「どうした?」

「先生はカオスリートって知ってますか?」

それを聞くと、ノルスは難しい顔をする。

「フューレン、理事長には会った事あるか?」

急な質問だったが、フューレンは日頃の恨みからか即答。

「ある。て言うかアイツがそのカオスリートを探してるんだ。見つけないと、故郷に帰してくれないみたいでな。」

「ほう…」

ノルスは興味深そうな顔をする。
アイナは話の意味が全くわからないのか、首を傾げるばかりであった。
ノルスはフューレンに提案した。

「では、今から理事長に会いに行こう。理事長は【試練の部屋】を超えた生徒にのみ、カオスリートの秘密を教えると言っている。」

「試練の部屋?」

「その名の通りだ。ただ、試練というほど辛い道のりではない。数十分ほどちょっとした腕試しをする部屋だ。」

それを聞くと、フューレンはすぐにやる気を出す。

「面白い、行こうじゃないか。」

ノルスはそれに頷くと、キリエルを呼ぼうと正面に座るキリエルを見た。
キリエルはまだ授業モードなのか、方陣を描いて何か召喚できるか試していた。
フューレンはキリエルに気づくと言う。

「召喚術に興味があるのか?キュースは。」

キリエルは突然呼ばれて驚いたのか、肩が跳ね上がった。
授業が終わっている事にやっと気づくと、キリエルは苦笑して言う。

「あ、もう終わってたんだ!えっとね、とっても興味あるよ。」

キリエルはそう言ったが、落ち込んだ顔で自分が描いた方陣を見つめていた。
ノルスはフューレンに言う。

「キュースは私の真似をしたいのか、召喚術に興味を示していてな。
なかなか上手くいかないみたいなんだ。」

「だって、お父さんみたいなエクソシストになりたい!」

キリエルは真摯な表情でノルスに言うと、ノルスは軽く溜息をついた。

「だったら召喚術だけに集中しなくてもいいだろう。自分の得意なものを見つけていけばいいものの。」

ノルスに言われ、膨れてしまうキリエル。
フューレンはキリエルに言った。

「俺、今から試練の部屋とかいう場所に行くから。先に帰っててくれ。」

それを聞いたキリエルは席を立って言う。

「なーにそれ、一人で帰りたくないよー。僕も行くよ!フューレン!」

キリエルがついていくと知ると、負けじとアイナが言った。

「私も!」

するとノルスは言う。

「フューレンがいいと言うなら二人共来てもいいだろう。一人で超えるには、少しキツいかもしれないからな。」

「馬鹿にするな、一人で行ける。」

フューレンはそう言うが、ノルスは首を横に振った。

「いいや、三人で行くんだ。学園に来てロクに経ってない生徒を一人行かせるわけにもならないからな。」

フューレンはまだ馬鹿にされていると思っているのか不機嫌な顔。
キリエルは苦笑する。

「まあまあフューレン!実際試練を超えたら、学園のどこに行き着くかわからないし。学園をよく知ってる人間がいた方が助かるよ。」

「…仕方ないな。」

こうしてフューレンとキリエルとアイナは、その試練の部屋に行く事となった。

試練の部屋は教室を出て、長く真っ直ぐな階段を暫く登った先の扉にある。
南京錠で固く閉じられており、謎の札までもが貼ってあった。

「この間を通れば理事長の元に行ける。健闘を祈るぞ。よーいスタート。」

淡々とスタートを切らせるノルス。
フューレンは目の前の閉ざされた扉を見て言った。

「こっからが試練かよ!」

そう言って札を確かめる為に一度触れようとするが、弾き返される。
触る事も許されないのだ。

「まあね。」

と言って先頭に出てきたのはキリエル。
キリエルは南京錠に手をかざすと、ペロリと舌を出す。
するとキリエルの手元が輝き、同時に南京錠の札も光りだした。

ビリビリと札が剥がれていくので、キリエルは魔術を唱える。

「【ルゼラー】!」

そう唱えると、札は一瞬にして燃え尽きた。
フューレンは思わず感心。

「封印の札を剥がせるんだな。」

「うん!得意中の得意だからね!」

キリエルは胸を張って言うと、アイナは面白くないのか膨れる。
するとアイナはキリエルを退かすと、アイナも扉の前に来た。

「私だって得意技あるわよ!」

そう言って、アイナは扉を思い切り蹴飛ばす。
かなり強い蹴りで、扉は開き、南京錠はその衝撃で壊される。

一同は驚きで呆然としていると、アイナも誇らしげに胸を張って「フン」と息をついていた。
フューレンは思わず呟く。

「魔女のくせに馬鹿力なのか。」

アイナはその言葉に再び膨れると、キリエルは慌てた様子で扉の先に足を踏み入れた。

「まあまあ、早く終わらせよ、ね?」

フューレンは承知したのか扉内に向かい、アイナはやはりフューレンにくっついて歩く。
ノルスは三人が行くのを見守りながら、扉を閉じるのであった。

試練の部屋は、長く狭い通路が続いていた。
壁も天井も青い石で作られている。
アイナはわざとらしくも、フューレンにくっついた。

「薄暗くて怖い~」

フューレンはそれを聞くと、手元に光を出す。

「これで少しはマシになったろ。」

「ありがと~!」

アイナは嬉しそうにしていた。
少し歩いた先に個室が繋がって見えたので、キリエルは小走りで部屋に向かう。

「お!部屋みっけ!」

フューレンも走って向かうと、そこは教会のような小部屋だった。
教会がそのまま小さくされたような、そんな部屋である。
正面には魔力階級を示す鏡と、鏡の正面に文字が彫られた石板があった。
その部屋には明かりがあったので、フューレンは灯していた光を消した。
キリエルはその石版を読む。

「『共鳴 を見つけ出せ。』って、えぇ!?」

キリエルは驚いたので、フューレンは意味を問う。

「共鳴を見つけるって、なんだ?」

「共鳴ってのは他者と自身の力の流れが一致している時に起こる、反応みたいなやつ!
でも共鳴なんて滅多に起こりやしない、人生で一度も経験しない人だって多いんだから!」

キリエルの解説を聞いて、アイナは考えつつも答えた。

「でも共鳴って、双方が互いの力に合わせる事でもできるって聞いたわ。とは言え、魔力階級の高い人しか扱えないって話だけどね。」

「魔力階級…」

フューレンはそう呟いて、ふと正面の鏡を見つめた。
フューレンの相変わらず白いオーラは変わらず。
ちなみにアイナは黄色だった。

「てか、魔力階級ってどこからが高いんだ?」

フューレンが首を傾げると、アイナはフューレンの階級を見て目を光らせる。

「やっぱりフューレンって実技もできると思ったら魔力階級も高いのね!素敵!」

「いいから教えろよ。」

するとアイナは軽く咳払いをしてから説明を始めた。

「白色からは高いと言われているわ。
魔力階級は全部で五つ、魔力も魔術も使えない人間には何も映らない、弱い者には赤、その次は黄、強い者は白、その上が青なのよ。
勿論、上に行くほど存在が希になる。あ、逆に何も使えない人間も珍しいんだけどね。
白の階級は、この学園で言えば他にノルス先生とかね。先生であっても完全な白のオーラを纏う人は少ないのよ。」

「へぇ。」

そう言うと、フューレンはふとキリエルの方を見る。
キリエルは鏡の前に出ようとしないのだ。

「キュースの階級は?」

すると、キリエルはギクッと驚く。
アイナは呆れた様子で言った。

「キュースは学園で授業をする時も階級を示したがらないの。まあ致し方ないと思うけどね。
魔術を巧みに操る白の階級を持つ父親がいるのに、キュースは全くダメな子供なんだからね。恥ずかしいと思うわよ。」

それを聞いて、フューレンは先程のキリエルの召喚術が使えないのを思い出して納得。
キリエルは言葉も出ないのか俯いていると、フューレンは言う。

「恥ずかしがるなよ。俺だって最初の内は、召喚術も上手く使えなかった。」

それを聞くと、キリエルはフューレンを見つめた。
フューレンは本当に何も気にしていない顔をするので、キリエルは顔を綻ばせて笑顔を見せる。

「フューレンにそう言われると、本当に恥ずかしくなくなるよ。」

そう言うと、キリエルは思い切って鏡の前に立った。
それを見ると、二人は驚いた。

キリエルからは、青色に近い白いオーラが出ていたからである。
アイナは喫驚して、思わず呟いた。

「青白い…!まさか、あのキュースがフューレンより上なの…!?」





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