相剋のドゥエット

うてな

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04 大家族

039 強い、美少女三人組。

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フューレンとワレリーはギルドの階段を下っていた。
フューレンは聞く。

「てか、そのブレスレットを管理してる機械とやらは一体どこにあるんだ?」

「さあ。建物の外に受信機があるか探してみてはどうですか?」

「探してみる価値はありそうだな。ワレリーは傷があるんだからそこでじっとしてろ。」

フューレンは早速近くの窓から顔を出すと、上の方を見上げた。

「こういうのって大抵上にあるんだよな。」

フューレンが上を見上げると、見上げた先には受信機らしいものは見つからない。
仕方なく下の方も見てみると、下の方からキリエルの声がした。

「フューレン!」

キリエルは悪魔の翼を生やして飛んできていた。

「キリエル!…モルビスは?」

「それが大変なんだよ!モルビスが侵入者の排除を任されたんだけど、その侵入者めちゃくちゃ強いらしくてさ!心配なんだよ!」

するとそこに、ぬるっとワレリーが窓から顔を出す。
キリエルは化物が出たかの様に驚くとワレリーは言った。

「キリエル、あなたはギルドに行くのを止めなかったのですね?」

キリエルは冷汗を浮かべると、次に反省した顔を見せる。
ワレリーに深々と頭を下げると言った。

「ごめん、牧師様。」

ワレリーは少し黙ると、キリエルに言う。

「キリエル、モルビスを探し出して外に避難なさい。例えギルドの者に止められても、傷つけても構いません。
私とフューレンがモルビスの呪縛を解くまでの間、必ずですよ。」

強く言われたので、キリエルは慌てて返事をした。

「は、はい!」

「大丈夫なのか?キリエル一人で。」

フューレンが聞くと、ワレリーはフューレンに微笑む。

「こう見えても彼はヘグリスメオン教会の悪魔の中で二番目に強力な魔力を持っています。
本気になればギルドの森全体も氷漬けにできてしまいますよ?」

フューレンはふと、地平線の彼方まで広がるギルドの森を窓から見つめた。

「まあ、あのくらい魔力があればな。」

キリエルは恥ずかしそうに顔を赤くする。

「でも氷漬けにはしないからね。じゃ、モルビスが心配だから僕は急いで行ってくる!
フューレンも牧師様もファイトぉ!」

そう言ってキリエルは飛びながらギルド内に入り、そのまま階段を下っていった。
ワレリーはそれを見守ると、次にフューレンに言う。

「受信機は上にありそうですか?一度上を見てみますか?」

「おう。」

フューレンはそう言ってメモ帳を取り出して陣を描いた。

「いでよ!ナイトゴースト!」

ナイトゴーストが出てくると、ナイトゴーストはワレリーを担ぐ。
ワレリーは驚いていると、フューレンは言った。

「流石に怪我人を走らせる訳にはならないからな。」

そう言ってフューレンは出発、ナイトゴーストも走り出した。
そんなフューレンに、ワレリーは思わず微笑。

「おやおや。」



キリエルはモルビスを探しながらも、襲いかかってくる相手を身軽にかわしていく。
どんどんキリエルの背を追う者が増えてくるので、キリエルは焦っていた。

「もう、傷つけないで探し回ってたらこの有様だよ!」

すると正面に、三人の少女を発見。
キリエルは思わず驚いてしまう。

「ギルドにいたお客さんとかかな!?やばいよ、助けないと!」

キリエルは三人に背を向け、庇う姿勢になった。
ギルドの者が追いつくと、キリエルは怖がりながらも言い放つ。

「こっ、この子達には手出しさせないぞ!」

しかしこの三人組、その内の二人はフロルの兄弟であるヤーナとアンゲリーナだったのだ。
最後の一人は黒髪の長髪で、なんとも魅力的な体つきをしている。
見た目からは大人しく、清楚な感じが読み取れた。
三人は不思議そうにキリエルを見つめている。
キリエルは慌てて魔術を口に出す。

「【アンスフィラ】!」

すると大量の水が生成され、敵陣に大量の水が押し寄せた。
敵陣は水流には勝てないのか、見事全員流されていく。
キリエルは何かに気づいたのか、魔術を使う。

「【クァルラグーム】!」

その掛け声と共に正面に厚い氷の板が道を塞いだ。
三人は思わず感心すると、キリエルは三人に言う。

「こっちだよ!今すぐ避難しよう!」

ヤーナやアンゲリーナはニコニコしつつも、キリエルについていく。
面白がっているのだろうか。
しかし正面からも敵陣が押し寄せてきていた。

「ゲェ!」

思わず驚くキリエルを傍に、ヤーナともう一人の女性は一歩前に出る。

「危ないよ!」

キリエルは慌てて言うと、ヤーナは敵陣に突っ込み一人ずつ殴り飛ばし始めた。
ヤーナはナックルダスターを付けている為か、一発一発がまた強力なのである。
敵の攻撃を人間とは思えない身体能力でかわし、敵を片付けていく。
もう一人の女性は連射式のクロスボウを手に持っており、一発一発相手の急所を当てるのだ。

キリエルは思わず呆然とすると、アンゲリーナはキリエルの隣に来て言う。

「凄いねお兄さん、強いんだ。」

アンゲリーナのニコニコとした顔が、どこかの牧師と微妙に重なるキリエル。
キリエルは驚きで声が出ていないので、アンゲリーナは続けた。

「お兄さん、最近巷で噂の【襲撃の悪魔】でしょ。特徴がそっくりだよ。」

「え…?」

キリエルはわかっていないのか、目を丸くする。
アンゲリーナは続けた。

「知らないの?人々が捕まるアジトやギルドを潰していく悪魔使いと悪魔達。
救われた人間は、この賞金首を狩る弱肉強食の世界を変える救世主だって言って騒いでるのよ。」

「救世主…?」

アンゲリーナは頷くと、クスクスと笑った。

「でもそんな救世主の一人が若いお兄さんだったなんて、アンゲリーナ驚き。」

キリエルは思わず照れた顔。

(確かにフューレンが来る前も、多くのアジトやギルドを襲撃したもんな…。
あれだけの人数を助けたら、騒ぎになるのもわからなくもない。)

そしてアンゲリーナは、一向に減らない敵陣を見て首を傾げる。

「これじゃいくらお姉ちゃん達が強くても時間かかっちゃうわね。」

アンゲリーナはそう言うと、敵陣の前に行く。
敵陣はか弱くて小さなアンゲリーナを見ると、そちらから攻撃しようと襲いかかった。
するとアンゲリーナはニヤリと笑うと、目を開く。

アンゲリーナの目はワレリーと同じように四白眼だが、目の色が真っ黄色。
その目は誰をも恐怖に陥れる目。
敵陣はアンゲリーナを見ると、なぜか足が竦んで動けなくなる。

それを好機と見たヤーナともう一人の女性は、一気に勝負をつけた。
あっという間に無残に惨殺される敵陣。
キリエルは恐ろしくて声が出なかった。

ヤーナやアンゲリーナは、キリエルを見て不思議そうな顔をしている。

「いつもアジトの人達を殺してきてるのに、怖がってるの?」

「ぼっ、僕は殺生はしないの!別のメンバーがいつもやってるの!」

するともう一人の女性は微笑むと、キリエルに言った。

「そうでしたのね。あ、私【キーラ】と申します。こちらはヤーナにアンゲリーナ、二人共私の妹です。
あなたはこのギルドを終わらせに来たのですか?」

キーラは容姿端麗な為か、キリエルは思わず頬をピンク色に。
しかしキリエルはすぐに切り替えて言った。

「ううん、仲間を探していてね。ここのアジトのどこかにいるんだ。」

「仲間…」

キーラが呟くと、アンゲリーナは笑顔で言う。

「じゃあ私達も探すわ。私達もここのトップの首を探してるから。」

「首…?」

キリエルは蒼白しつつも、一人で突破するのは困難と考えたのか三人と共に行動する事にした。





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