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07 悪魔に産まれた事
068 殺したという事。
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ワレリーは落ち着いた様子で家の椅子に座っていた。
コップに注がれたスープを渡され、体には毛布をかけられる。
「まだ病み上がりなんですから。」
と言ったのはフロル。
ワレリーは与えられた物は受け取るものの、何も答えなかった。
そんなワレリーに、オリガは苛立った様子で言う。
「もう一度だけ聞きます。ガリーナさんの事、本当なんですか?ワレリーお兄様が…」
「ええ。」
ワレリーが淡々と答えると、オリガは怒りのあまりに近くの机を拳で叩きつけてしまう。
大きな音が響く部屋、ジェミヤンはオリガを落ち着かせる。
「落ち着いてくださいオリガ姉様。」
「だって考えられる!?あんなに大好きだった人を、悪魔の誘惑程度で殺すなんて!」
「自分だって信じられないけど。ワレリー兄様の事だ、何か理由があったんだろう。」
「どんな理由よッ!好きな人を殺していい理由なんてどこにもないわ!」
オリガの怒りに、一同はしんと静まった。
ボリスも口をへの字に曲げて言う。
「オリガ姉様の気持ちはよくわかる。何があっても人殺しは良くないよ。」
それに対し、ジェミヤンは苛立ちを覚えた顔でボリスに言った。
「おいおい俺等一家が言える立場じゃないぞ?」
ボリスはジェミヤンの言葉が面白いのか笑った。
全く緊張感のない様子だった為、ジェミヤンは深い溜息をついた。
続いてジェミヤンは落ち着いた様子で、オリガにも言う。
「確かにワレリーお兄様がやった事は許されない事ですが、人殺しをしてる俺等が言ったところで何の説得力もないと思いますよ。」
それを聞いたオリガは黙り込んだが、そこでヤーナは言った。
「オリガ、ガリーナさん、好きだった。仲良しだったし。」
ヤーナは悲しそうな表情をしていた。
それに対しジェミヤンは眉を潜め、フロルは静かに頷く。
「まあ、ガリーナさんを慕っていたオリガにとっては辛いだろう。」
一同に再び沈黙が流れると、台所からキーラとアンゲリーナがやってきた。
二人はお盆に人数分のスープを置いてニコニコ。
キーラは言った。
「さーあワレリーお兄様、おかわりいかが~?」
場違いな笑顔に、オリガは更に不機嫌に。
ワレリーは両手にスープを貰うと苦笑。
「こんなに飲めませんよ。」
「だってだって、久々にお兄様が帰ってきたんですもの。気合入っちゃいます。」
ワレリーは困った様子でいると、オリガは鋭くキーラに言う。
「ガリーナさんの話を聞いて、そんなニコニコできるのキーラ姉様とアンゲリーナくらいよ。」
それに対し、キーラは首を傾げる。
「だって、ガリーナさんは他人だし。家族の一員じゃないですもの。
ワレリーお兄様だって要らないからこそ殺したんでしょ?別に間違っていないわ。」
オリガは再び机を拳で叩きそうになるが、それをジェミヤンが止めた。
オリガは机に向けられない怒りを、唸りで表す。
「最低!だから私は嫌いなのよ!キーラ姉様が!」
「妹に嫌われるのは残念だわ…」
キーラは困った顔をするので、オリガの怒りは更に募るばかり。
アンゲリーナはニコニコしながら言う。
「さり気なく私の事も嫌いって言ったよね?オリガお姉様。」
オリガはアンゲリーナの方を見ると、「ふぅっ」と溜息をついてから言った。
「アンゲリーナがニコニコしてるのはいつもの事でしょ。それに、アンゲリーナはガリーナさんの事全く知らないし。
別に嫌ってるわけじゃないから。」
「安心したよ。」
そう言ってアンゲリーナは笑った。
それでも空気が重い部屋。
そこで、扉をノックする音が聞こえてくる。
玄関の方からだ。
フロルは目を丸くしてから扉へ向かう。
「誰だ?」
さり気なくナイフ片手に扉に近づき、普通を装い扉を開けた。
するとそこにはフューレンが。
フロルは思わず目を丸くすると、フューレンは言う。
「ワレリーは?」
「…お兄様は戻らない。」
「嘘だ。」
「なぜ嘘だと思う?」
「勘。」
その言葉にフロルは眉を潜めた。
それから言う。
「勘とやらでワレリーお兄様の決定を推し量らないで欲しい。」
「確かにただの勘だけど、信憑性はあると思うぞ。」
その時だ。
背後からフェオドラが翼を広げてやってきた。
「フユーレン!!一緒にパーパ探そ!」
その声に、家の中にいたワレリーは反応。
思わず玄関扉の方まで歩いていた。
フロルはワレリーに気づくと扉を閉めようとしたが、そこにフェオドラが飛び込んできた。
フェオドラは勢いで家に入ってしまい、そのままワレリーの胸へと飛び込む。
「パーパだ!」
「フェオドラ、なぜここまで来たのですか。」
ワレリーが聞くと、フェオドラは笑った。
「パーパの場所は、私にもわかる!」
そう。ケリス同様、フェオドラにも契約者であるワレリーの居場所はわかるのだ。
ワレリーは呆れた様子になると、家にいたワレリーの兄弟達もフェオドラに興味を示す。
まず声を上げたのはヤーナだった。
「ガリーナさん、そっくり!」
その言葉にオリガは目を剥いて、フェオドラに駆け寄った。
フェオドラはヤーナの言葉を聞いて言う。
「マーマの知り合い?」
そしてやってきたオリガとフェオドラは見つめ合う。
オリガはフェオドラを見ながらも震えていた。
フェオドラはワレリーに言う。
「パーパ、この人達は…?」
ワレリーはフェオドラを抱き抱えると言った。
「助けてもらったのですよ、倒れた所を。」
それに空かさず、フロルは言う。
「ワレリーお兄様の兄弟ですよ、俺達みんな。」
それを聞いたフェオドラは目を輝かせ、嬉しそうに言った。
「パーパの家族!?じゃあフェオドラの家族だ!」
そう言うと、フェオドラはワレリーの腕から離れて部屋を飛び回った。
ボリスやヤーナは感嘆の声を上げ、アンゲリーナはフェオドラに興味津々。
「悪魔の子供を授かったの?ワレリーお兄様!」
ちなみにジェミヤンは愕然としていた。
悪魔の子供と聞いてショックを受けたのだろう。
そしてキーラは相変わらず興味を示さなかった。
フロルはと言うと、あまり驚いていない様子。
ワレリーは焦った様子で言った。
「帰りますよ、フェオドラ。」
フェオドラはそれに対し膨れる。
「ヤーダ!もっと話すー!!」
「いい加減になさい!」
ワレリーは珍しく声を上げたので、フェオドラは驚いて黙り込む。
それから涙目になるので、ワレリーは思わず口を噤んでしまう。
しかしフェオドラには何も声をかけず、そのまま家を出てしまった。
横切るワレリーを、フューレンは流すように見る。
それからフェオドラに言った。
「帰るぞフェオドラ。」
「うぅ…」
フェオドラは泣きながら、立ち去るフューレンの後を追いかける。
フロルは止めようとしたが、それをオリガが止めた。
フロルはオリガの方を見ると、オリガは呟く。
「もう、ワレリーお兄様を追いかけるのやめましょう。」
「オリガ…」
「ガリーナさんの子供が悪魔なわけないじゃない。ワレリーお兄様の子供が悪魔なわけもない…。」
その言葉に一同は黙っていると、オリガは続けた。
「でも…、確かにあの子は二人にそっくりだわ…!」
オリガは目に涙を溜めていたのか、雫を目から流す。
「もう…ワレリーお兄様が何を考えてるのかわからない…!」
静かに泣くオリガに、思わず兄弟達は少しずつ駆け寄る。
すぐに駆け寄ったヤーナは、オリガの背中を優しく撫でた。
少し遠くで見ていた兄弟も、オリガの気持ちをわかってあげているのか何も言わない。
フロルもオリガが泣く姿を見て、頭を優しく撫でるのであった。
コップに注がれたスープを渡され、体には毛布をかけられる。
「まだ病み上がりなんですから。」
と言ったのはフロル。
ワレリーは与えられた物は受け取るものの、何も答えなかった。
そんなワレリーに、オリガは苛立った様子で言う。
「もう一度だけ聞きます。ガリーナさんの事、本当なんですか?ワレリーお兄様が…」
「ええ。」
ワレリーが淡々と答えると、オリガは怒りのあまりに近くの机を拳で叩きつけてしまう。
大きな音が響く部屋、ジェミヤンはオリガを落ち着かせる。
「落ち着いてくださいオリガ姉様。」
「だって考えられる!?あんなに大好きだった人を、悪魔の誘惑程度で殺すなんて!」
「自分だって信じられないけど。ワレリー兄様の事だ、何か理由があったんだろう。」
「どんな理由よッ!好きな人を殺していい理由なんてどこにもないわ!」
オリガの怒りに、一同はしんと静まった。
ボリスも口をへの字に曲げて言う。
「オリガ姉様の気持ちはよくわかる。何があっても人殺しは良くないよ。」
それに対し、ジェミヤンは苛立ちを覚えた顔でボリスに言った。
「おいおい俺等一家が言える立場じゃないぞ?」
ボリスはジェミヤンの言葉が面白いのか笑った。
全く緊張感のない様子だった為、ジェミヤンは深い溜息をついた。
続いてジェミヤンは落ち着いた様子で、オリガにも言う。
「確かにワレリーお兄様がやった事は許されない事ですが、人殺しをしてる俺等が言ったところで何の説得力もないと思いますよ。」
それを聞いたオリガは黙り込んだが、そこでヤーナは言った。
「オリガ、ガリーナさん、好きだった。仲良しだったし。」
ヤーナは悲しそうな表情をしていた。
それに対しジェミヤンは眉を潜め、フロルは静かに頷く。
「まあ、ガリーナさんを慕っていたオリガにとっては辛いだろう。」
一同に再び沈黙が流れると、台所からキーラとアンゲリーナがやってきた。
二人はお盆に人数分のスープを置いてニコニコ。
キーラは言った。
「さーあワレリーお兄様、おかわりいかが~?」
場違いな笑顔に、オリガは更に不機嫌に。
ワレリーは両手にスープを貰うと苦笑。
「こんなに飲めませんよ。」
「だってだって、久々にお兄様が帰ってきたんですもの。気合入っちゃいます。」
ワレリーは困った様子でいると、オリガは鋭くキーラに言う。
「ガリーナさんの話を聞いて、そんなニコニコできるのキーラ姉様とアンゲリーナくらいよ。」
それに対し、キーラは首を傾げる。
「だって、ガリーナさんは他人だし。家族の一員じゃないですもの。
ワレリーお兄様だって要らないからこそ殺したんでしょ?別に間違っていないわ。」
オリガは再び机を拳で叩きそうになるが、それをジェミヤンが止めた。
オリガは机に向けられない怒りを、唸りで表す。
「最低!だから私は嫌いなのよ!キーラ姉様が!」
「妹に嫌われるのは残念だわ…」
キーラは困った顔をするので、オリガの怒りは更に募るばかり。
アンゲリーナはニコニコしながら言う。
「さり気なく私の事も嫌いって言ったよね?オリガお姉様。」
オリガはアンゲリーナの方を見ると、「ふぅっ」と溜息をついてから言った。
「アンゲリーナがニコニコしてるのはいつもの事でしょ。それに、アンゲリーナはガリーナさんの事全く知らないし。
別に嫌ってるわけじゃないから。」
「安心したよ。」
そう言ってアンゲリーナは笑った。
それでも空気が重い部屋。
そこで、扉をノックする音が聞こえてくる。
玄関の方からだ。
フロルは目を丸くしてから扉へ向かう。
「誰だ?」
さり気なくナイフ片手に扉に近づき、普通を装い扉を開けた。
するとそこにはフューレンが。
フロルは思わず目を丸くすると、フューレンは言う。
「ワレリーは?」
「…お兄様は戻らない。」
「嘘だ。」
「なぜ嘘だと思う?」
「勘。」
その言葉にフロルは眉を潜めた。
それから言う。
「勘とやらでワレリーお兄様の決定を推し量らないで欲しい。」
「確かにただの勘だけど、信憑性はあると思うぞ。」
その時だ。
背後からフェオドラが翼を広げてやってきた。
「フユーレン!!一緒にパーパ探そ!」
その声に、家の中にいたワレリーは反応。
思わず玄関扉の方まで歩いていた。
フロルはワレリーに気づくと扉を閉めようとしたが、そこにフェオドラが飛び込んできた。
フェオドラは勢いで家に入ってしまい、そのままワレリーの胸へと飛び込む。
「パーパだ!」
「フェオドラ、なぜここまで来たのですか。」
ワレリーが聞くと、フェオドラは笑った。
「パーパの場所は、私にもわかる!」
そう。ケリス同様、フェオドラにも契約者であるワレリーの居場所はわかるのだ。
ワレリーは呆れた様子になると、家にいたワレリーの兄弟達もフェオドラに興味を示す。
まず声を上げたのはヤーナだった。
「ガリーナさん、そっくり!」
その言葉にオリガは目を剥いて、フェオドラに駆け寄った。
フェオドラはヤーナの言葉を聞いて言う。
「マーマの知り合い?」
そしてやってきたオリガとフェオドラは見つめ合う。
オリガはフェオドラを見ながらも震えていた。
フェオドラはワレリーに言う。
「パーパ、この人達は…?」
ワレリーはフェオドラを抱き抱えると言った。
「助けてもらったのですよ、倒れた所を。」
それに空かさず、フロルは言う。
「ワレリーお兄様の兄弟ですよ、俺達みんな。」
それを聞いたフェオドラは目を輝かせ、嬉しそうに言った。
「パーパの家族!?じゃあフェオドラの家族だ!」
そう言うと、フェオドラはワレリーの腕から離れて部屋を飛び回った。
ボリスやヤーナは感嘆の声を上げ、アンゲリーナはフェオドラに興味津々。
「悪魔の子供を授かったの?ワレリーお兄様!」
ちなみにジェミヤンは愕然としていた。
悪魔の子供と聞いてショックを受けたのだろう。
そしてキーラは相変わらず興味を示さなかった。
フロルはと言うと、あまり驚いていない様子。
ワレリーは焦った様子で言った。
「帰りますよ、フェオドラ。」
フェオドラはそれに対し膨れる。
「ヤーダ!もっと話すー!!」
「いい加減になさい!」
ワレリーは珍しく声を上げたので、フェオドラは驚いて黙り込む。
それから涙目になるので、ワレリーは思わず口を噤んでしまう。
しかしフェオドラには何も声をかけず、そのまま家を出てしまった。
横切るワレリーを、フューレンは流すように見る。
それからフェオドラに言った。
「帰るぞフェオドラ。」
「うぅ…」
フェオドラは泣きながら、立ち去るフューレンの後を追いかける。
フロルは止めようとしたが、それをオリガが止めた。
フロルはオリガの方を見ると、オリガは呟く。
「もう、ワレリーお兄様を追いかけるのやめましょう。」
「オリガ…」
「ガリーナさんの子供が悪魔なわけないじゃない。ワレリーお兄様の子供が悪魔なわけもない…。」
その言葉に一同は黙っていると、オリガは続けた。
「でも…、確かにあの子は二人にそっくりだわ…!」
オリガは目に涙を溜めていたのか、雫を目から流す。
「もう…ワレリーお兄様が何を考えてるのかわからない…!」
静かに泣くオリガに、思わず兄弟達は少しずつ駆け寄る。
すぐに駆け寄ったヤーナは、オリガの背中を優しく撫でた。
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